らぶさばいばー

たみえ

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事情聴取

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 陽光の差さない暗くジメジメした地下の牢にて、私と兄、学園長にルドベキア王子、プラタナスに他騎士が数名集って怪しげな儀式を行って――いるわけもなく、普通に生け捕りにした魔獣を尋問していた。
 ガシャガシャと耳障りに鳴るのは、特殊な魔獣拘束用の鎖である。それに繋がれた魔獣は竜の形態であった。

『ギュルルルルルル……』

 先程からずっとこちら――正確には兄のほうだが――を威嚇しては、兄と目が合うと明後日の方向へと視線を逸らすというオバカワイイ仕草を繰り返していた。
 体長は見上げるほどの高さで数メートルもあり、成熟してそうなものだが、実際に成龍ともドンパチやったことがある兄が言うには、このサイズはどうやらまだ子竜なのだという。
 ……そう言われれば何故か可愛く見えてくるのは何故なのだろうか。

「見ての通り、君のお兄さんのお陰で今回の魔獣侵入の原因と思われる犯人を捕らえることが出来た。感謝するよ」
「当然のことを行ったまでです」
「素晴らしい臣下を持った私は幸せ者だ」
「もったいないお言葉でございます」

 王子の見え透いたよいしょを躱しつつ、無難な回答に留める。
 既に一度呼び出しを受けた身である。これ以上面倒な関わり合いにはなりたくはない。

「……違うな」
「何がですの? お兄様」

 連行から拘束まで黙々としていた兄が唐突に否定の声を上げた。疑問に思って兄に問いかけると、ちらとこちらを見て、少し迷ったように空に視線を彷徨わせ、不思議な謎掛けのようなことを言われた。

「お気に入りにつく匂いと同じ匂いがする」
「匂い、ですか?」

 ――なんだ、それ。

 よほど私が不思議そうな顔をしたからだろうか。兄が迷いながらも目をぐるぐるさせて遠慮がちにもう少しかみ砕いた言葉で言ってくれた。

「……ノヴァ。お前がお気に入りの湖だ」
「あ……」

 なるほど……。

 兄が言っているのはきっと、神の憩い間に繋がる例の湖のことだろう。ということは、神関連ということ。つまり、この竜は神に関係する……て!

「し、しし、神龍!?」

 見えない!

 もう一度囚われの竜を確認する。言われてみれば、くすんでいる灰色の体色が汚れなら、水洗いでもして綺麗にすれば白くなりそうな感じはある。しかし、ぽってりと膨らんだお腹。濁って見える金色のつぶらなお目々。どっしりとした二足歩行。唯一大きさはあるが、それだけである。
 私の言葉に反応したのか、心なしか偉そうに胸を張ったような気がしたが、どう言い繕っても神聖なる龍にしてはオーラも足りないし、……やはり、どう見ても体型がスリムな龍には見えない。

「……勘違いでは?」
『ギュルウ! ギュウギュウ!』

 私の言葉に反応して、神龍(仮)がガシャガシャと鎖を揺らしつつ、猛抗議らしき声を上げた。どうやら言葉は通じているらしい。

「うるさい」
『ギュエッ!?』

 兄の煩わしそうな声に反応し、神龍(仮)は頭を隠してお腹を隠さずの態勢で丸まり、兄から隠れたそうな仕草をした。……可愛い。可愛い、が、なんともぬぐえない残念感が悲しい。
 微妙な顔で神龍(仮)を見ていると、黙って私と兄のやり取りを聞いていた王子が割り込む。

「この竜が神龍だと、何故分かるんだい?」

 当然の疑問だろう。だが、兄に常識は通じない。

「匂いを知っているからだ」
「……どうやって?」
「会ったからに決まっているだろう。迂愚な男だ」

 かなり失礼なことを口走る兄の言葉は気にせず、王子は別のことが気になったようだ。驚きの表情で兄を見る。

「……すまない。だが、教えてほしい。どこで神龍と会ったんだい?」
「神の間だ。当たり前だろう」
「――――」

 どうやらそこで王子の思考はショートしたらしい。仕方がない。私も昔聞いた時、兄の妄想なのかと疑ったことがある身である。王子が何を考えていようと、何も言うまい。
 それより、一回スルーしてしまったが、これは怒っていいといえることがある。

「……お兄様。あれほどやめて下さいとお願い申し上げていたのに――!」
「すまん、つい。癖なんだ。気を付けるから責めないでくれ」

 私が何に怒っているのか。それは兄が私に無許可で私の匂いを嗅いでいる件についてである。かなり遠回しだったために気付くのに遅れたが、兄の言いたいことをちゃんと翻訳すれば「こいつは神龍。何故なら神の祝福を受けたお前と同じ匂いがするからだ」と言っていることになるのだ。
 完全にこれは確認のために無許可で私の匂いを嗅いでいる現行犯で逮捕案件である。証拠不十分で出来ないし、兄に悪気はないので許すしかないが。
 ついでに、だから言いにくそうにしていたのか……と合点がいく。

 そんなわけで、早々に白状して謝罪した兄を責めきれず、ぐっと声が喉に詰まる。謝罪までが潔過ぎて怒る暇も無かった。それにそもそも、六感全てが超人の兄の嗅覚では、嗅ぎたくなくとも特にこんな狭い場所では匂いを無意識に嗅いで嗅ぎ分けてしまうのだから怒るに怒れない。
 そんなわけで、諦めの息を吐きつつ、次の疑問が浮かんだので兄に質問する。

「……では、魔獣の群れを手引きした真の犯人は捕まっていないのですか」

 はっ! と兄の発言にいちいち固まっていた王子たちが再起動を果たした。それもそうである。犯人が捕まっていないのならば、第二第三の襲撃が考えられる。悠長にこんなところで時間を潰している時間は無い。
 すると、またしても少し答えに迷ったように兄は視線を宙に彷徨わせ、すぐに何かを決意したように第一声をキリッとした顔で発した。無駄に決まっていて腹が立つ。

「――怒らないで聞いてほしい」
「内容如何では怒りますわよ」
「――――」

 出鼻をくじかれた兄がたじろいだ。兄が怒られると自覚しているということは、それなりに重大事のはずである。笑い話で済むはずがない。なにせ、兄が自覚して前置きまでする話にろくなものなど今までなかったのだから。

「実は、――」

 私の言葉にたじろいだものの、視線の圧に負けたのか、やがて兄は語り出した。というより、自供をした。結論から言えば、兄のせいであったが、全て兄のせいとも言い難いというなんとも判断に困る話であった。
 ――内容はこうである。

 日課で森を魔獣の駆除がてら父と手分けして散歩していた兄は、いつもの魔獣とは違った種類のわずかな邪気を感じ取って気配を辿り、錆びれて古臭い妙な祠をみつけたという。
 今にも崩れそうなその祠の入り口はもはや劣化して潰れていたが、崩れた瓦礫の隙間から漏れ出る邪悪な気を感じ取った兄は、念のためにと瓦礫を消して祠の中を確認しに侵入したという。

「瓦礫を消す? どかしたのではなく?」
「邪魔なものは斬れば消えるものだろう?」
「…………」

 王子の至極当然の疑問を、一般人なら到底頷けない当然として返した兄は複雑な顔で黙り込んだ王子を無視して私にこう続けた。
 兄が祠の中に入ると、すぐに妙なひび割れた黒い玉が奥の祭壇に浮いていたのが見えたそうで、禍々しい邪気を感じ取った兄は、条件反射で視界に入った瞬間に木端微塵にそれを消失させてしまったという。

「……なるほど、その黒い玉が今回のことに関係あるんだね?」
「いや、違うが」
「…………」

 王子の明察をズバッと斬って捨てた兄は、気にせず話を続けようとした。……そろそろ王子への不敬が留まるところを知らない兄を止めるべきなのだろうか。だが、事情を知ってそうな重要そうな兄の話を私が「では後日代わりに……」などと後回しにしてしまうのは両者にとって悪手である。
 王子もそれを理解しているのか、兄が不敬な態度を取り続けても、周囲が眉を顰めて兄と何故か私を睨もうとも、周囲を無言であげた手で制し、甘んじて引きつった笑みで受け流していた。

 そんなわけで黒い玉を消失させた兄だったが、暗かったために力加減を間違えていたようで、余波で埋もれていた地下通路を偶然発見してしまったらしい。
 兄としては最初、特に探索するつもりはなかったが、謎の黒い玉のこともあり妙に祠のことが気になったため後で母に相談するために事前調査をしておこうと考えたらしい。
 そんなわけで地下通路を下って地下に潜った。

「たしかに、お母様に知られれば何故調べてから報告しなかったのかと怒られましたでしょうからね」
「まあ、そんなところだ」

 そんなところである。

 そうして、地下に潜った兄はすぐに謎の黒い玉など目ではないほど強力で邪悪な気配を感じ取ったという。地下崩落とかは考えず一直線に気配の元にすぐさま突貫したらしい。
 そうして目にしたのは、兄曰く「よく覚えていないが、ぺらぺらとよく話す霊体で、邪神を自称していた存在」だったらしい。

 そんなこんなで最初は母への調査報告のために大人しく邪神(自称)の話を適当に聞いていた兄だったが、邪神(自称)が自慢話しかしなかったため、途中で話をぶった切ってそいつといきなりの大戦闘になったらしい。

 最初から超展開の超絶クライマックスである。

 ちなみに、その自慢話の内容とやらは断片的に覚えているという兄によると「我が復活により世は再び絶望に――!」とか、「我が配下に加われると僥倖にも……」とか、「ま、まあ待てっ、世界の半分ならどうだ!?」とかだったらしい。
 気のせいか、自慢話というよりは復活した悪役による演説、前座の悪役による懐柔、下っ端の悪役による命乞い、という風に流れが変わっている気がしないでもない。

 ……気のせいだろう。こんな三段ギャグっぽいことを邪神(自称)様が言うとは思えない。きっと兄の記憶違いだろう。おそらく。きっと。
 そんなこんなで邪神(自称)は復活? した直後に兄が消し飛ばしたそうだ。

「……聞いて良いかな?」
「なんだぼん――」
「どうぞ」

 またしても暴言を吐こうとした兄の言葉を遮り、代わりに王子に答える。兄は少しムッとしたが、私が言ったので口を即座に閉じて黙った。王子はといえば、もう兄の暴言はスルーするつもりのようで、私が咄嗟に出した代わりの許可に「ありがとう」と口パクでお礼を言う。
 兄の私に対する態度と王子や周囲に対する態度を鑑みて、話を進めやすいほうに舵を取ったともいえるが。

「その邪神とやらが復活したというのもそうだけど、それが事実だとして、確実に邪神を倒したという証拠はあるのだろうか」

 まあ、王子がそう思うのも無理はない。というより、正論だろう。貴族の礼儀も弁えない兄の言葉だけを信じるのは為政者としては有り得ないからだ。空想の物語を語ってるパッパラパーと言われても文句は言えない。
 私もこの話に関しては兄の性格上、事実だとは考えているものの、公式的に「邪神復活、即没す」などと前世のRPGのノリならともかく現実なら一大事の大問題である。
 更に言えばここが乙女ゲーの世界であると考えている私は余計、そう簡単にジャンル違いな兄の話を事実として庇えない。説得力も無い。
 ――だが、やはり兄はジャンルを間違えているらしい。

「なんだ、そんなことか」
「それは……!」

 そう言っておもむろに魔法でどこかの空間からか取り出したのは、

「まさか、『神の試し』か!?」

 そう叫んだのは、王子でも騎士でも兄でも私でもなく、黙って話の成り行きを静かに見守っていた学園長であった。……今の今まで影が薄すぎて完全に忘れていた。
 学園長は感動したように兄に詰め寄ると、恐れ多いとでも言いたげに一定の距離から進まずに兄の取り出したものを凝視していた。

 兄が取り出したもの、――『神の試し』と言われるそれは、一見、ただの綺麗な一輪の花に見えるが、それは仮の姿であり、本来の機能は膨大な記録の媒体である。
 神が認めた戦士にある日特別に送られるというそれは、並大抵では手にすることが出来ず、何百年、もしくは何千年ぶりかは分からないが、今の今まで公式的に幻のアイテム扱いになっており、久々に手にしたのが兄かもしれないような幻の神の花。
 まごうこと無きウルトラレアアイテムだ。

「記録ならこれを確認すればいい」
「な、なるほど……」

 怪しい話に証拠を求めたら何故か神物が出てきたでござる。今の王子の心境を思えばこんな感じだろうか。とても複雑そうな顔でなるほどとしか言いようがない王子がもはや可哀想である。
 と、そんなことよりだ。

「それよりお兄様。それではその邪神の復活が影響を及ぼし今回のことが起きた、ということですか」

 逸れに逸れまくった話を軌道修正するように兄に問う。「そ、それよりとは何事ですかっ、これは凄いことなのですぞ!? デルカンダシア嬢!」となにやら学園長と周囲が泡を吹く勢いで慄いていたが、何事も何も気にしない。兄が凄いことは昔から知っている。
 凄い、確かに凄いが……今はそれが問題ではないのだ。目の前の大物に気を取られて、本来得るべきだった物をないがしろにしては元も子もない。しっかりと原因だけは聞いておかないと兄の事だ、しばらく話しているうちに「すまん、忘れた」とか言われたらたまったものではない。

「ああ、どうやら自身の砕け散らばった肉体が復活によって集まるように活性化している最中だったらしい」
「でも、その邪神とやらは倒してしまったのでしょう?」
「ああ、消え際に第二第三のなんとかがと言っていたな」
「……そうですか」

 て、テンプレ過ぎる。兄の視点で見てしまうと、邪神が小物にもほどがあるのが唯一の欠点だが。

「だから、そいつの身体に憑りついた欠片が魔獣を活性化させて引き寄せたのだろう」

 と、兄が神龍に視線を向ける。

 ここでやっと神龍が魔獣と居た謎に話が繋がったわけである。しかし、ここで私は気付いた。あれ? 兄を怒る要素なんてないような……と。そんな疑問を思い浮かべた私に気付いたのかいないのか、おそらく後者な兄はこう続けた。

「倒した際に繋がりごと斬ってしまったからな。今頃あちこちで操られていた魔獣の統率も切れて暴れ始めたことだろう」

 しばし、その場の空気が凍った。

 ぎぎぎ、と錆びた人形のようにぎこちなく兄にゆっくり視線を向けると、バツが悪そうに視線を明後日に逸らし、兄は続けて嬉しくない情報も提供する。

「ちょうどノヴァに呼ばれたから断ち切った繋がりの先は確認出来ていないが……相当な数だった」

 それを先に言え! と思ったのは私だけではないはず。
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