らぶさばいばー

たみえ

文字の大きさ
上 下
4 / 100

入学式

しおりを挟む

 豪華な丸テーブルとそれを囲む豪華なソファ。テーブルの上には煌びやかなお菓子がタワーのように美しく飾られており、テーブルに沿う湾曲したソファには新入生が談笑しながら座って待っていた。
 広い会場には間隔を空けて同じようなセットが並べられている。まるで金持ちの豪華な結婚式会場に間違えて訪れてしまったような光景だが、ここは紛れもなくシネラリア学園の入学式会場である。
 もうすでに帰りたい気持ちを押さえこみ、入口で教えてもらった指定席へと向かう。なんなら会場をあちこち歩き回る執事みたいな恰好のウェイターがご丁寧にエスコートまでしてくれる。
 ……やっぱりもう帰りたい。帰っちゃダメかな?

「――お嬢様。こちらへどうぞ」
「……ええ、よろしくてよ」

 間違ってもありがとうなんて言葉を返してはいけない。貴族とはそういうものらしい。ここでエスコートしてくれたのが自分よりも上位身分の殿方ならお礼は言っても問題ないけどね。マジ面倒。
 実は私の返答もギリギリの返答だったりする。本当なら無言でそのまま無視して座るのが大正解なのだ。前世の日本人としての記憶もあって、未だに慣れない結果がこの返答である。
 自分の家の中でお礼を言うぶんには身内なので何も言われないが、こうした大勢が集う公の場では不釣り合いな発言をした途端に噂が広がり、最終的には貴族の礼儀に疎い小娘と影でクスクス社交界で笑われてしまうのだ。
 これも家のため。神経を使って面倒だけど耐えるしか道は無い。母譲りの優し気な風貌を存分に生かしてふわりと柔らかく微笑む。相手の緊張がほぐれたのを確認してから言葉を紡ぐ。

「――初めまして。私、デルカンダシア辺境伯が娘、シオン・ノヴァ=デルカンダシアと申します。以後、よろしくお願いいたします」

 日本人の癖で挨拶の後に頭を下げそうになるのを顎を引いてグッと耐える。頭を下げることなく、手を太ももの上に置いたまま真っすぐに背筋を伸ばして告げた。座っていると意外と綺麗な姿勢は持続しにくいものである。訓練したけど。
 私が挨拶したことで完全に緊張が解けたのか、令嬢方が上品に微笑み返してくれる。残念ながら貴族の令嬢にお上品でないタイプはほぼいない。いたとしても生涯家から出さないか、矯正される。
 会場の大体でそれぞれの席は四人座り。しかもおそらく身分ごとに分けられている。私が座ったところは既に三人のご令嬢が座っていたので挨拶を行うのは私からだった。
 ここの常識では混乱を避けるために身分の低いモノから順番に会場入りする。分かりやすく言えば貴族の社会では重役出勤が当たり前、ということである。
 なので私が一番身分が高く、しかも基本は身分が高い貴族から声を掛けないと挨拶すら出来ないため自己紹介を座ってすぐに行ったのだ。
 ……そのルールを逆手に下位の貴族をイジメるご婦人が居ないでもない。だが、そんなことを公の場で実行すればたちまち噂が広がり自分の評価が下がる。社交界は評判が全てなのでご婦人に限らず、家名にまで響くこともあるほどの死活問題となる。そのためよほど仲が悪くないと実行はされない。

 ――確か主人公はその禁忌タブーを犯してしまいイジメられるイベントが起こったはず。

 私の挨拶に続いて順番に見知らぬ令嬢方が挨拶を返してくれる。頭の片隅で主人公のことを考えながらもそれぞれに対応していく。それぞれ伯爵、子爵、男爵と分かりやすい身分順である。
 公の場で貴族と会話をするときは話しかける順番も存在するので、相手を間違えないように覚えなければならない。一応私も次期当主候補として最低限の知識を学んでいるのでそつなくこなせる。ようは慣れなのだ、どんな事柄も。
 お淑やかに自己紹介を進め、それぞれの領地の話や趣味、果てはゴシップを聞いて時間をやり過ごす。いわゆる女子会と変わらない近況報告のようなものだが、秘密は口頭でしか伝えない貴族の習性があるのでこういう付き合いはバカに出来ない。スマホ一台で全ての用件を済ませられていた前世が懐かしい。
 令嬢たちの話に耳を傾けながらちらりと会場の後ろ側を確認する。身分の高いものが基本的に広場のステージ近くに席が用意されており、庶民ともなれば会場の入り口付近のステージから程遠い場所に席が配置されているはずだ。
 ちなみにこの学園は貴族だけでなく優秀な庶民も入学出来るが、大体は老舗や勢いのある商家出身であったり、貴族に縁のある騎士や学者などの名士の家系出身だったりする。その点でも孤児院出身の主人公は肩身が狭い。
 設定ではたしか育った孤児院へ恩返しするために就職先と人脈、知識の幅が広がる学園への入学を決心したとか健気な理由だった気がする。結局、ゲームでは身分違いの貴族相手で恋に現を抜かしたから散々な目に合ってしまっていたけど。それについては完全にプレイヤー側の責任、というよりエゴが元なので単純に申し訳ない。
 令嬢たちの長話をちゃんと聞いたうえで相槌しながら、器用にも主人公を探し当てた。どうやら道には迷わなかったようで、普通に指定席に座って同じ庶民仲間と仲良く会話していた。
 遠目ではっきりとは見えないけれど、並べられたお菓子に目をキラキラさせて知り合ったばかりだろう女の子たちと食べあいっこなんてしてる。

 ――いいなあ、楽しそうで。私もあっちに混ざりたい……。

「――デルカンダシア様、こちらはボリュメール領産のクリームを使っておりますの。すっきりとした甘みが今ご婦人の間で噂になっているそうですわ」
「――まあ、素敵。私も頂いてみようかしら」

 腹の探り合い、というほどではないけれど神経を使って食べるショートケーキはあまり味を感じない。貴族として産まれたことで得したことも多いけど、やっぱり前世の自由な暮らしを思い出すとこういうとき味気ない。唯一の救いは母が公の場でない限り礼儀にうるさくなく、むしろ付き合いというかノリがいいことくらいだ。母の元に産まれて来れた事実だけは間違いなく良かったと断言できる。
 そうして長いようで短いお茶会をしていると、やっと時間が来たのかステージに教師が登壇した。学園の教師は男女身分の差別は無いため、純粋な実力主義である。ただ、先生方はほぼ全員が庶民出身だ。
 というのも。婚姻で家を繋ぐことがほとんどで人脈を広げるため来ているだけの貴族が多いのと違い、ほぼ安定した就活目的で来ている庶民の多くが必死で勉強して入って出ていくのが反映されているといっても過言ではない。
 ただ、庶民の先生が多いため万が一貴族間のトラブルが発生した場合は上位貴族の生徒が対応することもままある。そしてたった今共に登壇した生徒会役員はまさに先生を助け、生徒が従う身分のエリート集団で構成されている。
 ……言うまでも無いが、攻略対象者たちはゲームでも生徒会として活動していたし、私が座っている現実のこの学園でも同じシステムと裏事情であるため登壇しているのも彼らである。

「「「はぁん……」」」

 先程までどこそこ産のどこそこの何々が~とそこそこお菓子談義で盛り上がっていた令嬢たちが悩まし気な息を吐いた。正直気持ちは分かる。見ている分には綺麗なので無害だもの。……見ているだけならね。
 ゲームで彼らに散々殺されてきた身としては、あのお綺麗な顔でよくもまあ散々殺してくれたもんよねと、主人公に変わって複雑な気分である。おそらく表情も微妙なものになっているに違いない。

「――良き学園生活を」

 複雑な心境のままおそらく会場内でも一人だけ微妙な表情を保ったまま生徒会長でもある第一王子の挨拶を聞き流す。ゲームで周回プレイしていた私にとっては何度も繰り返し聞いた内容なので聞き流しても問題ない。遠くまで通る良い声なので、ちょうどいいBGM変わりである。

「…………?」

 王子の挨拶が終わって降壇しても未だに横で悩ましい息を吐き夢の世界で揺蕩っている令嬢たちを放置気味に、早く終わってくれないかなーと先生たちに電波を送っていると不思議なことが起こった。
 ステージまで距離にしては身分的にそこまで離れていなかったけれど、そこそこはある距離である。しかし気のせいでなければ、不思議なことに挨拶が終わった王子がこっちを見たような気がするのだ。
 ちょっとチラ見した程度だったのでおそらく気のせいで間違いないだろうけど。

「まあ……今こちらを見たのではなくって……?」

 ――え。

「ええ、ええ、私もそう思いましてよ!」
「やはりそうですわよね!」
「…………」

 ……気のせいではなかったようだ。マジか。なんで?

 何か目立つようなことをしただろうか。――いや、していない。それは断言できる。もしかしたら私たちの方向に何かしら気になるものがあったのかもしれない。今一度改めて王子のチラ見した線上を確認してみる。だが、さりげなく見た後方には特に目立つ者は居なかった。
 では、と失礼にあたるが前方の席を再度目を凝らしてみてみた。薄い天蓋が上から垂れて掛かっているので、外側からだと薄くしか見えないのだ。中からはバッチリ透けて見えるんだけどね。つまり高貴な身分であればあるほどに後ろの様子は気付かれにくく観察可能なのだ。逆はバレやすいけど。
 そうして失礼に当たらない程度に目を凝らして前方を観察していたら、なんとなしの理由が判明した。若干軌道からズレているような気がしないでもないけれど、あの悪役令嬢であるカトレア・ラス=エーデルワイス公爵令嬢が居たのだ。
 理由が分かってホッとするとともに、やはり何かが引っかかってモヤモヤした気持ちになる。なんだろうか、この不安は。それでも立派な理由なので、盛り上がっているところを悪いが令嬢たちを鎮めるために声を掛けた。

「――皆さん。きっとご婚約者様へ視線を向けておられたのですわ」
「……まあ」
「……そうですわね」
「……その通りですわね」

 次期王妃である公爵令嬢はやはり有名なのか、私の言葉に気落ちしながらも私同様にカトレアの姿を確認したのか、やっぱりねと反応する令嬢方がいた。可哀想だけど、宥められて何よりである。むしろ万が一にも王子が別の誰かへ視線を向けていたとしたら大問題である。
 ……一時期とはいえ、ゲームで王子を誑かせた主人公恐ろしや。操作したのは私たちプレイヤーだったけど。後ろでは当の主人公らしき少女が目立つことなく大人しく入学式を過ごせていた。イベントではもっと色々な失敗をやらかして目をつけられていたのだけど……。案外としっかりした娘なのかもしれない。
 貴賓や在校生新入生の挨拶ラッシュが終わると、その後の入学式の進行では先生方の紹介や入寮についての説明。また、クラスでの授業についてや部活動についても説明があった。そこらへんは基本的に日本の学校形態となんら違いが無いのですんなりと受け入れられた。
 ただ初めて集団活動をする貴族の子女も多いため、より細かい説明がされるのだ。特に身分関係のいざこざは出来るだけ失くしたいと思っている教師陣が、それはもうご丁寧に説明してくれる。重点的に不必要な身分の振りかざしがないようにと力説する先生方の苦労が伝わってきた。
 分かりやすく言えば、嫌がられるパシリはするな、とか。貴族に大してあまり喧嘩腰になるな、とか。まあ双方にとって素晴らしい助言をして下さっている。……理解できている人がどのくらいいるのかは推して知るべし――。
 庶民でも優秀な人材であれば貴族から直接声を掛けてスカウトすることもあるので、次期当主として教育されてきた人物ならそのくらいは心得て分かっているだろうし、それを狙った就活目的で来ている庶民であればなおさら心得ていることだろう。
 問題なのは嫁入り、婿入り前提の教育しかされていない貴族と、貴族の社会に合わせられない荒れた性格の庶民だ。どちらもプライドばかりが高くて衝突することはよくある。おそらくその人たちへ向けて力説して下さっているんだろうけど、私の横で再びお菓子に舌鼓を打つご令嬢方には伝わっていないようだ。
 人の話はしっかりと聞きましょう――なんて、保育園の先生みたいな注意を行わなければならないのは結局のところ話の内容を心得ている一部の上位貴族になる、というわけだ。考えたら場所の配置もそれを考慮されているのかもしれない。
 蝶よ花よと箱入りで育てられたため仕方のないことだが、我儘で聞き分けの悪い大きな子どもみたいなのがここの普通だ。これが学園で集団生活を経て見分を広めることにより改善することもあれば、逆も多くいる。
 特に今は一生懸命に話しているのが庶民出身の教師であるため、周囲を見た限りでもしっかり聞こうとする貴族のほうが少なそうだ。庶民は死活問題なので真面目に聞いているというのに……。こんな長く静かにじっと過ごすことが無いので姿勢は酷いものだが。聞いていないよりはマシだな。
 ――こうして、未だにモヤモヤと色々不安な気持ちを押さえ、ため息が出そうになるのを我慢し、私もまずは横の大きな子どもたちへ注意を促すことにしたのだった――。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜

矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】 公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。 この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。 小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。 だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。 どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。 それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――? *異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。 *「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。

死んだはずの悪役聖女はなぜか逆行し、ヤンデレた周囲から溺愛されてます!

夕立悠理
恋愛
10歳の時、ロイゼ・グランヴェールはここは乙女ゲームの世界で、自分は悪役聖女だと思い出した。そんなロイゼは、悪役聖女らしく、周囲にトラウマを植え付け、何者かに鈍器で殴られ、シナリオ通り、死んだ……はずだった。 しかし、目を覚ますと、ロイゼは10歳の姿になっており、さらには周囲の攻略対象者たちが、みんなヤンデレ化してしまっているようで――……。

【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!

春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前! さて、どうやって切り抜けようか? (全6話で完結) ※一般的なざまぁではありません ※他サイト様にも掲載中

【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう

蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。 王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。 味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。 しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。 「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」 あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。 ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。 だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!! 私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です! さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ! って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!? ※本作は小説家になろうにも掲載しています 二部更新開始しました。不定期更新です

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

悪役令嬢は婚約破棄したいのに王子から溺愛されています。

白雪みなと
恋愛
この世界は乙女ゲームであると気づいた悪役令嬢ポジションのクリスタル・フェアリィ。 筋書き通りにやらないとどうなるか分かったもんじゃない。それに、貴族社会で生きていける気もしない。 ということで、悪役令嬢として候補に嫌われ、国外追放されるよう頑張るのだったが……。 王子さま、なぜ私を溺愛してらっしゃるのですか?

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

処理中です...