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14歳と寒菊の…
序列2
しおりを挟むそしてこの序列、何故か婚姻順で優遇されるのだ。これは別に絶対的な決まりというわけではないが、世間では先に出会ったもの勝ちという認識で広まっている。
つまり先に出会えたことこそが強い運命の導きの賜物であり、夫婦として最も深い繋がりを持っているのだと信じられているのだ。
理屈も言いたいことも分かるが、前世の記憶があるマリアンヌは微妙に納得がいっていなかった。一夫一妻制が基本だった前世の記憶に引っ張られているだけなのかもしれないが。
なにせ、この世界では夫婦の浮気や不倫という概念自体が薄いのだ。たとえ一夫一妻でも、新たに運命の出会い――綺麗に言っているが実質的に浮気や不倫――があれば伴侶として迎えても特に問題は無いのだ。
いや、意外と内情はもしかしたらドロドロなのかもしれないが……世界的にみてもそれが常識として例外を除いて受け入れられているのが実情だった。
例外というのが既婚者同士であった場合のみであり、何故かその場合においては不純扱いであり、まずもって先に離婚という手順を踏んでフリーになってからでないとアプローチしてはならないのだそう。
……先日ノエルやネロにちょっかいを出そうとした相手も調査した結果は未婚であったので、実はぎりぎりグレーゾーンだったと言えなくもないのだ。それでも裏でしっかり制裁は与えたが。
一夫一妻だった場合から新たに伴侶を迎え入れると、先に婚姻した順で序列が決まる。
それに倣って一夫多妻や一妻多夫の場合も、先に婚姻した順で序列が決まるようになっているのだ。
これはマリアンヌであっても容易に無視できない世界の常識なのだ。
……既に今年に入ってから国外の王侯貴族などから正式な見合い話まで届いている。
今後、政治的な理由で結ぶ婚姻もあるだろう。
だからこそ国内貴族であり、アンドレお父様の信頼出来る部下の息子であり、色々な意味で天才であり有能であるジゼルを早めに夫に迎えたいという打算込みでマリアンヌは婚約を提案していた。
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