【R18】女帝様のお気に召すまま

たみえ

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14歳と寒菊の…

呼び出し

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「――と、いうわけなのだけど公爵。ジゼルが不能であるというのは、本当のことなのかしら」
「そ、そんなはずは……! 確かに息子は容姿に恵まれているとは言えませんし、種族があの妖精族です。ですが、半分は人間の男由来の生殖方法と同じはずでございます! 精通自体も確実に確認しております! なぜジゼルがそのような嘘を……」

 マリアンヌよりよっぽど混乱しているらしく、捲し立ててひたすら小さくなって謝罪を繰り返す公爵がなんだか見ていて憐れだ。父親といい、息子といい、全て家の為に仕事を長年誠実にこなしていて、それが今回実を結んだだけだというのに。そのせいで犠牲にしただろう家族関係での苦労が偲ばれる。
 後ろでアンドレお父様が終始無言なのが何故だか怖い。今回は可愛がっている部下の息子だったからとマリアンヌへ薦めた手前、思うところでもあるのだろうか。

 それでもジゼルへの調査自体は見合い前に徹底して行われたはずなので、アンドレお父様にとっても今回のことは想定外だったのかもしれない。
 とりあえず、マリアンヌとしてはこの世界では醜いと言われる容姿の者にありがちな卑屈さが全く見受けられないジゼルは欲しい夫、――もとい人材である。

 特に引きこもり好きである人の好き嫌いが激しいノエルと、裏方での暗躍が落ち着くらしいネロたちだけではカバーしきれない表での夫としての活動を任せるにはうってつけに見えた。
 生殖の問題ではない、ということは額面通り受け取ると興味が無いということになってしまう。それはそれで好物だが、それで納得して話が夫探しからという振り出しに戻って困るのはマリアンヌであった。

「――確認しましょう」

 本当に興味が無いのかどうか。話はそれからである。
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