154 / 171
14歳と寒菊の…
性悪:別解
しおりを挟む尽く地下労働行きの自称イケメン達の犠牲の元、残った数多いモブ候補たちをどうやって仕分けるか、マリアンヌは考えた。そしてすぐに思いついた。
――最悪、身体の相性が良ければオッケーじゃない?
ヤレるのなら、立派な夫である。
それなりの容姿で性悪だったとしても、相手にそれなりの情が湧く可能性は高いだろう。という期待のもと、お試し性交を行うことにした。マリアンヌが夫として認められるほどに相性が良い相手ならそのまま契約も出来て一石二鳥である。完璧な計画だ。
……と、マリアンヌは悦に浸った。
が、マリアンヌは早々に愕然とすることになった。あまりの性交相性の悪さに。
モブ候補たちが決して悪いわけではない。
彼らは普通であっただけなのだ。決して、悪いわけではない。
多少、緊張で手こずることはあっても、初々しいもので、普通に最後までヤレたのだから。
ただ、マリアンヌが普通では満足できなかった。ただ、それだけなのだ。
思えば、ノエルとの初めては色々な意味で異常な性交渉だった。夫になった後も、生理中によく体液ごと吸引されている。……字面だけ見たら、ドン引きの変態である。
ネロとは日常の隙間時間に立ったままスリル満点で性交渉を行っていることが多い。実際にはネロが周囲の気配に敏いので、マリアンヌだけスリル満点であるが。……ベッドで普通にしたのはいったいどのくらい前だったか。
こうして、図らずも副産物としてマリアンヌは己の乱れた性生活の異常性に気付くことが出来た。そして同時に、身体の相性で探すという難易度が鬼レベルであるということにも。
大勢のモブ候補たちは、マリアンヌとの記念性交を一生の思い出として、とぼとぼと帰るハメとなった。
――容姿か身体の相性か。
紆余曲折とあらゆる葛藤と学びを経て、どちらも無謀であると判断せざるを得ないところまで追い詰められたマリアンヌは、とうとう最初の性交渉以外は完全レスの仮面夫婦でも見繕うか、と考え始めた。
ところがそんなマリアンヌを憂慮したのか、三年目の夫候補情報は思わぬところからもたらされた。
「候補を見つけてきました。こちらが調査資料です」
うちの夫が有能過ぎる件について。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
610
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる