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ネロのはなし

女神との姦淫14

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 ネロは女王に言われるがままオイルマッサージとやらを行っていた。ネロの知識の中に正しい手順の記憶はないため、何の疑問も無く言われた通りに女王の身体の表面に香油を塗りたくっていた。
 顎下から股内、つま先に至るまで丁寧に塗り込んでいた。

 全身塗り終わっても特に何も言われなかった為、まだ足りなかったかと勝手に解釈してどんどん女王を香油まみれにするように塗りたくる。
 全身がテカテカと光り輝き、これでもかと潤ったところで小さく呻いた後、むくっと女王が半身を起こしてネロの腕を掴みながら真顔で告げた。

「……もういいわ」

 ネロは一瞬不思議に思ったが、マッサージとやらは完了出来たのだと解釈して受け取った。
 動きが完全に止まったために腕を離されたネロは颯爽と後片付けに移行した。条件反射であった。

「あなたいくつ?」

 と、ネロが後片付けをしていると、テカテカと光る半身を起こしたまま女王が問いかけてきた。ネロは即座にルネの情報を良いそうになり、思いとどまり、実年齢を告げた。
 既に偽情報はバレているうえ、実年齢は状況を鑑みて申告済みであった。ここで嘘をついても意味が無い。

「……22です」
「そうよね。そう申告してるものね」

 ――女王はやはり知っていた。

 真顔のまま頷く女王はやけに静かである。どこかピリピリとした不穏な感覚を得ながらも、ネロは気にせず後片付けを続け、残りは女王の着替えを手伝うという段階で再びの女王の言葉に首を傾げることになった。

「――ルネ、今すぐ全部脱ぎなさい。そして横になるのよ。私が直接、本物のマッサージのなんたるかを教えてあげるわ」

 ネロがまず感じたのは、やけに女王の視線が鋭いということ。次に、有無を言わさぬ無言の圧力に様々な疑問が浮かびそうになり、しかし先に素直に従ったほうが良いとした直感。
 すぐさま侍女服を手際よく脱ぐと、女王が先程まで横たわっていた寝台に横たわる。女王が直近まで寝ていたためかまだ表面が暖かい。
 だが、言われるがままに素早く行動したネロであったが、ここでやっと疑問が追い付く。

 ――本物のマッサージ?

 ネロは自分の不慣れさに女王が怒ったのかとも考えたが、それにしては怒りとは別種の威圧であるようにも見えた。ひとまず知らないことは仕方がない。貪欲に技術を吸収してきたネロは女王の反応を素直に待った。
 そして自身の考えの浅さに、数瞬後には身の竦む思いをすることになるとは露程も、この時のネロには察せないことであった――。
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