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13歳と白百合の…

淫靡

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「ふぁ、あぅ、ぁ……!」

 今まで全くもって反応の乏しかったルネが、はくはくと空気を求めるように上気して赤らんだ顔で、息苦しそうに目を虚ろに彷徨わせていた。強力な加護に守られている女王らに媚薬だ。暗殺者として毒薬などの訓練を受けているだろうルネでなければ、ここまで軽い症状で済むはずもない。
 ……少なくとも、ただの一般人なら泡吹いた白目の気絶状態のまま、一週間は無意識に腰を永遠と振り続けてるだろうくらいにはヤバい薬である。ちなみに自慰行為ではなく、壊れた人形のようにただひたすらに腰を振っているだけだ。

 主な後遺症は薬の効果期間中について曖昧になる記憶障害と、その間に何をされても全てが強制的に快楽へ変換されて碌な抵抗が出来ないことぐらいだろう。まさに禁薬。禁薬でなかった時代では多くの場合、なんと貴族令嬢が最も多く――もっと成分を薄めたものだが――乱用していた。
 今はそこまでではないが、昔はもっと女神信仰にかこつけて高貴な女性はやりたい放題だったのだ。例えば、好みの男を囲うために、既成事実で特に下位の者から夫を奪っていた者もいたという。だが、ある時知らずに女王の夫に手出ししようとしたバカがおり、火遊び程度と放置していた当時の女王の怒りを買って禁薬指定されたという。

 まあ、夫に手を出されるまで実情を知らなかった当時の女王の怠慢以外の何物でもないとは思うが。歴史的に客観視するとその時代は戦争が蔓延っており、それに女王が適宜対応して忙しかっただろうことが伺えるため仕方なかったといえなくもない。そういう経緯で禁薬指定されてからは、裏社会以外で使用しているものはいない。
 意識が吹っ飛ぶために拷問には使えず、どんな刺激を与えても快楽になるため変な性癖を植え付けるだけになり後々面倒になるだけ。そんな薬をマリアンヌは使う予定ではなかった。女として負けた心地になるからだ。
 だが――

「ぅん……悪くないわね」

 先程とは違って無意識だろうが、腰を必死に擦り付けてくるようになったルネを感じてマリアンヌは使ってよかったとほくそ笑んだ。
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