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ノエルのはなし
女神との邂逅15
しおりを挟む「あががっがががががぁっ?」
壊れた人形のように、白目を剥いたまま腰を細かく振るい始めたマリアンヌに、ノエルは恍惚とした溜息をもらして堪能していた。実は、ノエルは行為の際のいわゆる体液という体液を接触して吸収できるのであった。
それは魔力を馴染ませる行為と似たようなものであったが、刺激で言えば比較にならないほどであった。なにせ、相手から力を吸い取るようなものであったからだ。
血も、溢れる液も、全てを魔力ごと吸収してから再度擦り付けるようにぐりぐりとなじませる。これは、本能的には最も優れた子孫繁栄行為であったが、同時に相手を壊す確率の高い危険行為であることを、隔離して育ったノエルは知る由もなかった。
魔力は混ざり合えば混ざり合うほどに媚薬よりも強力な、下手に使えば廃人となってしまうような催淫効果を及ぼす。マリアンヌでなければ、とっくの昔に腹上死もあったかもしれない危険行為である。恋人や想い人であれば余計、そんな行為はしなかったが、それを教えるものはその場にも、過去にも先にもいなかった。
「はぁ……」
そうしてマリアンヌが耐えられず意識を今度こそ飛ばしてしまっても、ノエルは朝方まで飽きることなく同じ行為を繰り返した。そして――
「う、くぅ――」
最後の仕上げとばかりにマリアンヌの最奥に、自らの子種を長々と注いだ。魔力が馴染んだおかげか、奥へ、奥へと勢いよく向かっていく自らの元気な精を勢いよく放ちながら、急な気だるさに疲労を想い出す。
なんとかマリアンヌの奥に全てを注ぎ込んだことを確認してから、ノエルは己を抜いてマリアンヌの横に寝転んだ。
「これで、夫婦だ――」
それは、ノエルも夫婦の儀式を行っていたことに他ならないが、すっかり寝入ってしまったマリアンヌが知る由もない。疲労で人化が解けてしまったノエルは、満足な笑みのまま意識を今度こそ飛ばした。
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