緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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163話 ミドリムシの会議?

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「えっ!? 僕、魔王になったの?」「ああ、そうらしい」

 今、ウィスプの国の会議室を借りて、スパイのために居ないファントムとレイを除いた家族全員で緑が倒れていた間の事を緑と確認していた。

「それで僕が魔王になったら何かまずい事があるのかな?」「それは、俺達もわからないんだが……緑が魔王になった事を俺達に教えた女神はずっと青い顔をしていたんだ」

「そうそう、女神様はもしかしたら大変な事になるかもしれないと呟いていたよ」

 緑と魔緑の会話に腐緑が割って入る。

「たしかに、魔王と聞いてすぐに思いつくのは勇者か……」

「「ゆうしゃ!?」」

 緑が魔王になって不都合な事がいきるなら勇者の存在だろうと魔緑が呟いた言葉に反応したのは干支緑達であった。

「ゆうしゃがくるの!?」「あいたーい」「いっしょにぼうけんしたーい」

 学校に通うようになり、冒険者達と交流を深める干支緑達は、冒険者達から勇者の話を聞き、勇者の事が書かれた本を読むようになっていた。

 緑達の以前の世界では、勇者は空想の物語やとんでもない大バカ者の事をさす言葉だけで実在する者ではなかったが、こちらの世界では国を救った者やそれこそ過去に存在した魔王と戦った事が書物として残されており実在する伝説。

 ラノベなどの記憶がなくても、それを好んで呼んでいた緑の一部の干支緑達も勇者の残した伝説や冒険の記録が大好きであった。

 勇者の事を話、干支緑達が喜んだあと珍妙な行動をしはじめた。

「……」「……」「……」

 その行動になんとなく気づくもどう声をかけるべきか迷っている、緑、魔緑、腐緑。

 干支緑達がとった行動は部屋に置いてあったタンスや引き出しを片っ端からあけ中を覗き何かないかさがしはじめた。それらが終わると今度は花瓶などの中まで調べはじめる。

 本来であれば、勇者が家探しなどするはずもない。万が一したとしても史実が書かれていると思われるものに勇者が他人の家を家探しするなど書かれるはずもない。

 そんな干支緑達の行動に頭を悩ます3人であったが干支緑達が上げた声に慌てて叫ぶ。

「う~ん、つぼはわらないとだめかな~?」「わっちゃう?」

「だめ~!」「やめろ!」「だめだめ~!」

 緑、魔緑、腐緑の声を聞きピタリと止まる、干支緑達。そんな彼等も自分達の取った行動に頭に?マークを浮かべる。

「あれ~?」「ぼくたち、なにをしてるんだろう~?」「ゆうしゃがこんなことするはずないのに~」

 思わず干支緑達の口からもそんな言葉が漏れる。

「はぁ~ これって絶対あれだよね」「ああ、そうだなあれだ」「ゲームの中の勇者だよね」

 3人が困った表情のまま原因を話す。そんな中腐緑が椅子から立ち上がり干支緑達を集める。

「は~い、干支緑ちゃん達集合~」「「は~い」」

 腐緑の言葉に干支緑達が集合する。腐緑は干支緑達が集まると優しくさとす様に話し始める。

「皆は何をしていたのかな?」

「メダルをさがしてた」「アイテムがないかさがしてた」「ぶきをさがしてた」「わたしは、ぼうぐ~」「アクセサリーを」

 そんな、干支緑達の声を聞き緑も魔緑も苦笑いする。

「でも皆が読んだ本に勇者がそんな事をしたってかかれてた?」

 そんな腐緑の言葉に干支緑達はお互いの顔を見て確認すると声をそろえて返事をする。

「「かかれてなかったー!」」

「そうだね~ 書かれてないよね。だから他の人のお家の中で物をさがしたらだめだよ。わかった?」

「「はーい!」」

「じゃあ、大人しくしててね」「「は~い」」

「「おねぇちゃんのへやとおんなじだね~」」

 丸く収まったと思った瞬間、干支緑達の口から不穏な言葉が飛び出した。

「おねぇちゃんのへや?ってどのおねぇちゃん?」

 干支緑達の口からでた言葉に腐緑が反応して尋ねると干支緑達は黙って腐緑の顔を見つめる。そんな干支緑達の反応に腐緑がさらに尋ねる。

「それって誰かが私の部屋の中を見ちゃだめっていったのかな?」

 その質問に今度は干支緑達が魔緑とその嫁の3姫を見る。その視線に腐緑の視線が加わると思わず3姫が顔を赤くして視線をそらす。

 なぜ3姫が顔を赤くするか腐緑には理由はわからないが魔緑と3姫をみる腐緑の目は若干ジト目であった、そのために魔緑がヤレヤレと話はじめた。

「あ~、黙ってようと思ったんだが……お前自分の部屋の惨状はわかっているな?」

 今度は魔緑がジト目で腐緑を見ながら話しはじめる。その言葉に腐緑は気まずそうに返事をする。

「あ、ああ……確かに散らかってるしドアも開けっ放しかな? あはははは」

 悪ぶりもせずそう答える腐緑にさらに魔緑が続ける。

「干支達の数人が「おねちゃんのパンツは、ちん〇んでるねって」ってお前のパンツをはきながら話していたら俺は何といえば良いんだ?」

 そう魔緑が言った瞬間にその場に居た全員が凍りつき、魔緑がさらに追い打ちをかける。

「それをたまたまそばを通って気づいた、うちの嫁が慌てて俺を呼びに来たんだぞ」

 魔緑がそう言うと3姫がおずおずと口を開く。

「ふーちゃんの部屋から楽しそうな笑い声がしたもので中を覗いたら……私もどうしたらいいものかと考えたが答えがでなくてのう……」

「うちもなんて言ったら良いかわからんくて……」

「私もすっごく困りました」

 そんな話を聞いて腐緑が絞り出した言葉は……。

「ごめんなさい、ご迷惑をおかけしました」

 であった。

その後も、会議室は静まり返る。

 その中で第一声を上げた勇者はサラマンダーであった。

「あ~、なんだそろそろ話をもどさねぇか?」「う、うむ。それが良い」

「そうね、話を戻しましょう」

「ここには常にあまりものは置いてないのでさがしても何も見つからないかと……」

 各属性のNo.1の龍種達までが気を遣うのであった。
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