緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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155話 ミドリムシは同窓会に立ち会う

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「次から次と! うっとぉしぃいっ!」

 龍種はそう言って腕や足、翼をふるわせ体中に押し寄せる、ヒカリやクウの子供達を振り払おうとする。ヒカリやクウの子供達は体中にまとわりつき、龍種の視界をふさぎ体の動きを阻害する。

 龍種は体にまとわりつく以外にも自分の周りを埋め尽くす、ヒカリとクウの子供達にあせりを覚える。

「邪魔だっ! ええいっ! まとわりつくなっ!」

 龍種は地団駄を踏む様に足元にに集まっているクウの子供達を踏みつけようとするが龍種が地面に足を下ろす瞬間その周りだけ、子供達が散り龍種の足が地面を踏みつける。

 ドン! ドン! ドン!

 以前に龍種と戦った蟲人の戦士達は、その様子に顔を青くしている。戦士達は、龍種の踏みつけにより多くの仲間を失っているために龍種の踏みつけがどんな威力を持っているか知っており、子供達が簡単に避けているがその踏みつけるスピードも決して遅くはない。

 今、龍種を相手にしているのはクウやヒカリの子供達でも若いものたちであり、以前にサラマンダーと戦ったさいに生まれていなく龍種と戦った経験がない子供達に経験をつませる事と敵対する龍種の強さを知るためにヒカリとクウが指揮をとっている。

 龍種がいよいよ今の状況が続くとまずい事に気づき必死になりはじめる。その必死になりはじめた龍種の様子に気付いたヒカリとクウはお互いに顔を見合わせ頷く。

 ガッシャーン! ジャラジャラジャラジャラ!

 ヒカリとクウが頷いた直後に大きな音がする。蟲人の戦士達が龍種の様子を見ている中、龍種の上空で攻撃の順番待ちをしていたヒカリの子供達が素早く散る。その子供達が散った場所を大きな鎖が落ちていく。

「ぐあっ! なんだ! この鎖は!? ぐおっ! がはっ! ぎいぃ!」

 落下した鎖が龍種にからまりその両端は地面に落下する。その両端を地面を埋め尽くしていた子供達は避け、地面に落下をしたのを確認するとすぐさま鎖を引きあらかじめ掘っていた穴に向かって潜っていく。

 驚きの声を龍種が上げると次々に鎖が落とされる。

「ぐぅぎぃいいいいいっ!!」

 全身を鎖で縛りつけられた龍種は思わずうめき声を上げる。

 ギィリィ! ギィリィ! ギィリィ!

 龍種がうめき声をあげる間、金属の鎖も軋む音を上げる。

 その龍種を縛りつける鎖の強度と、その鎖を引き縛りつけるクウの子供達に蟲人達は息をのむ。
 
 龍種と綱引きをするような形になるが子供達は地下深くに進み続け龍種を縛り付ける。子供達は集団で龍種との綱引きに打ち勝つ。

 その綱引きの間、戦士たちは鎖が千切れないか冷や冷やしながらその様子を見ていた。

 龍種は縛り付けられる間も死に物狂いで鎖から抜け出そうと抵抗するが状況は好転しない……。そんな中龍種が異音に気づく。

「ん!? なんだこの地響きは!?」

 ズン! ズン! ズン!

 その音は、はじめこそ小さなものであったが次第に大きくなっていく。龍種がその音の方に視線を向けると普段の自分と目線が変わらない巨人が歩いてくる。龍種は鎖で縛りつけられているために地面に這いつくばり巨人を見上げる形になる。

「その姿、蟲人か!? お前ほどの巨大なものは見たことがない!」

 龍種は思わず叫ぶが巨人は黙って龍種を見下ろす。

「本当は、1対1でやりたかったがしかたねぇ…… あんた達がやったことは許されるもんじゃねぇしなぁ…… まぁ、少し眠ってくれ……」

 そういって巨人が拳を振り上げ自分に叩きつけられるのを見届けた龍種は意識を手放すのであった。



「子供達も龍種との戦いを経験することができましたね……」

「しかし、あと何回すれば皆が経験できるかな?」

 龍種との戦いを終えたヒカリとクウが話はじめる。

 ズン! ズン! ズン!

「お~い! 2人共終わったぜ!」

 兜がその巨体のままで手をあげならヒカリとクウの元に戻ってくる。

「おかえりなさい兜」

「おかえりなさい♪ それで兜さんどうでした?」

「ああ、2人だと、ヒカリは今のまだだと気絶させるのは難しいな…… クウは今のままでもいけるだろう」

 その兜の返事にヒカリの顔をが曇る。それを見た兜は言葉を付け足す。

「いや、今のままだとヒカリだとスピードをだしてランスで付けば気絶させることはできると思うが結構な助走と力加減が難しいと思うからで姿問題ないと思うぜ」

「あの姿を緑様に見せるのはあまり気が進まないのですが……」

「クウもできれば見せたくないです……」

 兜の言葉に2人は暗い顔をする。そんあ2人を見た兜が口を開く。

「まぁ、良いんじゃねぇか? 大将はどっちにしろ気にしないと思うぜ! あの姿を見せても姿を隠す女の気持ちも両方とも汲んでくれるとおもうぜ!」

 その言葉に2人はさらに暗い顔を見せる。

 2人の顔を見た兜はらちが明かないと思い、2人の傍にいた蟲人に話しかける。

「あんたら、戦いをみていたか?」

「あ…… はい。見ていました……」

 兜が話しかけた蟲人は今緑達が大陸に駆け付け、手を取った蟲人達の司令官の1人であった。

「おいおい! 何かたくなってんだ! 戦いの前の感じのままでいいんだぜ!」

 そう言った兜の言葉に司令官の蟲人は戦いの前に取った態度を激しく後悔するのであった。



「お前達! 龍種を舐めているのか!? 自分達だけで龍種を相手するだと!?」

「はい、今最前線にいる龍種の力を確認したいので…… うちの子供達と3人に任せたいと思います」

 司令官の蟲人は、その苛立ちを隠しもせず緑と会話をする。

「確かにお前達は龍種と戦った事があるそうだがたった3だろう!? これまで俺達が幾度龍種と戦ったと思っているだ!」

 今、会議をしている場所には蟲人達の子供達以外が全員参加していた。会議では、緑が代表者として話ていたが緑の物腰柔らかい態度に司令官は緑達の実力を疑っていた。

 蟲毒の戦士を捕まえた緑達の実力は理解できたが次は龍種を捕えると言ったためにその不満を爆発させる司令官が先ほどの言葉を吐き捨てる。

 そして、そのやり取りはしばらくの間続く。そこに痺れを切らした魔緑が口をはさむ。

「いい加減にしろ! 俺達の事を少しは信用しろ! あんた達が俺達の力を見る事も作戦を立てる上で必要だろうが! 俺達に被害が出てもあんた達に被害はださん!」

 魔緑の言葉に会議室は静かになる。その中、声を上げたのは聖属性の龍種のナンバー1のウィスプであった。

「すみません、魔緑さん。皆さんが苛立つのもわかりますが落ち着いてください」

 そう言って大人びた女性の姿をしている聖属性のナンバー1の龍種ウィスプは蟲人の司令官の方に向き直り口を開く。

「貴方が言う事もわかりますが助けに来てくれた皆さんを信用をしないのは失礼です」

「しかし…… ウィスプ様、皆さんは龍種との戦闘を3度しか戦闘をしたことがないと……」

 そんなやり取りをする中、笑いはじめる者がいた。

「くしししししっ!」「くくくくくくっ!」「ふふふふふっ!」

 その笑い声を聞いた司令官がこめかみに青筋を浮かべる。

「誰だ! 笑っているのは!」

 そう言って会議室を見渡し笑い声の主を見つけるとさらに叫ぶ。

「くそっ! 子供の姿が多いが話を聞いて笑うとは、どうゆう教育を受けているだ!」

 司令官の言葉にヤレヤレと言った表情でウィスプが子供のしたことをそんなに怒らなくてもと思いながら笑った子供に視線を移すが思わず声を上げる。

「えっ!?」

 子供姿を見たウィスプが目を擦りはじめる。その様子を見た3人の子供がさらに笑いはじめる。

「何がそんなに可笑しいのだ!」

 笑い声をさらに大きくした子供に司令官がさらに怒りながら叫ぶ。

「もしかして…… サラマンダー、ノーム、ウンディーネなの?」

 司令官が叫んだ後に思わずウィスプが問いかける。すると子供達がピタリと笑い声を止め苦笑いしながら返事をする。

「ばれちまったか……」「久しぶりだな……」「気苦労が絶えないわね……」

 3人がそれぞれ返事をすると、涙を流しながらウィスプが走り小さな姿をした3人を抱きしめる。

「ぐえぇ! 力を込めすぎだ!」「ウィスプあわてるな」「ウィスプちゃん久しぶりね」

「ほ、本当に… み、みんな… なの? う… うぇええええええん!」

 3人の言葉を聞いたウィスプは大きな声を上げて泣き始める。その姿に蟲人の司令官は何が起こっているか分からないためただひたすらその様子を見つめる。

「よかったぁあああああ! みんなが無事でぇええええ!」

 だが、泣き始めたウィスプの姿を見て蟲人の司令官だけでなく、緑達も困惑するのであった。

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