緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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135話 ミドリムシの家族は王都を守る

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 今後の方針を決めた緑達は城内にある中庭に移動した。

「では出発するか」

「ふむ、では背を借りるぞ」

 そう言ってノームの背に子供の姿のままのサラマンダーが乗る。その横でヒカリと酉緑も準備をしている。その2人に緑は声をかける。

「ヒカリも酉ちゃんも攻撃されたりしたら無理せず帰って来てね」

「はい、決して無理はせず敵を倒します!」

「は~い」

 ヒカリの返事に苦笑いをした後、緑は酉緑の視線の高さに合わせるためにしゃがむと頭をなでる。

「酉ちゃんもこれを渡しておくね、万が一の時食べてね」

 そういって緑は酉緑に小さな袋を渡す。その中身を見た酉緑は尋ねる。

「もしのこったら、あとでたべていい?」

 その質問に緑はニコリと笑い返事とする。その緑の笑顔を見て酉緑は喜ぶ。その後、緑は酉緑から離れ4人の前に立つと真面目な顔になる。

「みんな、絶対に死なないでね」

「うむ」「心配するな」「無理はしません」「は~い」

「みんないってらっしゃい!」

 その言葉を聞いた4人はそれぞれ中庭から離れていく。

 ヒカリと酉緑はそのまま上空にノームとウンディーネは打ち出されたように飛びだしていった。特にノームの速さにその場にいた獣人達は突然に目の前から消えた事に驚いていた。

 そんな様子を見て緑が指を指す。その方向を見た獣人達の目には、小さなノミの様に王都の屋根を飛び回りながら外に向かっているノームの姿がうつる。

「もう、あんな所に……」

「あれでも街の建物の屋根を壊さない様に気を付けて速度をおとしています」

「「あれでおとしているのか……」」

 緑の言葉に獣人達が驚きをの声をもらす。

「緑はあの龍種に勝ったのだろう? どうやってだ?」

「僕が作った氷の迷路の袋小路に入ったところを退路を氷の壁で塞ぎ、そこを水で一杯にしてあのスピードを出させずに魔法でたおしました。まーちゃんや人族のs級冒険者チーム、水の魔法を使える冒険者達に助けてもらいました」

「なるほどな……」

 王は緑の言葉を聞くと考え始めた。

「緑よ今3人の龍種がいないから聞くが3人がそれぞれ国に攻め入った理由をきいたか?」

 その言葉を聞いた緑はポンと手を叩く。

「そう言えば……理由を聞くのを忘れていました。あはははは」

 そういって緑は苦笑いする。そんな様子を見た獣人達はさすがにあきれ顔をする。

「ですが、3人共それぞれの国に攻め入ったのは不本意ながら命令の様なものを受けて行ったと言っていたみたいですね」

「あの3人に命令をできる者がいるのか!? もしや今回の件は!?」

「はい、もしかしたら3人に命令を出した者の仕業かもしれません……」

「ふむ、これは獣人の国だけの問題ではないな…… もう一度緑のダンジョンで集まらせてもらって5か国で考えなければならないな……」

「5か国?」

 そういって緑は不思議そうな顔をする。そんな様子を見たは王はヤレヤレといった表情をする。

「もう、緑のダンジョンは人、エルフ、ドワーフ、獣人の国と国交を結ぶ国だろう? 王がそんな事ではまずいぞ」

 そう言ってニヤリと笑う。

 実際、人族の国で緑のダンジョンは【緑の王国グリーンキングダム】と名付けられていたが、それはあくまでも二つ名であり、人族の国としては緑達の行った事に対しての褒賞の意味合いが強かった。

 だが、今回の同時スタンピードで緑達の戦力やダンジョンを通しての国家間での人員の移動など一個人としてどころか、どの国もなしえなかった事をし、各国の危機を救った。

 以上の事により緑のダンジョンを1つの国と認め、その国の運営や孤児達の保護と教育のために、各国からの教育者の派遣を褒賞として欲しいと言われてしまった各国の王は、王の資質としても緑に頭の上がらない気持ちであった。

 その様な事から先ほどの言葉が獣人の国の王から出たのであった。

 その王の言葉を聞き緑は複雑な表情をする。

「王様なんてガラじゃないんですけどね」

 そう言って苦笑いをする。

「それじゃあ僕は、ダンジョンの中に入ります。ノーム達が扉をダンジョンに繋げたら随時人手を送っていくので。もちろん会議室の扉はそのままにしておくので何かあればすぐにダンジョンに来てください」

「頼む」「「よろしくお願いします」」

 王と周りの獣人達から返事を受け緑はダンジョンに入るのであった。

 ダンジョンに入ると各国から駆け付けた冒険者や騎士達が慌ただしくしていた。

 特に王都の中心の広場につなげた大きな扉の前集まった者達を指揮する者達は、情報を整理し獣人達の手伝いに行き戻ってきた者達を各国から集められた【鑑定】のスキルを持つ者達に鑑定をさせていた。

「皆さん、状態異常を回復する実は足りてますか?」

「おお緑か!? 大丈夫だ! 支援に行って戻ってきた者達からはほとんどかかった者は出ていない。緑が初めに配った体力回復の実のおかげで、体力がある者でかかった者はごくわずかだ!」

 そんな中、指揮をしている者の1人が口を開く。 

「しかし、緑が普段配っていた二日酔いに効く実が病に効くとわな」

 以前のシャークの嫁の病を治した件はあまり周りに知られていなかった。そのため緑の実が病まで治すとは思っていなかった冒険者達は喜びの声を上げていた。

「それで王都の中と外の状況はどんな感じですか?」

「ああ、王都の中はほぼ病人を利治療できたと思われる。外は今、戌と申が鑑定を進めている所に人を送っているところだがそれも大丈夫だろう」

 その言葉を聞き緑は安堵する。その時、扉からダンジョンに戻ってきた冒険者が叫ぶ。

「まずいぞ! 王都の周りに魔物が集まってきた!」

「数はと脅威度は!?」

 直ぐに指揮を執っている者が叫ぶ。

「数もスタンピードほどではないし脅威度も低いが、今している救援に支障がでるかもしれん!」

 それを聞いた緑が叫ぶ。

「クウ! 兜! レイ! ファントム! お願い!」

「わかりました♪」「任せてください大将!」「頑張りますよ~」「かしこまりました」

 今、囮になっているヒカリ以外の蟲人達はダンジョンで待機していた。それは、緑が獣人の国の救援を申し出た彼らをもしもの時にダンジョンで留まるよう指示していた。

「ファントムはヒカリの子供達の指揮をお願い! 他の皆は、今城壁の外の人達に魔物を近づけさせないで!」

「「わかりました」」

 そう言って蟲人達は王都の中心の広場にある扉に向かうのであった。
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