緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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126話 ミドリムシと冒険者の食休み

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「ごちそう様でした」「「ごちそう様でした!」」

 食事も終わり緑達は後かたずけをした後に少しだけ食休みをする。

「世話になった」「とても美味しかったわ」

 緑にそう言った2人は緑のそばに腰を下ろす。

「貴方達のチーム名を聞いても?」

 リーダーの男が率直に緑に尋ねる。

「僕達のチーム名は【軍団レギオン】と言います」

「「!?」」

 その言葉に2人は今までで1番の驚いた顔を見せ沈黙する。

 その後、自分達の心の中で整理ができたのか呟く。

「そうか……」「……なるほどね」

 2人は納得できたと思わずこぼす。

「英雄に会えて嬉しいく思う」「私もよ」

「英雄!?」

 緑は自分達がそんな風に言われているなど知らず思わず驚きの声を上げる。

「冒険者は時に自分の手柄を誇張し時に話が伝わるにつれ大きくなることがあるが今回は別だ」

「私達の国でエルフとドワーフの国に1番近い街をスタンピードから守った事は、王がこの国全域に伝えたのよ……」

「その話は噂などと違い大々的に王が発表したのだ、獣人の国では誰も疑わない…… 一部をのぞいては……」

「一部を除いて?」

「自分の目で見た事しか信じない者達よ」

「俺達も半信半疑だったがさっきの事を見せられてわな……」

「うちの仲間もあんなの見せられたさすがに怖くなってしまうのもしかたないわね…… ふふふふ」

「しかし、【軍団レギオン】と言われるにはいささかメンバーの数が少ない気がするが……」

 緑達が会話をしていると琉璃たち3人が緑の元にやってくる。

「緑よ茶じゃ」

「貴方は……」「もしかして琉璃さん?」

「おや私を知ってい居るのかのう?」

「ああ、貴方たちは有名人だからな、s級チームの3姫の琉璃さん、凛さん、珊瑚さん」

「うちらそんな有名なん?」「すっごくうれしいです♪」

「3人とも【軍団レギオン】に同行を?」

「いや、うちらは軍団レギオン】に入ってん」

「というか嫁入りですね」

「なんと!?」「それはおめでとうございます! 旦那様達はどちらに?」

 そう言われると3人は少し離れた場所で食休みをしていた魔緑を指さす。

「え!? 3人があちらの方に!?」

「だのう」「せや」「はい」

 その言葉を聞いた斥候の女性は政略結婚を想像するがすぐさま3人がその考えを否定する。

「政略結婚ではないぞ」「うちら3人とも魔緑にイカレテもうてん」「そうなんです」

「そうなんですね……」

「お主らは王都に向かうのか?」

「「はい」」

「なら、一緒に王都に向かえば2人の事を知ることができるのう。ふふふ」

「せやな! このチームのことはそばでみなければ皆信じる事ができんもんな!」

「すっごくおどろくと思います」

「という事で皆さんも一緒に王都にむかいませんか?」

 緑に尋ねられた2人は顔を見合わせると直ぐに返事をした。

「よろしく頼む」「お願いするわ」

 そう言って2人は緑と握手をするのであった。



 食休みをした後は緑達の馬車を先頭に街道を進む。その間、干支緑達は朝の様に魔物に乗って並走しながら遊んでいる。

 冒険者達は馬車の中のでリーダーが伝えた先ほどの話でもちきりになっていた。

「あの3姫をいっぺんに嫁にするとかどんなやつなんだ?」

「しかも噂の【軍団レギオン】は見た目は強そうには見えないのが噂が嘘だと思われる原因よね」

「だな、俺達はあの子供達の戦闘を見たからな信用できるが……」

軍団レギオン】と言われているけど子供を合わせても20人ちょっとなんて多くもないわよね?」

「リーダーの男は何の種族何だろう?」

「ゴブリン? ドライアド? 全身が緑色しているなんてどんな種族だ?」

「他にいたのは蟲人か?」

「そんな人達いた?」

「女が3人男が1人少年が1人触覚や羽がついてたぞ」

「子供が多いチームだけど、その子供達も化け物みたいな実力を持っているわね」

 馬車の中で話す冒険者達は交代で御者をする。辺りが暗くなりはじめた所で何時まで馬車を進めるのかと冒険者達が思い始めた所で緑達の馬車から止まる合図がある。

 緑達の馬車が街道から外れ広場に止まると、それを追うように冒険者達も馬車を止めると緑がやってくる。

「皆さん今からダンジョンの中にご案内するのでそのまま馬車から降りない様にしてください」

 そう言った緑が馬車から少し離れた所で声を上げる。

「ダンジョンオープン!」

 緑の上げた声と共に馬車が数台横に並んでも入れそうな門が出現する。冒険者達がその光景にあっけに取られているうちに門が開く。

 その光景を見た冒険者達は騒ぎ始める。

「おいおい、ここの馬車全部がはいるのか?」

「食堂の他に馬車もおけるの?」

「個人のダンジョンにしては大きすぎない?」

「どれだけの魔力を持っているだ?」

 そんな冒険者達をよそに緑はふりかえるとさらに続ける。

「では皆さん後に続いてください」

 緑達の馬車が門に入り冒険者達もそれに続き門を通る。ダンジョンの中も外と同じ様に夜のため辺りが暗いそのため、再び馬車から降りてきた緑りに誘導され冒険者達は馬車を止める。

「それでは皆さん馬を馬車から外して一緒に行きましょう」

 そう言って緑が近くにあった街路灯に近づき魔力を流すと次々に明かりが灯り辺りが明るくなっていく。

 辺りが明るくなると冒険者達はおどろき声を上げる。

「空!?」「森?」「山?」「川?」「湖?」

「「なんだここは!!」」

 冒険者達が騒ぐ中、龍種の3人が緑に近づき尋ねる。

「緑よダンジョンの中にはいれば元の姿に戻って良いか?」

「うん、みんなの事は内緒にしてもらうから」

 緑の会話を聞いていたリーダーの男は3人の様子を伺う。

『さて…… 鬼が出るか蛇が出るか……』

 リーダーの男がそんな事を思っている中、3人の子供は見る見る姿を変えていく。その変化に気づいた冒険者の1人が声を上げる。

「見ろ! 3人の子供が!」

 その変化が終わる頃に冒険者達は青い顔をしており、何とか声を絞り出す。

「「龍種」」

「みんな、夕飯の時は人のすがたでねー」

 緑の言葉に3匹は頷くとそれぞれくつろぐ場所に散っていく。

「では皆さん案内しますね」

 そう言って緑が振り返ると、リーダーと斥候の女性以外の冒険者達は全員が白目をむいて泡を吹いて倒れている。

 気絶しなかった2人もぼうせんとしており、緑の言葉を認識できたかは分からないのであった。
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