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120話 ミドリムシの人探し?
しおりを挟む緑達に食材を売って頬しいと言った3人は厨房に集まって自分達がもらった食材の話をしていた。
「見てくれこの枝を! なんの植物か分からないがうま味が凝縮されているのがわかるだろう?」
「こっちもだこの瓢箪の中にはジュースが入っている! しかも各種フルーツ良いところだけを集めたような味だ」
「私もこの茶葉をいただきました。茶葉の状態でもいい香りがしますし、味も抜群です」
そういって3人は誇らしげに自分が持ってきた食材や茶葉を見せるが、すぐに難しい顔をしてため息をつく。
「だが、これをこれらを売ってもらう契約ができなかった……」
「「お前もか!?」」
1人が呟いた言葉に他の2人が驚きの声を上げる。
「という事はお前達もなのか!?」
「「実は、そうなんだ・・・・」
そう言って、さらに3人がため息をついていると1人の男が勢いよく扉を開けて厨房に入ってくる。
ダーン!
3人は扉がたてた大きな音に驚き入ってきた人物をみて思わず叫ぶ。
「「料理長!」」
「お前達、おもしろい食材を手に入れてきと聞いたぞ」
料理長に尋ねられた3人は自分が手に入れた食材を前に出す。
「「これです」」
「ふむ、何かの植物の枝、瓢箪、茶葉か……」
そう言って料理長が食材に手を伸ばそうとすると慌てて3人が叫ぶ。
「「待ってください! 料理長! これはまだ契約できず継続的に手に入れる事が出来ない品物なのです!」」
「む、契約できなかったのか?」
「実はそうなんです…… なんとかお願いしよとしたところ、断られて逃げられてしまい。
「何か、失礼な事をしたわけじゃないな?」
料理長がギロリと3人をにらむ。にらまれた3人は頭を振り話始める。
「この食材の香りで思わず声を掛けましたが失礼な態度はとってないはずです」
「「俺もです……」」
「ふむ、だろうな。普段から俺が口を酸っぱくして言っているからな」
そういって料理長は考え込むがすぐに、あきらめ3人に向く。
「まぁ、それは本人達に聞くしかしょうがない。とりあえず少しこれらを味見してみる、店にある保存用の道具でも一番良い物にひとまずいれるぞ」
「「はい」」
そういって料理人達は、緑達に分けてもらった物を少しづつ試食用に取り、店で所有している最高級の保存道具にしまう。
「まずはこの枝からいってみよか…… 凄まじい香りがするな」
「これを分けてくれた人達は口にくわえてかじってました」
「なら俺達も試してみよう」
そういって4人は口にくわてかじる。
「なんだこれは!?」「ワカメのような気もするが……」「トマトやチーズみたいな味もする気がする……」「肉の味もしないか?」
4人は困惑する、ただの枝にしか見えないものから多種多様なうま味を感じ、その数が料理人達ですら把握できないほどのであった。
「これは、何にでも使う事ができそうだな」
料理長が呟くと3人の料理人も頷く。
「よし、次はこの瓢箪だな」「これは中にジュースが入っています」
そういって貰ってきた料理人が瓢箪の中のジュースを少しづつグラスに分ける。
「これも凄まじいな…… そのまま飲んでも良いしソースなんかにも使えそうだな」
「最後は茶葉だな…… 悪いが入れてくれるか」
「はい、直ぐに準備をします」
4人は紅茶を飲みながら話しをしていた。
「3つとも素晴らしい物だな…… 何としても継続的に手に入れたいな。お前達に食材を分けてくれた人達はどのような人達だった?」
「枝を貰った人達の中に肌が緑色をした人がいました。しかも同じような緑色の肌をした小さな子供を4人ほど連れていました」
その話を聞いた残りの2人が驚き話始める。
「俺に瓢箪を譲ってくれた人もそうだった!」
「俺の方は小さな子供達だけだった」
「お前達に食材をくれた者達は同一人物か関係者なのかもしれないな…… なんにしても緑色の肌は目立つだろう、明日にでも冒険者ギルドに行って探し人の依頼を出してくればいい」
「「わかりました」」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「しかし、干支緑達は俺達が考え付かなかった事をするな」
「だねーまちゃん。僕達は常識がブレーキをかけて上手く能力を使えてないのかもしれないね」
「「しゅっぱーつ!」」
緑と魔緑が話す足元で干支緑達は大きな黒いムカデの魔物を呼び出し全員がまたがっている。
緑達は昨日に続き街の散策に出かけようと、ギルドにある部屋からでてホールを通り外に出ようとしていた。緑達がホールに向かうにつれて、ホールが騒がしいことに気づく。
「なんだろう? ホールが騒がしいね」
ホールには冒険者達にお願いする3人の獣人がいた。
「冒険者の皆さん! 私達は今、人を探しています!」「私達はその方にお願いしたい事がるんです!」「今から依頼を出しますのでもし見かけた方はご連絡をお願いします!」「もちろんそれ相応のお礼をしますので!」
「その探している人はの特徴はなにかあるのか!?」
依頼主が必死なのと礼をするという言葉に興味を持った冒険者が尋ねる。
「どうやら人探しの依頼を頼みに来たみたいだね」
「ああ、しかも困ってそうだな」
「「みんなでさがすー?」」
「困っているようだったら皆で探してあげようか」
干支緑達の言葉に緑は人探しの依頼をうけようかと返事をする。緑達は話しながら歩いているとホールに着く。
「その探している人の特徴は肌の色が緑色の大人の男性と小さな子供さんです!」
依頼人がそう言った瞬間に通路から出てきた緑達に冒険者の視線が集まりホールが静寂に包まれる。
依頼人は突如として静かになったホールを不思議に思う。更にそこにいた冒険者達が皆同じ方向を見ている事に気づき視線を追う。
「「いたー!!」」
緑達を見た3人の獣人は緑達を指さしながら思わず声を上げるのであった。
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