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102話 ミドリムシの家族はエルフの国を守る
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エルフの国リーフ王国
琉璃、凛、珊瑚達はリーフ王国の冒険者と騎士達と話をしていた。
「私達はうって出るから皆様には城で籠城をして欲しいのう」
「いや!私達もうって出る!」
「でもなぁ~ うちらの他にグループがあったら連携をとりにくいねんなぁ~」
「すっごく、連携が難しくなります」
3人が冒険者と騎士達と話しているがお互い求めている作戦にならず話が進まない。そんな様子を見ていた父親達が話をまとめる。
「ならすっごく簡単だ。我らとそなたら騎士達の戦力を半分にわける。その戦力を攻める側と守る側に分けるて我らの攻める側と騎士の守る側、我らの守る側と騎士の攻める側で協力すればよい、そうすればお互い苦手な部分を補い合える」
「そうやな。そうすればお互い不慣れな連携をせずお互いを助け合う事ができるやろ」
「このあたりが無難かのう」
その提案を聞き琉璃、凛、珊瑚にエルフの騎士達もなっとくする。
「来たぞ!」
「連携して確実に数をへらしていけ! 魔物たちが森の中に入ってきているから一度に戦う数は少ないが長時間の先頭になるのを覚悟していくぞ!」
「「おお!」」
エルフの国総出で魔物と戦う。さらに他の国に散らばっていたエルフの冒険者達も緑のダンジョン経由で戻ってきており、その者達が所属しているチームの冒険者も集まっていた。
戦闘が始まってからまだそれほど時間は立っていないが魔物の数が多いため休憩を交代でとりながら戦い続けるエルフと冒険者達、その中でも群を抜いて魔物を倒し続けているのがフェン、グリン、ヒューイをリーダーとするチームであった。
琉璃、凛、珊瑚も今はそれぞれの親のチームに入り連携をとり戦っている。
「ふう、強い魔物はおらんがあとどれだけ戦い続けなければわからないのはしんどいのう」
戦い続けている琉璃がぼやくそれを聞いたフェンも同意する。
「確かにこう終わりの見えない戦いが続くのはつらいのう、だがまだ戦況は私達が有利だろうから気を抜くわけにはいかんな確実に長期戦になる。幸い緑からもらった実もまだ使うような事になってないのが幸いだのう」
琉璃とフェンのチームとは離れた場所で凛とグリンのチームも戦っていた。
「ああ! もうめんどい! 魔法をつこうてなんとか大量に数をへらせんもんかなぁ?」
「まだ俺らは風の魔法を得意とする者が多いからましやで、今一番しんどいんはヒューイのチームやろう。大切な森の中で毒の息を吐くわけにはいかんからな」
「せやかておとん、どっかで一気に数を減らさんかったら数日戦い続けなあかんのちゃう?」
「ああ、わかってる。魔物がこの国に入るために押し寄せて来てるのが止まった瞬間、森の外の奴らを一気に数をへらすで」
「なるほどな! 森の外で入るのを待っている奴らを一気に処理するんやな!」
「せや! だから体力をできる限り使わんようにしとけよ」
「わかったで! おとん!」
6人の父と娘の中で1番珊瑚とヒューイのチームが悪戦苦闘していた。
「ああ! もうすっごくめんどくさいです!」
毒を武器としてメインに使う珊瑚とヒューイのチームは自分達の力を発揮できず嘆いていた。
「珊瑚。たしかにすっごく手がかかりますが落ち着いて対処しないさい」
「すっごくめんどくさいけど…… おとうちゃんわかりました」
「まぁ、毒のブレスは使えないけど毒を直接武器に塗ったり噛みついて注入することはできるからな」
しばらくの間戦い続けているエルフと冒険者達に待ち望んでいた報告が来る。
「魔物の群れは今エルフの国の周りに集まり切ったぞ! 広範囲攻撃を持っている者達は森の外の魔物に打ち込んでやれ!」
その言葉を聞き広範囲攻撃を持つエルフや冒険者が木々の上を走り森の外側へ走る。琉璃、凛、珊瑚も魔物の群れが来た方向に走り続ける中お互いを見つけ合流する。
「やっと思いっきり暴れられるのう」
「ほんまなぁ、ストレスが溜まってしょうがなかったわ」
「そうです、すっごく我慢しました」
そんな会話をしながら3人は森の外側を目指して走っていく。3人以外にもエルフや冒険者達が同じように向かっていたがその者達が魔物に襲われた始めた。
「ぐあ!」「きゃあ!」「がぁ!」
見るとエルフや冒険者達より高いところから猿の魔物たちが襲い掛かってくる。
「くっ! 向こうも連携をとるようだのう! 皆1人で先に向かおうとせず周りの者と連携をとれ!」
「皆先走ったら各個撃破されてまうで! あつまるんや!」
「すっごくめんどくさいです! 今度は敵が連携をとってきます!」
3人が叫ぶがもともと連携を取ることを考えず広範囲攻撃を持つ冒険者達だけだったために多くの者が魔物の連携の前に敗走していく。
森の外に向かって言った者達の数は見る見る少なくなり琉璃、凛、珊瑚の3人はこののまま突っ切り森の外まで走り抜けるか一度体制を整えるために戻るか迷い始める。
「むぅ、他の者達は見える範囲の者達はあらかた一旦防衛地点まで戻ったようだのう」
「むっちゃ悔しいけどうちらもこのままやったらじり貧やわ進むか戻るか決めなあかんな」
「う~ん、すっごくなやましいですね」
3人は魔緑と会うまで一緒に行動していたために連携し猿の魔物達を倒していく。しかし、時間が経つにしたがって体力と疲れからこのまま森の外に向かわず一度防衛地点に戻ろうと考える。
「このままではいかんのう、一か八かに賭けるのはまだ早い、いったん戻ろうかのう」
「悔しいけど確かにここで危ない橋を渡るのはまだ早い」
「すっごく悔しいけど賛成です。一旦戻りましょう」
3人は1度引く決断をすると連携をとりながら防衛地点に戻っていく。だがそんな様子に気付いたのか戻ろうとし始めてから猿の魔物達の攻撃が激しくなる。
そんな中、魔物に向けて放った魔法が外れ森の木を気づ付ける。3人は気を使いながら戦っていたが魔物の追撃に余裕が徐々に失われ木々を気づ付ける事が多くなりはじめていた。
エルフは勿論、冒険者達も自らエルフの国の防衛に買って出た者達で森の木々を気遣っていた。エルフの国も、もし自分達の命が危うくなったら木々を気づ付けてでも防衛地点に戻るように話していた。
3人も悔しい思いをしながらも魔物達を退けながら防衛地点を目指す。そんな中、琉璃が声を上げる。
「む…… これはいかんのう」
「え? どないしたん?」
「このすっごく忙しい時にどうしたんですか?」
普段、焦りなどの負の感情を表に出さない琉璃の言葉に凜と珊瑚が驚く。琉璃が現状を説明しようとした時、2人も気づく。
「あかん、この気配は……」
「すっごいタイミングででてきましたね」
3人の索敵範囲の中に世界樹に寄生していた者達の反応が現れた。その反応に3人は身構えるが一向に向かって来ようとしていない事を疑問に思いながら防衛地点に向かっていた。
3人が戻る途中1つの反応が突然目の前に現れた。警戒して3人がその方向を見ると黒いもやのようなものが動いておりそのもやは虫型の魔物の死骸に近寄るとその死骸を包み込む。
一旦戻るのを止めた3人は猿の魔物を退けながらその様子を伺う。そのもやが晴れると魔物の死骸は傷ついた体ではなく傷1つない無い状態になっていた。
先ほどと傷以外で変わった点は体の色は黒く染まっており、傷のない状態に戻った魔物の後頭部にはキノコの様なものが生えていた。
3人はアイコンタクトを取ると静かに防衛地点に戻ろうと動き出す。再び猿の魔物の群れから追われながら戻っていると3人は驚きの声を上げる。
「む!」「なんやて!」「すっごく沢山いる!」
その原因は3人の索敵範囲の端に先ほどのもやの反応が防衛地点を築く様に沢山現れ始めたのであった。3人はそれでも進み続ける。もやの反応を肉眼でとらえられるとこまで来る。
3人の前には地面や木の上など所せましと先ほどの見た黒い色をした虫型のモンスターの群れが現れるのであった。
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