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100話 ミドリムシは会議を開く
しおりを挟む父親達の申し出に緑はうつむき考え始める。
「まぁ、難しくかんがえなくてよいからのう。不都合があればあきらめる」
「せやで、俺らも、もし住めれたらなぁと思っただけやからな」
「緑さんをすっごく悩ます気はありませんから」
父親達の言葉を聞いても緑はしばらく考えていた。そんな時、緑達以外今まで開ける事の無かった各町のへの扉の3枚が同時に開く。
3枚の扉からは1人づつ人が大慌てで出てきた。それは人、エルフ、ドワーフの騎士と思われる者達であった。
その者達は扉が近くにあったためお互いを見て驚くが自分の抱えている案件の前では小さな事のだと考えすぐさま辺りを見渡す。しかし3人は周りに人がいないためは大きな声で叫ぶ。
「「誰か! 緑様にご連絡をして頂きたい! わが国の王が至急お会いしたいと!」」
3人の言葉が重なり3人は驚きの声を上げる。
「「は?」」
3人の言葉がかさなりお互いを見たあとさらに言葉を述べる。
「「申し訳ございません! お2人も火急の件があるかと思いますが私に緑様へのご連絡を先にさえてもらえないでしょうか?」」
「「え!?」」
またもや言葉がかさなり驚きの声を上げる3人。しかし3人共低姿勢であるが自分達の話をしたいとけん制しあう。
「申し訳ございません! エルフ殿、ドワーフ殿! 何卒、緑様とのお話の順番を譲っていただきたい」
「いや待ってくだされ我らエルフも緊急事態なのです!」
「私達ドワーフもです! なんでしたら命の次に大事な酒を差し上げてもいい何卒!」
3人が騒いでいると先ほどまで魔緑の嫁の父親達の移住の件を考えた緑が子供達より3人の連絡を受け現れる。緑の姿を見た3人は自分がダンジョンに来た理由と願いが直ぐに聞き取られれるように一言でその緊急性を緑に伝えるために叫ぶ。
「「スタンピードです!!」」
「「ええええ!?」」
叫んだ3人はここでも声が重なり驚きの声を上げる。そんな報告を聞いた時緑も驚き呟く。
「3か所同時にスタンピード!?」
緑の後をついてきた魔緑がその言葉を聞き冷静に緑に告げる。
「緑、3か国の王にダンジョンに来てもらえ4か国で会議をするぞ「!」
この4か国には[緑の王国]がはいっていた。
緑は魔緑の言葉を聞き3人に叫ぶ。
「すいません、皆さん事情は分かったと思います。至急国に戻りこのダンジョンに集まってもらうように伝えてください! これは[緑の王国]の王としての言葉です!」
3人はそれを聞き緑に向かって礼をし慌てて出てきた扉に戻るのであった。
騎士達3人が扉から自国に戻り僅かな時間でその扉が再び開かれる。その扉を開いたのは3か国の王達であった。3人の王がダンジョンに入ったタイミングも同時であった。
3人の王はお互いに気づくと無言で頷き叫ぶ。
「「[緑の王国]の王、緑殿にその力をかしてもらえないか!」」
「どうぞこちらに」
すると、3人の前にヒカリ、クウ、兜が現れ緑の元に案内する。
3人の蟲人が3人の王を案内した場所には円卓を囲む様に椅子が置かれ緑と1人の獣人が座っているのであった。
3人に気づいた緑と獣人は立ち上がる。3人の王と緑が挨拶をかわすと緑が落ち着いた言葉で着席を促す。
「急がないといけないですがまずはお座りください」
3人の王は緑に言われるままに着席する。その着席をしたのを見て緑と横に座っていた獣人が立ち上がり緑が獣人を紹介する。
「この方は今現在の獣人の国王です」
その紹介に3人の国王は悲壮感に包まれる。その様子を見た緑が言葉を続ける。
「先日、獣人の国でおこったスタンピードを止めたお礼言いにを自ら足を運びこられ先ほど到着されたんです」
すると獣人の国の国王は話す。
「今は非常時、自己紹介などは後にして対策を練りましょう」
その言葉に3人の国王は安心する。今ここで国の外交を考え話していては国が亡びるかもしれないと考えていたため獣人の王の言葉は渡りに船であった。
そんな中緑が一言3人に質問する。
「スタンピードは後どのくらいで来ますか?」
「「約3時間だ!」」
その言葉にその場にいた全員が上を向き空を見上げる。奇しくもスタンピードの到着時間がほぼ同じで時間差があれば戦力を集中して各個撃破すれば良いとかんがえていた王達は空を見上げた後うなだれる。
そんな中、緑は発言する。
「[緑の王国]の戦力を分割します!」
さらに緑の後に獣人の国の王が叫ぶ。
「獣人の国からも支援する! 大手S級チームの3つを[緑の王国]の指揮下に入らせる!」」
その3チームとはフェン、グリン、ヒューイのチームの事であった。
短時間の会議ではあったが戦力の分割の内役はこう決まった。
エルフに国には魔緑の嫁3人とその父親の3人のチームとレイとその子供達。
ドワーフの国はヒカリ、クウとその子供達の大部分と兜。
人族の国には緑と魔緑とヒカリ、クウの子供達の一部であった。
人族、エルフ、ドワーフ、獣人と[緑の王国]の王はこれで対応すると決めた。
まずサークルの王国に関しては緑達が移動しダンジョンの扉を多く置いたため緊急的に他の街から戦力を集めるのと緑の支援能力の治癒や体力の実を放出することが条件として、緑と魔緑の2人が向かう事になる。
次のエルフに国は周りが森で囲まれているために森にダメージを与えない事と集団行動を取る際に各場所での局地的判断をするためリーターが必要なため、長年チームの結束とチームでの行動で戦力を上げてきた魔緑の嫁と父親達とそのチームで対処する事とその補助として隠密行動のとれるレイとその子供達が行くことに決まった。
ドワーフの国に向かう魔物の群れには龍種の存在が確認されていたためにヒカリ、クウの子供達の大部分と龍種との戦闘経験がある兜が行くことに決まった。
会議が終わると人族、エルフ、ドワーフの王はすぐさま準備を始めるために入ってきた扉をくぐりに自分達の国に戻っていく。それと入れ替わりに各国の冒険者達がダンジョンに入り整列する。
その中にはアラン、シャーク、レッド達やエルフやドワーフの冒険者達がいた。
皆、各国の王に収集され事の成り行きを説明され会議の後は緑達の指揮下に入るように言われていた。そんな中シャークが叫ぶ。
「よう!王様久しぶりに一緒に暴れられるな! なんでも言ってくれ俺のチームは最後まで緑の盾として戦うぜ!」
「俺達はシャークの様に盾になる事は出来ないが一緒に戦うぞ!」
「兜! 今回も龍種がいるそうだな! 俺達なら次は余裕で狩ってしまえるだろう! 次の龍種の魔石は俺達にくれよ!」
「今回は俺もいるんだ! 新しい炎剣でぶった切ってやるぜ!」
「今回、王より緑さん達と一緒に戦うようにいわれました! 宜しくお願いします!」
「「イリスさんと一緒に戦います宜しくお願いします!」」
「緑! 俺が以前に作った物を者を買ってくれた冒険者達を集めた! しかもこいつ等にはここで遠慮なく材料を使って作った装備をわたしてある! もう余裕じゃろ!」
そうビルが叫ぶとビルの周りの冒険者も叫ぶ。
「ビルさんが作った装備のレベルがさらに上がっている! しかも今回はお試しもできるって話で冒険者冥利に尽きる! なんでも命令してくれ!」
「のう緑! ここで活躍すれば娘達と一緒にここで暮らす事をゆるしてくれるかのう!」
「せや! 一緒に戦えば獣人は家族とみなすねんで!」
「すっごい頑張りますのでどうか考えておいてください!」
そんな冒険者達の言葉を聞いた緑は奮い立ち叫ぶ。
「皆さん集まってもらってありがとうございます! この戦いを直ぐに終わらせてここで盛大な宴会をしましょう! もちろん食材やお酒もたんまりこちらで用意します!」
「「うおおおおお!!!!」」
その後緑達と冒険者達は短時間で作戦を練るのであった。
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