87 / 178
87話 ミドリムシのお店の2日目
しおりを挟む「がはははは!」
今シャークはご機嫌で酒を飲んでいた。
「本当に全てを出し切ってしまったんですね、よくそんな事が出来る……」
ギルがシャークの向かいに座りジト目でシャークをにらみながら酒を飲んでいる。
「ギルの嬢ちゃん今回のゲームの主催者はだれだった?」
「もちろん、緑さんです」
「そうだ、あの王様が自分の主催したゲームで死人を出すような奴か?]
「しかし、あの実が無ければ死んでいたかもしれないんですよ!」
ギルは緑達と出会ったのは魔緑がギルドで登録をする時で魔緑と模擬線をしたが緑の能力まで知らなかった。自分のチームのメンバーが緑の実の話をしていたがそれが量産されており緑達が大量に実を持っている事を知らない。
「あ? お前さんチームのメンバーから緑の非常識さを聞いてい居ないのか?」
「いやチームのメンバーからは兜さんとの話がメインであまり緑さん自身の話はきいてないです」
ギルのその言葉を聞き今度はシャークがジト目でレッドを見る。
そんな中気まずそうにレッドが口を開く。
「実は俺達もあまり緑の話はしらないんだ、実際に模擬線をするまで緑達の事を目の敵にしていたから…… 噂は聞いたがあまりにも嘘くさかったのでな……」
「それは俺達もだ……」
レッドの言葉の後に王都での戦い以来、緑達と打ち解けた冒険者達も声を上げる。
「たしかにジェスターの冒険者以外はあまり緑達と行動を共にしたりあいつらの話を嘘や冗談たと思うやつらが多いのもしかたねぇか…… なら今から俺とアランで緑達の話をするか」
「俺もか?」
突然シャークに話を振られ驚くアラン。
「1番初めにあったやつはお前らだろう?」
「なら! うちが話してもええよ!」
アランがいまいち乗り気でないの見てセリアが自分が話すと手を上げる。
「お、ならセリアお前がはなしてやれ」
それから、緑達と行動を共にしていたセリアとシャークが緑達の話を始める。
「「まじか……」」
シャーク達の話を聞いた冒険者達から思わず驚きの声が漏れる。
「多分今日見た花火だったか? あれ1発くらいの火力なら緑は実を1個爆発させれば簡単にできるだろうな・・・・ それを大量に作って子供達に空からばらまかせるんだ。【軍団】の戦力はもう1国以上なんじゃねぇか?」
それを周りで聞いていた冒険者達が息をのむ。そんな中、1番青い顔をしていたのはあった時に魔緑に喧嘩を打ったギルであった。
「レッドさん俺まじで死んでたかもですね……」
「……」
ギルの言葉にレッドは沈黙して答える。
そんな2人をみてシャークが笑い出す。
「がはははは! 緑がそんな事を許すはずはねぇよ!」
シャークは急に真面目な顔をして続ける。
「あいつは俺の嫁の恩人だ。あいつは俺の嫁のために何でもない様に状態異常回復の実を渡すんだぜ…… あいつはそれさえ実らせりゃあ働く必要もないのによー それまでの俺は正直嫁の病は治らないんじゃないかと…… だが緑に救われた俺はあいつのためになら使いつぶされる盾にだってなってやる!」
そうシャークが宣言すると横に居たアランがシャークの肩をたたく。シャークはアランの顔を見て涙を流しながら続ける。
「あいつはこのダンジョンの王だ俺はあいつと妻を守るためならなんだってやってやる。たとえあいつの周りから人が離れたとしても俺だけはそばにいる」
そういうとシャークは机にうつぶせになるといびきをかき始める。
「シャークは見ての通り緑に感謝している。それだけのアイツ達の力は大きいが緑は人の上に立つためにしているわけでもなく、全ての人々の幸せを願っている…… だから俺達はあいつの幸せを願う! そのためなら何でもするつもりだ!」
「「おおう!!」」
アランの目にも決意が感じられそれを見た冒険者達もそれに呼応する。
「緑そう言う事だ俺達はお前の見方だ!」
そう言ってアインが視線を向けた方に冒険者達も視線を向けると号泣している緑がいた。
「ぐす…… はい、ありがとございますとうございます……」
「「おおう……」」
冒険者達は緑の泣きっぷりに若干後ずさるのであった。
翌日
緑は二日酔いになった冒険者達に状態異常回復の実を配る。
昨日のシャークの話を聞いた冒険者は今使うか迷う。不治の病と思われた病気を治した実それを二日酔いなどで使って良いのか。
「皆さーん実は沢山あるので気にせずたべてくださいねー」
それを聞いて冒険者達は実を食べ始める。
「1人お1つは土産に持ってかえってくださいね~」
そういって緑は実がたくさん入った篭をおくと冒険者達が殺到する。
「それでは、皆さん昨日はありがとうございました! お時間がある人はしばらく留まってもらっても大丈夫なので~」
緑がそう言うと開店初日にきた者達は帰るものやそのまま滞在していく者達にわかれたのであった。
「なぁ、魔緑俺は初めてあった時失礼な態度をとってすまなかった!」
「は? 何言ってんだ?」
「緑達はあれだろう? もう1個の国家として認められているんだろう?」
「ああ、俺も詳しくは聞いてないが緑達はそのようだな、俺は最近チームに入った新米だ。その辺りはしらない」
「だが魔緑はその緑さんの兄弟で一緒くらいの能力を持っているんじゃないか?」
「確かに、兄弟だが能力のバランスはあいつの方が上だ国家と認められたのもあいつの能力の部分が大きい、俺にはまねできなことだ」
「そうなのか俺にしたら魔緑も負けてないほどすごいと思うんだけどな」
「そうか? おれはむしろ戦う事しかできないから緑の様に誰かを守ったり助けたりできる方がすごいと思うんだがな…… だから国も緑を認めるんだろう?」
「戦うしか能がないなんてことはない! 魔緑は俺に! 俺に教えてくれた! まだ俺が強くなれる可能性を! それは俺にとって何よりも嬉しい事だ!」
ギルの目には涙が浮かぶ。
「ああ、ありがとう……」
それを見た魔緑がそういのが精いっぱいであった。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。

転生した愛し子は幸せを知る
ひつ
ファンタジー
【連載再開】
長らくお待たせしました!休載状態でしたが今月より復帰できそうです(手術後でまだリハビリ中のため不定期になります)。これからもどうぞ宜しくお願いします(^^)
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
宮月 華(みやつき はな) は死んだ。華は死に間際に「誰でもいいから私を愛して欲しかったな…」と願った。
次の瞬間、華は白い空間に!!すると、目の前に男の人(?)が現れ、「新たな世界で愛される幸せを知って欲しい!」と新たな名を貰い、過保護な神(パパ)にスキルやアイテムを貰って旅立つことに!
転生した女の子が周りから愛され、幸せになるお話です。
結構ご都合主義です。作者は語彙力ないです。
第13回ファンタジー大賞 176位
第14回ファンタジー大賞 76位
第15回ファンタジー大賞 70位
ありがとうございます(●´ω`●)
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる