緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

文字の大きさ
上 下
83 / 178

83話 ミドリムシの料理教室

しおりを挟む

「しかし、酒もさることながら緑の作る飯は美味いのう」

 ビルは満腹になりつつあるため、今は酒を飲みならが少量のつまみを食べながら呟く。

「たしかに緑の作る料理は美味いな」

 ビルの言葉に同意し頷く魔緑。

「お口にあったならよかったです! まーちゃんもそう言ってもらえると嬉しいよ!」

 そう言って緑はニコニコしている。そんな緑を見ていたビルが口を開く。

「なぁ緑、俺ここに住んだらダメか? 店は息子に譲ったから暇なんだ。なんだったらここで鍛冶の技術を教えてもいい」

「本当ですか!? 僕はこのダンジョンで学校をしようと思っているんですぜひ、ダンジョンに住んでもらって技術を若い人たちに教えてあげてほしいです!」

「「緑そろそろダンジョンの店も開店してもいいんじゃないか?」」

 そう言って緑達の会話に入ってきたのはピエールとゴードンであった。

 そう言われて緑は考えこむ。



 ダンジョンの海の管理も人魚族の孤児たちがしてくれるようになり安定し、海産物もかなりの量が取れるようになった。広大なダンジョンの中に放った野生動物たちは緑達が管理している天敵のいない豊かな森の中で急速に増えている。

 ダンジョンの中は食物があふれかえっていた。

 さらに今考えられるだけで流による体術、ダンジョンで培った農業の知識、緑による算数や文字の勉強に料理教室、これにビルの鍛冶、エルフの里から楽器を弾けるものを招待すれば音楽の授業も可能であり、ピエールやゴードンによる初心者冒険者への講習も開ける。

 この先色々な人がたくさんの事を学べるダンジョンにするにしても一度に多くの事を始めれない、そう緑は考える。

「たしかに人は集まったし食堂だけでも開店してもいいかな? よし各町の孤児院から孤児の中で料理をして働きたい子を雇って、集めて料理教室をしよう! まーちゃんも一緒にお願いできる?」

「俺か? 確かにお前と一緒だからもともと料理はしていたがこっちの世界ではほとんどしていなかったし、今じゃ知識量はお前の方がはるかに高いがいいのか?」

「うん、まーちゃんにはその動物の能力で匂いや温かさ、見た目で料理を観察することを教えてあげて欲しいんだ」

「う~む、まぁ上手くいくか分からないがやってみよう」

「それであれば私達も教えれるかもしれんのう、私はやはり匂いで料理の出来が予想できる」

「ほんまやね、うちはやっぱり目がいいから見た目での判断かな?」

「私は、蛇の感覚で料理の焼き加減を見極めれますね」

 琉璃、凛、珊瑚が緑に自分達も一緒に協力できることを伝える。

「うん! 3人共宜しくお願いします!」

 魔緑はその様子を見て普段食べる事しかしない3人に料理を教える事ができるのか不安になる。

「まて、俺はまだしもお前達料理はできるのか?」

 不安になった魔緑が3人に尋ねる。

「私達は毎日緑に料理をみていたのだぞできないわけがないだろう?」

「そうそう! うちらもただ見ていただけではないんやで」

「そうです、緑さんが料理をするのすっごくみてました!」

 3人がそう言い思い出す。緑が料理をする時蟲人達は役割がわかれており、緑の料理の手伝いをするもの食器などを用意する者にわかれ食事をするために皆が動いていた。

 しかし、3人はというと、確かに緑の料理を真剣な目で見ていた、それは短い付き合いだが魔緑にもわかるほど真剣な目であった。

 それが大量の涎を飲み込みながらでなければ皆だれもが同意しただろう。

 ちなみに蟲人達の中で1番料理が上手いのはファントムであり、それ以外のメンバーは意外な事に兜を含め皆ほとんど同じレベルであった。

 前半緑の言葉を聞いていたピエールとゴードンはうんうんと頷いてい居たが魔緑の嫁(?)の3人が会話に入ってきたころから苦笑いをしていたので周りからの3人の料理の評価は高い物ではなかったと思われた。

 その様子を見ていた流も緑に視線を向けられ力ずよく頷くのであった。

 翌日より緑達が各孤児院を周り料理をして働きたい子を雇いたいと言って回ると直ぐに人が集まり、十数名の子供達がダンジョンで本格的な料理を学び始める。



 数日後、緑達は舌を巻いていた。

 なぜなら集まった子供達はわずかな間で緑達の技術や知識を吸収したためであった。

 驚いた緑が理由を考えていたところ。1つ思いだしたことがあり子供達を鑑定していく。

「やっぱり……」

「何がだ?緑」

「ああ、まーちゃん子供達があまりに早く技術や知識を吸収していくから驚いていたんだけど理由がわかったよ? 忘れてたけどこの世界にはスキルがあるよね? 今調べていたんだけどみんな高レベルの料理スキルをもっているんだ」

「……なるほど、少ない食材や資金、食料の保存があまりきかないこの世界でどうにかして孤児院の仲間に美味い飯をつくれるかと考えていたんだ・・・・」

「ううううぅぅぅ……ぐす……ぐす……」

 緑は高レベルの料理スキルを皆が持っていた理由にまで気づかず魔緑が予想を口にしたことで泣き始めた。それを見た魔緑が口を開く。

「いちいち泣くんじゃねぇ! 今はお前が金や食料の支援をして子供達も腹いっぱい食えてるんだろう? これからは働いてるそいつらにも給料をお前が払うんだ。孤児院の奴らもこれから幸せになっていくんだろう!?」

「うん…… ぐす。でもまだ他の街にもかわいそうな孤児達が居る事を考えたら」

「ゆっくりでいいんじゃねぇか?お前は神ではないだろう? お前が頑張りすぎて幸せにならないのは意味がないだろう…… お前が幸せになってできる限りの最大で他の奴にも幸せを分けてやりゃあいいだろう」

「そうだのう緑お前の飯は食うだけで幸せになれるこのまま精進するがよい」

「ほんま、緑のご飯は美味しいから沢山の人を幸せにできるやろ」

「そうです緑さんのご飯はすっごい美味しいです! それを食べれる私達は幸せです」

「お前達は黙っていろ」

 魔緑の嫁たちが緑を褒め始めるが魔緑がきつい一言で3人を黙らせる。

「クーン」「ピィ~」「シュルルル~」

 3人が悲しそうな声を上げるが試しに3人に料理させたところ、物語の中に出てくる料理のできないヒロインであった。

 それだけならいざ知らず言い訳に調理器具や食材のせいにしだしたので本気で魔緑が怒ったのであった。

「お前達は魔力だけでも生きていけるだろうしばらく食事は抜きだ! 緑! お前も甘やかすなよ! 自分達の料理の腕前を勘違いするのはしょうがないとして他のもののせいにするのはダメだ! 日々緑の子供達が作っている作物やダンジョンの恵みに感謝しろ!」

 そういって今現在もご飯抜きにされていた。

「クーン」「ピィ~」「シュルルル~」

「お前達なら森の恵みは集めれるだろう! それを俺のところにもってこい! それを使って料理を教える!」

「「でれた」」

 魔緑の言葉を聞いた3人は思ったが怒られているためあえて口には出さない選択しを選んだ。

「でれた……」

「緑ー!」

 そんな中思った事を直ぐに口にした緑は魔緑に追いかけまわせれるのであった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます

今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。 アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて…… 表紙 チルヲさん 出てくる料理は架空のものです 造語もあります11/9 参考にしている本 中世ヨーロッパの農村の生活 中世ヨーロッパを生きる 中世ヨーロッパの都市の生活 中世ヨーロッパの暮らし 中世ヨーロッパのレシピ wikipediaなど

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

召喚勇者の餌として転生させられました

猫野美羽
ファンタジー
学生時代最後のゴールデンウィークを楽しむため、伊達冬馬(21)は高校生の従弟たち三人とキャンプ場へ向かっていた。 途中の山道で唐突に眩い光に包まれ、運転していた車が制御を失い、そのまま崖の下に転落して、冬馬は死んでしまう。 だが、魂のみの存在となった冬馬は異世界に転生させられることに。 「俺が死んだのはアイツらを勇者召喚した結果の巻き添えだった?」 しかも、冬馬の死を知った従弟や従妹たちが立腹し、勇者として働くことを拒否しているらしい。 「勇者を働かせるための餌として、俺を異世界に転生させるだと? ふざけんな!」 異世界の事情を聞き出して、あまりの不穏さと不便な生活状況を知り、ごねる冬馬に異世界の創造神は様々なスキルや特典を与えてくれた。 日本と同程度は難しいが、努力すれば快適に暮らせるだけのスキルを貰う。 「召喚魔法? いや、これネット通販だろ」 発動条件の等価交換は、大森林の素材をポイントに換えて異世界から物を召喚するーーいや、だからコレはネット通販! 日本製の便利な品物を通販で購入するため、冬馬はせっせと採取や狩猟に励む。 便利な魔法やスキルを駆使して、大森林と呼ばれる魔境暮らしを送ることになった冬馬がゆるいサバイバルありのスローライフを楽しむ、異世界転生ファンタジー。 ※カクヨムにも掲載中です

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません

野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、 婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、 話の流れから婚約を解消という話にまでなった。 責任感の強いヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、 絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。

処理中です...