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81話 ミドリムシは武器屋に行く。
しおりを挟む緑達が謁見の間から逃げるように出てから数十分後、我に返る者が出始めた。
「なんて美味い酒なんだこのうま味がいい!」
「何を言っている甘いじゃないか!」
「いやいや、この香りが!」
「「うん?」」
本来味の感覚は他人にはわからないがあまりにもそれぞれが言う美点が違いすぎた。
「ちょっとまて!」
王の言葉で酒について良い争いをしていた者達が一斉に止まる。
「今、全員違う事を言ってねぇか?」
王の言葉に全員が顔を見合わせる。
「とりあえず、皆味の感想を1人1人言っていけ」
その後1人1人味の感想を言っていく。やはり先ほどの位争いの原因になった味の違いが発覚する。
「おい、もしかしてこの酒、飲むものごとに微妙に味が変わるのか?」
そう言って緑の居る方を見るがすでに城を出ているためにそこにはいなかった。
王がふと窓を時計を見ると結構な時間が経っていることに気づく。
「緑はどこに行ったああああああ!」
その後緑達はゴードンが国を出ようと言うも観光をしたいと言い買い物をしている所を騎士に発見され再び城に連れ戻されるのであった。
再び戻ってきた王は尋ねる。
「どうして、城からでたんだ?」
王が尋ねるが緑は首を傾げ聞き返す。
「皆さんがお酒を飲んでから反応がなくなったのでその間観光でもしようと・・・・」
「なるほどな、それは悪かった。余りの旨さに味をかみしめていたんだ。しかし、緑もしドワーフの国総出でお前の酒を欲しがったらどうする?」
「それは、ドワーフの国で抽選などをしてもらって順番を待ってもらうしかないですね」
「俺達が無理やり言う事を聞かせようとするとは思わないか?」
「う~ん、そうなるとダンジョンを使って逃げるしかないですね」
その言葉を聞き王は考える。緑のダンジョンの入り口は緑が設置をしたため扉をなくす事もでき、さらには緑達はどこでもダンジョンへの扉を開けて中に入れば逃げれる事を理解する。
「なら大丈夫か…… なあ緑この酒は飲む者の好みで味をかえるんだろう?」
「はい、そうなんです。僕とまーちゃんも作って飲んだ時に感想を言い合った時に違いに気づいたんです」
「だろうな…… この酒を俺は危険と判断した。なぜなら、ドワーフの中にはこれに心を奪われ緑達を襲う物が出るかもしれない……」
そう言って王は目を瞑り考え込むがすぐに目を開き緑達に口を開く。
「だがよく考えりゃお前達がその辺の奴に負けるわけがねぇか」
そう言って王はニヤリと笑う。緑はそんな王を見てニコリ笑い口を開く。
「簡単に負けるつもりはないですね。それに僕達この国で武器を作ってもらいたいので逃げるのもいやです」
「ならさっきの酒で手をうとうじゃないか!」
「あ~ さっきのお酒は量産ができないんです」
「それは何故だ?」
「それは僕とまーちゃんでしか作る事ができない蜂蜜から作った物だからです。さすがに僕達もその蜂蜜は量産できません」
「う~む、なら昨日出した酒ではどうだ?」
「それなら可能です」
「ならそれで手を打つ。この国で最高の鍛冶師を紹介しよう」
「よろしくお願いします」
「ゴードン、地図と紹介状をわたすから緑達を案内してやれ」
「わかりました」
そう言って今度こそ城をあとにする緑達であった。
「しかし、焦ったぞ。緑達が逃げないと言い始めた時は、確かに俺は緑達の能力をわすれていたが・・・・」
そう言って先頭を歩くゴードンの後ろには緑達がいる。
「僕達は何も悪いことはしてないですし、無理やり言う事聞かされそうになったらさっき言ったみたいにダンジョンに入ってにげればいいですしね」
「そりゃそうか・・・・ お、着いたはいるぞ」
「大きなお店ですね・・・・」
緑のイメージでは鍛冶屋のお店は小さいものであったが今目の前にしている店は今まで緑が見てきたこちらの世界で1番おおきなものだった。
ゴードンを先頭に店に入っていく緑達。中には所狭しと武器や防具が置かれていた。
「いらっしゃませ。おや人族のかたですか珍しい」
そう言って出てきたのは珍しく丁寧な喋りをするドワーフであった。
「初めまして僕は水野 緑と言います。王様より紹介されてきました。武器をいくつか作ってほしいんです」
「ほほう、どのような武器でしょうか?」
「大きな斧、スピアーにチャクラムですね」
「斧とスピアーはわかりますがチャクラムですか……」
「ちなみにチャクラムは同じ規格の物を200枚ほど欲しいんです」
「に、200枚ですか!?」
「大きさはそうですね…… 直径30㎝ほどでいいので。後、スピアーは先端を回転させれることが出来たらうれしいですね」
「おい、客か?」
「親父はひっこんでてくれ。王様の紹介なんだ」
「ほう、王様の紹介か・・・・ お前達何か鍛冶で役立ちそうな物や魔法はないか?」
「役立ちそうな魔法やものですか・・・・ すいません、この近くに広場はありませんか?」
「ああ、それなら試し切りなんかで使う裏庭がある。こっちだ」
そう言って案内され緑達は裏に行く。
「これくらい広ければ大丈夫だね」
「まーちゃんお願いできる?」
「ああ、お前が考えていることがなんとなくわかる」
そう言って魔緑は手のひらの上に直径10㎝程の火の玉を作り出す。
「ふむ、なんの変哲もない火の魔法じゃなこれくらいじゃ普通に火を起こした方がいいじゃろう」
「まぁ、爺さんあわてるなここからが見せたいものだ」
魔緑がそう言いうと炎の色が赤から青をそして白色に変化する」
「む、色が変わったが何かかわったのか?」
「要らない金属はあるか?」
「ふむ、ならこれを使うがいい」
そう言って持っていた剣を渡される。
「溶けると思うがいいか?」
「ああ、その剣は熱に強い剣でな作るのに苦労したんじゃ、そこらの火の魔法でも溶かすには時間がかかるぞ」
「なら、丁度いい」
そう言って魔緑は火の玉を青色に調整し剣を火の玉に差し込む。するとしばらくするろ剣が真っ赤になる。
「何、この短時間で剣が真っ赤になるのか!?」
その言葉を聞き魔緑は火の玉より剣を抜く。
「1度冷やすぞ。緑頼む!」
そう言うと魔緑の近くに水の玉が出現し、それに剣を刺す。
ジュウウウ
真っ赤になった剣が水につけられ音を出す。
「こんなもんか、じゃあ次行くぞ」
今度は真っ白な火の玉をだす。
「爺さんあんたが剣を刺してみろ」
そう言われて剣を受け取りドワーフは白色の火の玉に剣を入れる。
「なに!?」
あわてて剣を引き抜くが剣の先は削られたようになくなっていた。
「これは・・・・ がはははははは!! お主達合格じゃ! わしが武器を作ってやろう! ただその際は手を貸せよ。俺の名はビルってんだ宜しくな」
そう言って魔緑の肩をたたく。
「僕の方も見て欲しいんですが・・・・」
「大丈夫だこの炎さえ使えればいい! あとは材料はこっちで集める!」
「その材料の方ですが僕の方で何とかなるかもしれません」
「ん? ならとりあえず見せてくれ」
そう言われ緑は魔力を圧縮し始める。本来魔法にあまりくわしくないドワーフだが緑がけた外れの魔力を圧縮し始めたために焦り始める。
「おいおい! どんなけ魔力を圧縮するんだ! そんなに圧縮して何に使うんだ?」
そうビルが言った瞬間、緑は魔法を発動させる。圧縮された魔力を使い金属を作り出す。
緑の魔法で今、目の前にできた金属を見てビルが叫ぶ!
「ミスリルじゃねぇか!?」
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