64 / 178
64話 ミドリムシとミドリムシ?
しおりを挟む「緑よ我らと魔緑は初め円滑な関係を結んでいのだ」
「そうだな確かに俺らは初め円滑な関係を結んでいたと言える・・・・」
「だがある日突然、魔緑が世界樹様が寄生されているから世界樹様の一部を削り寄生しているものを倒さなければならないといったのだ」
「ああ、その通りだ。だが、こいつらは確証がないのに世界樹様を傷つけられないと言ったんだ」
「鑑定で調べる事ができなかったからか・・・・」
「そうだ、我らも鑑定で世界樹様の状態がわかれば魔緑の提案に直ぐに頷くことが出来たが鑑定できなかったために少し待つように言ったのだ」
「待ってられるか! それこそ世界樹はチンタラしている間に寄生している奴らに食い殺されると俺は思っていたがもう一人の俺が現れた」
「僕が何かの役に立てるの?」
「お前は自分の髪を操る事が出来るだろう?:
「確かに僕は自分の髪を操れるけどなんでわかったの?」
「お前が俺の魔法を盾で防いだ時、吹き飛ばされなかったからだ。表には出さなかったがぎょっとしたぞ、あれだけ推進力に魔力を使ったのにお前はその場で盾で防ぎ続けたからな」
「確かにあの時は内心焦ったよ。髪をそこら中の木に引っ掛けて吹き飛ばされない様にしていたからね。髪を引っ掛ける木にダメージが行かない様にかなり厳選して木に髪を引っ掛けたね」
「俺はあの時お前を世界樹の元に吹き飛ばすつもりだったからな」
「そうだったのまーちゃん!?」
「「まーちゃん!?」」
魔緑や周りで聞いていたエルフ達が驚きの声を上げる。
「僕とマーちゃんは一文字しか違わないからこう呼ぶ方がわかりやすいと思ったんだけど・・・・」
「と、とにかくだ、お前は髪を操り繊細な攻撃ができる。そして俺は気配や敵の位置を把握する能力が高いこの2人がそろえば世界樹にダメージを与えず寄生している奴らを殺す事ができるだろう?」
「魔緑が索敵に関する能力が高いのは分かる、緑が繊細な攻撃を持っていると聞いたがその2つをうまくつかえるのか?」
魔緑の提案に不安になる王が尋ねる。
「僕達はもともと1人だったと思われるのでお互いの能力を上手く使えると思います!」
「魔緑そなたは我々が止めるのを無視して世界樹様に攻撃をした! 緑と違って信用したわけではないぞ! いいな!」
王の疑問に対して緑が答えるが王は納得できない心情を露わにする。
「ああ、それでかまわねぇよ! だがな、俺の言ってことがあっていた場合それ相応の事をしてもらうからな!」
そう言って魔緑は世界樹に向きなおる。
「う~ん、でもすればまーちゃんと僕の能力を合わせて使えるだろう」
緑の呟いた言葉に魔緑が返事をする。
「俺とお前が近くにいりゃあ何とかなるだろう!」
「まーちゃんは無計画なんだから・・・・」
魔緑が周りの気配に集中する。
「ああ、わかったぜ・・・・ 結構な数が寄生してやがる、緑準備はいいか!?」
その言葉を聞いて緑が魔緑の手を握る。
「うん、まーちゃんから敵の情報が流れてくるよ・・・・」
「世界樹様の体の奥深くに寄生しているのもいるね・・・・ 世界樹様の内部へのダメージを少なくしないとね。じゃあ倒すね」
その言葉の後、緑の髪が疾走する。緑は世界樹に寄生する者達を魔緑の力を借りて正確に探知し、さらにそこに行きつくまでの道筋で魔緑の能力で世界樹にダメージの少ない道を選ぶ。
緑の髪と魔緑の情報により世界樹に寄生していたもの達は、全てが倒されるのであった。
その後、緑が再び世界樹を鑑定する。
「大丈夫です! 世界樹様の寄生されている状態から解放されました」
「「よくやってくれた!」」
緑の言葉を聞いたエルフ達は感謝の言葉を緑に伝える。
エルフ達の後に魔緑も緑に顔を向け口を開く。
「やるじゃねぇか、俺だけでも寄生してるやつらは倒せたけど、世界樹に与えるダメージが雲泥の差だ」
魔緑は緑に言葉を伝えると照れくさそう横を向く。
「僕だけじゃ敵の正確な位置は特定できなかったよ。ほんと、まーちゃんのおかげだよ!」
そう言って緑は魔緑に抱き着く。
「よせ、抱き着くな! 同じ顔の奴に抱き着かれても嬉しくもなんともない!」
そう言って押された緑は尻もちをつく。
ザン!
その音が聞こえたのは尻もちをついた後で緑が立ち上がろうとしている時であった。
「うっ!?」
魔緑の体がずれ始める。
周りで見ていたもの達は状況が呑み込めなかった。魔緑に押され緑が尻もちをついた。周りから見ればそれだけであった。
「まーちゃん!」
「ゴフ、くそ! 俺でも感知できない奴がいるとはな・・・・ あーこりゃダメだわコアもいかれてやがる・・・・ 異世界に来て幸せになる予定だったんだがなぁ」
「これを早く食べて!」
緑がそう言って治癒の実を魔緑に渡す。
「ああ、これで傷は治ったが・・・・ やっぱだめだわ、コアを切られちゃあ無理だな・・・・ 痛みや苦しみはないが段々眠くなってきた・・・・ お前は・幸せに・・いき・・・ろ・・・・よ」
緑は頭の中で思考し続けていた。何か魔緑を救う手立てはないかと。
「兜! ごめん、兜が龍種を討伐したさいに手に入れた魔石まーちゃんにくれない?」
「了解っす! 大将が決めたことに反対なんかありません!」
そう言って兜は龍種の魔石を緑に手渡す。
「まーちゃんちょっと痛いかもしれないけど我慢してね」
そう言って緑が魔緑のコアをむき出しにしようと胸を裂こうとするが魔石が魔緑の体に沈み込む。
皆がその様子を見守っていると魔緑の目が開く。
「ん? コアが・・ なんだこりゃ?」
「まーちゃん、良かったよコアは治ったんだね」
緑が涙ぐみながら呟く。
「あー 助かったよ、だが話がある。俺を鑑定してみろ」
「うん? わかった鑑定するね。鑑定」
水野 魔緑
【種族】 超ミドリムシ龍
「あ・・・・ まーちゃん超ミドリムシ龍になってる・・・・」
「あ・・・・ じゃねぇよどうなってんだ!?」
周りで見ていたもの達は緑達のやり取りを聞いていても要領を得ない顔をしいる。
「くくくくく、まーちゃん死なないとは思っていたが面白いことになっているな」
「お前もまーちゃんって呼ぶんじゃねぇよ」
笑い声の主は魔緑を背中に乗せていた3mほどの狼であった。
「もう大丈夫そうだね」
「なぁ緑よ何が起こったのか説明してくれるか?」
様子を見ていた王が緑に頼むのであった。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。

聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

銀腕の武闘派聖女
小狐丸
ファンタジー
一生を武に生きた女性が、生まれ変わったのは貴族の少女。
不運にも事故に遭い右腕を喪くし、幸運にも神造の義手を得る。
その少々武闘派の少女が歩む人生。
気分転換に書いたものですが、暇つぶしになれば幸いです。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?

転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる