緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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55話 ミドリムシのお別れのご挨拶

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 翌朝緑達は出発の準備をしていた。

 街の復興も落ち着いたので本来の目的地のゴランに向けて出発することを2階のベットに誰が寝るかの家族会議の途中で決めたのであった。

「じゃあ、皆それぞれ挨拶に行こうか」

 そう言って緑達は全員が街で交流をもたった人々に挨拶に向かう。

 緑は、連日孤児院の修復を手伝っていたため孤児院の人達に挨拶をしていこうと向う。

「あ~! お肉のお兄ちゃんだ~!」「お肉♪  お肉♪  お肉♪」

 子供達はもう緑を肉の人としか認識していなかった。

「みんな今日はこの街をでるから挨拶にきたんだよ」

「「え?」」

 子供達は緑を中に案内しようと前を歩きだしたところで緑の発言を聞き振り返り緑を見つめる。

「「うえ~ん!!」」

 緑の言葉を聞いた子供達が一斉に泣き始める。

「お花のお兄ちゃんいかないで~」「もうお肉いらないから~いかないで」

 子供達は、あれほど肉に執着をしていたにも関わらず、肉はいいから緑にいて欲しいと泣きはじめる。

 そんな子供達をみた緑の目にもみるみる涙が溜まり決壊する。

「みんな、大丈夫僕のおうちに来れるドアが孤児院の中にあるからいつでも遊びにおいで」

 緑の目からは涙が溢れているが表情はニコニコと笑いながらダンジョンの入り口を子供達に説明する。

 緑と子供達のやり取りを聞いたシスターと神父が緑の元に来る。

「緑さん目的地の街にむかうのですね」

「私達のために足止めをさせてしまって申し訳ない」

「いえ、皆さんとの日々はとても貴重なものでした。街は離れますが何かあればドアを使って遊びに来てください。他の街の孤児院人達も毎日来ている人達もいるので大丈夫でうよ」

「本当にいいのでしょうか。私たちがお邪魔して」

 困惑した顔でシスターが緑に言う。

「なら、今から僕のダンジョンにきてください!」

 緑の言葉で全員でダンジョンに向かうのであった。



 緑にダンジョンの扉を通ると自然豊かた光景が広がりそれを見た子供達が騒ぎだす。

「わあ! おっきな公園だ!」「あ! おっきな虫さんだ!」

 子供達はダンジョンに広がる光景と緑に集まってきた子供達をみて興奮する。

「こらこら、あなた達かってに遊びにいってはだめですよ!」

 散り散りになって駆け出しそうな子供達にシスターが釘をさす。

 そんなやり取りをしていると子供達が続々と集まって来る。孤児院の子供達と自分の子供達を見て緑が思いつく。

「そうだ、皆大きな虫さんに乗りたくない?」

「「のりた~い!」」

 緑の言葉に子供達の興奮はさらに高まる。緑は集まってきた子供達の中でも大きな子達にお願いをする。

「「はや~い♪」」

 今、孤児院の子供達は大きな緑の子供達の背に乗せてもらい上機嫌であった。緑が声を掛ける大きなキラービー、ホレストアント、デッドマンティス達が子供達を乗せたがり、むしろ緑の子供達の中で取り合いが起こるほどであった。

「キャハハハハ!」

 キラービー達は1匹につき人間の4~5人など簡単に運べるが安全を確保するために子供を運んで空中を飛び回る者とその周りで万が一に備える者の2匹で1人の対応をする形を取っていた。

 ホレストアントの子供達は数人の子供達を背にのせ走り回り時折、坂を駆け上ってジャンプをするとよりいっそう子供達が喜ぶため何度もジャンプ繰り返す。

 緑がホレストアント達の様子を見ていると上空から声が聞こえる。

「キャアアアアアア!」

 緑が上空を見上げると孤児院の子供が1人空から落ちてくる。緑はすかさず子供が落ちると思われる場所に瞬時に髪を編み込み子ども受け止めようとする。

 しかし、緑が髪を編み込み準備をした5mほど上空でキラービーが子供をキャッチしそのままに上空に飛んでいく。

 その様子をみた緑はしばらく黙って様子を見ていると先ほどの子とは違う子供が上空から落ちてくる。

 孤児院と緑の子供達はリアル紐無しジージャンプもしくは、パラシュート無しのスカイダビングをして遊んでいるのであった。

 さすがにこれは緑も子供達に注意し、自分の髪で編んだ安全ネットを作り出しやるならこの上でしなさいと言うのであった。

 デッドマンティスの子供達はの孤児院の子供達とかくれんぼをしていた。

「くすくすくす、まだっこちに来ないね」

「きっと見つけれないよ」

 そんな二人の子供が隠れている場所に1匹のデッドマンティスが近づいて来る.2人の子供はお互いに顔を見合わせると人差し指を口に当てがい静かにデッドマンディスの様子をうかがう。

 するとデッドマンティスは2人に気づかず去っていく。それを見た2人は安堵するが不意に肩をたたかれ振り返る。

 そこには先ほど近くを通り過ぎた者とは違うデッドマンティスがたっていた。

「「あはははは、見つかったね」」

 デッドマンティス達は子供達と一緒にかくれんぼを楽しんでいた。



 その後、子供達はそれぞれ交流を深め、また遊びに来ると約束をする。

 緑が子供達、シスター、神父を見送るとダンジョン内の家にもどる。そこに、すでに街で挨拶を終わらせた蟲人達がおりお互いの状況を報告し合う。

 翌朝、緑達はハーウェイの街の城壁をでて、大きなホレストアントの子供達に馬車を引いてもらいゴランの街を目指すべく街を出発するのであった。


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