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41話 ミドリムシは庭園の手入れをする
しおりを挟むレイが希少部位を発見しその処理方法まで見つけ出すと職員達は今まで謎の部位であったものや、解体が困難なものを次々とレイに確認してもらう。
「ここはきっと重要な部分ですね~ きっとこうすれば~ できました~ 」
「「おお~! 」」
今までわからなかった部位の謎を解き。
「ここの処理なんですが・・・・」
「ここは、こうしてこうすると処理の手間がすごく減ります~ 」
「「なるほど! 」」
レイは職員達に言われるままに素材を確認し、処理の方法やどういった役割を持っているか予測していく。職員達はレイと一緒に解体し発見を繰り返す。職員達にとってそんな夢の時間は一瞬で過ぎてしまう。
それから数日後・・・・。
「「ありがとうございました! 」」
「こちらこそありがとうございました~ 」
「また来てください! 」「レイさんならいつでも大歓迎っす! 」「絶対にきてくださいよ! 」
ギルド職員達に別れを惜しまれながらレイは依頼を完了するのであった。
レイは、依頼の間ギルドの解体場に通い続け、解体、手伝いと新たな処理方法、希少部位の発見を数多く成しえるのであった。
それ以降、王都の解体場ではレイは神の様に崇拝されるのであった。
緑の場合
緑は依頼のため王都のお城に来ていた。緑が受けた依頼はお城の庭園の手入れの手伝いであった。
「初めまして! 緑と言います! 今日は、宜しくお願いします! 」
「礼儀正しいあんちゃんだ、俺はこの城の庭園の管理を任されてるボンドってもんだこちらこそ宜しくな! 」
「今日僕は何をすればいいんでしょうか? 依頼にも手伝いとしか書いてなかったんですが・・・・」
「まぁ、そのまま以来の通りだ。俺が庭の手入れをする際の手伝いだな、俺がハシゴに登る際はハシゴを抑えたり、水を汲んできたりだな」
そう言って2人は庭園の手入れを始めるのであった。ボンドは伸びすぎたり、伸びた方向が悪い物を切っていき形を整える。
低い位置のものから切っていくが対象が徐々に背の高いものになっていく。庭木を切っていくとボンドの背が届かなくなると緑に脚立を取るように言う。
言われて緑が道具を集めて置いてある所から脚立を運んでくる。
「じゃあ、脚立を抑えておいてくれ」
そういわれて脚立を抑える緑、ボンドは緑が脚立を抑えている間、もくもくと手入れをしてくそんな中不意に声を掛けられる。
「せいが出るなボンド」
「こ!これは陛下! うわ! 」
そう言って慌てて振り返ろうとしたボンドがバランスを崩し脚立から落ちる。
落ちるボンドはギュッと目を瞑るが落下する感覚と落ちた衝撃がこないことを不思議に思いゆっくりと目を開ける。
するとボンドの体が空中に張り付けられたように浮いている。
自分の状況がわからないボンドが混乱していると体はゆっくりと降りていき真直ぐ立つように地面に着地する。
「ボンドよ悪いな、思わぬところで声を掛けたようで・・・・」
「陛下! 陛下が謝るような事はありません! 気を抜いていた私が悪いのです! 」
「いや、わしの考えが至らなかった。緑も助かった。しかし緑がボンドのてつだいとはな・・・・」
「陛下は緑をご存じで? 」
「ボンドよ先日のIランクの認定は聞いているか? 」
「もちろんです、その噂であれば俺でも聞いてます」
「そのIランク認定を受けたのがそこの緑じゃ」
「え? 緑がですか? 」
「そうじゃ、なあ緑。さっきボンドが落ちかけた時助けたのも緑だろう? 」
「はい、確かにIランクをいただきましたし、落ちかけたボンドさんを支えたの僕ですね」
そう言って緑は苦笑いをする。その言葉を聞いたボンドは目を見開き緑に尋ねる。
「緑はすげ~ 冒険者なんだな。さっきは助かった! ありがとうな! 」
ボンドが緑に礼を言い終わると王が緑に尋ねる。
「なあ緑、この自慢の庭園をさらに良くする案はないか? 」
そう王に言われた緑は考え込む。緑がしばらく考え込むのを王とボンドが見つめていると緑が顔を上げ王に尋ねる。
「僕のダンジョンの者に聞いてみようと思うので入り口を開いても良いですか? 」
「ああ、よいぞ。ただこの庭園を家族で溢れさすなよ」
王に言われ頷く緑はダンジョンの入り口を開く。それをみたボンドが唖然とするなか緑はダンジョンの中にむかって呼びかける。
「スノー! お願いがあるんだけどー こっちに来てくれない? 」
ひょっこり出てきたスノーが緑にどうしたのか尋ねると緑が経緯をスノーに話す。
「それだったらこの子達に直接聞けばいいよ~ みんな出ておいで~ 」
スノーがそういうと庭園のいくつかの木から数人のドライアドが顕現する。
「ドライアド!? 」
思わずボンドが声を上げるが緑と王は平然とみている。
すると、ドライアド達がしゃべり始める。
「もう少しお水が欲しい」「私の近くの土の元気がないの」「もう少し枝を切ってほしい~ 」
ドライアド達は口々にお願いをし始めるとボンドはそれを1つ1つ聞いていく。そんな中王が緑に話しかける。
「緑よボンドを頼むぞ」
「はい、でも何も言わずにいくのですか? 」
「ああ、わしもボンドも忙しいのでな。じゃあな」
そう言って王はその場を去っていく。緑は王を見送ったあと振り返りボンドの元へ歩いていく。
そこからボンドと緑は大忙しであった。肥料などはダンジョンから緑が持ってきたり、緑に髪で支えられたボンドが高所で伸びすぎた枝や葉を切るなど様々な対応をする。
「はぁ~ 終わった終わった。緑今日はありがとなお前のおかげで何時も以上に仕事がはかどったし、念願のドライアドも顕現してくれた」
「ドライアドの顕現が念願ですか?」
「ああ、そうだ庭師の俺らにしたら自分達が手掛けている庭の木からドライアドが顕現するのは木の状態が最高の状態だという証だからな! 」
「ならさらに増えるといいですね」
「増えるに決まっている! 今顕現しているドライアド達が他の木との通訳をしてくれるからな! 」
「なるほど、1人でも顕現したら後は芋づる式なんですね」
「ああ、そうだ! ただし腕があるならなの話だがな! 」
それを聞いて緑はダンジョンに戻ったらスノーや他のドライアド達に要望を聞こうと思うのであった。
数日後
「じゃあ今日で依頼はおしまいだ緑には大きな借りができたな! なにか困ったことがあったら言ってくれIランクの冒険者の困った事は力になれないかもしれないがな! 」
そう言ってボンドは緑に利き手をさしだし緑もそれにこたえ握手をする。ボンドの握手には力が込められており、緑は力になると軽く言った言葉とは裏腹にボンドの決意を感じるのであった。
クウの場合
クウが受けた依頼は王都の中での配達をする仕事であった.クウは街の中での配達は修行になると思い選んだのだが流にさらに枷をつけるよう修行の条件をだされるのであった。
その枷とは流が若かりし頃、修行に使っていた手足の重りの魔道具であった。それはつける本人が魔力を流すことによって手足に付けたバンドが重くなるよいう魔道具。
「はぁ、はぁ、はぁ、これはきついですね・・・・・さすが流さんです。私以上に私の体を苛めることを考えて言いますね」
そう言いながらクウは王都の中を走り抜けるのであった。そんな中クウと同じように配達の仕事をしている人がいた。
そのものはクウを見かけると声を掛ける。
「嬢ちゃん! えらく疲れているみたいだが大丈夫か? そんな事じゃ今日中に片付かないじゃないか? 」
「ご心配ありがとうございます! でも頑張って今日中に終わらせます! 」
そんな返事をするクウだが息も絶え絶えで声を掛けた男は見かねてクウに言う。
「嬢ちゃん、いい体の使い方をしているがこの王都の大通りを走り抜けようと思ったら、体の使い方だけじゃ足りないぜ」
そんな男のいう事に興味をもったクウは男に聞き返す。
「なら、どうすればいいんですか? 」
「しょうがない、一度止まってお互いのリストを確認するぞ」
男がそう言い止まるのでクウも止まり男と配達先のリストを見せ合って話すのであった。
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