緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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18話 ミドリムシは新しい街へお出かけする

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 この日ダンジョンに来たチームで兜に挑戦し倒したチームは居なかった。

 そのためご褒美は何なのか分らずじまいで終わったっていた。冒険者たちは兜に勝てはしなかったが兜の戦いへの真直ぐな考えは好感が持てるものであり、いくつかのチームは次ここに来た時にまた兜に挑戦すると約束をする。

 一時は兜に不快感を持った冒険者達と兜の関係が良くなり、嬉しく思いニコニコしていた緑にギルドマスターが歩み寄る。

 ギルドマスターは今日はまででにして、全員でダンジョンを出る事を伝える。そう言われた緑は頷きダンジョンの出口を出す。

「それでは、今日はここらで全員かえるぞ!」

 ギルドマスターの声に各チームも頷きダンジョンを出る。その後緑達は今回ダンジョンに来た冒険者達がここでの1日を非常に喜んでくれたことに喜び、また指摘された改善ポイントを皆で考えるのであった。

 ダンジョンを出た冒険者達は、今後ダンジョンに来れるように『赤い依頼』をこなそうとギルドボードに向かう。

 1人自分の部屋に戻ったギルドマスターは今後、緑のダンジョンをどこまで開示するか、その開示もどのような時間をかけていくかを考えるのであった。



 3日後、朝ギルドマスターが部屋で仕事をしていると部屋にギルド職員が駆け込んでくる。

「マスター!スタンビートです!」

 慌てて入ってきた職員が部屋に入るなり叫ぶ。それを聞いたギルドマスターは職員を落ち着かせ詳しく話を聞く。

 今緑達がいる街のジェスターより南に100㎞ほど先にあるゴランの街のダンジョンが溢れたとの事。ジェスターの街に来るまで1日20㎞進むとしておよそ5日、ダンジョンの街はもし魔物が溢れた際にはダンジョンを封じ込める準備をしているが今回の溢れた魔物の数が想定を上回っており、抑え込む事が無理だと考えジェスターの街のギルドはに連絡を入れたのであった。

 ギルドマスターは考える。このジェスターの街までスタンピードが到達した場合進路上にある小さな村や町は確実に壊滅する。

 今から少数精鋭で冒険者を送り込んだとしても馬を使っても最低2日はかかる。そうなるとゴランの街も耐える事は出来ない。

 なんとか1日で欲を言えばこれから街をすぐに出て日が暮れる前に街に到達でき尚且つ戦闘能力が高い者を向かわせたい。

 しかし、到達できたとしてもスタンピードの数には対抗できないだろう。考え込むギルドマスターはおもむろに立ち上がりギルド職員に向かって緑達と3日前に緑のダンジョンに入った冒険者で連絡が取れるものを全て集めるように指示をだす。

 2時間後ギルドの会議室に冒険者達が集まった。ギルドマスターは冒険者達にスタンピードの内容を伝える。しかし、ゴランまで100㎞ほどある距離をどうやって進むかという話になる。

 そんな冒険者達から質問が出るのは分かっていたギルドマスターは緑達のチームが集まっている場所を見て尋ねる。

「すまないヒカリ君、きみは空を飛べる様だがどのくらいの速さでどのくらい飛び続けることができる?」

「わかりません、短時間なら音も超えれるかもしれませんが長距離を飛ぶことを私は人型に成ってからは行っておりません」

 その発言に冒険者がざわつく、改めてヒカリの戦闘力がいかに高いか各チームで話始める。そんな冒険者達をギルドマスターは黙らせ緑に尋ねる。

 ここに居る冒険者を緑のダンジョンに入れそのダンジョンコアを持ってゴランまで飛びそこでダンジョンから全員出す事は可能かと。

 それを聞いた緑はギルドマスターに笑顔で頷き、振り返りヒカリに申し訳なさそうに尋ねる。

「ヒカリ申し訳ないけどゴランの街まで飛んでもらえるかな?」

「緑様のお願いを私が断るとでも?」

 緑に尋ねられてヒカリは少しムッとした顔つきになったが緑がその言葉を聞いて笑顔になると頷くのであった。

 そこからの行動は早かった。緑がダンジョンを開け緑、ヒカリ、ギルドマスターを除いたその場にいた者達全員が中に入る。ギルドマスターと緑とヒカリはそのままギルドを出て城壁まで行き、ギルドマスターが出した地図を3人で見ながらゴランの街の方の方角を向く。

「ヒカリ君この先を真直ぐに飛んで欲しい、もしわからなくなった場合ダンジョンに入り私にきいてくれ」

 ヒカリは頷きギルドマスターと緑はダンジョンに入るのであった。2人がダンジョンに入り扉が消えたのを確認したヒカリはゆっくりと上昇し始める。

 そのまま、ジェスターの街が一望できるくらいの高さになってからそのスピードを上げていくのであった。

 ダンジョンに入った緑はギルドマスターに尋ねる。

「ギルドマスターが直々に来ていいんですか?」

 その問いにギルドマスターは、ゴランについてから向こうのギルドマスターや町の代表者に直接会えば時間の短縮ができると言う。

 緑はなるほどと思い手を打ち、ギルドマスターとゴランについてからの話をすすめるのであった。

 2時間後ダンジョンに扉が出現しヒカリが入ってくる。それを見たギルドマスターが道に迷ったか尋ねるとヒカリはゴランの街の近くに着いたと答える。

 ギルドマスターはその言葉に驚きつつも表情には出さずヒカリに短剣を渡す。

 ギルドマスターはヒカリが砦の中に直接降り、ゴランのギルドマスターを呼び、その短剣を見せるように伝える。

 ゴランの街の上空から見ると、ゴランの街にも城壁がありモンスター達はそれを登ろうとしているが城壁の上から冒険者達がモンスター達を攻撃して落としていた。

「くそ、全然減りやしねえ!このまま城壁を破られるのもじゃ時間の問題じゃねぇか!」

 城壁の上から攻撃している冒険者達がそんな話をしていると上空から人がおりてくる。

 その人は虫の様な触覚を持ち、背中には翅が生えておりそれを羽ばたかせている。それを見た冒険者達が警戒し集まってくる。

 そのうちの1人が質問する。

「あんた誰だ? 人族じゃないよな?」

 そんな言葉を投げかけられながらも、その人物は周り見まわしていたがそれをやめ大きな声を出し尋ねるのであった。

「私はジェスターの街の冒険者ヒカリです! こちらにギルドマスタはおられますか!?」

「このくそ忙しい時に俺に何の用だ!」

 そう言いながらにヒカリの前に出てきたものは筋骨隆々だが背が低いドワーフの男だった。

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