緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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11話 ミドリムシはダンジョンを作る

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 ダンジョンから戻ってきてから数日、緑、ヒカリ、クウの3人はギルドで依頼を受けるなどもせず、ゆっくり過ごしていた。

 こちらの世界に来てから数日怒涛の出会いや経験をした緑であったが宿もしばらくは金銭の事を考えず泊まれる経済状況になって初めて本格的に自分がどのように生きていこうか考える。
 緑が考え、今できる事をリストアップしていく。

 冒険者、防具屋、農業、飲食店などなど緑は考えるのであるがどれも1級の職人や冒険者にすぐになれる事に気づいていない。

 まず、冒険者も今の時点でアラン達ほどではないがダンジョンに潜り生計を立てている冒険者でも、中級者以上。さらには欠損も直せる実も作り放題。防具もs級間近のアラン達でも底が見えない髪で編んだ装備、農業にいたっては、緑が花や実まで作れるとなると緑産の花粉で今までになかった農作物や様々な効果を持った作物を作るなど、飲食店も農業から派生した仕事ではあるがほぼ間違いなく成功することができた。

 ただ緑の成功の予想がかなり過小評価で、どれも仕事とした時に周りに途方もない影響を与える事に緑自身が気づいていなかった。

 そんな考え事をしている緑にクウが尋ねる。

「緑さ~ん♪ 昨日拾ったダンジョンコアでダンジョン作らないんですか?」

 ダンジョンで手に入れたアイテムのダンジョンコアは魔力があればあるほど自由にダンジョンを作れるアイテムであった。そのアイテムを思い出した緑はダンジョンを作ることを考え初めその結果先ほど考えた事がこのダンジョンコアがあれば全て同時にすることが出来るのではないかと考えた。

 そして、おもむろに立ち上がりヒカリとクウに今から街の外に行くと伝える。

「「一緒にいきます(♪)」」

緑の提案を聞き、2人はもちろん緑についていく。

 街から出て近くの森の中に入り広場を見つけると緑がさっそくダンジョンを作り始める。

 緑がダンジョンコアに魔力を込める。この時魔力の操作をしたことが無い緑は自分の中にあるいくつかのエネルギーを全て大量に注ぎ込む。

 ひとまずエネルギーを注ぎ込んだ緑がダンジョン中を想像する。太陽があり草木が豊かで山もあり川も流れる広大な土地を思い浮かべる。

 「ダンジョンオープン!」

 緑がそう唱えると目の前に人が1人通れるくらいのドアが出現した。

「ヒカリもクウもやってみて」

「「はい(♪)」」

「「ダンジョンオープン」」

 するとヒカリとクウの前にも扉が現れる。

「よし入ってみよう」

 3人がそれぞれの目の前のドアを開けて入る。そこには先ほど緑が想像した自然あふれ川や山が広がる広大なダンジョンがあった。

 本来ダンジョンは階層があるものだが緑はそれをなくし1階層しかない広大なダンジョンを作った。

 とてつもない広さのダンジョンを見た瞬間3人が目を輝かせると、ヒカリとクウが緑に詰め寄る。

「「子供立ちをここに住ませてもいいですか?」」

「うん、そのためにダンジョンを作ったんだ」

 その言葉を聞いたヒカリとクウは小躍りをしながら駆けていき、ヒカリがまずはダンジョンでも一緒であった初めの5匹を召喚する。続いてクウも子供を生み出し始めるそれぞれがエネルギーの残量を気にしながら生み出し続けた結果それぞれ100匹程の子供を生み出すのであった。

 そして、その子供たちは各々好き勝手にダンジョンを見回りはじめる。

 その光景をみてクウの子供たちはその体が黒いことから黒い絨毯が連想され、ヒカリの子供たちは黄色と黒の警戒色のカーテンを連想された。

 そして、一通り周りを見終わったあと散り散りに散っていくのであった。

 そんな様子を見ていた緑がアイテムボックスよりいくつかの実を取り出す。それは緑のエネルギーが詰まった実で地面に植え水をかけると急速に成長し花が咲き乱れ実がなる。

「きっとこの実にはたくさんの栄養やエネルギーがつまっているから子供たちのご飯にして」

 緑の言葉にヒカリとクウは頷く。その様子を見た緑は声を上げる。

「よし、次はギルドに行こう!」

 緑達3人はギルドに向かう。

「緑様ギルドに向かい何をされるんですか?」

「ああ、それはね皆で魔法を習いたいとおもっているんだ」

「魔法ですか……」

「あ、もしかしてヒカリとクウは魔法がつかえる?」

「はい!クウは土の魔法が使えるのです♪」

「私は風の魔法がつかえますね」

 この時クウとヒカリが魔法が使える事を初めて知り緑は驚く。

「なら、ギルドで魔法を覚えるのは僕だけでいいね」

「「私たちも勉強します!」」

 緑の言葉に反論して自分達も魔法を習うと言う2人。

 3人はギルドに行き魔法を覚えたい事ギルドの職員に伝える。ギルドの受付嬢は緑、ヒカリ、クウの3人が魔法を教えてほしいと訪ねてくると苦笑いを浮かべながらギルドの魔法の講座を紹介したのであった。

 ギルドの職員に聞くとギルドの魔法の講座は毎日しており、昼過ぎからはじまることがわかった。3人は昼からはじまる1番はじめの講座に参加するために昼食をとり口座にむかうのであった。



 昼食後、魔法の講座はギルドにある広場で開催されるようで緑達3人はその広場の向かう。

 3人が広場に着き、しばらく時間を潰しているとギルドの職員がやってきた。

「それでは今から魔法の講座を始めます!」

 ギルドの職員がそう声を上げると周りにいた他の冒険者がギルドの職員の前に扇状に集まる。

「今から魔力を私が皆さん1人1人に少しづつ流します。それをまずは感じ取ってください」

 そういわれ緑達3人もギルド職員から魔力を流される。

「なるほど……これが魔力だったんだ今までどれがどれだか分らなかった」

 緑は自分自身の中にいくつかのエネルギーを感じていたが、それぞれがどんな物かわからずにいたが魔力を流されることによってその一つを理解できた。

 その後、魔力の操作や圧縮などを習い本日の講習は終わる。3人はその場に残り魔力操作の練習をしキリの良いところで宿に戻るのであった。
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