不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

文字の大きさ
上 下
99 / 119

99.争い

しおりを挟む
「はあー?あんたみたいなウブなお嬢さんに、こんなこと出来るわけないじゃん」

 萌は一歩前に出て、はち切れそうに隆起して、青い血管の浮き出た乳房を咲恵に突き出して見せた。

「萌さんが思うほど、わたしのカラダは清くはないし、心だってお嬢さんと呼べないほど汚れてしまってるわ」

 ボクの記憶で上書きしたと言っていたが、やはり咲恵の心にはあの出来事が落ちきれないシミのように残っているのだ。萌は、咲恵の心の傷を知らない。しかし、それ以上のトラウマのような萌の心の闇なのだと思っている。

「わたしは、地獄のような家から逃げ出して、瑞樹に救ってもらったんだよ。だから、あんたの想いとは重さが全然違うんだから邪魔しないでよ」

「そんなことない」

 咲恵は、萌の言葉を遮るように叫び声を上げた。

「わたしは、萌さんと不幸自慢をする気はないわ。でも、瑞樹さんを想う気持ちは誰にも負けないって思ってる。だから、見せてあげます。わたしの覚悟を」

 そう言うと咲恵は、手を背中に回してワンピースのファスナーを下ろし始めた。腰の辺りまでワンピースの背を開けると、腕を抜いてなんのためらいもなくストンと足下に落とした。咲恵の好きであろう淡いピンクのセットアップの下着姿をさらけ出した。

「へぇ、あんた、着痩せするタイプなんだね。思ってたより随分胸がデカいんだね。まあ、お尻とかは中学生並みだけど」

「細いって言ってくださいよ」

「それ、自分でいうんだ」

「萌さんみたいに、太くはないってことですよ」

「なっなによ。わたしは、抱き心地がいいって瑞樹にも言われたんだから」

「抱き枕みたいに、ぷよぷよってことですか」

「ちがうわよ。ねえ、瑞樹はどっちがいいのよ」

 急に話を振られたボクは、答えに困ってしまった。どちらがいいかと聞かれても、比べられるモノではないし答えられないことはわかっている。

「わたしに決まってるわよね、瑞樹。ほら見えるでしょ、わたしの大事なところ。瑞樹も触りたいでしょ」

 萌は、後ろ向きになり何も身につけていないお尻を、前屈みになって突き出して見せた。肉付きの良いお尻からはみ出した割れ目が、灯りに照らされてキラキラ光って見えた。ボクは、ゴクリと唾液を飲み込んだ。

「何を勝手にアピールしてるんですか。わたし、まだ途中なんですけど。瑞樹さん、見ててくださいね。脱がしあいこしたのを思い出すでしょ」

 萌を見るボクの視線を遮って、咲恵はブラジャーのホックを外しゆっくりとピンクの乳首を見せた。抜け殻のようになっていたワンピースの上に、片手で持ったブラジャーを落とす。逆光でシルエットになったくびれたウエストを手でなぞって、指をショーツに潜り込ませて太ももから足首に降ろしてゆく。太ももから一筋の光の筋が見えた。

「どう、瑞樹さん」

「きれいだよ」

「何を、二人でイチャついてるんのよ。わたしもここにいるんだけど」

 咲恵に遮られていた萌は、咲恵の肩をつかんで横に押しのけた。

「瑞樹、わたしのカラダの方が興奮するでしょ。わたしなら、ここに瑞樹のおちんちんを挟んで気持ちよくさせてあげられるしね」

 両脇から挟み込まれた萌の深い谷間が、イヤらしく揺れているのが見える。

「わたしだって、そのくらい出来ますよ」

「うるさいなぁ。やわらかくて気持ちいいのは、わたしのおっぱいなんだから」

「弾力なら、わたしのおっぱいが勝ってますよ」

「わたしだって」

「わたしだってもです」

 咲恵と萌は、自分の乳房を持ち上げたり、揺らしたりしながら言い争っていた。

「じゃあ、瑞樹に決めてもらいましょうよ」

「どうやって決めるのですか」

「どちらのカラダを見て、瑞樹のおちんちんが勃つかで」

「いいですよ。視覚勝負ですよね」

「お触りなしってことで」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...