84 / 119
84.匂いと香り
しおりを挟む
朝食を二人で摂って、咲恵はきちんと後片付けをした。身支度をしている咲恵に、ボクは声を掛ける。
「駅まで、一緒に行きましょうか」
「それは、とてもうれしいのですが、駅での別れは辛くなって、また一緒にこの家に戻ってきそうなので遠慮しておきます」
咲恵は、精一杯の強がりで応えたのだと感じた。咲恵が玄関のドアに手を掛けた時、ボクはその手を止めた。
「咲恵さん、ありがとう。咲恵さんのおかげで、まだ生きていけるよ」
「瑞樹さん、わたしはまた、必ずここに帰ってきます。待っててください」
咲恵は、持っていたバックを床に置き、腰を折ってボクの背中に手を回した。ボクも咲恵を抱きしめて、口づけをした。
「行きたくないです」
「でも、いってらっしゃい」
別れの時間を数えるように、何回も涙の味がする口づけを交わした。
「さあ、行かないと」
「はい。いってきます。でも今、とても後悔してるんです。駅なら電車が別れを手伝ってくれるのに、ここからわたしの足は動こうとしないんです」
「大丈夫ですよ。きっとまた会えるんだし」
「はい、すぐ帰ってきますからね」
「待ってる」
「わたしも」
咲恵は、自分を振り切るように立ち上がりドアを開けた。眩しい朝日の中に消えてゆく咲恵を見送り、ドアは静かに閉まった。
ボクは、しばらくの間、動くことを忘れたように、咲恵と隔絶されたドアの前にたたずんでいた。
「あー、洗濯しろって咲恵が言ってたな」
誰も聞いてくれる者もいない空間が、ボクの言葉を飲み込んだ。洗面所に置いてある洗濯カゴにある衣類を、洗濯機に放り込んでいく。ボクの手に、なにか硬いモノが当たる。手に掴まれたモノを見ると、昨日咲恵が着けていたピンクのブラジャーだった。カゴの中を探すとピンクのショーツも残っていた。たぶん、咲恵はわざと自分の下着を残していったのであろう。その下着達からは、咲恵の香りがした。先ほど別れたばかりなのに、妙になつかしいように感じた。このまま、洗濯せずにおいておきたい欲望もあったけれど、咲恵に叱られそうなので洗濯機に入れた。後で、咲恵にメールをしておこう。
「咲恵さんの匂い、楽しませていただきました」
咲恵は、どんな返事を送ってくるだろう。しかし、これは咲恵の自己主張なのかもしれない。それから洗濯を干して、部屋を片付けた。せっかく咲恵が、綺麗にしてくれたのだから、それを維持することが咲恵がいた証しを残すことのような気がした。
夜になると、ひとりだということをはっきりと実感した。咲恵からは、無事に着いたと連絡があった。お互いが寂しさを訴えて、途切れないメールが続いた。
「瑞樹さん、わたしのおっぱいを舐めてよ」
咲恵はそう言って、ブラをずり上げて綺麗な乳首をボクに前に差し出した」
「あれ、咲恵さん、いつ帰ってきたの」
「なに言ってるんですか。わたしはどこにも行ってませんよ」
「よかった」
「さあ、早くおっぱいを吸ってください。それとも、わたしのおまんこがいいですか」
「えっ、いや」
「ガマンしなくていいんですよ。さあ、指を入れてかき回してくださいよ」
「でも」
「なにを恥ずかしがってるんですか。ほら、もうわたしのおまんこはグショグショに濡れちゃってますよ」
「咲恵さん、いつもの雰囲気と違うようなんですけど・・・」
一瞬の暗転があって、聞こえてきた声にひどく驚いた。
「誰なんだ。その咲恵ってヤツ」
目の前にあったはずの咲恵の華奢なカラダは、いつの間にか豊満な乳房とぷっくりと肉付きのいいおまんこを開いている萌のカラダにすり替わっていた。
「何やってんのよ。さっさとわたしのおまんこ舐めなさいよ」
「いつの間に、戻ってきたんだ」
「はあ、瑞樹がわたしのカラダを忘れられないって言うから、戻ってきてあげたのに。ほら、瑞樹のおちんちんも喜んでこんなにデカく硬くなってるじゃん」
ボクは、萌に弄ばれている自分のペニスを見た。
「違う、あんな仕打ちをされた萌に勃つはずないんだ」
「よく言うよ。こんなに勃ってるのに。瑞樹は、わたしのカラダが恋しかったんだろ。だから、こんなに勃ってるんだよ。お望み通りに、わたしのおまんこに入れて気持ちよくさせてあげるからさ」
萌は、ボクの上に跨がり、自ら割れ目を開いてボクのペニスを挿入しようとしていた。
「ダメだ。咲恵と約束したんだ。萌とはエッチしないって」
「その咲恵って誰なんだよ。また、わたしがいない間にセックスしたんだ。瑞樹ってほんと、セックス依存症だよね」
「ボクは、ボクはそんなんじゃない」
「ごちゃごちゃ、なに言ってるの。うるさいんだよ。気持ちよくさせてやるって言ってんだから、素直に喜んでよ」
萌は、ボクのペニスを握って、自分のヌルヌルになった割れ目に押し込んで、大きく腰を振り出した。
「あぁ、やっぱり瑞樹のおちんちんは最高だね。早くわたしの中に出しなさい」
「咲恵さん、ごめん」
ボクは、絶頂感でカラダが震えた。
目が覚めると、もう部屋には朝日が差し込んでいた。手にはスマホが握られたままで、画面には
「寝ちゃったかな。じゃあ、おやすみなさい」
という、咲恵のメールの文字が残っていた。
「夢だったんだ」
少し、ホッとして起き上がると、下半身に違和感と青臭い匂いが漂った。
「駅まで、一緒に行きましょうか」
「それは、とてもうれしいのですが、駅での別れは辛くなって、また一緒にこの家に戻ってきそうなので遠慮しておきます」
咲恵は、精一杯の強がりで応えたのだと感じた。咲恵が玄関のドアに手を掛けた時、ボクはその手を止めた。
「咲恵さん、ありがとう。咲恵さんのおかげで、まだ生きていけるよ」
「瑞樹さん、わたしはまた、必ずここに帰ってきます。待っててください」
咲恵は、持っていたバックを床に置き、腰を折ってボクの背中に手を回した。ボクも咲恵を抱きしめて、口づけをした。
「行きたくないです」
「でも、いってらっしゃい」
別れの時間を数えるように、何回も涙の味がする口づけを交わした。
「さあ、行かないと」
「はい。いってきます。でも今、とても後悔してるんです。駅なら電車が別れを手伝ってくれるのに、ここからわたしの足は動こうとしないんです」
「大丈夫ですよ。きっとまた会えるんだし」
「はい、すぐ帰ってきますからね」
「待ってる」
「わたしも」
咲恵は、自分を振り切るように立ち上がりドアを開けた。眩しい朝日の中に消えてゆく咲恵を見送り、ドアは静かに閉まった。
ボクは、しばらくの間、動くことを忘れたように、咲恵と隔絶されたドアの前にたたずんでいた。
「あー、洗濯しろって咲恵が言ってたな」
誰も聞いてくれる者もいない空間が、ボクの言葉を飲み込んだ。洗面所に置いてある洗濯カゴにある衣類を、洗濯機に放り込んでいく。ボクの手に、なにか硬いモノが当たる。手に掴まれたモノを見ると、昨日咲恵が着けていたピンクのブラジャーだった。カゴの中を探すとピンクのショーツも残っていた。たぶん、咲恵はわざと自分の下着を残していったのであろう。その下着達からは、咲恵の香りがした。先ほど別れたばかりなのに、妙になつかしいように感じた。このまま、洗濯せずにおいておきたい欲望もあったけれど、咲恵に叱られそうなので洗濯機に入れた。後で、咲恵にメールをしておこう。
「咲恵さんの匂い、楽しませていただきました」
咲恵は、どんな返事を送ってくるだろう。しかし、これは咲恵の自己主張なのかもしれない。それから洗濯を干して、部屋を片付けた。せっかく咲恵が、綺麗にしてくれたのだから、それを維持することが咲恵がいた証しを残すことのような気がした。
夜になると、ひとりだということをはっきりと実感した。咲恵からは、無事に着いたと連絡があった。お互いが寂しさを訴えて、途切れないメールが続いた。
「瑞樹さん、わたしのおっぱいを舐めてよ」
咲恵はそう言って、ブラをずり上げて綺麗な乳首をボクに前に差し出した」
「あれ、咲恵さん、いつ帰ってきたの」
「なに言ってるんですか。わたしはどこにも行ってませんよ」
「よかった」
「さあ、早くおっぱいを吸ってください。それとも、わたしのおまんこがいいですか」
「えっ、いや」
「ガマンしなくていいんですよ。さあ、指を入れてかき回してくださいよ」
「でも」
「なにを恥ずかしがってるんですか。ほら、もうわたしのおまんこはグショグショに濡れちゃってますよ」
「咲恵さん、いつもの雰囲気と違うようなんですけど・・・」
一瞬の暗転があって、聞こえてきた声にひどく驚いた。
「誰なんだ。その咲恵ってヤツ」
目の前にあったはずの咲恵の華奢なカラダは、いつの間にか豊満な乳房とぷっくりと肉付きのいいおまんこを開いている萌のカラダにすり替わっていた。
「何やってんのよ。さっさとわたしのおまんこ舐めなさいよ」
「いつの間に、戻ってきたんだ」
「はあ、瑞樹がわたしのカラダを忘れられないって言うから、戻ってきてあげたのに。ほら、瑞樹のおちんちんも喜んでこんなにデカく硬くなってるじゃん」
ボクは、萌に弄ばれている自分のペニスを見た。
「違う、あんな仕打ちをされた萌に勃つはずないんだ」
「よく言うよ。こんなに勃ってるのに。瑞樹は、わたしのカラダが恋しかったんだろ。だから、こんなに勃ってるんだよ。お望み通りに、わたしのおまんこに入れて気持ちよくさせてあげるからさ」
萌は、ボクの上に跨がり、自ら割れ目を開いてボクのペニスを挿入しようとしていた。
「ダメだ。咲恵と約束したんだ。萌とはエッチしないって」
「その咲恵って誰なんだよ。また、わたしがいない間にセックスしたんだ。瑞樹ってほんと、セックス依存症だよね」
「ボクは、ボクはそんなんじゃない」
「ごちゃごちゃ、なに言ってるの。うるさいんだよ。気持ちよくさせてやるって言ってんだから、素直に喜んでよ」
萌は、ボクのペニスを握って、自分のヌルヌルになった割れ目に押し込んで、大きく腰を振り出した。
「あぁ、やっぱり瑞樹のおちんちんは最高だね。早くわたしの中に出しなさい」
「咲恵さん、ごめん」
ボクは、絶頂感でカラダが震えた。
目が覚めると、もう部屋には朝日が差し込んでいた。手にはスマホが握られたままで、画面には
「寝ちゃったかな。じゃあ、おやすみなさい」
という、咲恵のメールの文字が残っていた。
「夢だったんだ」
少し、ホッとして起き上がると、下半身に違和感と青臭い匂いが漂った。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。


久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる