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15.ふたりの鼓動
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「やっぱり、はずかしいですね」
ボクの前に下着だけ着けた咲恵が立っている。右手は胸を隠すように、そして左手は下半身の大切な部分を押さえていた。咲恵は本当に透き通るような白い肌をしている。スレンダーだけれどバランスの取れた体型は美しい曲線で構成されている。
「ごめんなさい。咲恵さんの方が裸に近くなってしまったね」
「ずるいですよ、瑞樹さん。はい、ジーンズを脱ぎましょうね」
自分と同じ状況に持って行こうとする咲恵は、ボクのジーンズを脱がしにかかる。弟の着替えとかをしていたので、そこの抵抗感が薄いのか、それとも焦っているのかジーンズのファスナーに手をかけようとしている。
「ちょっと待って」
ボクの制止に咲恵の手が止まった。
「ねぇ、これってなにか順番を抜かしてないですか」
「えっ、それって」
「ボクたちの今の関係って、すごく特殊だと思うんですけど。普通の恋人同士だったら、まずキスをするんじゃないんですか」
「う~ん、そうかもしれませんね。わたしは、まだキスしたこともないですし」
「ボクだって、したことないですよ」
「でも、女の人とは経験あるんじゃないんですか」
「それはそうなんですけど、キスらしいことはしてないというか」
ボクは、記憶を遡って想い出を検索してみる。
「キスはしたと思うんですけど、それは奪われたというかそんな感じだったんです」
「わかりました。順番ていうか課程は大事なんですよね。じゃあ、わたしのファーストキスは瑞樹さんに差し上げます」
「咲恵さんって、結構大胆ですよね」
「だって、わたしって、もうこんな状態ですもん」
咲恵は隠し切れてはいない両手を広げておどけて見せた。
「じゃあ、ファーストキスいただきます」
ボクは、両腕を広げてハグを促した。咲恵は細い体をボクに差し出した。ボクの胸にブラだけの咲恵の胸が重なる。もっと熱い体を想像していたのだけれども、緊張しているせいか冷たさを感じる咲恵の胸を揺らす鼓動が存在を主張していた。
「寒い」
「いえ、瑞樹さんの胸はとても暖かいわ。わかる?わたし、とってもドキドキしてるの」
抱き合っているお互いの耳元で囁いた。
「わかるさ」
「お願いがあります。今だけでいいから、わたしを好きでいてください」
「ボクからもお願い。ボクに愛をください」
二人は抱きしめていた腕を少しほどいて、視線を合わせて唇を重ねる。最初は軽く触れるだけだったキスは、時が進むにつれ熱を帯びる。お互いを確かめるように深く舌を絡めていった。
「あっ、お風呂忘れてた」
突然、現実に引き戻された咲恵が言った。慌てて立ち上がってバスルームに向かう。
「あぁ、やっぱり溢れてた。もったいないことしたぁ」
帰ってきた咲恵は、残念そうに肩を落として言った。
「咲恵さんは、ほんといい子だよね。いいお嫁さんになるよ」
「じゃあ、お嫁さんにもらってくださいよ」
「う、うん。まあ」
「もうっ、なんです。その応えは」
怒ったような表情をして
「さあさあ、さっさと服を脱いで、お風呂に入りましょう。せっかく入れたお湯が冷めちゃいますよ」
気が抜けたようになったボクを見て、咲恵はジーンズのホックを外して言った。
「お尻からジーンズを抜きますから、さっきみたいにわたしの背に手を回してください」
「急に、夢から現実に引き戻された気がします」
「何言ってるんですか。これからが夢の世界の本番じゃないんですか」
「まあ、そうなんですけどね」
「じゃあ、体を持ち上げてジーンズを脱がせますよ。あっ、ついでにパンツも脱がせていいですか」
ボクは咲恵の首に腕を回して、体を固定した。
「せぇーの」
ボクの耳元で囁くようにかけ声をかけて、体を持ち上げてお尻からパンツごとジーンズを抜き取った。もう後はなすがままにボクは真っ裸にされた。
「仕事早いなぁ」
「何言ってるんですか。一応、これは慣れてるからです」
裸のボクを前にして、平静を装っているかのように冷静に応えた。
「咲恵さんも脱がなきゃね。で、今度はボクの番だよね」
「そのゲーム、まだ続いていたんですね」
「当たり前でしょ。さあ、こっちに来て」
咲恵を手の届くところまで近づかせて、ボクは背中に手を回してブラのホックを探す。
「ごめん、こういうこと慣れてなくて」
必然的に咲恵の胸が目の前にある状況なので、小刻みに左右に動いて恥ずかしさからもぞもぞしている咲恵の様子がわかる。ようやく、ブラのホックが外れてブラが落ちそうになるのを咲恵は手で押さえている。
「往生際が悪いですよ」
「だって、近いんですもん。瑞樹さんが」
そんな言葉も無視して、手で押さえられているブラをボクは少し強引に取り上げた。
「きゃっ」
咲恵は小さく悲鳴を上げて、それでも胸を隠そうと両手でカヴァーしている。
「そんなことしてたら、パンティの守りはがら空きですよ」
ボクは、下腹部のくぼみに指を入れて、ショーツをずり降ろした。
「いやっ」
咲恵は思わず腰が引けて尻餅をついて、床に座り込む形になった。膝上まで脱がされたショーツが妙になまめかしい雰囲気を醸し出している。
生まれたままの姿になった二人に間に、少しの静寂の時が流れた。
ボクの前に下着だけ着けた咲恵が立っている。右手は胸を隠すように、そして左手は下半身の大切な部分を押さえていた。咲恵は本当に透き通るような白い肌をしている。スレンダーだけれどバランスの取れた体型は美しい曲線で構成されている。
「ごめんなさい。咲恵さんの方が裸に近くなってしまったね」
「ずるいですよ、瑞樹さん。はい、ジーンズを脱ぎましょうね」
自分と同じ状況に持って行こうとする咲恵は、ボクのジーンズを脱がしにかかる。弟の着替えとかをしていたので、そこの抵抗感が薄いのか、それとも焦っているのかジーンズのファスナーに手をかけようとしている。
「ちょっと待って」
ボクの制止に咲恵の手が止まった。
「ねぇ、これってなにか順番を抜かしてないですか」
「えっ、それって」
「ボクたちの今の関係って、すごく特殊だと思うんですけど。普通の恋人同士だったら、まずキスをするんじゃないんですか」
「う~ん、そうかもしれませんね。わたしは、まだキスしたこともないですし」
「ボクだって、したことないですよ」
「でも、女の人とは経験あるんじゃないんですか」
「それはそうなんですけど、キスらしいことはしてないというか」
ボクは、記憶を遡って想い出を検索してみる。
「キスはしたと思うんですけど、それは奪われたというかそんな感じだったんです」
「わかりました。順番ていうか課程は大事なんですよね。じゃあ、わたしのファーストキスは瑞樹さんに差し上げます」
「咲恵さんって、結構大胆ですよね」
「だって、わたしって、もうこんな状態ですもん」
咲恵は隠し切れてはいない両手を広げておどけて見せた。
「じゃあ、ファーストキスいただきます」
ボクは、両腕を広げてハグを促した。咲恵は細い体をボクに差し出した。ボクの胸にブラだけの咲恵の胸が重なる。もっと熱い体を想像していたのだけれども、緊張しているせいか冷たさを感じる咲恵の胸を揺らす鼓動が存在を主張していた。
「寒い」
「いえ、瑞樹さんの胸はとても暖かいわ。わかる?わたし、とってもドキドキしてるの」
抱き合っているお互いの耳元で囁いた。
「わかるさ」
「お願いがあります。今だけでいいから、わたしを好きでいてください」
「ボクからもお願い。ボクに愛をください」
二人は抱きしめていた腕を少しほどいて、視線を合わせて唇を重ねる。最初は軽く触れるだけだったキスは、時が進むにつれ熱を帯びる。お互いを確かめるように深く舌を絡めていった。
「あっ、お風呂忘れてた」
突然、現実に引き戻された咲恵が言った。慌てて立ち上がってバスルームに向かう。
「あぁ、やっぱり溢れてた。もったいないことしたぁ」
帰ってきた咲恵は、残念そうに肩を落として言った。
「咲恵さんは、ほんといい子だよね。いいお嫁さんになるよ」
「じゃあ、お嫁さんにもらってくださいよ」
「う、うん。まあ」
「もうっ、なんです。その応えは」
怒ったような表情をして
「さあさあ、さっさと服を脱いで、お風呂に入りましょう。せっかく入れたお湯が冷めちゃいますよ」
気が抜けたようになったボクを見て、咲恵はジーンズのホックを外して言った。
「お尻からジーンズを抜きますから、さっきみたいにわたしの背に手を回してください」
「急に、夢から現実に引き戻された気がします」
「何言ってるんですか。これからが夢の世界の本番じゃないんですか」
「まあ、そうなんですけどね」
「じゃあ、体を持ち上げてジーンズを脱がせますよ。あっ、ついでにパンツも脱がせていいですか」
ボクは咲恵の首に腕を回して、体を固定した。
「せぇーの」
ボクの耳元で囁くようにかけ声をかけて、体を持ち上げてお尻からパンツごとジーンズを抜き取った。もう後はなすがままにボクは真っ裸にされた。
「仕事早いなぁ」
「何言ってるんですか。一応、これは慣れてるからです」
裸のボクを前にして、平静を装っているかのように冷静に応えた。
「咲恵さんも脱がなきゃね。で、今度はボクの番だよね」
「そのゲーム、まだ続いていたんですね」
「当たり前でしょ。さあ、こっちに来て」
咲恵を手の届くところまで近づかせて、ボクは背中に手を回してブラのホックを探す。
「ごめん、こういうこと慣れてなくて」
必然的に咲恵の胸が目の前にある状況なので、小刻みに左右に動いて恥ずかしさからもぞもぞしている咲恵の様子がわかる。ようやく、ブラのホックが外れてブラが落ちそうになるのを咲恵は手で押さえている。
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「だって、近いんですもん。瑞樹さんが」
そんな言葉も無視して、手で押さえられているブラをボクは少し強引に取り上げた。
「きゃっ」
咲恵は小さく悲鳴を上げて、それでも胸を隠そうと両手でカヴァーしている。
「そんなことしてたら、パンティの守りはがら空きですよ」
ボクは、下腹部のくぼみに指を入れて、ショーツをずり降ろした。
「いやっ」
咲恵は思わず腰が引けて尻餅をついて、床に座り込む形になった。膝上まで脱がされたショーツが妙になまめかしい雰囲気を醸し出している。
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