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2.ラブホの儀式
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アカネは、ボクを振り返ることもなく駅を出てガード下をくぐり人通りの少ない道を進んでいく。ハイヒールから響く靴音という鎖につながれたように、ボクは斜め下に目線を向けてついて行く。豊かなカーブを描く胸や左右に揺れるヒップに比べて細く締まった足首のアンバランスさを思いながら車椅子を進める。しばらく行くと、ブルーの目隠しが風に揺れる駐車場が完備された建物の前でハイヒールの歩みが止まる。
「ここだっけ?」
アカネは、初めてボクの方を振り返り「CHATEAU」と書かれた看板を指差した。
「そうだと思います」
ボクも視線を上げて建物を見上げた。前もってネットで調べておいたバリアフリー対応の部屋があるラブホテルだ。周りにある数軒のラブホと比べて、新しさがはっきりわかる外観だ。新しく建てたからこそのバリアフリー対応なのだろう。入り口であろう自動ドアの前に進む。フルフラットでホテルのロビーに入る。受付と呼ぶには無人で、部屋の選択用の大画面のタッチパネルが出迎えた。
「部屋は?」
「バリアフリーの部屋は301だったと思います」
「わかった」
アカネはタッチパネルに触れて301号室の表示に指を置いた。ブルーから赤に表示が変わり、チェックインが出来たようだ。ボクたちが乗るのを待っていたかのようにエレベーターのドアが開いた。二人しか乗らない設定なのか、電動車椅子はバックから入れないといけないような狭さだった。アカネとの距離が詰まり、目の前に胸の膨らみと甘い香りがボクに迫ってきた。少しに浮遊感があってエレベーターの扉が開いた。少し薄暗い廊下を進むと灯りの点滅した部屋が見えた。
「さあ、入って」
ドアを開けてくれたアカネが言った。黒を基調にした部屋に入ると、白いベッドカバーが目をひく大きなダブルベッドがあった。部屋は広くてスペースに余裕がある感じで助かった。アカネはハイヒールを脱ぎスリッパに履き替えてこちらに近づいた。
「お金は前払いね」
「はい」
約束の金額を渡すと、少し安心したように笑みを浮かべ
「助かったぁ。今月ピンチで携帯が止まりそうだったんよね」
「うん、まあ良かったですね」
無雑作にお札を財布に入れながらアカネはため息をついた。
「ねぇ、初めてなんだよね。えっちするの」
少しの沈黙を破って、ボクの手を取ってアカネは自分の左胸の膨らみに導いた。
「そ、そうですけど」
「そんなに、緊張しなくてもいいよ。わたしも童貞くんとやるの初めてだから。それに車椅子の人とやるのも初めてだから、お互い初体験だよね」
震えているであろうボクの手に、胸を押しつけて来た。歩くたびに揺れていて、もっとやわらかいものだと思っていたのだけれどブラジャーに包まれたバストは指が沈み込むのを拒んだ。
「なに、もう興奮してきちゃったの」
新しいおもちゃを見つけたように、アカネはボクの股間に手を置いた。もうすでに堅くなり始めていたペニスは、頭を押さえられた形になって、ますます反発力を強くした。
「やっぱり、ちゃんと勃つんだね」
「だから、言ったでしょ。勃つって」
アカネは、確認作業は終わったというように、カラダを離した。
「お風呂はどうするの? 段差はないみたいだから、シャワーはいけると思うんだけど」
「出かける前に、シャワーは浴びてきたんだけど・・・いいかな。手間かかると思うし」
「わかった。じゃあ、わたしシャワー浴びてくるね」
そう言って、バスルームに行こうとしているアカネをボクは呼び止める。
「お願いがあるんだけど、ここで服を脱いでいってくれない。見てみたいんだ。キミが裸になるところを」
「まあいいけど、わたしだけ脱ぐのは恥ずかしいというか。瑞樹君が脱ぐならいいよ。自分で服脱げるんだよね? それとも手伝って欲しい?」
「そうだよね。じゃあ脱ぐよ。こういうときは脱がせてあげるのがいいんだろうけど・・・」
「わたし、今さらそんなに恥じらいがあるわけじゃないし、最近は自分で脱いでるし」
成り行きとはいえ、向かい合って脱ぐことにボクは少しだけ恥ずかしさで後悔していた。目の前ではもうアカネがニットのワンピースの裾をめくりあげていた。パンストに包まれた布地の少ない赤いショーツが見える。勢いよく引き上げられたワンピースは、もう髪の毛を纏って頭から抜かれてしまった。ハーフカップの赤いレースのブラからは、溢れてしまいそうな白いバストが存在を主張していた。生身の女性の体って、こんなに綺麗なのだと神妙な顔をして見ているボクに気がついて、アカネがちょっと恥ずかしそうに言った。
「ほらぁ、見てるばかりじゃずるいでしょ。脱ぎなさいよ」
「ああぁ。ごめんなさい。間近で若い女性のカラダなんて見たことなかったから、キレイだなぁって思ってしまって」
「キレイ? ハハッ。そんなこと言ってくれるんだ。まぁ、見た目はそうかもしれないけど、もう中身はね・・・」
少し顔を曇らせて言ったあと、無理して笑顔を繕うように言った。
「ほら、最近ストレスで食欲大魔王になっちゃってお腹に肉が付いちゃって」
「そんなことないですよ。女性は、ほどよくお肉が付いてた方がいいんですよ」
「それって、太ってるって言ってるのと同じだから。褒めてないんだからね。もぉ~~」
片手でお腹を隠しながら、もう片方の手でボクのTシャツに手をかけて引っ張り上げた。
「細っ」
「引きこもりの上に障害者ですからね。筋肉なんて付きませんよ」
「そっかぁ」
哀れみを纏った言葉が、二人の空間に舞った。ボクはジーンズに手をかけ、アカネはパンストを下ろし始めて、ブラを外しショーツも脱いだ。バストトップとアンダーヘアを手で覆い
「じゃ、シャワー浴びてくるね」
と言葉を残しバスルームに向かっていった。すべてを脱ぎおえたボクも車椅子を横付けしてベッドに潜り込んだ。シャワーの水音が聞こえる中、これから行われるであろう場面を想像した。
「うまくできるかな」
「ここだっけ?」
アカネは、初めてボクの方を振り返り「CHATEAU」と書かれた看板を指差した。
「そうだと思います」
ボクも視線を上げて建物を見上げた。前もってネットで調べておいたバリアフリー対応の部屋があるラブホテルだ。周りにある数軒のラブホと比べて、新しさがはっきりわかる外観だ。新しく建てたからこそのバリアフリー対応なのだろう。入り口であろう自動ドアの前に進む。フルフラットでホテルのロビーに入る。受付と呼ぶには無人で、部屋の選択用の大画面のタッチパネルが出迎えた。
「部屋は?」
「バリアフリーの部屋は301だったと思います」
「わかった」
アカネはタッチパネルに触れて301号室の表示に指を置いた。ブルーから赤に表示が変わり、チェックインが出来たようだ。ボクたちが乗るのを待っていたかのようにエレベーターのドアが開いた。二人しか乗らない設定なのか、電動車椅子はバックから入れないといけないような狭さだった。アカネとの距離が詰まり、目の前に胸の膨らみと甘い香りがボクに迫ってきた。少しに浮遊感があってエレベーターの扉が開いた。少し薄暗い廊下を進むと灯りの点滅した部屋が見えた。
「さあ、入って」
ドアを開けてくれたアカネが言った。黒を基調にした部屋に入ると、白いベッドカバーが目をひく大きなダブルベッドがあった。部屋は広くてスペースに余裕がある感じで助かった。アカネはハイヒールを脱ぎスリッパに履き替えてこちらに近づいた。
「お金は前払いね」
「はい」
約束の金額を渡すと、少し安心したように笑みを浮かべ
「助かったぁ。今月ピンチで携帯が止まりそうだったんよね」
「うん、まあ良かったですね」
無雑作にお札を財布に入れながらアカネはため息をついた。
「ねぇ、初めてなんだよね。えっちするの」
少しの沈黙を破って、ボクの手を取ってアカネは自分の左胸の膨らみに導いた。
「そ、そうですけど」
「そんなに、緊張しなくてもいいよ。わたしも童貞くんとやるの初めてだから。それに車椅子の人とやるのも初めてだから、お互い初体験だよね」
震えているであろうボクの手に、胸を押しつけて来た。歩くたびに揺れていて、もっとやわらかいものだと思っていたのだけれどブラジャーに包まれたバストは指が沈み込むのを拒んだ。
「なに、もう興奮してきちゃったの」
新しいおもちゃを見つけたように、アカネはボクの股間に手を置いた。もうすでに堅くなり始めていたペニスは、頭を押さえられた形になって、ますます反発力を強くした。
「やっぱり、ちゃんと勃つんだね」
「だから、言ったでしょ。勃つって」
アカネは、確認作業は終わったというように、カラダを離した。
「お風呂はどうするの? 段差はないみたいだから、シャワーはいけると思うんだけど」
「出かける前に、シャワーは浴びてきたんだけど・・・いいかな。手間かかると思うし」
「わかった。じゃあ、わたしシャワー浴びてくるね」
そう言って、バスルームに行こうとしているアカネをボクは呼び止める。
「お願いがあるんだけど、ここで服を脱いでいってくれない。見てみたいんだ。キミが裸になるところを」
「まあいいけど、わたしだけ脱ぐのは恥ずかしいというか。瑞樹君が脱ぐならいいよ。自分で服脱げるんだよね? それとも手伝って欲しい?」
「そうだよね。じゃあ脱ぐよ。こういうときは脱がせてあげるのがいいんだろうけど・・・」
「わたし、今さらそんなに恥じらいがあるわけじゃないし、最近は自分で脱いでるし」
成り行きとはいえ、向かい合って脱ぐことにボクは少しだけ恥ずかしさで後悔していた。目の前ではもうアカネがニットのワンピースの裾をめくりあげていた。パンストに包まれた布地の少ない赤いショーツが見える。勢いよく引き上げられたワンピースは、もう髪の毛を纏って頭から抜かれてしまった。ハーフカップの赤いレースのブラからは、溢れてしまいそうな白いバストが存在を主張していた。生身の女性の体って、こんなに綺麗なのだと神妙な顔をして見ているボクに気がついて、アカネがちょっと恥ずかしそうに言った。
「ほらぁ、見てるばかりじゃずるいでしょ。脱ぎなさいよ」
「ああぁ。ごめんなさい。間近で若い女性のカラダなんて見たことなかったから、キレイだなぁって思ってしまって」
「キレイ? ハハッ。そんなこと言ってくれるんだ。まぁ、見た目はそうかもしれないけど、もう中身はね・・・」
少し顔を曇らせて言ったあと、無理して笑顔を繕うように言った。
「ほら、最近ストレスで食欲大魔王になっちゃってお腹に肉が付いちゃって」
「そんなことないですよ。女性は、ほどよくお肉が付いてた方がいいんですよ」
「それって、太ってるって言ってるのと同じだから。褒めてないんだからね。もぉ~~」
片手でお腹を隠しながら、もう片方の手でボクのTシャツに手をかけて引っ張り上げた。
「細っ」
「引きこもりの上に障害者ですからね。筋肉なんて付きませんよ」
「そっかぁ」
哀れみを纏った言葉が、二人の空間に舞った。ボクはジーンズに手をかけ、アカネはパンストを下ろし始めて、ブラを外しショーツも脱いだ。バストトップとアンダーヘアを手で覆い
「じゃ、シャワー浴びてくるね」
と言葉を残しバスルームに向かっていった。すべてを脱ぎおえたボクも車椅子を横付けしてベッドに潜り込んだ。シャワーの水音が聞こえる中、これから行われるであろう場面を想像した。
「うまくできるかな」
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