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48.視線
しおりを挟む次の重要な話題へ移る前に、アイラには一つ確認しておきたいことがあった。
「あの、エルヴィス団長」
「ん?」
「父と兄には、どこまで話していただけましたか?」
アイラの問いに、エルヴィスは「ああ」と言って続ける。
「君の命が狙われていることと、武術大会と昨日起きた事件のあらましと、その二つが関連していることだ」
「……ということは…これから先の話は、捕らえたはずだった魔術師に関することですね?」
「そうだ。同じ魔術師の見解が必要だと判断し、君との関係性から二人に至急で来てもらった」
「少し待ってください。捕らえた…はずだった?」
クライドはアイラの言い回しに引っかかったのか、眉を寄せて問い掛ける。
魔術師がどうなっていたのかは、まだアイラも知らない内容のため、自然とエルヴィスへ視線が向いた。
「……そうだ。地下牢の中で死んだと思われる」
「思われる?」
「遺体は見当たらず、大量の血痕が残っているだけだ。その不審な状況を、魔術が使用されたのではないかという見方で調べてほしいんだ」
「……なるほど。そういうことか…」
そう呟いたのはラザールだった。何かを考えるように、ずっと顎を撫でている。
「その魔術師というのが、武術大会で姿を消したという魔術師なのだね?」
「はい、お父さま。同じく武術大会での事件を起こした魔術具開発局の局長が、そのような話をしていました」
「……そうか…あの人が。そんなことするようには見えなかったのにな…」
クライドは目を伏せてそう言うと、すぐにエルヴィスを見た。
「では、早くそこへ案内してください」
「分かった」
エルヴィスがすぐに頷くと、クライドはアイラに向かって微笑んだ。
「じゃあアイラ、城を出る前にまた会おう」
「えっ?」
「え?」
アイラがきょとんとしながら声を上げると、同じようにクライドからも声が上がる。
扉に手を掛けようとしていたラザールも、驚いたようにアイラを振り返った。
どうしてそんな顔を向けられるのだろうか、と疑問に思いながらアイラは口を開く。
「お兄さま、私もご一緒します」
「………いやいやいや、待て待て待て」
額に手を当てたクライドが、大きく首を振っている。
「さっき騎士団長は、大量の血痕って言ってたよな?そんな場所を、お前に見せられるわけないだろう?」
「大丈夫ですお兄さま、自分の血で見慣れています!」
「それは誇ることじゃないからな??」
困ったように眉を下げたクライドは、止めて欲しそうにエルヴィスに視線を向けた。
対してアイラは、エルヴィスなら連れて行ってくれるとの期待を込めた眼差しを向ける。
「あー……、」
「エルヴィス団長、私も一緒に行かせてください。……ダメですか?」
「…………分かった」
「ありがとうございます!」
顔を輝かせるアイラと、困ったように笑うエルヴィスを見て、クライドとラザールが顔を見合わせていたことに、アイラは気付かなかった。
地下牢へ下りる途中、エルヴィスから魔術師がどのような不審死を遂げたのか説明を受けた。
長く魔術師として働いていたラザールも、初めて聞く事例のようだ。
「魔術が関わっているとは思うが…そもそも魔術が使えないような状態で捕まっていたんだろう?」
「両手は拘束され、魔力封じの腕輪を着けていたそうです。……ただ、牢の中には血痕しか残っていない…ここです」
アイラは壁一面に残る血痕を目の当たりにして、息を呑んだ。
不審というより、不気味という言葉の方が似合う状況だ。
「……血痕は、触っても平気かい?」
ラザールがそう訊くと、エルヴィスが頷く。壁に近付いたラザールは、手のひらをそっと血痕の一部に乗せた。
「父さま、どうですか?床からは魔力は感じられませんが…」
屈んで床に手を当てていたクライドが問い掛けると、ラザールは「うーん」と唸る。
「微かに、感じるかなぁ…ってくらいだな。もし魔術や魔術具でこのような状況になったのだとしたら、相当危険だね」
「危険…ですか?」
「そう。遺体や身につけていたものが何も残らず、大量の血だけが残る。これを死だと捉えるなら、その瞬間を目撃しない限り、誰の命が散ったのかは分からないということだよ、アイラ」
「……そんな…」
「さらに血を消してしまえば、人知れず誰かの命を奪うことが可能、ということだ」
その言葉を聞いて、アイラは体を震わせた。
そんな魔術や魔術具がもし、少しずつ量産されでもしたらと思うとゾッとする。
一方で、エルヴィスはまた違う感想を抱いたようだった。
「……では、タルコット男爵。貴方は、ここにいた魔術師は自害ではなく、誰かに殺された可能性が高いと?」
「今まで聞いた話から考えると、私はその結論に至るね。もし黒幕と呼ばれる人物を庇う…またはその人物を恐れて自害するにしても、魔術師ならばもっと楽な方法を選ぶはずだ」
そう答えながら、ラザールが苦い顔をする。
死に直接関わる魔術は禁忌とされているが、その情報は古い文献に載っていることもある。ただ、魔術が複雑な上、膨大な魔力を必要とするのだ。
「……その黒幕によって、葬り去られたということですか…」
壁の血痕を見つめながら、クライドがふとアイラに視線を向けた。
「……父さま。俺は、ますます納得がいきません。話を聞く限り、人を駒として動かし、簡単に切ることができる人間が背後にいるんですよね?どうしてそんなヤツが、アイラを狙っているんです?」
「お兄さま…」
「アイラが、他人から恨みを買うわけない。ならば、俺たち家族か、もしくはタルコットの家系が原因かもしれない。そうですよね?」
ラザールはクライドをじっと見ていた。
「……そうだな。その可能性はある。騎士団がアイラを護ってくれるというのなら、私たちはアイラを狙う人物を探ることに専念しよう」
「そうしましょう、父さま。……エルヴィス団長」
クライドは立ち上がると、エルヴィスの名前を呼ぶ。
「俺たちタルコット家は、貴方の指揮する騎士団にアイラを託します。……必ず護ると、そう誓ってください」
翡翠色に輝く瞳を向けられ、エルヴィスは腰に下がる剣を鞘ごと取り外すと、片手で掴んで腕を伸ばした。
「―――この剣に誓おう」
エルヴィスの言葉に反応したかのように、鞘に散りばめられた宝石がキラリと光る。
力強い眼差しと雰囲気に魅せられ、アイラは瞬きを忘れた。
騎士団長が、たった一人の騎士を…アイラを護ると誓っている。
それがどんなに恐れ多いことか分かってはいるが、アイラは胸の高鳴りを止められなかった。
エルヴィスに護ってほしいと、そう願ってしまった。
「……そうですか」
クライドがフッと笑みを浮かべる。エルヴィスに対して、初めて見せた笑顔だった。
「俺はちゃんとこの耳で聞きましたからね。誓いを破ったら呪いますよ。……そうでしょう、父さま?」
「そうだね。私もしっかりと記憶に刻んだよ」
ラザールはにこにこと笑っているが、アイラはぞくりと何かを感じ、思わず声を上げる。
「お…お父さま?あまりエルヴィス団長に重責を担わせないでください」
「……俺は平気だ、アイラ。今の誓いに嘘は無い」
「でも、ただの新人騎士に、そこまでしていただくわけには…!」
エルヴィスは剣を腰のベルトへ戻すと、柔らかい表情をアイラへ向けた。
「俺に、護らせてはくれないのか?」
「……えっ?そ、それは…嬉しい申し出ですけど…」
「そうか。……嬉しいと思ってくれるのか」
どうして、そんなに優しく笑うのだろう。そう思い、アイラは胸がきゅうっと苦しくなった。
―――私の存在が、エルヴィス団長の負担になることは嫌なのに…。
いっそのこと、騎士団の手には負えないと、突き放してくれた方が良かったのかもしれないと思ったが、それを想像しただけで胸が痛んだ。
アイラにとって騎士団は、もう一つの家族のような、大切な存在なのだ。
―――そう、それはエルヴィス団長も同じ。私にとって大切で、とても―――…
そのあとに続く言葉を考えながら、アイラはじいっと紅蓮の瞳を見つめていた。
ゴホン、と大きな咳払いが響き、ハッと我に返る。
「……ええと、いつまで見つめ合っているのかな?」
「……お、お父さま。見つめ合ってなどいません」
「アイラ、お前……本気か?俺は頭が痛くなってきたぞ?」
クライドが乱暴に頭を掻く。先ほどの笑顔はどこかに消え、また睨むような視線をエルヴィスに向けていた。
「非常に不本意だが、アイラは貴方を信頼しているようだから、俺も信頼します。ただし……いや、言うのは止めとこう」
「お兄さま?なんです?」
首を傾げたアイラに、クライドは何とも言えない表情を浮かべる。
一瞬口を開いたが、すぐに閉じて諦めたように首を振った。
「……大切な妹の背中を押すかどうかは、貴方の行動次第です、エルヴィス団長」
「肝に銘じておく」
「???」
クライドとエルヴィスのやり取りに眉をひそめるアイラに、ラザールがフッと笑う。
大きく優しい手のひらが、アイラの頭に乗せられた。
「アイラ。私たちは、いつだってお前の味方だよ」
アイラはその言葉に、心からの笑顔が零れた。
◇◇◇
クライドとラザールは、そのあと別室で少し会話をすると、それぞれ帰って行った。
ラザールは邸宅へ戻り、アイラの母親のセシリアに話を伝えるという。アイラはあとで手紙を書くと言って別れを告げた。
クライドは魔術学校へ戻るというので、少し気になっていたことを聞いてみた。
「お兄さま、私と同い年なんですけど、トリシアって子をご存知ないですか?」
「トリシア?……いや、知らないな」
「そうですか…」
トリシアも魔術学校にいると知ったので、アイラはもしかしたら魔術具を使用するのが得意なクライドと、接点があるのではと思っていたのだ。
「ではもし、どこかで会うことがあれば、よろしく伝えてください。魔術具開発局で、私を助けてくれた子です」
「アイラを?……分かった、近い内に俺から会いに行ってみよう。お礼をしなきゃな」
そう言ったクライドと笑い合ったあと、魔術具で姿を消すまで、アイラは手を振っていた。
二人が帰ると、アイラはふう、と息を吐きながら訓練場へ戻ろうと歩き始めた。
「………」
歩きながら、アイラは周囲を気付かれない程度に探る。
どうしても、人の視線を感じるのだ。
夜中に自分の部屋に入る前に感じた気配は、やはり気のせいではなかったのでは、とアイラは考えを改めている。
すれ違う使用人や衛兵からではなく、もっと離れた場所からの視線。
最初はアイラを狙う人物のものかと思ったが、殺意は全く感じられない。
―――あ、消えたわ。
探っているのを気付かれたのか、視線を感じなくなる。
正体が気になるところだが、アイラにはもしかして、という予想があった。
それは、アイラに付けられた護衛なのではないか、という予想だ。
命を狙われていると分かった以上、アイラの周囲にいつ危険が及ぶかは分からない。
例えそれが城内であっても、絶対に安心だという根拠はないのだ。
明らかに護衛を配置すれば、自然と周りの視線はアイラへ向く。そうすれば、逆に狙われ辛くなり、捕らえることが難しくなる。
ならば、一定の距離で、周囲から気付かれないよう護衛を配置すればどうなるだろうか。
もしかしたら、アイラを狙う黒幕か、もしくは手下のような者が、いずれ姿を現すかもしれない。
そうなれば、捕らえる絶好の機会となる。
―――私の存在自体が、何の情報も無くなってしまった黒幕を捕らえるための囮となる。
父さまたちには絶対に言えないけれど、捕らえるためには有効な判断だわ。
アイラのこの予想が正しければ、どこからか向けられる視線に殺意がないことが頷ける。
そして誰かがひっそりと護衛をしてくれているのだとしたら―――それはきっと、エルヴィスの指示だ。
アイラはエルヴィスの姿を思い出し、自然と口元が緩んだ。
地下牢から出て別行動を取る前に、ひっそりと耳打ちしてくれた言葉が蘇る。
―――『時間が取れたら、会いに行く』
艶のある声が耳元で聞こえたとき、アイラは腰を抜かしそうになった。けれど、平然を装って小さく頷いた自分を、誰か褒めてほしいと思っている。
いつになるか分からないが、またエルヴィスと会えて、話ができる。
そのことが、アイラの足取りを軽くした。
「―――見て。あの子よ」
不意に届いた声に、アイラはピクリと反応を示す。歩く先に、女性の使用人が数人固まっているのが見えた。
そのうちの一人には、見覚えがあった。以前ぶつかってしまい暴言を吐かれ、それに言い返したカレンと一触即発の雰囲気になった使用人だ。
「……武術大会で騒ぎを起こして、またどこかで騒ぎを起こしたらしいじゃない?」
「まるで姫みたいな扱いで、お城に戻ってきたのを見た人がいるんですって」
「包帯だらけだったんでしょ?大袈裟なんじゃない?」
「そうよね、周りの気を引こうとしてるだけだったりして……」
アイラは、聞こえるようにわざと話している女性たちに心底うんざりした。
エルヴィスのことを考えて浮ついていた気持ちが、一気に落ちていく。
無視して通り過ぎようと考えながら、いっそのこと反論してみようかとも思った。
代われるなら、代わってほしい。命を狙われてもいいなら、どうぞ喜んで―――と。
そのとき、どこからか透き通る声が響く。
「―――バカバカしいですね」
ピタリ、と使用人たちの会話が止まる。
声の主は、少し離れた壁にもたれかかっていた。
顎のラインで揃えられた橙色の髪に、紺色の瞳を持ったその女性は、団服に身を包んでいた。
その姿から、アイラが未だに会ったことがなかった、最後の一人の女騎士なのだとすぐに分かる。
壁から背を離し、女騎士がアイラに向かって歩いて来た。
途中で使用人たちを一瞥すると、冷ややかに言い放つ。
「人を蔑むくらいなら、己を磨いたらいかがです?仕事をさぼっているんですか?それとも暇ですか?それなら、貴女方の上司に、仕事を増やすようお願いしておきましょうか?」
「………っ、」
「……行きましょ。し、失礼します」
使用人たちがバタバタと去っていき、アイラは思わず足を止めていた。
カレンのときは使用人は言い返して来たのに、この女騎士からはすぐに逃げていったのは何故だろう、と考える。
氷のように冷たく思えた表情が、アイラを見た途端にパッ花が咲くように綻んだ。
そのあまりの変貌に、見間違いかと瞬きを繰り返す。
「害虫は蹴散らしておきましたよ」
「……が…害虫?」
「真実を知らないって怖いですね。貴女と同じ土俵に立てる女なんて、誰もいないというのに」
目の前で立ち止まった女騎士は、アイラの両手を取ると、嬉しそうに笑った。
「私はクローネ・ファーガス。初めましてアイラさま。……ずっと、お会いしたかった」
「えっ…」
「どうか私を、貴女の弟子にしてください」
そう言ってぎゅっと手を握りしめたクローネを、アイラは目を丸くして見つめていた。
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