引きこもり令嬢はやり直しの人生で騎士を目指す

天瀬 澪

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39.魔術具開発局⑤

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「レナードさま、この爆発がどの辺りで起きたのか分かりますか?」


 アイラの問い掛けに、レナードは考えるように視線を飛ばす。
 爆発は先ほどの一度きりで、今は廊下からバタバタと駆ける音や悲鳴が聞こえてきていた。


「……方向からして、生産棟だと思う」

「俺もそうだと思う。だとしたら、狙いは大量の魔術具か?」


 レナードの答えに、フェンリーが同意した。生産棟には、大量の魔術具があるのだ。
 そのことを知っているリアムは、首を傾げる。


「爆発させたってことは、魔術具の破壊が目的とかじゃないの?」

「じゃあ何だ?開発局に恨みをもつやつの犯行か?」

「それなら、どうして闘技場でも事件を起こすんだよ…開発局は関係ないだろ?それとも、この爆発は闘技場の件とは関係ないとか?」


 ドルフ、フェンリーが順に意見を口にする。
 最後のフェンリーの言葉に、今度はアイラが首を傾げている。


「……どうして、闘技場の事件が出てくるのですか?」


 しまった、とばかりにフェンリーが慌てて口を両手で塞ぐ。ドルフが呆れたような視線を向けてから、レナードに問い掛けた。


「レナード、どうする?俺としては、アイラさんに嘘はつきたくないんだけど…」

「嘘をつく必要は無い。ついさっき、俺がリアムに少し話したからな」


 レナードの言葉を受け、リアムは頷いてから口を開く。


「アイラ、兄さんたちは全て勘づいているみたいなんだ。自分たちに疑いが向いていることを分かってる」

「そうなの?……では、リアムのお兄さま方は、実際に関与しているのですか?」


 アイラがあまりにも核心に迫る質問をしたため、リアムたちは目を丸くする。


「ちょっ…、バカ正直に真正面から質問を投げつけるなんて、何考えてるの!?」

「だってリアム、私たちがここへ来た本当の目的がバレているなら、回りくどく訊いても意味はないわ」

「だからって、相手が正直に答えるわけないじゃん!」

「……あ、それもそうね」


 今気付いた、というように口元に手を添えるアイラに、リアムは全身の力が抜けた。
 本当に、実力と才能はあるのに、変な所が抜けている不思議な令嬢だと思った。

 リアムとアイラのやり取りを聞いて、レナードが苦笑する。


「信じてもらえるかどうかは別として、正直に答えれば、俺たち三人の関与は無い」

「分かりました。信じます」

「アイラ!?」


 すぐに二つ返事で頷いたアイラにリアムが慌てていると、フェンリーが堪えきれずに噴き出している。


「あははは!おいドルフ、やっぱりお前が惚れる女ってどこか変だよなぁ」

「おい、アイラさんをバカにするな!清らかで純粋な心の持ち主だろうが!」


 あまりに緊張感のないやり取りが続き、リアムは頭を抱える。
 レナードの言葉を信じるとするならば、残りの調査対象者は、リアムの両親ということになる。


「~とりあえず、爆発の被害状況を確認しないと…」

「そうね。生産棟に転移ができる魔術具は、どこかにあったりしませんか?」


 アイラの問いに、ドルフが素早く動いた。


「ここは制御室なので、異常があった場所にすぐ移動できるようにどこかに…、あった!これです!」

「ありがとうございます。リアム、私はこれで移動するわね。リアムはお兄さま方を守って」


 ドルフから魔術具を受け取ったアイラにそう言われ、リアムは眉を寄せた。


「待って。一人で行くつもり?どんな危険があるかも分からないでしょ」


 こんなとき、リアムは自分に魔力がないことを不利に思う。魔力があれば、同じように魔術具を使えるのに。
 アイラは「大丈夫よ」と言って笑った。


「きっと、そこにはエルヴィス団長がいると思うの。団長がいれば、何も心配することはないでしょう?」


 それは、とても綺麗な笑みだった。心からエルヴィスを信頼していることがよく分かる。
 ドルフがぼうっと見惚れていた。


「……でも、団長がいるか分からない。やっぱり、僕も走って追いかけるよ。……僕だって、君の背中を守りたい」


 リアムがそう言うと、アイラは少し驚いたように目を見張り、嬉しそうに微笑んだ。


「分かったわ。先に行って、待ってるわね」

「うん。……待ってて」


 アイラが魔術具に魔力を込め、その場から姿を消す。
 三人の兄たちをどうするか、と振り返ったリアムはぎょっとした。


「……ど、どうしてみんな、涙目なわけ?」

「だっておま、リアム…!あんな友情見せられたら…!」

「本当、安心した。騎士団でも俺たちに対するみたいな、誰も寄せ付けない!近寄るな!って感じなのかと思えば…」

「……良い出会いがあったんだな…」


 ドルフ、フェンリー、レナードから順にそう言われ、リアムは顔が熱くなった。
 それを誤魔化すように、リアムは制御室を出ようと背を向ける。


「……じゃあ、僕はアイラを追い掛けるから!兄さんたちはここから動かないでよね!」

「あ、ちょっと待てリアム!」


 フェンリーがリアムを呼び止め、先ほど三人の共同研究室から持ち出した魔術具の一つを差し出した。
 リアムはそれを見て眉をひそめる。


「……何、嫌がらせ?」

「違うから。……お前、魔力の数値はゼロじゃなかっただろ?」

「『1』だから。悪いけど、そんな数値の魔力じゃ魔術具は使えないよ」

「ところが、それが使えるんだなぁ」


 フェンリーが得意げにニヤリと笑う。


「俺とドルフとレナードで、共同開発したんだ。魔力が『1』でもあれば、使用できる優れもの」

「……本当に?どんな効果が?」

「なんと、魔力を増幅させる効果だ!」


 じゃーん!と口で言いながら、フェンリーがその魔術具を頭上に持ち上げた。
 それを聞いたリアムは、衝撃を受ける。


「魔力を…増幅……?」

「そうだ、すごいだろ!」


 リアムの頭に、一つの嫌な可能性が浮かんだ。

 闘技場で捕らえられた、五人の人物。
 そのうちの一人は、ほとんど魔力がないにも関わらず、高度な魔術を使用していたという。


「リアム?どうした?」


 リアムの反応が想像と違ったのだろう。レナードが眉を寄せた。
 リアムは拳を握りしめ、口を開く。


「……レナード兄さん…、この魔術具、何個開発したの…?」

「それ一つだけだが。お前のために三人で開発したんだ。販売するつもりもないぞ」

「一つだけ?……じゃあ、設計図はどこに?」


 レナードは、そこでリアムの顔色が悪い理由に思い当たったようだった。
 ドルフとフェンリーは、リアムとレナードを交互に見ている。


「設計図は………、そうか、そういうことか」

「え?何?俺には意味が分かんないんだけど」

「……設計図は例の保管庫にある。ドルフ、どうやらこの設計図も盗まれた可能性があるということだ」

「はあぁ!?」


 チッ、とレナードが舌打ちをした。リアムも同じ気持ちだが、今すぐ確認しなければならないことがある。


「兄さん、あの保管庫に入れるのは、兄さんたち三人と、父さま母さまの五人だけだよね?」

「……そうだ。だから、俺たちじゃないってことは……、待てよ。一度だけ、保管庫から出てきた人物と鉢合わせたことがある」


 レナードの顔から、サッと血の気が引いた。


「父さまに頼まれたことがあったと普通に言っていて、そのときは気にも止めなかったんだが……まさか」

「兄さん、誰だか分かる!?」


 リアムの問い掛けに、レナードはその人物の名前を口にする。


「―――スタンリー局長だ」





***


 魔術具で転移したアイラは、生産棟の近くに姿を現した。


 三階ほどの高さの建物で、爆発はどうやら二階辺りで起きたようだ。窓と壁の一部が崩壊しているのが分かる。

 離れたところに局員たちが集まっており、突然現れたアイラを見て驚いた声を上げた。


「わっ!?誰!?」

「……“戦場の天使”の…、ええとアイラさん?」


 一番近くにいた局員は、アイラの名前を知っていた。ということは、昼食前に訪れた研究室にいたのだろうか。
 アイラはその女性局員に声を掛ける。


「あの、どういった状況かご存知ですか?」

「私たちも詳しくは…。突然警報音が鳴って、皆が騒ぎながら外に出たの。ようやく警報音が止まったかと思えば、生産棟が爆発して…」

「中に人がいるかは、分かりますか?」

「スタンリー局長がすぐに来て、中に入って行ったわ。それから入れ替わるように局員が何人も出てきて…、あ、あと騎士団長さまがついさっき入って行ったのを見たわ」


 それを聞いて、アイラは少し安心した。やはり、エルヴィスが来ていたのだ。


「では、また爆発が起こるかもしれませんので、できるだけ離れていてください」

「あの、貴女は…?」

「私は中に入ります。スタンリー局長も心配ですし、何があったのか調べますので」


 心配そうな表情の女性局員に、アイラはにこりと微笑んだ。それからすぐに地面を蹴り、生産棟の正面の扉から中へと入る。


 一階は特に変わった様子はなく、静かだった。人の気配もない。
 アイラはそのまま近くの階段を駆け上がる。

 二階に上がってすぐ、焼け焦げたような臭いが鼻をついた。
 目に見える範囲に、エルヴィスやスタンリー、他の人物の姿はない。
 アイラは念のため気配を殺し、音を立てないように移動する。



 ―――あまりにも静かだわ。どうして?何が起こっているの…?


 得体の知れない不安を抱きながらも、アイラは廊下を進む。
 角を曲がり、開けた場所に出た瞬間、エルヴィスの姿が目に入った。


 エルヴィスは、剣を抜き戦っていた。
 相手は見たことのない男性だった。その人物は、高度な魔術を操り、エルヴィスに攻撃を仕掛けている。


 ―――まさか、魔術師?


 アイラは一度曲がり角を戻って身を隠し、思考を巡らせる。


 どうして魔術師がいるのか、どうしてエルヴィスと戦っているのか。警報と爆発は、あの魔術師の仕業なのか。

 相手の攻撃が魔術なら、アイラも魔術で対抗しなければならない。
 エルヴィスはおそらく、闘技場のときに使用していた対魔術用の剣で戦っているはずだ。

 繰り出されていた魔術のレベルから推測すると、対抗するのはそれなりの威力の魔術が必要だ。
 悔しいが、アイラの攻撃魔術では敵わないと判断する。


 それならば、とアイラは少しだけ身を乗り出し、エルヴィスの姿を捉えた。
 じっと意識を集中し、魔術を唱える。補助魔術でサポートをしようと思ったのだ。けれど。


「……え?」


 自身の魔術が弾かれる感覚に、アイラは思わず声を上げた。
 これは―――防護壁だ。


「困りますね、邪魔をされては」


 すぐ耳元でそう囁かれ、全身がぞくりと粟立った。

 ここまで気配を感じ取れなかったことに驚きながらも、アイラは距離を取ろうと素早く動く。
 ところが、体の力が抜けたようにカクンと膝をついてしまう。


「………な、に…」

「催眠作用のある魔術具ですよ。元は、不眠に悩まされている人の為に開発されたものですが…ものは使いようですね」


 魔術具を手ににこりと微笑んだのは、魔術具開発局の局長であるスタンリーだった。

 どうして、なぜ、と思うより先に、頭がぼんやりとしてくる。
 強い眠気に襲われたアイラは、力を振り絞って団服の内側から小型のナイフを取り出し、躊躇いもせず左腕に刺した。


「…………っ、」


 鋭い痛みが走り、目が冴える。腕からナイフを抜き投げ捨てると、アイラは壁にもたれながら立ち上がった。

 スタンリーは「わあ」と小さな声を出す。


「すごいですね、さすが騎士さま。魔術具に痛みで抵抗するなんて素晴らしい」

「……っ、スタンリー、局長っ…!」


 アイラはスタンリーを睨みながら、腰の剣を右手で抜く。傷つけた左腕は使えないので、右腕を補助魔術で強化した。


「うーん、どうしましょう。せっかくの計画が台無しですね。彼も手こずっていますし」


 スタンリーは、言葉とは裏腹に困っているようには見えなかった。
 それを不気味に思いながら、アイラは状況を素早く整理する。


 鳴り響いた警報、制御室で眠らされていた局員、生産棟の爆発。
 エルヴィスと戦う謎の魔術師、周囲に張られた防護壁、そしてスタンリーの言動。


「……貴方が、全て裏で糸を引いていたのですね」


 アイラの言葉に、スタンリーは楽しそうに笑った。


「全て、とは言えないですけどね。大体は僕の計画です」

「……?他に協力者がいると?あの魔術師もそうですよね?」

「ああ、彼もそうですよ。闘技場では余計な者が入れないよう、ずっと防護壁を張ってくれていました。彼の防護壁は素晴らしい」


 そのあとに、スタンリーは「まあ、結局破られてしまいましたが」と肩を竦めた。
 今の話が、以前兄のクライドが話していた言葉と繋がる。

『……それに、魔術師側でも問題があった。観客席の前に防護壁を張った魔術師が消えたんだ』

 闘技場の救護室で、確かにクライドはそう言っていた。
 その消えた魔術師が、エルヴィスと戦っている相手であるということだ。


 ―――でも、一体どういうこと?スタンリー局長と魔術師が共謀して、魔術具で参加者を操り、闘技場を混乱させて何になるの?
 そして、今度はこの魔術具開発局で何をするつもりなの?


 考えれば考えるほど、アイラは訳が分からなくなる。
 目の前で笑みを浮かべるスタンリーの目的は、一体何なのだろうか。


「……はは、何が何だか分からないって顔をしていますね、アイラさん」

「……訊けば、教えていただけるのですか?」

「そうですねぇ。貴女を眠らせて連れて行く計画も難しそうですし…」

「………連れて行く?」


 アイラは眉を寄せた。連れて行く計画だなんて、まるで、アイラ自身が目的かのような言い方だ。


 けれど、ふと気付く。

 邸宅が火事になり、命を落としたアイラだったが、火事になる前に爆発音を聞いていた。
 今まで火事の原因を気にしたことはなかった。自然に起こったものだと、信じて疑っていなかった。


 ―――あの火事が、意図的に起こされたものだとしたら?


 どくん、と心臓が嫌な音を立てる。

 やり直しの人生を歩み、騎士となったアイラは、あの火事から逃れることができた。
 けれどその火事を起こした人物が、今度は別の方法でアイラを狙っているとしたら。


 闘技場で巨大な炎の玉が迫る様子を思い出し、アイラは唇を震わせた。
 そんなアイラを見て、スタンリーは目を細めて再び笑う。


「―――全ての元凶は貴女ですよ、アイラさん」


 その悪魔のような笑みを、アイラは呆然と見つめるしかなかった。

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