冷酷組長の狂愛

さてぃー

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確かに可愛い顔をしているかもしれないけど、、

なんで瀧さんは何も言わないんだ、、、

まぁ普通ならあの絶対零度な目で見られたら近づけないだろうけど、、


2人の様子を横で見ながらモヤモヤと胸がギュッとなる


別に会話しているわけでもないし仕事の延長でキャストのご機嫌を損ねたらダメだっていうのも分かるけど、、


しかしふと2人を見るとリンさんと目が合う

リンさんはこちらを見てフッと馬鹿にした様に笑うとまた瀧さんにくっつき始める


あれはおそらく俺たちの関係も知っているのだろう


でも普通はさ、俺を好きだって言うんならさ、ちょっと考えてくれてもいいと思うんだ、、、

俺が答えを返さないのも悪いけど、、、

こんなの別に俺じゃなくてもいいみたいじゃないか、、

むしろリンさんとの方がお似合いに見えてくる

リンさんは自信に満ち溢れているし、瀧さんを好きなのがすごく伝わってくる


その後は仕事にも身が入らず、瀧さんに話しかけられてもどこか気のない返事を返してしまった

瀧さんがそんな俺を心配そうに見ていたのも知ってる

でも少し心の整理をする時間が欲しい


どうして俺は2人の姿を見ると心が締め付けられる気持ちになったのか、、


部屋に戻ってからも瀧さんと話す気持ちにはなれず、ぼーっとしたままベッドに入る

本当ならこんな態度は良くないって分かってる

だけど今瀧さんの顔を見るとさっきのことを思い出してしまう



「瑞稀、調子が悪いのか?医者呼ぶか?ちょっと待ってろ」


そのまま医者を呼んできそうな勢いの瀧さんを慌てて呼び止める



「だ、大丈夫!ちょっと疲れただけだから、、」


「ほんとか?」


「うん。寝れば回復するから大丈夫。」


「、、わかった。何かあれば必ず言うんだぞ。」


「ありがと。」



若干強引に説得し、2人で布団に入る


多分瀧さんは俺が本当に疲れただけとは思っていないだろう
でも今はそれで納得してほしい

この気持ちを整理できる日は来るんだろうか、、


結局モヤモヤが消えることなく眠りについた





ーーーー
ーー







次の日もどこか心あらずな俺。

そんな俺を見て瀧さんが今日は部屋で休んでていいと言ってくれた

気分が悪いわけでも体調が悪いわけでもなかったが、瀧さんと一緒に居ずらい俺は言われるがままに休みをもらってしまった



瀧さんは仕事があるので心配そうな顔をしながらも出掛けて行った


正直、昨日の今日で心を整理できるはずもなかったので助かった

多分俺の中で、このモヤモヤの正体はわかっている。
だけど、これを認めてしまったら自分がどうなっていくのか分からない

自分のことは自分が1番わかっている。
瀧さんは誰もが認め、憧れ、上に立つような存在なのだ

そんな存在の横に俺がいたら、今はいいかもしれないけど将来絶対に不利益になるはずだ

仕事を共にするようになってからそれは肌に感じた。





はぁ、、、、どうしようか、、、、


かと言って、前回のように逃亡するわけにもいかない

それぐらいなら気持ちをちゃんと伝えて離れた方が賢明だろう



ボーと考え込んでいると、聞き覚えのある声が聞こえた



コンコン

「瑞稀ー、獅童だけど入ってもいいか?」

「あ、はい!」



そう言って白衣を身に纏った獅童さんが顔を出す

一体どうしたんだろう?
次の診察はまだなのに、、、


「瑞稀、調子が悪いのか?
瀧から診てくれと連絡があったんだが、、、」


あちゃー、そんなに瀧さんを心配させちゃってたか、、、、

獅童さんにも悪いことしたな、、、



「い、いえ、体調は悪くないです!ちょっと俺がうじうじ悩んでただけなんで、、、」


「本当に大丈夫か?まだ病み上がりなんだから無理は禁物だぞ。」


「はい、大丈夫です。」


「それで?なんで悩んでるんだ?
お前のことになるとあんだけ狼狽えるんだから悩むこともないと思うんだが、、、
あ、もしかして瀧の顔も見たくないぐらいに嫌いになったのか?そりゃそうか。自業自得だもんな。」



ノンストップで瀧さんのことをボロカスに言う獅童さんに呆然とする

この人、凄いな、、、
あの瀧さんをここまで言えるなんて、、、


って、感心してる場合じゃない!
誤解とかないと、、、


「あ、あの瀧さんのこと嫌いになったわけじゃないんです、、、」

「ん?違うのか?あんな顔だけの一族嫌ってしまえばいいのに、、、」


顔だけって、、、、
そんな恐ろしいことを言う獅童さんに、思わず周りに誰かいないか確認してしまった


「そ、そんなこと他の人に聞かれたら大変ですよ!」


そう、神城組は仲間意識が特に強く、上の人の言うことは絶対な縦社会なのだ。
しかし実力主義なのでいくら年齢が上であろうと身内であろうと贔屓されることは一切ない


「こんなこと、毎日言ってるわ。
こんなぐらいで解放してくれるならいくらでも言うね。」


うわぁ、、、
瀧さんのお父さん、獅童さんに何したんだろう、、

ボロッカスな言葉に顔が引き攣る


「それよりお前だよ。俺に話せることか?」

「あー、いまいち自分でも整理できてないと言いますか、、、」
































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