冷酷組長の狂愛

さてぃー

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瀧さんが部屋を出ている間、持ってきてもらったパソコンをセットする


見た限り中を触られた形跡もなく少し安心する


まぁ、触られても暗号化してあって見れないようになってるんだけど



しばらくすると瀧さんが軽食を持ち部屋に入ってくる


「量は少なめにしてある。もし追加でいるようなら言ってくれ。」


机の上にはサンドウィッチとスープがあった


「えっと、、これで大丈夫。ありがと、、」


敬語に慣れず、小さい声で返事をする


「俺も一緒に食べたいところだが、仕事があるから、隣の部屋にいる。さっき言ってた資料はここに置いておくからな?食べ終わったら見てみてくれ。」


「うん、、」



瀧さんが持ってきた資料に目を移すと、分厚い紙束があった


うわ、結構情報あるな、、
こんなに俺がみても良いものか?

なんか怖くなってきた、、


若干紙の多さに引きながらモグモグとサンドウィッチを食べる


それにしてもこのサンドウィッチおいしいな。

今度教えてもらおう



食欲はなかったけどあっという間に完食してしまった



食べ終わって暇になったので資料に目を通す




「うげ、、結構際どいとこまで書いてあるな。」



瀧さんの言う通り神城組のことは公表できる範囲のことしか書いてなかったが、瀧さんの情報に関しては知らないことばかりだった



これ、俺がもしここからいなくなる時、消されるんじゃね?
と思うぐらいには内容がえげつない


まぁ、見てしまったものはもう仕方がない


これまでの瀧さんの経歴から、友人関係、会社の規模、暗号など組の中でも上層部しか知らないことが普通に載っている



へぇ~、この人って政治界で有名な人じゃん、、
うわ、同盟の組ってこんなにあるんだ
あ、この人テレビで見たことある

などなど、紙を読むごとに感想が出てくる


特に驚いたのは総理大臣や警察上層部との交友関係があったことだ


おいおい、、瀧さんだけでこの国のっとれるんじゃないか?


そんな怖い想像を思い浮かべながら最後まで目を通していると、声がかかる



「瑞稀、どうだ、読み終えたか?」

「あ、瀧さん、、今全部読んだところ、、」


「そうか。それはほんの一部に過ぎないから、まだ見足りなければ部下に持って来させる」



ヒョエっ

これ以上こんな危険物読みたくない!

「えっと、もう十分読んだから大丈夫、、」


「そうか。俺の仕事もひと段落したし夜ご飯でも食べようか」



そう言われて窓を見ると真っ暗になっていてびっくり


資料を読んでいる間に時間がいつ間にか過ぎて夜になっていた



瀧さんと若干気まずいながらも2人でご飯を食べる


もちろん、部屋は瀧さんの私室だ


仕事部屋からはお姫様抱っこで運ばれて死にそうだった



ベッドに下ろされまた横になる


瀧さんは俺を下ろした後、横に座り優しい手つきで俺の頭を撫でる


その手は安心感がありつい自分からねだるように頭を手に押し付けてしまう



本当、何でこんな完璧人間が俺のことなんて好きなんだろうな


俺を好きになって後悔してないだろうか、、



「瑞稀、少しだけ抱きついても良いか?」


「、、え?あ、あの、、」



急な質問に狼狽える


「もちろんエロいことはしない。お前と少しでも離れたくないんだ」



「え、、あ、、、」コク




頭ナデナデが気持ちよかった俺はそんな瀧さんのお願いに首を縦に振る




「ありがとな」



少しハニカムような笑顔に少しだけ胸がギュッとなる



そんな気持ちを知らない瀧さんは後ろからぎゅっと抱きついてくる



嫌悪感もなく瀧さんの気持ちの良い体温が伝わってくる


仁さんに近づかれただけであんなに怖かったのに、こんなに抱きついていても落ち着けるのは不思議だ、、



しばらく沈黙だったけど誰かの温もりが久しぶりすぎて安心感が湧き、ついついウトウトしてしまう



「瑞稀、眠いならそのまま寝てもいい。」



瀧さんにそう言われ、目を瞑ろうとした


けど、このまま寝てしまったら前みたいに、起きた時誰もいなくなってるんじゃないかと不安になって眠れない


思ったよりあの孤独感はトラウマになってるみたいだ


「どうした?」


眠たそうなのになかなか寝ない俺を不思議に思ったのか俺の顔を覗き込んでくる


あまりにも睡眠欲が襲ってきていたので、普段なら絶対言わないようなことを口走る



「、、ねたら、はなれちゃう?」


「え、、?」


「まえ、おきたらいなかった、、」


「それはお前が怖がると思って、、」


眠さで拙くなる俺の言葉に戸惑いながら返事を返す



「こわがらないから、、、はなれていかないで、、?」



自分でも何を言っているかあやふやだ



「俺が近くにいても良いのか?」


「うん、、さみしかったの、、、」


「そうか。安心しろ、ずっと隣にいる。だから安心して寝ていい」


「、ありがと、、、」



瀧さんの言葉に限界を超えていた瞼が最後まで閉じ切る



その後瀧さんが俺の変わりように驚いて悶えていたのを俺は知らない




次の日起きたら瀧さんの顔が目の前にあり驚くはめになる


でも寂しさは全くなくむしろ今までの中で1番熟睡できた気がする



俺の中で瀧さんの存在がだんだん大きくなる


これ以上大きくなると引き返せない気がする



こうして安心感を手に入れたとともに新たな不安もうまれることになった



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