冷酷組長の狂愛

さてぃー

文字の大きさ
上 下
61 / 69

61

しおりを挟む
「あの、俺、たぶん何もしてないと落ち着かないと思うんだ。だから何か手伝える事があれば手伝いたい。」


そう、俺はここに来てから瀧さんにヤられるか、寝てるかのどっちかだった
(気絶とも言うが、、、、、)
前まで、バイトや学校とかで忙しく動いてたのに急に暇になるとなんだか落ち着かない
しかもタダ飯ほど怖いものはない。
そしてなによりも何もしない環境にいることは俺が許せない




「もちろん、極秘事項とかには関わらないようにするし、そもそもベッドからはしばらく自力で出れないと思うから出来ることもそんなにないと思うんだけど、、」




俺に出来ることなんてたかが知れてる
精々、パソコンで情報を扱うことぐらいだろう
体力が回復すればまた違うことも出来るだろうが今は無理だ




そこまで早口気味に告げ、そおっと瀧さんを見上げる
まだ直接目を見てお願い事をする勇気はなく目線を逸らしながらのお願いになってしまった



瀧さんは少しびっくりする様に俺を見つめていた


あれ?なんだか反応が思ってたのと違う


もっと眉間の皺を寄せて使えない奴をどう使うかみたいな顔で見られると思ってたのに



「瑞稀、無理して手伝う必要はないんだ。今のお前には休養が必要だし、それは俺のせいだ。もし何かしたい事があればゲームでも本でもなんでも与えよう。今までお前に苦労させた分、俺に償わせてほしい。」



そう言って膝を折り、目線を俺に合わせながら真剣に告げてくる


遠回しに断られたな、、、
やっぱり大事な仕事を俺なんかに任せられないか
若干落ち込む


「、、、、やっぱり俺は使えない?」


「、、、?使える?なんの話をしてる?」


「だって何も手伝わせてくれないし、、」


「違う。もちろんお前が手伝ってくれるなら凄くありがたい。何しろ葵の一番弟子だからな。他の幹部たちもこぞってお前を手に入れたいだろうな。」



、、、?
俺って瀧さんに無能扱いされてたんじゃないのか?
それともお世辞か?


その後も瀧さんは話し続ける


「葵はこれまで誰にも技術を専門的に教えることはなかった。簡単な操作とかは別だが。それなのにお前は葵に教わるどころか仕事も任せられてたと聞いた。」



葵さんが誰かに教えるのって珍しいんだ、、
でも俺に教えてくれる時、すごい優しくてわかりやすかったけどな、、
あ、でもそう言えば葵さんの情報屋のコードネームでひっかかったことがあるんだ
だってあんなに優しいのにみんなからって呼ばれてるんだよ
世の中わかんないなぁ~



いまいち凄さが分からずぽや~んと聞いてる俺に呆れながら説明してくれる



「葵のコードネームは知ってるだろ?」



コクッと頷くと



「あれは敵はもちろんのこと、味方にも容赦なく追い討ちをかけることからつけられてる」


瀧さんが言うには、
ある時は敵がハッキングした時、即座に相手のパソコンを再起不能にし、相手の情報を他の組に売った。

ある時は襲撃の情報を手に入れて一人で壊滅状態まで追い込んだ

ある時は小さな企業をあっという間に立て直し、今では組の最大限の収入源になっている

ある時は自分の部下が使えなさすぎて全員を切った

ある時は神城組が所有する企業のうち使えない者は即座に変え、実力主義の基盤を創り上げた


などなど、、、



聞けば聞くほど、俺が知る葵さんとかけ離れてる


葵さん、流石にこれはまずいですよ、、、

今度、直接聞いてみよ、、、



「と言うことで、葵から仕事を任される瑞稀は相当すごいことになる。ここまでは理解できたか?」

「あ、うん。」

「だから正直瑞稀に手伝ってもらうこと自体はすごく嬉しいんだ。ただ俺はお前の負担にはなりたくないんだよ、、」



瀧さんが俺を心配して言ってくれてるのがすごく伝わってくる



でも、聞いてほしい。ほんとに暇なんだ。

趣味がある訳でもない。
特技もパソコン操作ぐらいだし。
誰か喋る相手がいる訳でもない。(瀧さんは除く)
そもそも喋るのはそんなに好きじゃない


う~ん、、、
困ったぞ




「どうしても暇なら、仕事ではなく俺のことや組のことを纏めた物があるからそれを見てるというのはどうだ?」


「そんなに大事な情報俺に見せてもいいの?」


「あぁ。まぁ組に関しては極秘なことは書かれてないし世間にも公表しているものばかりだ。俺の情報は少し極秘のことも含まれているが好きなやつには知っててもらいたい」



ヒョエッ‼︎

前半はいい。後半はまずいだろ、、。
そんなに怖いもの見たくないぞ、、


「瀧さんの情報は俺には荷が重いというか、、」

「俺の情報見るのは嫌か、、?」


なんか、声が落ち込んでいて罪悪感が半端ない


「いや、嫌と言う訳では、、、」


「それなら見てほしい。情報は後から悠生に持って来させる。必要なものがあればその時になんでも頼むといい。」



あ、なんか見る流れになってる、、


はぁ、、、、


まぁいっか、、。見れるものは見とくか。



「さ、そろそろお昼だ。何か食べられそうか?」


「あ、少しだけなら、、」


「そうか。軽いものを頼んでくる。ちょっと待っててくれ。」



頭を撫で、直ぐに部屋から出ていく




やっぱり少し二人きりは緊張するな、、
でも最初は能面みたいな人だと思ってたけど意外と感情が分かりやすいし恐怖心は和らいでる
世話焼きなのもびっくりしたし、恐れ多い。
しょぼんとされるとつい許してしまう
あと、俺がその顔に弱いことを理解してやってるから少しあざとい











しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

ヤクザと捨て子

幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子 ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。 ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

処理中です...