冷酷組長の狂愛

さてぃー

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barの中に入り、葵さんが飲み物を出してくれる

「瑞稀、少しは落ち着けたか?」

葵さんは心配そうに俺を見ている
その顔は後悔と瀧さんへの怒りが見てとれる

「はい、、、なんとか、、、、
でも、俺どういう状況なのかさっぱりで、、、」
「それは今から俺が説明するな?
でもこれを聞いて判断するのはお前だ。
俺のことは一切考えるな。お前の気持ちを聞かせてくれ」
「、、、わかりました。」


葵さんは神城組の制度について話し始めた

「粗方は、組で聞いた通りだ。
しかし、実態は恋人や家族関係ではない場合の付き人は性欲処理の役割を担う」
「、、、じゃあ、俺は瀧さんの、、、」

俺の中にある考えが当たっていてだんだん悲しくなる

「俺は瑞稀には幸せになってほしい。
だから本音を聞かせて欲しい。
、、、、、、ここから逃げないか?」

「っ!!!!」


葵さんの提案はリスクがあまりにも高すぎて驚いてしまう
そんなことをしたら俺だけではなく葵さんまで酷い目に遭うのは目に見えている
そんなこと俺が出来るはずがない、、、

「瑞稀、言っただろ?
自分のことだけを考えろ。」
「そ、それは、、、、、」
「あそこにいて、お前は幸せになれるか?
俺はお前の悲しい顔を見る方が何より辛いんだよ。」

真剣に俺を心配してくれる葵さんに涙が溢れる


「だって、そんなことしたら葵さんが、、、、」
「俺はどうにでもなる!今までもそうだったからな!」


ふんっと自信気に言い切る


「お、おれ、、、逃げたい、、、、、」
「瑞稀、、、、、」


犯されたショックは俺が思ってた以上に大きいみたいだ
俺たちが危険になるってことは瀧さんと葵さんの話から分かっていた
でも、葵さんとならなんでも出来る気がしたのだ
つい、本音を言うと葵さんが抱きしめてくれる


「瑞稀、時間がない。できる限りこの町からすぐにでも離れたい。準備できるか?」
「う、うん。でも、このbarはどうするんですか?」
「ここはもともと瀧のものだからな。気にしなくていい。」
「わかりました。すぐに準備してきます。」


俺はすぐ近くにある自宅に本当に必要な分だけの荷物を詰め込みbarに戻る

「瑞稀、準備はできたか?」
「はい。葵さんはそれだけで大丈夫なんですか?」

葵さんの荷物はボストンバッグ一個分だけだった

「あぁ。必要な分は現地で買うしパソコンさえあればなんでもできるからな」
「そ、そうなんですか、、、」


こういうとき、葵さんはお金持ちだなって思う
普通なら持ってけるものはなんでも持っていくだろうに、、、、

「じゃあ、いくぞ。」


こうして俺と葵さんはこの町から静かに姿を消した
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