支配者達の遊戯

さてぃー

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高等部編

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ピピピピピーピピピピピー ガチャ


「んっ、、、、、もーあさ、、、、」


襲ってくる眠さをなんとか吹き飛ばしながら朝の準備に取り掛かる

朝俺がすることは、着替えてから運ばれてきた朝食を机にセットし緋色様を起こしに行くことだ。

勿論、料理が冷めてはダメなので素早さが大事。

コンコンッ
「緋色様、失礼します」

部屋の中に入ると漆黒のベッドに膨らみが見える

まだ寝てるな、、、

ベッド横まで移動し、布団を覗き込む

「緋色様?」

「、、、、」

、、、、、返事がない。

「緋色様!!起きてください!」


今度は大きい声で起こしてみる
すると、布団がモゾモゾと動き出す


「ゔぅ~、、、、、」


だが、唸り声だけで目を覚ます気配はない
ここまできて確信したことがある。
おそらく寝起きがクソ悪い、、、、

はぁ、、、、、


仕方ない、布団を剥ぎ取ろう
この手段は兄様にもやったことがあるけどそのあと少し機嫌が悪くなってしまった
出来ることならしたくなかったけど、考えている暇はない。
今日は入学式に出なければならないんだ。
心を鬼にして起こす。


「緋色様!もう起きる時間です!」バサッ


布団を剥ぎ取ると、そこには機嫌の悪そうな顔をしてこちらを睨みつけている緋色様がいた


「ヒィィィッ!!」


思わず手に持っている布団をもう一度戻してしまった


綺麗な顔をしている人に睨まれたらめちゃくちゃ怖かった、、、、


「、、、おい、、、」

ビクゥッ‼︎

「は、はい!!!」


布団から少しだけ顔を覗かせ、ひっくい声で話しかけてきた


「、、俺は朝が苦手だ、、、。それをこんなに早くから起こすなんてお仕置きを希望してるのか?ましてや布団を剥ぎ取るなんて愚行、許されないことだぞ」

「だ、だって、緋色様が全く起きないから、、、」


「それを自然に起こすのがお前達従者の役目だ。何の為にお前がいるんだよ」


「そんなこと言われても、、、、
どうやって起こせばいいのか、、、」


「そんなこと俺の知ったことか。まだ慣れてないとはいえ、この件はお仕置き対象だ。帰宅後に仕置きするからな。」

「お仕置き、、?それって、、、」


ノマの従者に任命されてから見てきたノマ達の奉仕の数々、、、、
いろんなことを想像してしまい青褪める


「まぁ、初めてだから手加減はする。
今日から特履もある事だし他の従者に心構えでも聞いておけ」

「、、、はい、、、、」



それだけ言うと目が覚め出したのか、布団から出てくる
しょぼんとする俺の頭を軽く撫で自分で身嗜みを整え出した


これまで従者が居なかっただけあって自分の事は自分でスムーズにこなしていく緋色様を見てますます俺がいるのか不思議に思えてくる。



「朝食食べるぞ。」


2人で豪華な朝食を食べ、歯磨き等色々準備をしてから部屋を出る



部屋を出てから初の高等部校舎へ向かう

寮からはそんなに離れていないが少し歩かなければならない

そして何より驚いたのはそんな少ししか距離がないのにノマ達には専用の送迎車がある事だ。

寮のノマ専用の出入り口からでて車に乗る


そのノマによって違う車だが、緋色様の車は恐らく外車だろう

詳しい車種まではわからないが高そうだ、、


従者も常に行動を共にする為、この車にお世話になる

運転手にお礼を口にし乗り込み学院まで移動する




学院についてからもノマの扱いは特別なのか、専用の出入り口が用意され誰も入れないようになっている

そこから今日行われる体育館へ向かう


ちなみに俺は新入生なので、ノマ達と軽い打ち合わせをした後はすぐに他の新入生と合流する

ほとんど顔見知りなので緊張というものはないが、後からのことを考えると気まずい


体育館のステージ裏に着くとそこには他のノマの方が揃っていた



「お、やっと揃ったか。遅かったな?」

「いや、普通だろ。まだ30分はあるぞ。」


そう、緋色様の言う通りまだ式までは30分もあるのだ
何で皆さんこんなに早いんだろう


その疑問が顔に出てたのか、


「アイツら、朝から一発やってきてるな」


ボソッと緋色様が呟くのが聞こえた

え、、やってきたって、、、、
ほんとに、、?
だから従者の人達みんな歩きにくそうなの?
そんな情報なら聞きたくなかったよ、、、
ってことはまだ何もしてないの俺だけ!?


そんな俺の荒れ狂った心の中は誰にも伝わらず式の最終確認が始まる


主にアインス様が中心となり話を進めるみたいだ。
たしかに他の人に任せると大変なことになりそうだ



俺達も立ち位置の確認やその後の流れまで一通り流してみる
特に変更もなくスムーズに進んでいく


最後まで確認が終わった後は緋色様達と別れ、従者達は其々のクラスに合流する

俺も新入生の列に並ばなければいけないのでもたもたしている暇はない

クラスは昨日のうちに聞いておいた

基本的にノマ関係者や特待生、成績優秀者等はSクラスになるそうだ。
このクラスでは各自に合わせた学習ができるらしい。
人数も他のクラスにに比べ15人と少数だ。


同じクラスには比嘉晃大、望月一心、須藤響、本多光輝がいる。
他にも恐らく中等部で顔見知りの奴ばかりだろう。
そして各学年のSクラスだけ校舎が別で通称『キングダム』と呼ばれている


なので一般生徒達にとってSクラスの人たちに会えるこう言った式典は貴重なのだ


一般生徒の中には熱狂的なノマのファンまでいるらしい。

俺恨まれてないかな、、、、
確かに顔と財力と頭はいいけど、、
問題は中身でしょ、、、


中等部でも生徒会3人の人気は凄まじかった
俺なんて陰で何度も嫌味を言われたもんだ
まぁ、無視したけど、、


あ、考え事してたら式が始まったようだ
Sクラスは最後に入場なのでもう少し時間がある


「おい、瑠衣。今からでも間に合うぜ?緋色から俺に乗り換えろよ」


ボーとしていると晃大が話しかけてくる


「そんなことできるわけないだろ。俺だってこんなはずじゃなかったのに、、、」


「まぁ、お前長男の職場で働く気満々だったもんな?高等部の事情は知ってたから従者にならないことは不思議に思ってたけど」


「何で言ってくれなかったよ、、、
あの時の衝撃凄かったんだぞ!」


「いや、知ってるもんだと思ってたから。」


「あ、そういえば晃大に敬語使うの忘れてた、、」


「まぁ、今のは見逃してやるよ。呼び方も注意しとけよ。お前も先輩みたいにお仕置きされたくないだろ?」


「う、うん。」










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