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中等部編
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しおりを挟む兄様と電話した翌日、いつものように学園に通った後、高等部の寮へやってきた
もちろん俺1人だと最上階までは行けないのでエントランスで管理人の人にノイン?様?を呼んでもらおうと声をかける
「あの、ノイン様に会いたいんですけど、、、」
「はい、ノイン様から聞いていますよ。こちらで少々お待ちください。」
「お願いします」
管理人さんはそう言って電話をかけ始めた
しばらくエントランスのソファに腰掛けていると昨日も見たノイン様が堂々と歩いてくるのが見えた
ノイン様も俺に気づいたのか目が合う
するとニヤリと笑う。あたかも俺の言った通りになっただろうと言わんばかりだ
すぐに俺のそばまでくると、
「上で話そう」
そう言い、エレベーターで上に上がる
昨日、兄様が言った通りノマ専用の25階ボタンを押している
エレベーターの中で会話はなく、沈黙のまま到着した
「今日は1、2年だけ居るはずだ。来年から顔を合わせるやつばかりだから覚えておけ」
「、、、まだ従者になるとは言ってません」
「まだそんなこと言ってるのか?
兄貴からは何て言われたんだ?」
「、、、、貴方にいう必要はありません」
「ハッ、生意気な、、
まぁ、その反応から見るに従者になってみろとでも言われたか。」
「っ、、、」
その言い様に、ムカついて睨みつけてしまった
「まぁいくらお前が足掻いたところで決定事項だ。諦めるんだな」
そのまま扉を開けて昨日来た大きな部屋に通される
そこには昨日よりは人数が少ないものの多くの美形が集まっていた
ほんと、場違いすぎて帰りたい、、
「いらっしゃい、瑠衣君。
ノインの従者として君を歓迎しよう」
その言葉に引き返せないところまで来たんだと察した
「舜、細かいことは何もわからないと思うから高等部入学までは色々お世話してあげなさい」
「かしこまりました。
ノイン様の事は説明いたしますか?」
「ん~、どうする?」
そう言いノイン様に話しかける
「いや、俺も話に参加する。
名前すら教えてないからな」
「わかった。舜、今から隣の部屋で2人と話してきて」
「はい、マスター。」
この人が舜さんの主か、、、
なんだか優しそうだけど昨日の光景が忘れられない
人は見た目で判断したらだめだな、、
俺だけボーッとしている間に段取りが決まったのか舜さんがこちらに向かってくる
「瑠衣君?で合ってるよな?
色々説明することもあるから隣の部屋に着いてきてくれ」
「あ、はい、、」
こうしてみると舜さんはやっぱり頼れる兄貴って感じで優しそうだ
舜さんに言われるまま着いていく
案内された隣の部屋も下品な感じはないが全てが高級品である事はすぐにわかった
「ここに座ってくれ。ノイン様は如何なさいますか?」
「俺は自由に口出しするから通常の説明だけしてやれ」
「わかりました。
では、説明を始めようか。
まずどういう団体かは昨日少し話したけど詳しく言うな?」
舜さんから聞いたのは兄様から聞いたものをもっと詳しくさせた感じだった
ノマとは高等部生徒会であり中等部の段階で各年数名選抜される。
前提として財閥等のお金持ちしか選抜されず、さらに容姿、頭脳等で選ばれるため狭き門だ。
ノマの人達は基本授業には出席義務はなく、成績さえ維持されれば良いらしい。
そして1人の主人につき、1人従者をつけるらしい。
ほとんどはノマの生徒が入学した段階で決まっているらしいのだがノイン様は従者にしたい者がおらず空席になっていたみたいだ
選ばれた従者は家の長男でない限り拒否権はなく強制である。
その代わり学費の免除に加え、学院で様々なことが優遇される
基本的に専属は付くが、エロい奉仕以外はノマ全員の指示に従わなければいけない。
奉仕に関しては基本的に主に何があっても従うこと。
部屋は24階にあり主と隣同士である。
25階には娯楽施設や大広間等があり誰でも自由に使って良いらしい。
ちなみに『主』が先に卒業した場合、従はノマから一時的に抜け、本格的に仕事を手伝うなどするそうだ。
逆に『従』が先に卒業した場合は大学あるいは仕事場からわざわざこの高等部の寮に通うそうだ。
俺の場合は前者に該当するらしい、、
「とりあえずここまで軽く説明したが何か質問はあるか?」
「なんだか現実味がなくてあまり理解出来ていないのですが、、、」
「ようは、俺に従ってれば良いってことだ。」
俺たちの会話にノイン様が入ってくる
「、、、、わかりました。」
渋々返事をするもののなんだか納得いかない
「あの、名前とかってどう呼んだら良いですか?」
「そこは俺から説明する。
基本的にノマにはドイツ語の1~10までが割り振られている。俺は9だからノインだ。他のやつの名前とNo.は後から紹介してやる。
ちなみに遅れたが俺の名前は立花緋色だ。お前は俺の専属だから緋色でいい。
家は立花グループで主にホテル経営と不動産をしている」
立花ってめちゃくちゃすごい御曹司だ
疎い俺でさえ聞いたことがある名前だ
ここまで来るとますます疑問だ
どうして俺なんか従者にしたんだよ、、、
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