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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
668 第五迷宮の探索 8 目的のアイテム入手
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カズが凍り付いているブロックフロッグから、魔核と側にあるアイテムをどうやって取り出そうか考える。
「あ! そうだ。二人のどっちか、カズさんに剣を貸してあげなよ」
「ここは迷宮内だ。断る」
「おれもダメだ」
アプリコットの提案に、ゴーヤとカリフは即座に却下する。
どちらか一方なら兎も角、二人が同時に却下したのが以外だったらしく、アプリコットは驚くと共に、眉間にシワを寄せて怒りの表情を見せた。
助けてもらったのに、その態度は失礼だと。
それを見ていたカズは、アプリコットの考えよりも、ゴーヤとカリフの考えの方が正しいと思った。
苦戦していたモンスターから助けてくれたとはいえ、この場所は冒険者ギルドや双塔の街の決まり事、また帝国の法も届かない第五迷宮の中。
自分の武器を安々と知らない相手に預けていい場所ではない。
アプリコットは少し警戒心が無さ過ぎだと、前々から感じていた事が、今回の迷宮探索で確定したというのが、ゴーヤとカリフの考えだった。
「すみません、カズさん」
言い出しておきながら、結局ゴーヤとカリフのどちらからも、ナイフ一本借りる事ができなった。
謝罪するアプリコットに、カズは「大丈夫だから気にしないでくれ」とフォローする。
アイテムボックス内になら、刀なり剣なり刃物は色々とある。(ほぼ元の世界から持ってきたトレカなのだが)
流石に初対面の前で、それらを出す事はしない。
結局考えた末に、ウォータージェットを極細にして出し、高水圧の工業用のウォーターカッターの要領で、ブロックフロッグから切り出そうと考えた。
というか、ウォーターカッターと名付けたっけと、今更だが思い出す。
申しなさそうにしているアプリコットに一つ頼み事をして、凍り付いているブロックフロッグの近くに移動する。
魔核とその後ろにある大きさは憧れか欲望かを傷付けないようして、人差し指の先からウォータージェットの密度を濃くし、細く速く長い時間噴出させた〈ウォーターカッター〉を使う。
高水圧で凍り付いた赤いブロックフロッグから魔核と、大きさは憧れか欲望かを切り出し《鑑定》をする。
いとも簡単にしてのけるカズを見て、アプリコットは唖然としていた。
後方からその様子を見ていたゴーヤとカリフも、表面上では大きく表情に出す事はしなかったが、内心で目を見開くくらいは驚いていた。
切り出した赤いブロックフロッグの魔核と、目的の大きさは憧れか欲望かを手に入れたカズは、それを【アイテムボックス】にしまい入れた。
「俺は迷宮を出るが、三人はどうする?」
三人は顔を見合うも相談する事なく「出る!」「出ます!」と即決した。
関わってしまったのだからと、カズは疲労する三人を引き連れて、先頭になって四十一階層のメモリー・ストーンのある小部屋に向かう。
移動しだして二十分もしない内に、ゴーヤとカリフが無理をしているのが分かる。
アプリコットだけは怪我もせず、魔力にもまだ余裕があった。(攻撃魔法は有効ではないと、低位回復魔法を数回しか使用してない)
あとは性格もあるかも知れないが、結構元気だった。
死ぬかもと思っていたのが、助けが入って生き延びる事ができたのが、一番大きな要因だろう。
「ほら。これ飲んで、メモリー・ストーンのある所まで気合い入れろ」
カズは懐から出す素振りをして【アイテムボックス】から、自作の回復薬が入った小ビンを、先にゴーヤとカリフにポイと軽く放り投げ渡す。
急な受け渡しにだったがそれに反応し、小ビンを受け取ったゴーヤとカリフは躊躇する。
疑ってはいるものの、恩を仇で返す事はしたくないと、アプリコットが先陣を切る形で、ゴーヤから回復薬の入った小ビンを奪い取り、ぐいッと一気に口の中へ流し込み飲み込む。
少し前まで生きるか死ぬかで泣きべそをかいていたのに、急に漢気を見せる行動に出た。
回復の効果があるというだけで、果物のような甘みはない。
だがその辺りで販売されている、かすり傷程度や、ちょっとした疲労の回復に効果のある物よりかは断然効く。
接近して戦っていたゴーヤやカリフよりは怪我をしてないが、アプリコットも数週間は傷が残りそうにな傷を腕に負っていた。
それがカズ自作の回復薬を飲むと、痛みが消え傷跡がなくなる。
「え…スゴ!」
それを見ていたカリフが小ビンの蓋を開け、中身を一気に飲み干す。
体中の細かな傷や疲労が消え、嘘のように回復した事に、カリフはアプリコットと同様驚く。
「これ、金貨何枚するんだ?」
ゴーヤはそれを見て自分もと思ったが、アプリコットが奪い取って飲んでしまったのでない。
後悔の色を浮かべているゴーヤに「ほら」と、カズが回復薬の入った小ビンを渡した。
ゴーヤは受け取るとすぐに小ビンの蓋を開けて一気に飲む。
勢い余ってむせていたが、二人と同じように効果が出て、傷と疲れが嘘のように消えた。
「行けそうか?」
カズの問いかけに三人は同時に頷き、四十一階層のメモリー・ストーン40まで急ぐ。
こういった時に限って、滅多に現れない死霊系のモンスターが出現する。
と思ったが、すんなりと四十一階層のメモリー・ストーン40のある小部屋に到着して、先に〝光明の日差し〟の三人を一階層に戻らせ、その後カズも続いてメモリー・ストーン40に触れて魔力を流し、一階層のメモリー・ストーンに移動して迷宮の外に出た。
外はまだ日があり、暗くなるまであと一時間程といったところ。
そのため一階層には、若干ながら観光客の姿があった。
「じゃあ、俺はギルドに報告があるからここで」
「あのう、ワタシ達も一緒に行っていいですか?」
「ギルドに用があるのか?」
回復薬で少しは元気になったとはいえ、疲れているのだから宿屋に戻るなり、祝いの豪勢な飯でも食べに行くなりすればいいのにと思った。
「一応、最初にあの大きなブロフロに遭遇したのはワタシ達なので、それを報告に。でしょ」
アプリコットはゴーヤとカリフに同意を求めた。
「だな。後から聞かれても、忘れちまってたら答えようがない。だろ、ゴーヤ」
「そうだな。報告だけならすぐに終わる。それに回収した鉱石を買い取ってもらわなければ飯が食えん」
許可を取ったとはいえ、最初に遭遇してたのは〝光明の日差し〟の三人だからと、カズは積み重なったブロックフロッグを倒した後に採取できる鉱石を全部譲っていた。
あとオマケとしてミミックを倒した際に、硬貨と見間違えた丸い金属も。
カズが氷漬けにしたブロックフロッグから、魔核と目的の大きさは憧れか欲望かを切り出してる間に、アプリコットに頼んで拾わせていた。
「まあ、好きにすればいいさ(報告しても報酬はでないと思うが。ってか、四十階層まで到達した祝とかを、豪勢にやるんじゃなかったのか。いや、採取した鉱石を売らないと飯が食えないって言ってるから、金が無いのか)」
カズは目的の大きさは憧れか欲望かを手に入れたので、〝光明の日差し〟と共に冒険者ギルドに報告に向かう。
夕食には早いかも知れないが、今なら好きな店に入れるだろう。
報告を手早く済ませてたら、すぐ〝光明の日差し〟の三人はギルドを出るだろうと、この時は思っていた。
「あ! そうだ。二人のどっちか、カズさんに剣を貸してあげなよ」
「ここは迷宮内だ。断る」
「おれもダメだ」
アプリコットの提案に、ゴーヤとカリフは即座に却下する。
どちらか一方なら兎も角、二人が同時に却下したのが以外だったらしく、アプリコットは驚くと共に、眉間にシワを寄せて怒りの表情を見せた。
助けてもらったのに、その態度は失礼だと。
それを見ていたカズは、アプリコットの考えよりも、ゴーヤとカリフの考えの方が正しいと思った。
苦戦していたモンスターから助けてくれたとはいえ、この場所は冒険者ギルドや双塔の街の決まり事、また帝国の法も届かない第五迷宮の中。
自分の武器を安々と知らない相手に預けていい場所ではない。
アプリコットは少し警戒心が無さ過ぎだと、前々から感じていた事が、今回の迷宮探索で確定したというのが、ゴーヤとカリフの考えだった。
「すみません、カズさん」
言い出しておきながら、結局ゴーヤとカリフのどちらからも、ナイフ一本借りる事ができなった。
謝罪するアプリコットに、カズは「大丈夫だから気にしないでくれ」とフォローする。
アイテムボックス内になら、刀なり剣なり刃物は色々とある。(ほぼ元の世界から持ってきたトレカなのだが)
流石に初対面の前で、それらを出す事はしない。
結局考えた末に、ウォータージェットを極細にして出し、高水圧の工業用のウォーターカッターの要領で、ブロックフロッグから切り出そうと考えた。
というか、ウォーターカッターと名付けたっけと、今更だが思い出す。
申しなさそうにしているアプリコットに一つ頼み事をして、凍り付いているブロックフロッグの近くに移動する。
魔核とその後ろにある大きさは憧れか欲望かを傷付けないようして、人差し指の先からウォータージェットの密度を濃くし、細く速く長い時間噴出させた〈ウォーターカッター〉を使う。
高水圧で凍り付いた赤いブロックフロッグから魔核と、大きさは憧れか欲望かを切り出し《鑑定》をする。
いとも簡単にしてのけるカズを見て、アプリコットは唖然としていた。
後方からその様子を見ていたゴーヤとカリフも、表面上では大きく表情に出す事はしなかったが、内心で目を見開くくらいは驚いていた。
切り出した赤いブロックフロッグの魔核と、目的の大きさは憧れか欲望かを手に入れたカズは、それを【アイテムボックス】にしまい入れた。
「俺は迷宮を出るが、三人はどうする?」
三人は顔を見合うも相談する事なく「出る!」「出ます!」と即決した。
関わってしまったのだからと、カズは疲労する三人を引き連れて、先頭になって四十一階層のメモリー・ストーンのある小部屋に向かう。
移動しだして二十分もしない内に、ゴーヤとカリフが無理をしているのが分かる。
アプリコットだけは怪我もせず、魔力にもまだ余裕があった。(攻撃魔法は有効ではないと、低位回復魔法を数回しか使用してない)
あとは性格もあるかも知れないが、結構元気だった。
死ぬかもと思っていたのが、助けが入って生き延びる事ができたのが、一番大きな要因だろう。
「ほら。これ飲んで、メモリー・ストーンのある所まで気合い入れろ」
カズは懐から出す素振りをして【アイテムボックス】から、自作の回復薬が入った小ビンを、先にゴーヤとカリフにポイと軽く放り投げ渡す。
急な受け渡しにだったがそれに反応し、小ビンを受け取ったゴーヤとカリフは躊躇する。
疑ってはいるものの、恩を仇で返す事はしたくないと、アプリコットが先陣を切る形で、ゴーヤから回復薬の入った小ビンを奪い取り、ぐいッと一気に口の中へ流し込み飲み込む。
少し前まで生きるか死ぬかで泣きべそをかいていたのに、急に漢気を見せる行動に出た。
回復の効果があるというだけで、果物のような甘みはない。
だがその辺りで販売されている、かすり傷程度や、ちょっとした疲労の回復に効果のある物よりかは断然効く。
接近して戦っていたゴーヤやカリフよりは怪我をしてないが、アプリコットも数週間は傷が残りそうにな傷を腕に負っていた。
それがカズ自作の回復薬を飲むと、痛みが消え傷跡がなくなる。
「え…スゴ!」
それを見ていたカリフが小ビンの蓋を開け、中身を一気に飲み干す。
体中の細かな傷や疲労が消え、嘘のように回復した事に、カリフはアプリコットと同様驚く。
「これ、金貨何枚するんだ?」
ゴーヤはそれを見て自分もと思ったが、アプリコットが奪い取って飲んでしまったのでない。
後悔の色を浮かべているゴーヤに「ほら」と、カズが回復薬の入った小ビンを渡した。
ゴーヤは受け取るとすぐに小ビンの蓋を開けて一気に飲む。
勢い余ってむせていたが、二人と同じように効果が出て、傷と疲れが嘘のように消えた。
「行けそうか?」
カズの問いかけに三人は同時に頷き、四十一階層のメモリー・ストーン40まで急ぐ。
こういった時に限って、滅多に現れない死霊系のモンスターが出現する。
と思ったが、すんなりと四十一階層のメモリー・ストーン40のある小部屋に到着して、先に〝光明の日差し〟の三人を一階層に戻らせ、その後カズも続いてメモリー・ストーン40に触れて魔力を流し、一階層のメモリー・ストーンに移動して迷宮の外に出た。
外はまだ日があり、暗くなるまであと一時間程といったところ。
そのため一階層には、若干ながら観光客の姿があった。
「じゃあ、俺はギルドに報告があるからここで」
「あのう、ワタシ達も一緒に行っていいですか?」
「ギルドに用があるのか?」
回復薬で少しは元気になったとはいえ、疲れているのだから宿屋に戻るなり、祝いの豪勢な飯でも食べに行くなりすればいいのにと思った。
「一応、最初にあの大きなブロフロに遭遇したのはワタシ達なので、それを報告に。でしょ」
アプリコットはゴーヤとカリフに同意を求めた。
「だな。後から聞かれても、忘れちまってたら答えようがない。だろ、ゴーヤ」
「そうだな。報告だけならすぐに終わる。それに回収した鉱石を買い取ってもらわなければ飯が食えん」
許可を取ったとはいえ、最初に遭遇してたのは〝光明の日差し〟の三人だからと、カズは積み重なったブロックフロッグを倒した後に採取できる鉱石を全部譲っていた。
あとオマケとしてミミックを倒した際に、硬貨と見間違えた丸い金属も。
カズが氷漬けにしたブロックフロッグから、魔核と目的の大きさは憧れか欲望かを切り出してる間に、アプリコットに頼んで拾わせていた。
「まあ、好きにすればいいさ(報告しても報酬はでないと思うが。ってか、四十階層まで到達した祝とかを、豪勢にやるんじゃなかったのか。いや、採取した鉱石を売らないと飯が食えないって言ってるから、金が無いのか)」
カズは目的の大きさは憧れか欲望かを手に入れたので、〝光明の日差し〟と共に冒険者ギルドに報告に向かう。
夕食には早いかも知れないが、今なら好きな店に入れるだろう。
報告を手早く済ませてたら、すぐ〝光明の日差し〟の三人はギルドを出るだろうと、この時は思っていた。
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