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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
662 第五迷宮の探索 2 迷宮内での特殊な移動手段
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前日到達した九階層まで来たが、ここまで見掛けた冒険者は二組だけで、他の冒険者を見掛ける事はなかった。
この事から先程の考えが現実見を帯びてきた。
一度レベル10前後のスケルトンが三体現れ、威圧スキルで追っ払おうとしたが効果なかったので倒した。
意志のないアンデット系には、恐怖を感じないから効果がないのだろうかと疑問が出来た。
九階層から十階層に上がり探索すること二十数分、十階層に毎に居るという中ボス部屋を見付けた。
警戒しつつ扉を開けて入るも、中ボスらしきモンスターはいなかった。
先に入った冒険者が倒したのだろう。
十階層毎に存在する中ボス的なモンスターは、一度倒されると新たに出現しないか、再度現れるまで時間が掛かるのかも知れない。
次は二十階層に居るか確認してみる事にする。
十階層の中ボス部屋の奥にある階段を上がり、十一階層すぐ近くの小部屋で見たことのない石柱を見付けた。
小部屋に罠らしきものはなく、あるのは中央に1メートル程の石柱があるだけ。
近付きよくよく観察すると『メモリー・ストーン10』と書かれていので《鑑定》を使用して石柱を調べてみる。
メモリー・ストーンに魔力を流して記録しておくと、他の階層にあるメモリー・ストーンから瞬時に移動することが出来る。
記録していないメモリー・ストーンには移動することができない。
移動する際はメモリー・ストーンに触れて、移動するメモリー・ストーンを指定して魔力を流す。
同時に移動出来るのは三人まで。
最後に使用してから五日が過ぎると、メモリー・ストーンに記録した魔力が消えるので、移動するには再度魔力を記録する必要がある。
鑑定したことで、他の階層にもメモリー・ストーンがあったのだとカズは知った。
ここまで運良く上階層に上がる階段を見付けたことで、各階層を三割程しか探索してなかった。
その事でメモリー・ストーンがある場所を見逃して来てしまったのだと、失敗の表情を浮かべる。
今更後悔してもしょうがないと気持ちを切り替え、メモリー・ストーン10に触れて魔力を記録し、とりあえず四十層階を目指して迷宮を進む。
十二階層から十五階層までで、四組の冒険者パーティーを見掛けた。
その内三組は迷宮前で見掛けた冒険者だった。
このことから迷宮に入ってすぐ、メモリー・ストーンを使って十階層に上がって来たから見掛けなかったのだと分かった。
今回モンスターの素材を集めたり、宝箱等を探したりはしないので、他の冒険者と関わらないようにして、上層階に上がる階段を優先的に探して上って行く。
二十階層で中ボス部屋を見付けたが、やはりそれらしきモンスターはいなかったので、そのまま通過した。
中ボスが出現するのかは、ギルドで聞いてみないことに分からない。
ただ戦闘で時間を取られないので、どちらかといえば出現しなくてもいいと、カズは考えた。
二十一階層に上がってすぐの小部屋でメモリー・ストーン20を見付け、それに触れて魔力を流し記録する。
あと一時間は探索してもいいと考えたが、とりあえず十一階層のメモリー・ストーン10に移動出来るか試してみる。
メモリー・ストーン20に触れて魔力を流し「メモリー・ストーン10に移動」と声に出す。
特に何も起きず、駄目かと思いメモリー・ストーン20から手を離そうとし瞬間に、小部屋の雰囲気が変わった。
触れていたメモリー・ストーン20を確認すると、表示がメモリー・ストーン10になっていた。
視界の端に映る【マップ】も確認すると、上って来たばかりの二十一階層ではなく、探索した十一階層が表示されていた。
これでメモリー・ストーンは迷宮の階層を、転移で移動する装置だと確認が出来た。
二十一階層に戻ろうとメモリー・ストーン10に触れて魔力を流し、今度は声に出さずメモリー・ストーン20に移動と念じた。
二、三秒すると十一階層から二十一階層のメモリー・ストーンがある小部屋に移動した。
これで声に出さずとも、メモリー・ストーンを起動出来る事が分かった。
通って来た階層をくまなく探索しているわけではないので確かなことは分からないが、もしかしたら十階層毎にしかメモリー・ストーンがないのかも知れないと考え、探索を再開する。
二十一階層をに探索していると、現れたのはレベル16からレベル20のゾンビ。
十階層手前で現れたスケルトンと同様で、威圧のスキルを使うも効果はなかった。
現れたゾンビの弱点は火だったので、遭遇したら〈ファイアーボール〉を使い倒して進む。
この日は二十五階層に上がったところで終了し、宿に戻ることにする。
歩いて二十一階層のメモリー・ストーンに戻っては時間が掛かり過ぎるので、昨夜インテリジェンス・ブックで見付けたスキルを試すことにする。
二十一階層の小部屋を思い浮かべ移動系スキル《ダンジョン・ムーヴ》使う。
メモリー・ストーンを使用した時と似たような感じで、周囲の景色が変わり移動した。
これでダンジョン・ムーヴを使えば、訪れた階層に移動出来る。
流石にダンジョン・ムーヴで迷宮の出入口に移動するのは不味いので、迷宮を出る際はメモリー・ストーンを使う事にする。
ただ一階層にあると思えるメモリー・ストーンには魔力を記録してないので、今回は三階層で見付けた何も無い部屋にダンジョン・ムーヴで移動し、そこから一階層まで下りて迷宮を出る。
宿屋に戻り夜食を取りながら一日の行動を振り返る。
今までムーヴという特殊な移動スキルを持つモンスターはいたが、今回使ったダンジョン・ムーヴはそれとは違った。
メモリー・ストーンとダンジョン・ムーヴの効果は、カズが使う空間転移魔法のように場所を繋げるのではなく、自身がその場所に転移する瞬間移動と同じ様な効果。
ただ難点として同じ階層や、階層を繋ぐ階段等に移動することはできない。
予定では第五迷宮での探索はあと二日。
見物の観光客がいることで、朝の入場に時間が掛かかってしまうという予想外の事があり、思っていたよりも潜るのに時間が掛かってしまった。
そこで明日中にはとりあえずの目的である四十階層に行き着き、迷宮内で仮眠を取って『大きさへは憧れか欲望か』を所持しているモンスターを探す事にした。
◇◆◇◆◇
予定よりも到達階層が低くなってしまっているので、第五迷宮内で夜を越すことにし、まだ宿泊する予定だった宿屋を引き払った。
観光客が来る前にと早くから双塔までやって来たが、既に二組の観光客と護衛に雇った冒険者が来ていた。
その二組に続いて入ろうと思ったが、続々と見物の観光客がやって来てしまった。
観光客に続き入ろうと、単独の冒険者が後ろに並んだ途端に、観光客からあれこれと質問攻めにあっていた。
あれでは下手をすれば、観光客がしつこく付いて来る可能性があると考え、前日同じく観光客が減るまで待つ事にした。
だが何もせず待つのは流石に時間の無駄になるので、冒険者ギルドに置かれている情報誌を見て時間を潰す事にした。
予想通りというかお決まりというか、朝の冒険者ギルドは多くの冒険者で混んでいる。
受付にも依頼書が貼ってある掲示板にも用はないので、壁際を通って一階の休憩所に移動して、情報誌が置かれている書棚の前にいく。
同じ様に情報誌に目を通し、情報収集をしている冒険者が数人居た。
欲しいのは四十階層付近の情報なので、情報誌の表紙に書かれてる見出しから探す。
四十二階層で大きなモンスターを見たと見出しに書かれた情報があった。
前回休憩所には無かったので、発行された日を見ると前日に出たばかりの最新の情報誌。
早速大きなモンスターに関する事が書かれた頁を開き記事を読む。
この事から先程の考えが現実見を帯びてきた。
一度レベル10前後のスケルトンが三体現れ、威圧スキルで追っ払おうとしたが効果なかったので倒した。
意志のないアンデット系には、恐怖を感じないから効果がないのだろうかと疑問が出来た。
九階層から十階層に上がり探索すること二十数分、十階層に毎に居るという中ボス部屋を見付けた。
警戒しつつ扉を開けて入るも、中ボスらしきモンスターはいなかった。
先に入った冒険者が倒したのだろう。
十階層毎に存在する中ボス的なモンスターは、一度倒されると新たに出現しないか、再度現れるまで時間が掛かるのかも知れない。
次は二十階層に居るか確認してみる事にする。
十階層の中ボス部屋の奥にある階段を上がり、十一階層すぐ近くの小部屋で見たことのない石柱を見付けた。
小部屋に罠らしきものはなく、あるのは中央に1メートル程の石柱があるだけ。
近付きよくよく観察すると『メモリー・ストーン10』と書かれていので《鑑定》を使用して石柱を調べてみる。
メモリー・ストーンに魔力を流して記録しておくと、他の階層にあるメモリー・ストーンから瞬時に移動することが出来る。
記録していないメモリー・ストーンには移動することができない。
移動する際はメモリー・ストーンに触れて、移動するメモリー・ストーンを指定して魔力を流す。
同時に移動出来るのは三人まで。
最後に使用してから五日が過ぎると、メモリー・ストーンに記録した魔力が消えるので、移動するには再度魔力を記録する必要がある。
鑑定したことで、他の階層にもメモリー・ストーンがあったのだとカズは知った。
ここまで運良く上階層に上がる階段を見付けたことで、各階層を三割程しか探索してなかった。
その事でメモリー・ストーンがある場所を見逃して来てしまったのだと、失敗の表情を浮かべる。
今更後悔してもしょうがないと気持ちを切り替え、メモリー・ストーン10に触れて魔力を記録し、とりあえず四十層階を目指して迷宮を進む。
十二階層から十五階層までで、四組の冒険者パーティーを見掛けた。
その内三組は迷宮前で見掛けた冒険者だった。
このことから迷宮に入ってすぐ、メモリー・ストーンを使って十階層に上がって来たから見掛けなかったのだと分かった。
今回モンスターの素材を集めたり、宝箱等を探したりはしないので、他の冒険者と関わらないようにして、上層階に上がる階段を優先的に探して上って行く。
二十階層で中ボス部屋を見付けたが、やはりそれらしきモンスターはいなかったので、そのまま通過した。
中ボスが出現するのかは、ギルドで聞いてみないことに分からない。
ただ戦闘で時間を取られないので、どちらかといえば出現しなくてもいいと、カズは考えた。
二十一階層に上がってすぐの小部屋でメモリー・ストーン20を見付け、それに触れて魔力を流し記録する。
あと一時間は探索してもいいと考えたが、とりあえず十一階層のメモリー・ストーン10に移動出来るか試してみる。
メモリー・ストーン20に触れて魔力を流し「メモリー・ストーン10に移動」と声に出す。
特に何も起きず、駄目かと思いメモリー・ストーン20から手を離そうとし瞬間に、小部屋の雰囲気が変わった。
触れていたメモリー・ストーン20を確認すると、表示がメモリー・ストーン10になっていた。
視界の端に映る【マップ】も確認すると、上って来たばかりの二十一階層ではなく、探索した十一階層が表示されていた。
これでメモリー・ストーンは迷宮の階層を、転移で移動する装置だと確認が出来た。
二十一階層に戻ろうとメモリー・ストーン10に触れて魔力を流し、今度は声に出さずメモリー・ストーン20に移動と念じた。
二、三秒すると十一階層から二十一階層のメモリー・ストーンがある小部屋に移動した。
これで声に出さずとも、メモリー・ストーンを起動出来る事が分かった。
通って来た階層をくまなく探索しているわけではないので確かなことは分からないが、もしかしたら十階層毎にしかメモリー・ストーンがないのかも知れないと考え、探索を再開する。
二十一階層をに探索していると、現れたのはレベル16からレベル20のゾンビ。
十階層手前で現れたスケルトンと同様で、威圧のスキルを使うも効果はなかった。
現れたゾンビの弱点は火だったので、遭遇したら〈ファイアーボール〉を使い倒して進む。
この日は二十五階層に上がったところで終了し、宿に戻ることにする。
歩いて二十一階層のメモリー・ストーンに戻っては時間が掛かり過ぎるので、昨夜インテリジェンス・ブックで見付けたスキルを試すことにする。
二十一階層の小部屋を思い浮かべ移動系スキル《ダンジョン・ムーヴ》使う。
メモリー・ストーンを使用した時と似たような感じで、周囲の景色が変わり移動した。
これでダンジョン・ムーヴを使えば、訪れた階層に移動出来る。
流石にダンジョン・ムーヴで迷宮の出入口に移動するのは不味いので、迷宮を出る際はメモリー・ストーンを使う事にする。
ただ一階層にあると思えるメモリー・ストーンには魔力を記録してないので、今回は三階層で見付けた何も無い部屋にダンジョン・ムーヴで移動し、そこから一階層まで下りて迷宮を出る。
宿屋に戻り夜食を取りながら一日の行動を振り返る。
今までムーヴという特殊な移動スキルを持つモンスターはいたが、今回使ったダンジョン・ムーヴはそれとは違った。
メモリー・ストーンとダンジョン・ムーヴの効果は、カズが使う空間転移魔法のように場所を繋げるのではなく、自身がその場所に転移する瞬間移動と同じ様な効果。
ただ難点として同じ階層や、階層を繋ぐ階段等に移動することはできない。
予定では第五迷宮での探索はあと二日。
見物の観光客がいることで、朝の入場に時間が掛かかってしまうという予想外の事があり、思っていたよりも潜るのに時間が掛かってしまった。
そこで明日中にはとりあえずの目的である四十階層に行き着き、迷宮内で仮眠を取って『大きさへは憧れか欲望か』を所持しているモンスターを探す事にした。
◇◆◇◆◇
予定よりも到達階層が低くなってしまっているので、第五迷宮内で夜を越すことにし、まだ宿泊する予定だった宿屋を引き払った。
観光客が来る前にと早くから双塔までやって来たが、既に二組の観光客と護衛に雇った冒険者が来ていた。
その二組に続いて入ろうと思ったが、続々と見物の観光客がやって来てしまった。
観光客に続き入ろうと、単独の冒険者が後ろに並んだ途端に、観光客からあれこれと質問攻めにあっていた。
あれでは下手をすれば、観光客がしつこく付いて来る可能性があると考え、前日同じく観光客が減るまで待つ事にした。
だが何もせず待つのは流石に時間の無駄になるので、冒険者ギルドに置かれている情報誌を見て時間を潰す事にした。
予想通りというかお決まりというか、朝の冒険者ギルドは多くの冒険者で混んでいる。
受付にも依頼書が貼ってある掲示板にも用はないので、壁際を通って一階の休憩所に移動して、情報誌が置かれている書棚の前にいく。
同じ様に情報誌に目を通し、情報収集をしている冒険者が数人居た。
欲しいのは四十階層付近の情報なので、情報誌の表紙に書かれてる見出しから探す。
四十二階層で大きなモンスターを見たと見出しに書かれた情報があった。
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