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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
639 未熟な歌姫
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フジを見た時のローラを想像するアイリスは、思わず出てしまう笑いをこらえる。
「アイリス様に一つ聞きたいことがあるんですが、よろしいですか?」
「構いませんよ。わたくしの知ることであればお答えします」
「気球用のバスケットですが、あれはどこで作ってるんでしょうか? 購入したいと考えているのですが?」
「この後に使うバスケットですか?」
「はい。旅に出ると言いましたが、帝国内であれば魔導列車に乗って移動する事が出来ますが、それ以後の移動となると、徒歩か馬車を確保しての移動になりますので、ならば目的地が判明してるわけですし、フジでと考えてまして」
「なるほど、そういう事ですか」
「教えていただけますか?」
「四人…でも実質は三人……」
気球用のバスケットを作っている場所を聞いたアイリスは、カズ達をじっと見て何やらブツブツと。
「ではそれは、わたくしからプレゼントします」
「いや、しかしそれはでは」
「でしたら、騎士の皆さんに訓練してくださった、追加報酬という事でどうでしょう」
「そういう事でしたら、ありがたく受け取らせていただきます。いいわよね、カズ」
カズが答える前に、アレナリアが返答して受け取る事にした。
実際アイリスに仕える女性騎士達に指導していたのはアレナリアなので、カズはそれを否定する事はできない。
「アレナリアがそう言うなら」
「ではバスケットの大きさや形は、後ほど侍女に調べさせますから、その中から選んでください」
「ありがとうございます」
アイリスに旅に出る報告と、気球用のバスケットの事を聞き終えた後は、船の用意が出来るまでローラと雑談して過ごした。
主にアレナリアとレラがローラと話をして、カズとビワはやり取りを聞いているだけ。
カズとの話が済んだアイリスは、侍女と共に一旦執務室に戻り、カミーリアは船の用意と警備の進み具合を見に屋敷の外に出て行き、二十分程で戻って来た。
「船の用意が出来たので、外に移動します。ローラさんは池にある岩場に向かってくださいとのことです」
「わかった。行くよ」
「ええ。ローラの歌、楽しみにしてるわ」
「あちしも!」
この短い間にアレナリアとレラは、ローラと打ち解けて仲良くなっていた。
ローラはスッと水の中に潜り、池へと出て言われていた場所に向かう。
カミーリアの案内で屋敷裏の、池の水面より少し高めに作られたテラスに移動した。
そこにあったのは、観光地の公園や湖にあるようなボードの少し大きい船のようでもあり、カズには川の渡し船に使われてる船のようにも思えた。
以前渡って来た湖よりはずっと小さな池なので、手漕ぎでも対岸まで到着出来る。
そもそもこの行事だけにしか使わず、来客を呼ぶことはしないので、そこまで大きな船や豪華な船は必要ないと考えての事だろう。
などと考えながら、カズは池に浮かべられた船に乗船する。
アイリスと侍女とコンルと、漕ぎての女性騎士一人が乗船した船が池の中央に向かい移動を始めると、少し間を空けてからカズ達の船が後を追うように、カミーリアの漕ぎで移動を始める。
何処からか誰かに狙われるとも限らないので、池の周囲には等間隔で女性騎士達が立って警戒していた。
ローラは既に池の中央付近にある岩場に座り、声の調子を整えていた。
アイリスに頼まれたが、そうでなくても周辺の警戒をするつもりだったカズは、屋敷の外に出る前から【マップ】の範囲を池から数キロ外まで表示させていた。
池から離れた所に人や獣の反応はポツポツあったが、こちらに向かって来ている訳でもなく、敵意のある反応も無かった。
池の中も特に問題なさそうだった。
池に流れ込む川の水には注意しようとカズは考え、川に近付く反応には気を付けるようにした。
屋敷から結構離れてローラの居る岩場までもう少しの所まで来たので、カズは忘れず内に〈念話〉をフジに繋いで、ゆっくり来るようにと伝えた。
岩場に座るローラから5メートルくらいの場所で、二隻の船は停止する。
アイリスが「では自分のタイミングで、始めてください」の言葉で、ローラが頷き呼吸を整える。
深く息を吸い込んだローラが目を閉じ、透き通る美しい歌声を奏でる。
水の暖かさが風の恵み──
土が潤い火が香る──
光の中で闇が道を示し──
苦しみは心の中で戯れ喜びは儚く──
ローラの歌ったのは六属性のそれであったが、それぞれ特徴がバラバラで意味を成しているようには思えない不明な歌詞だった。
ただ種族で一番の歌い手というのは、この歌声を聞けば納得する。
かつて盗賊に捕まり強制されていた時の歌も上手かったが、気持ちを込めた歌とでは、素人と一流歌手程の差があるように思えた。
歌姫と称されるのも、そう遠くではないだろう。
確かにこの美しい歌声から逃れるのは難しいそうだ。
眠りの効果だけでも厄介なのに、魅了なら尚更有効な手段になっただろうと、男のカズは少し背筋がゾッとする。
それもその筈、ローラの歌をよくよく感じ取れば、若干ながら魔力が込められていた。
ローラ本人はただアイリスに、精一杯の歌を披露しているだけ。
ただ気持ちを込めて歌うと、微量ながら無意識に魔力が込められてしまう。
失礼なのは承知の上で、カズはローラに対して《分析》を使ってステータスを確認した。
ローラが成人した事で、歌には眠りの効果しかなかったのが、魅了の効果も現れるようになり始めていた。
ローラはまだそれに気付いてない。
カズと人魚族のアイリスを除き、船に乗っていた七名は、ローラの歌声に聞き惚れてうっとりとした表情を浮かべていた。
同船したいた侍女やコンルの様子を見たアイリスも、ローラの歌に魅了の効果が現れ始めていると気付いた。
「いかがでしたでしょうか? アイリス様」
「とても素晴らしいわ。異性のカズさんにも聞いてみましょうか。どうでした」
「こんなに聞き惚れてしまう歌は初めてです」
「ありがとうございます」
「他に感じた事はあります?」
「気になったのは歌詞ですかね(魅了の事を言った方がいいのかな?)」
「この歌は三百年くらい前に作られたと聞いてます。なんでも大きな大戦が起きると、全ての属性が入り乱れて世界が混沌に包まれる事になる。それを歌っているのだと伝えられています」
「歌詞にはそういう謂れが」
「世界を巻き込む大戦は起きたのだけど、幸い世界が混沌になる事はなかった。ですがもし昔のような大戦が起きたら、今度はこの歌詞のような事になるかも知れない。その様な事が起きないよう代々こうして伝えられ、歌われていると聞かされました」
ローラの説明で、この様な歌詞にした理由が分かった。
「わたしこの歌あまり好きではないんです。歌なら明るくて皆を笑顔に出来る方が、歌っていて楽しい」
「気持ちはわかるけど、これは悲劇を繰り返さないよう伝える為でもあるの」
「それはわかっています。ごめんなさい、アイリス様」
「謝る事はないわ。これでローラがこの歌を引き継いだと認めました。今度はローラが次の歌い手に伝えるのよ」
「はい」
「あとはローラの好きな明るい歌を歌うといいわ。ただ自分の魔力の扱い方を、もう少し覚える必要があるかしら」
「魔力の扱い方ですか?」
ローラは何故冒険者でも魔法を使う仕事をしている訳でもない自分が、魔力の扱い方をそこまで覚える必要があるのか、不思議そうな表情をする。
魔力を歌に込めないようには出来てるのだからと、自分では思っていた。
「そうよね、カズさん。気付いてるんですよね」
「まぁ…はい(魅了の効果が歌に現れてると、俺の口から伝えろってことか)」
何故魔力の扱い方を覚えるようにアイリスが言ったのかを、カズはローラに説明した。
「アイリス様に一つ聞きたいことがあるんですが、よろしいですか?」
「構いませんよ。わたくしの知ることであればお答えします」
「気球用のバスケットですが、あれはどこで作ってるんでしょうか? 購入したいと考えているのですが?」
「この後に使うバスケットですか?」
「はい。旅に出ると言いましたが、帝国内であれば魔導列車に乗って移動する事が出来ますが、それ以後の移動となると、徒歩か馬車を確保しての移動になりますので、ならば目的地が判明してるわけですし、フジでと考えてまして」
「なるほど、そういう事ですか」
「教えていただけますか?」
「四人…でも実質は三人……」
気球用のバスケットを作っている場所を聞いたアイリスは、カズ達をじっと見て何やらブツブツと。
「ではそれは、わたくしからプレゼントします」
「いや、しかしそれはでは」
「でしたら、騎士の皆さんに訓練してくださった、追加報酬という事でどうでしょう」
「そういう事でしたら、ありがたく受け取らせていただきます。いいわよね、カズ」
カズが答える前に、アレナリアが返答して受け取る事にした。
実際アイリスに仕える女性騎士達に指導していたのはアレナリアなので、カズはそれを否定する事はできない。
「アレナリアがそう言うなら」
「ではバスケットの大きさや形は、後ほど侍女に調べさせますから、その中から選んでください」
「ありがとうございます」
アイリスに旅に出る報告と、気球用のバスケットの事を聞き終えた後は、船の用意が出来るまでローラと雑談して過ごした。
主にアレナリアとレラがローラと話をして、カズとビワはやり取りを聞いているだけ。
カズとの話が済んだアイリスは、侍女と共に一旦執務室に戻り、カミーリアは船の用意と警備の進み具合を見に屋敷の外に出て行き、二十分程で戻って来た。
「船の用意が出来たので、外に移動します。ローラさんは池にある岩場に向かってくださいとのことです」
「わかった。行くよ」
「ええ。ローラの歌、楽しみにしてるわ」
「あちしも!」
この短い間にアレナリアとレラは、ローラと打ち解けて仲良くなっていた。
ローラはスッと水の中に潜り、池へと出て言われていた場所に向かう。
カミーリアの案内で屋敷裏の、池の水面より少し高めに作られたテラスに移動した。
そこにあったのは、観光地の公園や湖にあるようなボードの少し大きい船のようでもあり、カズには川の渡し船に使われてる船のようにも思えた。
以前渡って来た湖よりはずっと小さな池なので、手漕ぎでも対岸まで到着出来る。
そもそもこの行事だけにしか使わず、来客を呼ぶことはしないので、そこまで大きな船や豪華な船は必要ないと考えての事だろう。
などと考えながら、カズは池に浮かべられた船に乗船する。
アイリスと侍女とコンルと、漕ぎての女性騎士一人が乗船した船が池の中央に向かい移動を始めると、少し間を空けてからカズ達の船が後を追うように、カミーリアの漕ぎで移動を始める。
何処からか誰かに狙われるとも限らないので、池の周囲には等間隔で女性騎士達が立って警戒していた。
ローラは既に池の中央付近にある岩場に座り、声の調子を整えていた。
アイリスに頼まれたが、そうでなくても周辺の警戒をするつもりだったカズは、屋敷の外に出る前から【マップ】の範囲を池から数キロ外まで表示させていた。
池から離れた所に人や獣の反応はポツポツあったが、こちらに向かって来ている訳でもなく、敵意のある反応も無かった。
池の中も特に問題なさそうだった。
池に流れ込む川の水には注意しようとカズは考え、川に近付く反応には気を付けるようにした。
屋敷から結構離れてローラの居る岩場までもう少しの所まで来たので、カズは忘れず内に〈念話〉をフジに繋いで、ゆっくり来るようにと伝えた。
岩場に座るローラから5メートルくらいの場所で、二隻の船は停止する。
アイリスが「では自分のタイミングで、始めてください」の言葉で、ローラが頷き呼吸を整える。
深く息を吸い込んだローラが目を閉じ、透き通る美しい歌声を奏でる。
水の暖かさが風の恵み──
土が潤い火が香る──
光の中で闇が道を示し──
苦しみは心の中で戯れ喜びは儚く──
ローラの歌ったのは六属性のそれであったが、それぞれ特徴がバラバラで意味を成しているようには思えない不明な歌詞だった。
ただ種族で一番の歌い手というのは、この歌声を聞けば納得する。
かつて盗賊に捕まり強制されていた時の歌も上手かったが、気持ちを込めた歌とでは、素人と一流歌手程の差があるように思えた。
歌姫と称されるのも、そう遠くではないだろう。
確かにこの美しい歌声から逃れるのは難しいそうだ。
眠りの効果だけでも厄介なのに、魅了なら尚更有効な手段になっただろうと、男のカズは少し背筋がゾッとする。
それもその筈、ローラの歌をよくよく感じ取れば、若干ながら魔力が込められていた。
ローラ本人はただアイリスに、精一杯の歌を披露しているだけ。
ただ気持ちを込めて歌うと、微量ながら無意識に魔力が込められてしまう。
失礼なのは承知の上で、カズはローラに対して《分析》を使ってステータスを確認した。
ローラが成人した事で、歌には眠りの効果しかなかったのが、魅了の効果も現れるようになり始めていた。
ローラはまだそれに気付いてない。
カズと人魚族のアイリスを除き、船に乗っていた七名は、ローラの歌声に聞き惚れてうっとりとした表情を浮かべていた。
同船したいた侍女やコンルの様子を見たアイリスも、ローラの歌に魅了の効果が現れ始めていると気付いた。
「いかがでしたでしょうか? アイリス様」
「とても素晴らしいわ。異性のカズさんにも聞いてみましょうか。どうでした」
「こんなに聞き惚れてしまう歌は初めてです」
「ありがとうございます」
「他に感じた事はあります?」
「気になったのは歌詞ですかね(魅了の事を言った方がいいのかな?)」
「この歌は三百年くらい前に作られたと聞いてます。なんでも大きな大戦が起きると、全ての属性が入り乱れて世界が混沌に包まれる事になる。それを歌っているのだと伝えられています」
「歌詞にはそういう謂れが」
「世界を巻き込む大戦は起きたのだけど、幸い世界が混沌になる事はなかった。ですがもし昔のような大戦が起きたら、今度はこの歌詞のような事になるかも知れない。その様な事が起きないよう代々こうして伝えられ、歌われていると聞かされました」
ローラの説明で、この様な歌詞にした理由が分かった。
「わたしこの歌あまり好きではないんです。歌なら明るくて皆を笑顔に出来る方が、歌っていて楽しい」
「気持ちはわかるけど、これは悲劇を繰り返さないよう伝える為でもあるの」
「それはわかっています。ごめんなさい、アイリス様」
「謝る事はないわ。これでローラがこの歌を引き継いだと認めました。今度はローラが次の歌い手に伝えるのよ」
「はい」
「あとはローラの好きな明るい歌を歌うといいわ。ただ自分の魔力の扱い方を、もう少し覚える必要があるかしら」
「魔力の扱い方ですか?」
ローラは何故冒険者でも魔法を使う仕事をしている訳でもない自分が、魔力の扱い方をそこまで覚える必要があるのか、不思議そうな表情をする。
魔力を歌に込めないようには出来てるのだからと、自分では思っていた。
「そうよね、カズさん。気付いてるんですよね」
「まぁ…はい(魅了の効果が歌に現れてると、俺の口から伝えろってことか)」
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