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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
626 ビワと……
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表情に出ていたのだろうか、思いもしなかった事をビワが言い出す。
「でしたら、今…してください」
「今!? ここで?」
「雰囲気のある場所に行かなくても、みんなで楽しく過ごしている、ここで。本当の家族になるんですよね」
ビワがそれを望んでいるのなら、カズはそれに応える。
カズはビワの方を、ビワはカズの方を向き、互いに見つめ合う。
もう遠回しな言い方はせず、カズはただ真っ直ぐに、自分の気持ちを伝える。
「ビワ…愛してる。俺と結婚してください」
「はい」
ビワは満面の笑みを見せて喜び、目が潤み一筋の涙を流す。
それを見たカズはビワを引き寄せて抱きしめる。
ビワも腕を回して、カズを強く抱きしめる。
カズが抱きしめる力を緩めると、ビワも抱きしめる力を緩めて互いに見つめ合う。
ビワは目を閉じ、カズがキスをする。
二人の唇が離れると、ビワが頬を赤く染めて笑顔を見せる。
「私だけ何度も。アレナリアさんに怒られちゃいますね」
「そんな事ないよ。寝る前にビワを優しくしてあげなって、言ってきたくらいだからね」
「? カズさんはいつも優しくしてもらってます」
「あ、いやそうじゃなくて。ビワは初めてだろうから、今夜するならって」
「初めて? ……!!」
アレナリアがどういう意味で言ったのか理解し、ビワの更に真っ赤になって耳はピンと立ち、尻尾も一瞬大きく反応した。
「何も俺は、今すぐにって事じゃないからね。ビワの気持ちが第一だ(初めてはビワの気持ちを尊重したい。また流れで、なんてしたくない)」
「わ…私は…カズさんが……」
このまま勢いでしてしまっては後悔しかない。
カズはビワに考える時間を与える事にした。
それで冷められたら、今じゃないということ。
例え腑抜けだと思われても、無理強いしたくない。
「ならこうしよう。俺は風呂に入ってくる。心の準備ができてなければ、部屋の明かりを消して寝てくれ。いいのであれば……」
その先は言わずもとビワも理解し、コクリと頷いた。
ビワの気持ちが落ち着く時間はこれくらいかと、カズは二十分弱と時間を決めて風呂に入る。
プロポーズを受け入れてくれたのだから、抱かれるのが嫌なわけない。
あそこで押し倒す事のできない自分は、元の世界では一生独り身だったんだろうと、浴槽に浸かり情けなくも思えたが、その行動に後悔はしてない。
ただ一夫多妻になるなんて思ってもみなかった。
以前にハーレム願望がないなんて言っておきながら、二人も嫁を貰ってしまうなんて、と。
全身を洗い浴槽に浸かり、十五分程が経った。
扉の向こう数メートル先に、この後どうなるかの答えがある。
高鳴る気持ちを落ち着かせ、浴槽の湯をこぼして風呂場を〈クリーン〉で清掃して出る。
風呂を出たカズがリビングに行くと、小さな照明に変えられて薄暗くなっていた。
ソファーにビワの姿はなく、まだ心の準備が整わず自分の寝室に行ったのだろうと思った。
「カズさん」
「!」
いないと思っていたビワの声がして、カズは驚く。
声のすると方を見ると、ビワは階段の手前に居た。
「部屋の明かりが小さくしてあったから、寝たんだと思ってた」
「ごめんなさい。まだ顔が熱くて、見られるのが恥ずかしかったの」
「そ、そう」
暗視のスキルがあるので、暗闇でもカズにはビワの姿が見えるのだが、ここは敢えて目を背けて、ビワの顔を見ないようにする。
「……」
「……」
数秒の沈黙後、言葉を発したのはビワ。
「先に部屋で待ってます。あとから来てください」
それだけ言うと、ビワは階段を上がって行く。
風呂から出た直後は、部屋の照明が薄暗かった事で、今夜何も起こらないんだと思い気が抜けていた。
しかしビワが居て、ビワが発した言葉で、これからするのだと現実味を帯びた。
あとから来てと言われ、何分後に? もう行っていいの? と、カズの思考が慌ただしくなる。
二階から扉の微かに閉まる音が聞こえると、ガスはキッチンに移動して、コップに水を半分入れて一気に飲み干し、一度大きく深呼吸する。
目を閉じて雑念を払い、ゆっくりと二階のビワの寝室に向かい歩き出す。
階段を一段一段上がり二階が近付く度に、鼓動も段々と早くなるような気がした。
寝室の前まで来る。
ノックはしない。
扉を静かに開けて寝室に入りに、静かに扉を閉める。
寝室の照明は消してあり、明かりは窓に掛かるカーテンの隙間から入る月明かりだけ。
それでも互いの姿は輪郭としてだが、捉える事ができる。
暗視のスキルが無くとも暗さに目が慣れ、近くに寄れば表情もハッキリと分かる。
恥ずかしいと言っていたビワだが、それを承知でカーテンを僅かに開けて、月明かりを部屋に差し込ませていた。
カズはベッドまで移動し、ベッドに座っていたビワの隣に。
両手をビワの肩に置き引き寄せる。
互いの顔が近付き、ビワは目を閉じてカズとキスをする。
一度のキスは短く、二度三度と繰り返し、開けたビワの目は潤み、とろ~んとして色っぽく、カズはその表情に釘付け。
寝間着に手を掛けてゆっくりと脱がせ、下着姿のビワをベッドに寝かせる。
カズも服を脱ぎ上半身裸になり、ビワの左隣で横になる。
互いに向き合って見つめ合い、再度キスをする。
今度は長く、舌を絡め濃厚に。
カズはその状態で、左手をビワの耳に─……
サラサラの髪を撫でて背中から胸へ─……
触れる胸から伝わるビワの鼓動は早い。
全身が火照りしっとりとする肌。
胸から腰へと手を回し、尻尾の付け根へ─……
今までよりも大きくビクっと体が反応し「ぁ…」と、声が漏れる。
尻尾から手を前へと─……
触った下着は濡れ、息は次第に熱く荒く─……
「そろそろ、いい」
「…はい」
ビワの下着を外してカズも全て脱ぎ、互いに一糸纏わぬ姿になり体を重た。
初めての事が済み、二人は抱き合ったまま就寝した。
◇◆◇◆◇
目を覚ますと隣りで寝ていたビワの姿はなく、一階から何時ものように朝食を作る音が微かに聞こえていた。
カズは昨夜の事を思い返し、夢ではないと実感するとともに、しなければならないある事を忘れていたのを思い出す。
それを伝えなければと、服を着て一階に下りビワの元に行く。
風呂場は濡れていたので、ビワがシャワーを浴びたのだと分かる。
リビングを通りキッチンに姿を現したカズを見て、昨夜の事を思い出しビワは頬を赤らめる。
「おはようビワ」
「おはよう…ございます」
「手伝うよ」
「ぁ…はい。お願いします」
サラダを盛り付ける大きめの木皿を出し、取り分ける小皿とフルーツミルクを注ぐコップをテーブルに並べる。
何時もならてきぱきと朝食の用意をするビワなのだが、今日はもじもじと少し動きがぎこちない。
「残りは俺がやるからビワは座ってて。あ、クッションあった方がいいよね」
カズは直ぐ様、魔導列車に乗車する時に使っている座布団を【アイテムボックス】から出して、ビワが座る椅子に敷く。
ビワが椅子に座ると、カズはビワの額に手を当てて熱がないのを確認すると、膝を折って屈み、視線をビワに合わせた。
「昨夜無理させちゃった? どこか辛いとこある?」
カズの質問にビワはクビを振る。
「カズさんは優しくしてくれました。ただ初めてだったので、まだ少しこの辺りに……」
そう言うとビワは下腹部に手を置き、顔を赤くする。
「俺もこっち方面は経験が豊富じゃなくて、もっと優しくしてあげられれば。痛くなかった?」
「痛く…少しだけ。でもすぐに、今まで感じた事のない気持ち良さが…あ、いえ、その……」
話す内に鮮明に昨夜の事を思い出し、ビワは真っ赤になり顔を伏せる。
「でしたら、今…してください」
「今!? ここで?」
「雰囲気のある場所に行かなくても、みんなで楽しく過ごしている、ここで。本当の家族になるんですよね」
ビワがそれを望んでいるのなら、カズはそれに応える。
カズはビワの方を、ビワはカズの方を向き、互いに見つめ合う。
もう遠回しな言い方はせず、カズはただ真っ直ぐに、自分の気持ちを伝える。
「ビワ…愛してる。俺と結婚してください」
「はい」
ビワは満面の笑みを見せて喜び、目が潤み一筋の涙を流す。
それを見たカズはビワを引き寄せて抱きしめる。
ビワも腕を回して、カズを強く抱きしめる。
カズが抱きしめる力を緩めると、ビワも抱きしめる力を緩めて互いに見つめ合う。
ビワは目を閉じ、カズがキスをする。
二人の唇が離れると、ビワが頬を赤く染めて笑顔を見せる。
「私だけ何度も。アレナリアさんに怒られちゃいますね」
「そんな事ないよ。寝る前にビワを優しくしてあげなって、言ってきたくらいだからね」
「? カズさんはいつも優しくしてもらってます」
「あ、いやそうじゃなくて。ビワは初めてだろうから、今夜するならって」
「初めて? ……!!」
アレナリアがどういう意味で言ったのか理解し、ビワの更に真っ赤になって耳はピンと立ち、尻尾も一瞬大きく反応した。
「何も俺は、今すぐにって事じゃないからね。ビワの気持ちが第一だ(初めてはビワの気持ちを尊重したい。また流れで、なんてしたくない)」
「わ…私は…カズさんが……」
このまま勢いでしてしまっては後悔しかない。
カズはビワに考える時間を与える事にした。
それで冷められたら、今じゃないということ。
例え腑抜けだと思われても、無理強いしたくない。
「ならこうしよう。俺は風呂に入ってくる。心の準備ができてなければ、部屋の明かりを消して寝てくれ。いいのであれば……」
その先は言わずもとビワも理解し、コクリと頷いた。
ビワの気持ちが落ち着く時間はこれくらいかと、カズは二十分弱と時間を決めて風呂に入る。
プロポーズを受け入れてくれたのだから、抱かれるのが嫌なわけない。
あそこで押し倒す事のできない自分は、元の世界では一生独り身だったんだろうと、浴槽に浸かり情けなくも思えたが、その行動に後悔はしてない。
ただ一夫多妻になるなんて思ってもみなかった。
以前にハーレム願望がないなんて言っておきながら、二人も嫁を貰ってしまうなんて、と。
全身を洗い浴槽に浸かり、十五分程が経った。
扉の向こう数メートル先に、この後どうなるかの答えがある。
高鳴る気持ちを落ち着かせ、浴槽の湯をこぼして風呂場を〈クリーン〉で清掃して出る。
風呂を出たカズがリビングに行くと、小さな照明に変えられて薄暗くなっていた。
ソファーにビワの姿はなく、まだ心の準備が整わず自分の寝室に行ったのだろうと思った。
「カズさん」
「!」
いないと思っていたビワの声がして、カズは驚く。
声のすると方を見ると、ビワは階段の手前に居た。
「部屋の明かりが小さくしてあったから、寝たんだと思ってた」
「ごめんなさい。まだ顔が熱くて、見られるのが恥ずかしかったの」
「そ、そう」
暗視のスキルがあるので、暗闇でもカズにはビワの姿が見えるのだが、ここは敢えて目を背けて、ビワの顔を見ないようにする。
「……」
「……」
数秒の沈黙後、言葉を発したのはビワ。
「先に部屋で待ってます。あとから来てください」
それだけ言うと、ビワは階段を上がって行く。
風呂から出た直後は、部屋の照明が薄暗かった事で、今夜何も起こらないんだと思い気が抜けていた。
しかしビワが居て、ビワが発した言葉で、これからするのだと現実味を帯びた。
あとから来てと言われ、何分後に? もう行っていいの? と、カズの思考が慌ただしくなる。
二階から扉の微かに閉まる音が聞こえると、ガスはキッチンに移動して、コップに水を半分入れて一気に飲み干し、一度大きく深呼吸する。
目を閉じて雑念を払い、ゆっくりと二階のビワの寝室に向かい歩き出す。
階段を一段一段上がり二階が近付く度に、鼓動も段々と早くなるような気がした。
寝室の前まで来る。
ノックはしない。
扉を静かに開けて寝室に入りに、静かに扉を閉める。
寝室の照明は消してあり、明かりは窓に掛かるカーテンの隙間から入る月明かりだけ。
それでも互いの姿は輪郭としてだが、捉える事ができる。
暗視のスキルが無くとも暗さに目が慣れ、近くに寄れば表情もハッキリと分かる。
恥ずかしいと言っていたビワだが、それを承知でカーテンを僅かに開けて、月明かりを部屋に差し込ませていた。
カズはベッドまで移動し、ベッドに座っていたビワの隣に。
両手をビワの肩に置き引き寄せる。
互いの顔が近付き、ビワは目を閉じてカズとキスをする。
一度のキスは短く、二度三度と繰り返し、開けたビワの目は潤み、とろ~んとして色っぽく、カズはその表情に釘付け。
寝間着に手を掛けてゆっくりと脱がせ、下着姿のビワをベッドに寝かせる。
カズも服を脱ぎ上半身裸になり、ビワの左隣で横になる。
互いに向き合って見つめ合い、再度キスをする。
今度は長く、舌を絡め濃厚に。
カズはその状態で、左手をビワの耳に─……
サラサラの髪を撫でて背中から胸へ─……
触れる胸から伝わるビワの鼓動は早い。
全身が火照りしっとりとする肌。
胸から腰へと手を回し、尻尾の付け根へ─……
今までよりも大きくビクっと体が反応し「ぁ…」と、声が漏れる。
尻尾から手を前へと─……
触った下着は濡れ、息は次第に熱く荒く─……
「そろそろ、いい」
「…はい」
ビワの下着を外してカズも全て脱ぎ、互いに一糸纏わぬ姿になり体を重た。
初めての事が済み、二人は抱き合ったまま就寝した。
◇◆◇◆◇
目を覚ますと隣りで寝ていたビワの姿はなく、一階から何時ものように朝食を作る音が微かに聞こえていた。
カズは昨夜の事を思い返し、夢ではないと実感するとともに、しなければならないある事を忘れていたのを思い出す。
それを伝えなければと、服を着て一階に下りビワの元に行く。
風呂場は濡れていたので、ビワがシャワーを浴びたのだと分かる。
リビングを通りキッチンに姿を現したカズを見て、昨夜の事を思い出しビワは頬を赤らめる。
「おはようビワ」
「おはよう…ございます」
「手伝うよ」
「ぁ…はい。お願いします」
サラダを盛り付ける大きめの木皿を出し、取り分ける小皿とフルーツミルクを注ぐコップをテーブルに並べる。
何時もならてきぱきと朝食の用意をするビワなのだが、今日はもじもじと少し動きがぎこちない。
「残りは俺がやるからビワは座ってて。あ、クッションあった方がいいよね」
カズは直ぐ様、魔導列車に乗車する時に使っている座布団を【アイテムボックス】から出して、ビワが座る椅子に敷く。
ビワが椅子に座ると、カズはビワの額に手を当てて熱がないのを確認すると、膝を折って屈み、視線をビワに合わせた。
「昨夜無理させちゃった? どこか辛いとこある?」
カズの質問にビワはクビを振る。
「カズさんは優しくしてくれました。ただ初めてだったので、まだ少しこの辺りに……」
そう言うとビワは下腹部に手を置き、顔を赤くする。
「俺もこっち方面は経験が豊富じゃなくて、もっと優しくしてあげられれば。痛くなかった?」
「痛く…少しだけ。でもすぐに、今まで感じた事のない気持ち良さが…あ、いえ、その……」
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