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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
585 隠し部屋を探しに本の街へ
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グラジオラスは聞き耳を立てていた訳では無いが、多少レオラとカズの話を聞いてしまった。
部屋の外で待機しているのを二人に気付かれ、レオラに呼ばれて部屋に入る。
正直に聞いてしまった事をグラジオラスは話し、レオラから口外しないように注意された。
話を終えたカズとレオラは中庭に出ると、口喧嘩をしてるレラとガザニアを、アスターが間に入り落ち着かせていた。
ガザニアは教える事に向かないというのが新たに分かった。
レオラはガザニアを連れて執務室へと行き、レラへの指導はアスターとグラジオラスに任せた。
カズは中庭の隅に座り、その様子を見て過ごした。
何度か休憩を取りながら、ビワの仕事が終わるまでレラへの指導は続いた。
明るい内にビワを帰そうと、何時もより一時間以上早く仕事を上がらせ、カズが疲れているレラを抱えて、三人は乗り合い馬車で川沿いの家に戻る。
時間を変えた事でなのか、気になるような人物を見る事はなかった。
レラは半分寝している状況で夕食を口に入れていき、お腹が膨れるとソファーに横になり寝てしまった。
夕食の後片付けを終えたビワに、昼間レオラと話した内容を伝えた。
仕事を数日休んで本の街に出掛け、その後アレナリアを途中まで迎えに行くと。
レオラからも聞いていた様で、仕事を休んで出掛ける事を了解してくれた。
翌日から更に三日、朝はビワを送り、その後カズとレラはフジの住む林に行く。
午後はレラがレオラの屋敷で、アスターかグラジオラスに二、三時間ナイフの指導を受け、ビワの仕事が終わると一緒に川沿いの家に戻った。
この間、朝ビワを送る乗り合い馬車で一度、夕方川沿いの家に戻る乗り合い馬車で二度、顔を隠すして意識を向ける人物が居た。
取りあえずはレオラに任せたので、何も仕掛けてこなければと、知らないフリをした。
ビワに本の街に行くと話してから四日目の朝、ビワが仕事に行く時と同じ時間帯の乗り合い馬車で、中央駅に向かった。
目的は帝都から離れて家を留守にするというのを、ビワを付け狙う者達に分からせるため。
三人が魔導列車に乗って行くというのを、目撃させなければ意味がない。
幸いと言って良いのか、顔を隠した人物が二人乗り合い馬車に乗車してきた。
何時もと違う場所で三人が降りると、慌てて一人が同じ場所で降り、足早に三人から離れて、駅前の人混みに隠れ様子を伺っていた。
魔導列車に乗るのを確認させるために、カズは人混みでも自分達を見失わせないようにして乗車券を購入し、魔導列車の停まるホームに向かった。
乗り合い馬車から付いてきた人物も駅内には入ってきたが、ホームがまで来る事はしない。
駅内からホームが見える場所で三人を監視し、魔導列車に乗るのを確認すると、駅の外に出る人の流れに入り姿を消した。
三人は二等客車に乗り、本の街キルケ・ライブラリーを目指す。
レオラと再会した場所で、以前の記憶だとカビ臭いという印象が強い街。
もう誰も付けて来る事もなく、ビワもホッとした様子だった。
この日は本の街に着いても図書館を調べる時間はないので、宿屋を取り休む事にした。
宿屋までカビ臭いのは嫌だと思っていたが、魔導列車が停まる駅がある中心部は、そんな事は一切無かった。
新しく作られた本があちらこちらの店に並び、嫌いではない紙とインクの匂いがしていた。
だがやはり街の端の方にある店では、埃っぽくてカビ臭い。
扱いも雑で、積まれた一番下の本は、背表紙がボロボロになり、何の本なのか分からない状態。
以前来た時の事を思い出したカズは、そういった店には行かないようにしようと考えた。
それとこの街の食事は、味付けが今ひとつだったのを三人共に思い出し、食事は出来るだけ宿屋で自炊しようということになった。
この日の夕食はレラにも手伝わせて三人で(主にビワが)作り、美味しく完食した。
一泊食事無しで金貨一枚と銀貨五枚、同じ条件だと平均よりも銀貨六枚は高い宿屋に宿泊した。
三人で二食の食事有りだと、銀貨二枚と銅貨五枚増えるが、食材はあり料理上手のビワが居るので、悪いと思うが宿屋の料理を食べようとは思わなかった。
寝室が二部屋とキッチンにトイレとシャワー室があり、三人では十分過ぎる。
宿屋を決める時にビワが贅沢ではと言ってきたが、下手に安い宿屋を選んでしまうと、街の中心部から離れることになり、それだと近くの店からカビ臭いのが漂ってきそうだったので、多少贅沢でも良い宿屋を選んだ。
レラも前回来た時に、埃とカビ臭さに参っていたので、今回の宿屋を決める時には、二つ返事で賛成した。
◇◆◇◆◇
本の街に来た翌日の早朝、カズは一人では冒険者ギルドに行き、以前発見されたという隠し部屋についての情報があるか聞いた。
本の街の冒険者ギルドでも依頼を出し、その手の情報を集めているが、一度見付かった以降、誰も見付けた者はいないという。
発見したというなら、同じ場所に行けば見付かる筈だと、何人もがその場所に行ったが、そのような部屋を見付ける事はなかったのだと。
勘違いやデマだという噂もあったが、証拠があったので、その線はすぐに消えた。
その部屋を見付けた者が、部屋に散らばっていた紙を一枚持ち出し、書いてある内容が不明だったので、それを解読してもらうため冒険者ギルドに持ち込んだ事で、隠し部屋が実際にあるのだと判明した。
発見された紙は冒険者ギルドで厳重に保管され、発見者に身の危険が及ばないよう名前や容姿など全て伏せられていた。
そして持ち出された紙に書かれた内容も、公表はされていない。
その事から隠し部屋には強力な魔法が書かれた本があるや、現在の技術では作るのが不可能な魔道具があるだの、遺物が隠されているだのと、様々な憶測が呼んだ。
冒険者ギルドでも有力な情報が無いと分かり、カズは街にある全ての図書館がある場所を教えてもらい、ビワとレラが待つ宿屋に戻った。
「お帰りなさい」
「お宝満載の部屋がある場所わかった? カズ」
「んなわけないだろ。ギルドでも依頼を出して、情報を集めてるんだ。レオラが教えてくれた事だから、隠し部屋の事は密かに探してるんだと思ってたが、そうじゃなかった」
「見つけられんの?」
「レオラに言われた事があって、それを確かめる意味でも、図書館を回ってみようと思う。二人ともいいかな?」
「カビ臭いとこは嫌だよ」
「そうですね。私も少し」
「だよね。そういう場所は、俺が一人で回ってみるよ。とりあえず近くの図書館から行ってみよう。歩いて二十分くらいの場所にあるらしいから」
埃やカビ臭い場所は、カズが一人で調べに行く事にし、三人は出掛ける仕度をする。
部屋の外で待機しているのを二人に気付かれ、レオラに呼ばれて部屋に入る。
正直に聞いてしまった事をグラジオラスは話し、レオラから口外しないように注意された。
話を終えたカズとレオラは中庭に出ると、口喧嘩をしてるレラとガザニアを、アスターが間に入り落ち着かせていた。
ガザニアは教える事に向かないというのが新たに分かった。
レオラはガザニアを連れて執務室へと行き、レラへの指導はアスターとグラジオラスに任せた。
カズは中庭の隅に座り、その様子を見て過ごした。
何度か休憩を取りながら、ビワの仕事が終わるまでレラへの指導は続いた。
明るい内にビワを帰そうと、何時もより一時間以上早く仕事を上がらせ、カズが疲れているレラを抱えて、三人は乗り合い馬車で川沿いの家に戻る。
時間を変えた事でなのか、気になるような人物を見る事はなかった。
レラは半分寝している状況で夕食を口に入れていき、お腹が膨れるとソファーに横になり寝てしまった。
夕食の後片付けを終えたビワに、昼間レオラと話した内容を伝えた。
仕事を数日休んで本の街に出掛け、その後アレナリアを途中まで迎えに行くと。
レオラからも聞いていた様で、仕事を休んで出掛ける事を了解してくれた。
翌日から更に三日、朝はビワを送り、その後カズとレラはフジの住む林に行く。
午後はレラがレオラの屋敷で、アスターかグラジオラスに二、三時間ナイフの指導を受け、ビワの仕事が終わると一緒に川沿いの家に戻った。
この間、朝ビワを送る乗り合い馬車で一度、夕方川沿いの家に戻る乗り合い馬車で二度、顔を隠すして意識を向ける人物が居た。
取りあえずはレオラに任せたので、何も仕掛けてこなければと、知らないフリをした。
ビワに本の街に行くと話してから四日目の朝、ビワが仕事に行く時と同じ時間帯の乗り合い馬車で、中央駅に向かった。
目的は帝都から離れて家を留守にするというのを、ビワを付け狙う者達に分からせるため。
三人が魔導列車に乗って行くというのを、目撃させなければ意味がない。
幸いと言って良いのか、顔を隠した人物が二人乗り合い馬車に乗車してきた。
何時もと違う場所で三人が降りると、慌てて一人が同じ場所で降り、足早に三人から離れて、駅前の人混みに隠れ様子を伺っていた。
魔導列車に乗るのを確認させるために、カズは人混みでも自分達を見失わせないようにして乗車券を購入し、魔導列車の停まるホームに向かった。
乗り合い馬車から付いてきた人物も駅内には入ってきたが、ホームがまで来る事はしない。
駅内からホームが見える場所で三人を監視し、魔導列車に乗るのを確認すると、駅の外に出る人の流れに入り姿を消した。
三人は二等客車に乗り、本の街キルケ・ライブラリーを目指す。
レオラと再会した場所で、以前の記憶だとカビ臭いという印象が強い街。
もう誰も付けて来る事もなく、ビワもホッとした様子だった。
この日は本の街に着いても図書館を調べる時間はないので、宿屋を取り休む事にした。
宿屋までカビ臭いのは嫌だと思っていたが、魔導列車が停まる駅がある中心部は、そんな事は一切無かった。
新しく作られた本があちらこちらの店に並び、嫌いではない紙とインクの匂いがしていた。
だがやはり街の端の方にある店では、埃っぽくてカビ臭い。
扱いも雑で、積まれた一番下の本は、背表紙がボロボロになり、何の本なのか分からない状態。
以前来た時の事を思い出したカズは、そういった店には行かないようにしようと考えた。
それとこの街の食事は、味付けが今ひとつだったのを三人共に思い出し、食事は出来るだけ宿屋で自炊しようということになった。
この日の夕食はレラにも手伝わせて三人で(主にビワが)作り、美味しく完食した。
一泊食事無しで金貨一枚と銀貨五枚、同じ条件だと平均よりも銀貨六枚は高い宿屋に宿泊した。
三人で二食の食事有りだと、銀貨二枚と銅貨五枚増えるが、食材はあり料理上手のビワが居るので、悪いと思うが宿屋の料理を食べようとは思わなかった。
寝室が二部屋とキッチンにトイレとシャワー室があり、三人では十分過ぎる。
宿屋を決める時にビワが贅沢ではと言ってきたが、下手に安い宿屋を選んでしまうと、街の中心部から離れることになり、それだと近くの店からカビ臭いのが漂ってきそうだったので、多少贅沢でも良い宿屋を選んだ。
レラも前回来た時に、埃とカビ臭さに参っていたので、今回の宿屋を決める時には、二つ返事で賛成した。
◇◆◇◆◇
本の街に来た翌日の早朝、カズは一人では冒険者ギルドに行き、以前発見されたという隠し部屋についての情報があるか聞いた。
本の街の冒険者ギルドでも依頼を出し、その手の情報を集めているが、一度見付かった以降、誰も見付けた者はいないという。
発見したというなら、同じ場所に行けば見付かる筈だと、何人もがその場所に行ったが、そのような部屋を見付ける事はなかったのだと。
勘違いやデマだという噂もあったが、証拠があったので、その線はすぐに消えた。
その部屋を見付けた者が、部屋に散らばっていた紙を一枚持ち出し、書いてある内容が不明だったので、それを解読してもらうため冒険者ギルドに持ち込んだ事で、隠し部屋が実際にあるのだと判明した。
発見された紙は冒険者ギルドで厳重に保管され、発見者に身の危険が及ばないよう名前や容姿など全て伏せられていた。
そして持ち出された紙に書かれた内容も、公表はされていない。
その事から隠し部屋には強力な魔法が書かれた本があるや、現在の技術では作るのが不可能な魔道具があるだの、遺物が隠されているだのと、様々な憶測が呼んだ。
冒険者ギルドでも有力な情報が無いと分かり、カズは街にある全ての図書館がある場所を教えてもらい、ビワとレラが待つ宿屋に戻った。
「お帰りなさい」
「お宝満載の部屋がある場所わかった? カズ」
「んなわけないだろ。ギルドでも依頼を出して、情報を集めてるんだ。レオラが教えてくれた事だから、隠し部屋の事は密かに探してるんだと思ってたが、そうじゃなかった」
「見つけられんの?」
「レオラに言われた事があって、それを確かめる意味でも、図書館を回ってみようと思う。二人ともいいかな?」
「カビ臭いとこは嫌だよ」
「そうですね。私も少し」
「だよね。そういう場所は、俺が一人で回ってみるよ。とりあえず近くの図書館から行ってみよう。歩いて二十分くらいの場所にあるらしいから」
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