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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
578 昼食は思い出のデパートの屋上で
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先に購入していた乗車券を手に駅へ入ると、魔導列車が丁度到着したので、サイネリアと手を引いたまま状態で三等車両に乗り込んだ。
「あの…そろそろ離してくれない」
ジロジロと周囲の視線を感じていたところに、サイネリアの言葉で手を繋いだままだったのに気付き手を離した。
「ご、ごめん」
「いえ、こちらこそ。さっきはちょっとやり過ぎました」
鉄製のハンマーを脳天に叩き込もうとしていたのが、ちょっとなのか? とは、流石にこの状況で突っ込んだりはしない。
故意ではないにしろ、サイネリアの恥ずかしい姿を見てしまい、それを忘れられないと口走ってしまった自分も悪いとカズは反省。
そして魔導列車に乗り十分少々で、二人は帝都のセントラル・ステーションに戻って来た。
「怒ったらお腹空いたわ。カズさんおごってくれるんでしょ」
「もちろん好きなのを(それで機嫌が直れば)」
「でしたらデパートに行きましょう」
「デパート?」
「行きますよ」
セントラ・ステーションに隣接するデパートに行くかと思いきや、少し離れた場所にある、他のデパートよりは少し小さく古そうな建物に入った。
客もそこそこ入ってはいるが、駅近くのデパートと比べたら半分以下。
サイネリアはエレベーターは使わずに階段で上がり、カズはその後を付いて行く。
階段の途中にあった店内の案内図を見ると、デパートの五階には飲食店があり、サイネリアはそこに向かっているのだと分かった。
四階から五階に階段を上がっいると、パンの焼ける香ばしい匂いが、二人の鼻孔を刺激する。
「この時間になると、お昼に合わせてパンが焼き上がるのよ。いつもは買ってギルドに戻って食べるから冷めちゃうのよね。でも今日は休みだから、たまには屋上で食べようと思ったの」
「なるほど。じゃあ買って屋上に行きますか(さっきの案内図だと、屋上は休息所と書かれてたな)」
オススメは全粒粉のパンか、バターたっぷりの塩パンね。
あとは店手作りのジャムを挟んだのもいいわ。
サイネリアは常連らしく、あれもこれもとカズに勧めてくる。
アイテムボックスがあるんだからと、焼き立てのパンと手作りジャムを大量に購入する。
飲み物は他の店で紅茶を購入して、二人は屋上に移動する。
休息所と書かれた屋上には花壇が作られ、多くの花が咲いていた。
花壇の周りにはベンチが設置されて、同じ様に五階で食べ物を買い、花を見ながら昼食を取る親子や老夫婦が居た。
カズとサイネリアも空いているベンチに座り、購入したパンと紅茶で昼食にする。
帝都の中央だといのに、のどかで落ち着ける場所だとカズは感じた。
「ここのデパートは、帝都でも五本の指に入る老舗なんですよ。子供の頃に家族で来ては、ここでお昼を食べて過ごしたの」
「へぇ。家族と思い出の場所なんだ」
「このデパートも長くはないわ。お客も他のデパートに比べて少ないし、空いてる店舗も多くなったわ」
サイネリアは手を止めて、寂しそうな表情をした。
「空いてる店舗に新しい店が入れば、また活気が戻るんじゃないか(どこの世界も、目新しい物に興味がいくんだな)」
「それはないわ。あと二年で終わりだと決まってるのよ。建物の老朽化だから、こればかりは仕方ないわ。崩れてでもしたら大変だもの」
「そうか(確かに建物が原因じゃ、どうしようもないか)」
サイネリアの機嫌は直ったが、今度は二人揃ってしんみりとしてしまった。
「お昼も食べましたし、もう帰りましょうか」
「途中まで送るよ」
「でしたら、駅まででいいですよ」
「なら、馬車に乗って帰るといい。さっき買ったパンとジャムがあるんだし、歩いて帰るの大変でしょ。馬車代は出すからそうしな」
「そうですか。ではせっかくなので、今日は全部カズさんのおごりですね」
「だな」
二人は朝待ち合わせた場所まで戻り、乗客を待つ馬車を一台確保して料金を先払いして、サイネリアを乗った横に【アイテムボックス】に入れていたパンとジャムの入った紙袋を置いた。
「今日はありがとうございました。宝石商に行ったのは良い経験になりました。今度一人で行けるようになるわ」
「そう気張らずに。それとこれは、いつも迷惑掛けてるから、そのお詫びとお礼ね。本来の目的でもあったんだし」
最後にカズはブロンディ宝石商会で、別れ際にコーラルから受け取った紙袋をサイネリアに渡した。
「え? あの、これって」
「じゃあ、またギルドで。出してください」
カズは御者に合図を送り馬車を走らせ、サイネリアに手を振って別れた。
その後、川沿いの家に戻ったカズは、レラと一緒に留守番をしているアレナリアに、コーラルからの依頼を伝えた。
「そう、わかったわ。明日ヒューケラがどう切り出してくるか、それ次第で受ける受けないは私が決めていいんでしょ」
「アレナリアを指名だから、それは決めていいが(断らないだろうと言っちゃったんだよなぁ)」
「もし受けたとしたら、半月は留守にするのよ。その間、レラはどうするの? さすがに連れては行けないわよ」
「俺が一緒にいるよ。本の街に行く用事もあるし、アレナリア達の戻る日がわかれば、途中まで迎えに行けると思うぞ」
「本の街に? そう。なら、クラフトを出発する日が決まった、ギルド伝で連絡するわ。念話の方が早くて確実だけど、ヒューケラの居る手前使えないでしょ」
「まぁそうなんだが、一緒に行ってやる気あるじゃないか」
「こ、これは行った場合よ! まだ決まったわけじゃないんだからね」
滅多に見せない子供への優しい一面を表し、アレナリアはちょっと恥ずかしそうにする。
「そういう事にしておく(ヒューケラの所に行くようになってから、母性本能でも出てきたのかな?)」
珍しいアレナリアの表情を見たところで、ビワがレオラの屋敷から戻る。
カズは昼間購入したパンとジャムを、夕食と翌朝の朝食にと出し、夕食の仕度を手伝う。
全粒粉を使った出来立てのパンで、部屋中に香ばしい匂いが広がる。
その匂いを嗅ぎ付けて、二階からレラ飛んで下りて来て、カズの持つパンに一口がぶり。
「うまッ! もう一口、あ~ん」
「ビワと夕飯作ってるから、もう少し待ってろ」
「えぇ~、なら早くごはんにして」
もうすっかり何時ものレラに戻ったと感じ、三人は安心した。
夕食を食べながら、カズは今日サイネリアとの事を話した。(サイネリアの恥ずかしい姿の事は黙っていた)
贈り物の渡し方がなってないと、アレナリアから駄目出しをされ、レラからは幾らしたの? と、金額を聞いてきた。
その質問にアレナリアは手を止め、カズの顔を見る。
「コーラルさんに金貨を二十枚渡して、平均的なのを頼んだ」
「カズが選んであげたんじゃないんだ」
レラのその言葉に、アレナリアとビワの表情がピクりと動く。
「俺が買うなんて言ったら遠慮して、自分の気に入ったのを選ばなかったろ。だから取りあえず試着してもらって、その中で気に入ってそうなのをって、コーラルさんの頼んだんだ。帰り際に渡されたから実物に見てないんだけど」
贈り物にした実物を見てないとの言葉に、アレナリアとビワの手が止まる。
「それはないんじゃない。女性へのプレゼントよ」
「私だったら着けたところを見てほしいです。それから、似合うと…」
「付き合ってる彼女へのプレゼントじゃないんだから」
「それでもよ! カズはたまに、そういうとこあるわよね」
「そうですね。ちょっと残念です」
「これで何度目? それ、直した方…直しなさい」
「……はい」
アレナリアだけならまだしもビワにまで言われ、その一言一言がグサグサとカズの心に刺さる。
「サイネリアに気に入ったか確認して、正直に話しなさいよ」
「…はい。そうします」
二人からの説教を受けて、次にサイネリアとあった時に、贈り物にしたネックレスは自分ではなく専門家のコーラルに頼んだと、正直に話す事にした。
「あの…そろそろ離してくれない」
ジロジロと周囲の視線を感じていたところに、サイネリアの言葉で手を繋いだままだったのに気付き手を離した。
「ご、ごめん」
「いえ、こちらこそ。さっきはちょっとやり過ぎました」
鉄製のハンマーを脳天に叩き込もうとしていたのが、ちょっとなのか? とは、流石にこの状況で突っ込んだりはしない。
故意ではないにしろ、サイネリアの恥ずかしい姿を見てしまい、それを忘れられないと口走ってしまった自分も悪いとカズは反省。
そして魔導列車に乗り十分少々で、二人は帝都のセントラル・ステーションに戻って来た。
「怒ったらお腹空いたわ。カズさんおごってくれるんでしょ」
「もちろん好きなのを(それで機嫌が直れば)」
「でしたらデパートに行きましょう」
「デパート?」
「行きますよ」
セントラ・ステーションに隣接するデパートに行くかと思いきや、少し離れた場所にある、他のデパートよりは少し小さく古そうな建物に入った。
客もそこそこ入ってはいるが、駅近くのデパートと比べたら半分以下。
サイネリアはエレベーターは使わずに階段で上がり、カズはその後を付いて行く。
階段の途中にあった店内の案内図を見ると、デパートの五階には飲食店があり、サイネリアはそこに向かっているのだと分かった。
四階から五階に階段を上がっいると、パンの焼ける香ばしい匂いが、二人の鼻孔を刺激する。
「この時間になると、お昼に合わせてパンが焼き上がるのよ。いつもは買ってギルドに戻って食べるから冷めちゃうのよね。でも今日は休みだから、たまには屋上で食べようと思ったの」
「なるほど。じゃあ買って屋上に行きますか(さっきの案内図だと、屋上は休息所と書かれてたな)」
オススメは全粒粉のパンか、バターたっぷりの塩パンね。
あとは店手作りのジャムを挟んだのもいいわ。
サイネリアは常連らしく、あれもこれもとカズに勧めてくる。
アイテムボックスがあるんだからと、焼き立てのパンと手作りジャムを大量に購入する。
飲み物は他の店で紅茶を購入して、二人は屋上に移動する。
休息所と書かれた屋上には花壇が作られ、多くの花が咲いていた。
花壇の周りにはベンチが設置されて、同じ様に五階で食べ物を買い、花を見ながら昼食を取る親子や老夫婦が居た。
カズとサイネリアも空いているベンチに座り、購入したパンと紅茶で昼食にする。
帝都の中央だといのに、のどかで落ち着ける場所だとカズは感じた。
「ここのデパートは、帝都でも五本の指に入る老舗なんですよ。子供の頃に家族で来ては、ここでお昼を食べて過ごしたの」
「へぇ。家族と思い出の場所なんだ」
「このデパートも長くはないわ。お客も他のデパートに比べて少ないし、空いてる店舗も多くなったわ」
サイネリアは手を止めて、寂しそうな表情をした。
「空いてる店舗に新しい店が入れば、また活気が戻るんじゃないか(どこの世界も、目新しい物に興味がいくんだな)」
「それはないわ。あと二年で終わりだと決まってるのよ。建物の老朽化だから、こればかりは仕方ないわ。崩れてでもしたら大変だもの」
「そうか(確かに建物が原因じゃ、どうしようもないか)」
サイネリアの機嫌は直ったが、今度は二人揃ってしんみりとしてしまった。
「お昼も食べましたし、もう帰りましょうか」
「途中まで送るよ」
「でしたら、駅まででいいですよ」
「なら、馬車に乗って帰るといい。さっき買ったパンとジャムがあるんだし、歩いて帰るの大変でしょ。馬車代は出すからそうしな」
「そうですか。ではせっかくなので、今日は全部カズさんのおごりですね」
「だな」
二人は朝待ち合わせた場所まで戻り、乗客を待つ馬車を一台確保して料金を先払いして、サイネリアを乗った横に【アイテムボックス】に入れていたパンとジャムの入った紙袋を置いた。
「今日はありがとうございました。宝石商に行ったのは良い経験になりました。今度一人で行けるようになるわ」
「そう気張らずに。それとこれは、いつも迷惑掛けてるから、そのお詫びとお礼ね。本来の目的でもあったんだし」
最後にカズはブロンディ宝石商会で、別れ際にコーラルから受け取った紙袋をサイネリアに渡した。
「え? あの、これって」
「じゃあ、またギルドで。出してください」
カズは御者に合図を送り馬車を走らせ、サイネリアに手を振って別れた。
その後、川沿いの家に戻ったカズは、レラと一緒に留守番をしているアレナリアに、コーラルからの依頼を伝えた。
「そう、わかったわ。明日ヒューケラがどう切り出してくるか、それ次第で受ける受けないは私が決めていいんでしょ」
「アレナリアを指名だから、それは決めていいが(断らないだろうと言っちゃったんだよなぁ)」
「もし受けたとしたら、半月は留守にするのよ。その間、レラはどうするの? さすがに連れては行けないわよ」
「俺が一緒にいるよ。本の街に行く用事もあるし、アレナリア達の戻る日がわかれば、途中まで迎えに行けると思うぞ」
「本の街に? そう。なら、クラフトを出発する日が決まった、ギルド伝で連絡するわ。念話の方が早くて確実だけど、ヒューケラの居る手前使えないでしょ」
「まぁそうなんだが、一緒に行ってやる気あるじゃないか」
「こ、これは行った場合よ! まだ決まったわけじゃないんだからね」
滅多に見せない子供への優しい一面を表し、アレナリアはちょっと恥ずかしそうにする。
「そういう事にしておく(ヒューケラの所に行くようになってから、母性本能でも出てきたのかな?)」
珍しいアレナリアの表情を見たところで、ビワがレオラの屋敷から戻る。
カズは昼間購入したパンとジャムを、夕食と翌朝の朝食にと出し、夕食の仕度を手伝う。
全粒粉を使った出来立てのパンで、部屋中に香ばしい匂いが広がる。
その匂いを嗅ぎ付けて、二階からレラ飛んで下りて来て、カズの持つパンに一口がぶり。
「うまッ! もう一口、あ~ん」
「ビワと夕飯作ってるから、もう少し待ってろ」
「えぇ~、なら早くごはんにして」
もうすっかり何時ものレラに戻ったと感じ、三人は安心した。
夕食を食べながら、カズは今日サイネリアとの事を話した。(サイネリアの恥ずかしい姿の事は黙っていた)
贈り物の渡し方がなってないと、アレナリアから駄目出しをされ、レラからは幾らしたの? と、金額を聞いてきた。
その質問にアレナリアは手を止め、カズの顔を見る。
「コーラルさんに金貨を二十枚渡して、平均的なのを頼んだ」
「カズが選んであげたんじゃないんだ」
レラのその言葉に、アレナリアとビワの表情がピクりと動く。
「俺が買うなんて言ったら遠慮して、自分の気に入ったのを選ばなかったろ。だから取りあえず試着してもらって、その中で気に入ってそうなのをって、コーラルさんの頼んだんだ。帰り際に渡されたから実物に見てないんだけど」
贈り物にした実物を見てないとの言葉に、アレナリアとビワの手が止まる。
「それはないんじゃない。女性へのプレゼントよ」
「私だったら着けたところを見てほしいです。それから、似合うと…」
「付き合ってる彼女へのプレゼントじゃないんだから」
「それでもよ! カズはたまに、そういうとこあるわよね」
「そうですね。ちょっと残念です」
「これで何度目? それ、直した方…直しなさい」
「……はい」
アレナリアだけならまだしもビワにまで言われ、その一言一言がグサグサとカズの心に刺さる。
「サイネリアに気に入ったか確認して、正直に話しなさいよ」
「…はい。そうします」
二人からの説教を受けて、次にサイネリアとあった時に、贈り物にしたネックレスは自分ではなく専門家のコーラルに頼んだと、正直に話す事にした。
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