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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
570 あふれる涙 と からげんき
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現在この世界を管理しているのが、いい加減でチャラい存在なのは知ってる。
ただ例えでも、チャラ神の導きだなんて、言いたくはなかった。
「何それ? 今度はカズの憶測」
「まあ、そうなるかな」
「それであちしが気に病まず、元気になれって?」
「レラにはいつも通り騒がしいのがあってるからな」
「やっぱりあちしって、そんな感じ…」
「傷付けたのなら謝る。いい加減な事を言ってごめん。でも、レラが明るくしてるから、俺やアレナリアやビワは、ふさぎ込むような事にならないんだ」
「……しょうがないなぁ。なら許してあげるよ。あちしが元気ないと、フジも心配するもんね」
カズの答えに嬉しそうにするが、やはり落ち込んでる気持ちを吹き飛ばそうと、明るく振る舞おうとするが伝わってくる。
皆に心配掛けないようと笑顔を作るも、無理してるのだと長い付き合いから分かってしまう。
「フジもレラの事を気に掛けてたからな。今の内に泣いておくか」
「泣かないもんだ。泣かない…もん……」
カズの胸に顔をうずめ、レラは押し留めていた悲しみを露わにし、しくしくと泣いた。
カズは村から離れた砂漠に横たわる枯れ木に座り、レラの気持ちが落ち着くのを待った。
「フジを呼んでいいか?」
「……うん、いいよ」
レラの目頭は赤くなり、こんなになるまで泣く事は、今までなかったとカズは心配する。
フジに《念話》を繋ぎ、ゆっくり来るようにと伝えた。
顔を拭くようにと、カズは水で湿らしたタオルをレラに渡した。
「こんな顔をフジに見られたら、笑われちゃうもんね」
レラの顔を観るも、涙が流れた形跡はない。
涙は顔をうずめたカズの服にべったり付き、濡れたあとが残っている。
日陰の無い砂漠ならば、レラの涙で濡れたカズの服もすぐに乾くが、ただし早目に洗わなければ染みになって残ってしまうかも。
落ち着いたレラと待っていると、遠く離れた場所で砂が舞い上がっているのが見え、地響きのような音も何度が聞こえた。
大型のワーム種のモンスターが暴れているのだろうと、カズは周囲を警戒する。
念話をフジに繋げてから十数分が経過すると、ようやくフジの姿が目視で確認出来た。
「『おまたせ~』」
「時間掛かったな。どこまで行ってたんだ?」
「『近くにいたよ。カズに呼ばれて、こっちに来ようとしたら、ウネウネのでっかいのが、砂から出たんだ』」
「もしかして、さっきあっちで舞い上がった砂と音ってフジか?」
「『長いのがね、ぼくを食べようとしてきたんだ』」
「その襲ってきたワームはどうしたんだ?」
「『全部やっつけた。それで少し来るのが遅くなっちゃったの』」
「そうだったのか。怪我はしてないか?」
「『してない。動き遅いから全然当たらなーい』」
「無事で何よりだが、油断大敵だぞ」
「『ゆたんぽたんとん?』」
「ゆたんぽ? そうじゃ…まぁいいや。とりあえず戦うのはいいが、少しでも危ないと思ったら、逃げるのも必要だぞ」
「『逃げていいの? お母さん怒らない?』」
「場合によっては、逃げる事も必要だと覚えておくんだ。マイヒメがダメと言っても、俺が反対したと言っていいからな」
「『わかった~』」
フジが遅かった理由が、襲ってきた大型のワームと戦っていたと知り、それは母親であるマイヒメが強くなるためにとの教育だと思った。
大峡谷で戦ったワイバーン以来の強い相手に、フジの表情はスッキリとしているように見えた。(強いといっても、カズと再開する時に倒したワイバーンは一撃だったのが)
今回の目的を達したので〈空間転移魔法〉を使い、帝都南部の現在フジの住む林に戻った。
フジと別れる前に、カズはアイテムボックス内にある肉を、フジに食べさせようと出した。
しかしフジはデザートクラブをカズとレラが美味しそうに食べていたのを見て、二人を待っている間にデザートクラブを自力で見付け、二体を倒して捕食したので、お腹は空いてないとの事だった。
それでも働いた対価として、渡したいとカズが勝手に考え、お腹が空いたら食べるようにと置いていき、レラと共にフジの元を去った。
現在の時刻は昼少し前、帝都中央の川沿いにある家に戻ろうと思えば〈空間転移魔法〉で直ぐにでも戻れるが、レラの気分転換になるかと、魔導列車で帝都中央まで戻るかと提案する。
「それもいいかも」
空元気な返事をするも、カズの提案に乗ってきたので、帝都南部の箱街から魔導列車に乗り、半日掛けて帝都の中央駅に移動し、辻馬車に乗り、アレナリアとビワの待つ川沿いの家に戻る。
緊張や不安、悲しみに混乱と、様々な感情を感じ疲れたレラは、魔導列車に乗り流れる景色を見ている内に寝てしまい、起きたのは帝都の中央駅に着く少し前、車内が混み出した頃。
帰りは辻馬車に乗って戻ったのは、寝惚けているレラの頭を少しは起こす為でもあった。
仕事を終え家路へと就く乗客が、一人二人と辻馬車を降りて、家族の待つ家に向かう。
夕方の帰宅時間に重なり、カズとレラは一時間程を辻馬車に乗り、乗客が少なくなってきた頃、川沿いの家に近くの停留所に着き辻馬車を降りる。
辻馬車が通る広い通りから裏通りへと入り、五分程歩いてレオラ所有の川沿いの家に戻ってくる。
家の扉を開けて、二人は「ただいま」と中に入る。
ビワはレオラの屋敷でのメイド仕事を終え、既に戻って来ており、アレナリアはリビングでくつろいでいた。
ビワはじっとしているのが落ち着かず、夕食を作って二人の帰りを待っていた。
戻って来た二人は手洗いを済ませ、ビワが夕食の準備をしている間に、カズは風呂場を掃除する。
魔法を使えば簡単に短時間で出来るが、レラの事を考えるとそうも行かず、考え事をしながら風呂を掃除し、その後浴槽にお湯を張った。
リビングに戻ると夕食の用意が出来ており、三人共カズを待っていた。
アレナリアとビワは気を使い、今回の出掛けた成果について聞いてはこなかった。
ただ何時もと変わらぬ夕食となる。
夕食が終盤に差し掛かると、レラが自分から後でアレナリアとビワに話をすると言った。
カズは夕食の片付けは自分がするとビワに言い、アレナリアとレラと一緒に三人で先に風呂に入って来るようにと勧めた。
三人だけの方が話しやすいだろうと、風呂に入る前にカズはレラに告げた。
カズはオークラから受け取ったスカーフを【アイテムボックス】から取り出して、もう一度調べた。
が、結果は薄汚れた血痕のあるスカーフと、最初に調べた時と変わらない。
この赤黒い汚れを取り除けば、もしかしたら他に何か……そう思ったが止め、スカーフをしまった。
現状レラの肉親の物ではないと、結果がどうあれハッキリと分かってはない。
それにこれ以上レラを悩ませるのも、心に負担を掛けるのは駄目だとカズは考えた。
結果がどう出たとしても、レラにとって悲しい結末である事に変わりはない。
三人が風呂に入ってる三十分程が、今日のカズには二時間にも感じられた。
風呂から最初に出できたレラの何時もの様な騒がしい声を聞き、カズは少し安心した。
一緒に出て来きたアレナリアも、何時もと同じく体を拭かず濡れたまま出てきたレラを怒った。
二人のやり取りする声だけ聞いていると、小さな子供を風呂に入れている親子のようだった。
こんな事を口滑らせ言おうものなら、アレナリアがどんな反応をするかは明らかだったので、カズは突っ込むような事はしない。
子供をまだ産んだ事はないと怒るならまだしも、カズが望むなら今すぐにでもと、ベッドに引っ張っていき、全裸になるのは明らかだった。
カズとしてはもちろん嫌ではないが、今はまだその時ではないと、自分に言い訳をする。
レラは話せただろうか? アレナリアとビワはレラの気持ちを汲み取って、優しい言葉を掛けてるだろうか? 考えてしまう。
更には、話が長くなって三人はのぼせてないだろうかと、何時もなら気にしない事を考えてしまう。
リビングとキッチンを行ったり来たり、今日はなんとなく落ち着かず、カズは歩き回っていた。
ただ例えでも、チャラ神の導きだなんて、言いたくはなかった。
「何それ? 今度はカズの憶測」
「まあ、そうなるかな」
「それであちしが気に病まず、元気になれって?」
「レラにはいつも通り騒がしいのがあってるからな」
「やっぱりあちしって、そんな感じ…」
「傷付けたのなら謝る。いい加減な事を言ってごめん。でも、レラが明るくしてるから、俺やアレナリアやビワは、ふさぎ込むような事にならないんだ」
「……しょうがないなぁ。なら許してあげるよ。あちしが元気ないと、フジも心配するもんね」
カズの答えに嬉しそうにするが、やはり落ち込んでる気持ちを吹き飛ばそうと、明るく振る舞おうとするが伝わってくる。
皆に心配掛けないようと笑顔を作るも、無理してるのだと長い付き合いから分かってしまう。
「フジもレラの事を気に掛けてたからな。今の内に泣いておくか」
「泣かないもんだ。泣かない…もん……」
カズの胸に顔をうずめ、レラは押し留めていた悲しみを露わにし、しくしくと泣いた。
カズは村から離れた砂漠に横たわる枯れ木に座り、レラの気持ちが落ち着くのを待った。
「フジを呼んでいいか?」
「……うん、いいよ」
レラの目頭は赤くなり、こんなになるまで泣く事は、今までなかったとカズは心配する。
フジに《念話》を繋ぎ、ゆっくり来るようにと伝えた。
顔を拭くようにと、カズは水で湿らしたタオルをレラに渡した。
「こんな顔をフジに見られたら、笑われちゃうもんね」
レラの顔を観るも、涙が流れた形跡はない。
涙は顔をうずめたカズの服にべったり付き、濡れたあとが残っている。
日陰の無い砂漠ならば、レラの涙で濡れたカズの服もすぐに乾くが、ただし早目に洗わなければ染みになって残ってしまうかも。
落ち着いたレラと待っていると、遠く離れた場所で砂が舞い上がっているのが見え、地響きのような音も何度が聞こえた。
大型のワーム種のモンスターが暴れているのだろうと、カズは周囲を警戒する。
念話をフジに繋げてから十数分が経過すると、ようやくフジの姿が目視で確認出来た。
「『おまたせ~』」
「時間掛かったな。どこまで行ってたんだ?」
「『近くにいたよ。カズに呼ばれて、こっちに来ようとしたら、ウネウネのでっかいのが、砂から出たんだ』」
「もしかして、さっきあっちで舞い上がった砂と音ってフジか?」
「『長いのがね、ぼくを食べようとしてきたんだ』」
「その襲ってきたワームはどうしたんだ?」
「『全部やっつけた。それで少し来るのが遅くなっちゃったの』」
「そうだったのか。怪我はしてないか?」
「『してない。動き遅いから全然当たらなーい』」
「無事で何よりだが、油断大敵だぞ」
「『ゆたんぽたんとん?』」
「ゆたんぽ? そうじゃ…まぁいいや。とりあえず戦うのはいいが、少しでも危ないと思ったら、逃げるのも必要だぞ」
「『逃げていいの? お母さん怒らない?』」
「場合によっては、逃げる事も必要だと覚えておくんだ。マイヒメがダメと言っても、俺が反対したと言っていいからな」
「『わかった~』」
フジが遅かった理由が、襲ってきた大型のワームと戦っていたと知り、それは母親であるマイヒメが強くなるためにとの教育だと思った。
大峡谷で戦ったワイバーン以来の強い相手に、フジの表情はスッキリとしているように見えた。(強いといっても、カズと再開する時に倒したワイバーンは一撃だったのが)
今回の目的を達したので〈空間転移魔法〉を使い、帝都南部の現在フジの住む林に戻った。
フジと別れる前に、カズはアイテムボックス内にある肉を、フジに食べさせようと出した。
しかしフジはデザートクラブをカズとレラが美味しそうに食べていたのを見て、二人を待っている間にデザートクラブを自力で見付け、二体を倒して捕食したので、お腹は空いてないとの事だった。
それでも働いた対価として、渡したいとカズが勝手に考え、お腹が空いたら食べるようにと置いていき、レラと共にフジの元を去った。
現在の時刻は昼少し前、帝都中央の川沿いにある家に戻ろうと思えば〈空間転移魔法〉で直ぐにでも戻れるが、レラの気分転換になるかと、魔導列車で帝都中央まで戻るかと提案する。
「それもいいかも」
空元気な返事をするも、カズの提案に乗ってきたので、帝都南部の箱街から魔導列車に乗り、半日掛けて帝都の中央駅に移動し、辻馬車に乗り、アレナリアとビワの待つ川沿いの家に戻る。
緊張や不安、悲しみに混乱と、様々な感情を感じ疲れたレラは、魔導列車に乗り流れる景色を見ている内に寝てしまい、起きたのは帝都の中央駅に着く少し前、車内が混み出した頃。
帰りは辻馬車に乗って戻ったのは、寝惚けているレラの頭を少しは起こす為でもあった。
仕事を終え家路へと就く乗客が、一人二人と辻馬車を降りて、家族の待つ家に向かう。
夕方の帰宅時間に重なり、カズとレラは一時間程を辻馬車に乗り、乗客が少なくなってきた頃、川沿いの家に近くの停留所に着き辻馬車を降りる。
辻馬車が通る広い通りから裏通りへと入り、五分程歩いてレオラ所有の川沿いの家に戻ってくる。
家の扉を開けて、二人は「ただいま」と中に入る。
ビワはレオラの屋敷でのメイド仕事を終え、既に戻って来ており、アレナリアはリビングでくつろいでいた。
ビワはじっとしているのが落ち着かず、夕食を作って二人の帰りを待っていた。
戻って来た二人は手洗いを済ませ、ビワが夕食の準備をしている間に、カズは風呂場を掃除する。
魔法を使えば簡単に短時間で出来るが、レラの事を考えるとそうも行かず、考え事をしながら風呂を掃除し、その後浴槽にお湯を張った。
リビングに戻ると夕食の用意が出来ており、三人共カズを待っていた。
アレナリアとビワは気を使い、今回の出掛けた成果について聞いてはこなかった。
ただ何時もと変わらぬ夕食となる。
夕食が終盤に差し掛かると、レラが自分から後でアレナリアとビワに話をすると言った。
カズは夕食の片付けは自分がするとビワに言い、アレナリアとレラと一緒に三人で先に風呂に入って来るようにと勧めた。
三人だけの方が話しやすいだろうと、風呂に入る前にカズはレラに告げた。
カズはオークラから受け取ったスカーフを【アイテムボックス】から取り出して、もう一度調べた。
が、結果は薄汚れた血痕のあるスカーフと、最初に調べた時と変わらない。
この赤黒い汚れを取り除けば、もしかしたら他に何か……そう思ったが止め、スカーフをしまった。
現状レラの肉親の物ではないと、結果がどうあれハッキリと分かってはない。
それにこれ以上レラを悩ませるのも、心に負担を掛けるのは駄目だとカズは考えた。
結果がどう出たとしても、レラにとって悲しい結末である事に変わりはない。
三人が風呂に入ってる三十分程が、今日のカズには二時間にも感じられた。
風呂から最初に出できたレラの何時もの様な騒がしい声を聞き、カズは少し安心した。
一緒に出て来きたアレナリアも、何時もと同じく体を拭かず濡れたまま出てきたレラを怒った。
二人のやり取りする声だけ聞いていると、小さな子供を風呂に入れている親子のようだった。
こんな事を口滑らせ言おうものなら、アレナリアがどんな反応をするかは明らかだったので、カズは突っ込むような事はしない。
子供をまだ産んだ事はないと怒るならまだしも、カズが望むなら今すぐにでもと、ベッドに引っ張っていき、全裸になるのは明らかだった。
カズとしてはもちろん嫌ではないが、今はまだその時ではないと、自分に言い訳をする。
レラは話せただろうか? アレナリアとビワはレラの気持ちを汲み取って、優しい言葉を掛けてるだろうか? 考えてしまう。
更には、話が長くなって三人はのぼせてないだろうかと、何時もなら気にしない事を考えてしまう。
リビングとキッチンを行ったり来たり、今日はなんとなく落ち着かず、カズは歩き回っていた。
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