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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
525 泣いて すがって 拝んで 渋々
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サイネリアが先ず紹介してきた一ヶ所目のダンジョンは、全体の半分も把握出来てない、北の山脈にある『灼熱と極寒のダンジョン』。
内部は厚い氷で足場は悪く、地中向かうと熱で氷が溶けてなくなり、深くにはマグマの川が確認される。
その厳しい環境から、ダンジョン内に生息するモンスターこそ少ないが、どれも危険度はBランク以上。
だからこそ、アーティファクトが見つかる可能性は高いが、死ぬ危険性はもっと高い。
この一年で五十二人、十八組のパーティーが入り、生きて戻ったのは十三人だけで、唯一四人組Bランクのパーティーが、一人も欠けずにダンジョンを出て来たが、何も見付ける事は出来なかったのだと。
二ヶ所目が大峡谷の南にある『資源の潤沢』と言われているダンジョン。
内部は地下五階層になっており、様々な種類の素材を採取出来る。
生息するモンスターの危険度は低く、強いモンスターでもCランク程度。
国から冒険者ギルドに管理を任されており、むやみやたらな採取を防ぐために、ギルドの許可がなければ入る事は出来ない。
採取した素材の三割をギルドに納める事になっているが、危険は少ない上に稼げる。
冒険者や職人だけではなく、誰もが入りたがるダンジョンになっている。
ただギルドに貢献して信用ある者しか入る事しが出来ない。
カズはギルド本部に登録をし、尚且つ帝国の守護者の称号を持つレオラの専属冒険者、十分ギルドに貢献しているから入る資格はあると勧めてきた。
「聞く限りでは、どちらもスゴいダンジョンみたいだ(灼熱と極寒のダンジョンなら、何か発見出来るかも知れないな)」
「はい。そこで相談なのですが」
この後サイネリアが言おうとしている事が、カズには分かっていた。
二ヶ所目のダンジョン情報を話した時に、サイネリアの表情が素材の運搬を頼んできた時と同じになったからだった。
「資源の潤沢に行って、素材を集めて来いって?」
「カズさんでしたら入る資格は問題ないですし、それに大容量のアイテムボックスを使えるので」
「ダンジョンの情報と引き換えが、それ?」
「そういう訳では……」
「この前キビ村の盆地畑に、毒モンスターの討伐に行ったんだ。素材採取の頼みくらい断っても問題ないよね」
「それを言われてしまいますと……」
「情報ありがとう。俺はこれで」
サイネリアは個室を出ようとするカズの前にさっと移動して、腰を低くした状態で立ち塞がる。
「どうかもう少しだけお話を。新しい飲み物とお菓子をお持ちしますので」
サイネリアが頭を下げ、更に段々と低姿勢になっていき、そのまま土下座でもするのではと思ってしまう。
「押し売り業者かよ」
「うッ……」
痛いところを突かれたのか、サイネリアは一度ビクっとして、ゆっくり顔を上げてカズを見る。
下手に出てる相手に、少し強い口調で言い過ぎたと、カズは少し後悔した。
「あ、ごめ…」
今にも泣き出しそうなのを、なんとか耐えている様な表情のサイネリアが、謝罪するカズの言葉が耳に入らなかったのか、上着の裾にしがみついて早口で話し出した。
「お願いします。魔導列車の線路を作る魔鉱石が足りなくなると国から言われ、資源の潤沢ダンジョンに行き素材を大量に採掘してこなければならないんです」
「なんで俺なのさ。国からの依頼なら、他にも動く冒険者はいるだろ」
「今まで何組かのパーティーに行ってもらったんですが、毎回採掘しても持って来れる量が、国から言われてるギリギリなんです。地方のギルドから使える素材を回してはいるんですが、現在どこも素材不足なんです」
「供給が追い付いてないのなら、その資源の潤沢とかいうダンジョンに入る条件を、一時的に緩和するれば、近くのギルドから冒険者を送り込めるだろ」
「一度緩和すると『豊富な素材があるなら低ランクの冒険者を優先的に入れろ』と、言われる可能性が高いんです。それをギルドの権限で無理に押さえ込むと、近くのギルドで暴動が起きるかも知れないんです」
「それは…わからなくもないが(冒険者を育てる為に仕事を斡旋する冒険者ギルドが、理由をつけて権力で無理に押さえ込むと、確かに荒れるよな)」
サイネリアの言ってる理由が少し分かり、カズは同情してしまいそうになる。
「前回行ってもらったパーティーに、担当の職員から頼んでるんですが、お抱えの貴族様の護衛で帝都を離れるから無理だと言われたんです。ですから」
「俺にすがらないで、国に文句を言ってくれ。サイネリアはレオラ様の担当なんだからさあ」
「それは上司にも言われて、なんとかレオラ様に掛け合ってみたんですが『アタシに言われても、それは難しい。出来ても多少時間を稼げるくらいだ』と、言われてしまったんです」
「あぁ……(公務をアイリス様に任せてるのが多いから、こういった国の事業には意見出来ないんだろうなぁ。たぶん)」
「各冒険者の担当職員も頭を抱えてるんです。受けてくれそうなのは、あとはカズさんだけなんです! 上司だけじゃなく、後輩にも頼られて困ってるんです」
ここでサイネリアが中間管理職的な立場だと、カズは知った。
「そう言われても。他にもいるでしょ(自由に動ける高ランク冒険者不足、なのか)」
「いな…いないんですよおォ」
どれだけ切迫してるのか、サイネリアはとうとう涙を浮かべながら、両手を握り合わせて、カズにひざまずき拝みだした。
「お願いじまずうゥ~」
「ちょッ……(こんな性格だったか? なんで俺の担当職員は……これが演技だったら、二度と頼みは受けないぞ!)」
カズは断るという言葉を飲み込んで、面倒だと思いつつも、サイネリアの頼みを渋々受けて、座っていた場所に戻った。
「採取してくる素材の一覧と量、あと各階層の情報を書いた資料を用意してくれ(ダンジョンの話をした時に、一瞬表情が変わったのは、渡りに船だったからか)」
「ありがどうごじゃいまず。ありがどうごじゃいまず」
「行ってくるから泣かないでよ。はぁ……(これじゃあ、俺が悪者だよ)」
泣きじゃくった後の子供みたいな表情になっているサイネリアを落ち着かせると、資料を取りに行きながら化粧を直してくると部屋を出た。
カズは深い溜め息をついてサイネリアが戻るのを待った。
まだ目頭を赤くしたサイネリアが、資源の潤沢ダンジョンから採取してくる素材を書いた紙を持って来たので、カズは情報漏れがないように、質問をしながら説明を受けた。
サイネリアの話では、素材や資材を納める期限は翌月末になっており、明日から数えて四十二日。
だだ採取した素材の鑑定や検品に、仕分けをして届ける日数もいるので、十日前にはギルド本部に持ってきて欲しいのだと。
それも出来るだけ多くの素材を、各種採取してきて欲しいとの事だった。
現在魔導列車で行ける最西端は職人の街クラフト、通常帝都中央から最短でも三日掛かり、更にそこから資源の潤沢ダンジョンまで早馬を使って走り続けても五日は掛かる。
計算では片道八日だが、実際には魔導列車の時間待ちやらで、早くても更に五日は掛かるだろう、と。
通常の移動手段で往復二十六日は掛かる時点で、サイネリアの言う期日に希望の量を採取して来るのは難しいと思われた。
「クラフトまで行く列車の時間はわかる?」
サイネリアは資料と一緒に持ってきた、魔導列車の時刻表を見ながらカズの問いに答える。
「今日だと一本で行くのはないです。何度か乗り換えれば行けますが、途中どこかの街で一泊する事になります。明日の朝なら、クラフトまでの急行列車があります。それなら今日乗り換えて行くより早く着きます」
「だったらそれに乗った方が良いだろ。満車で乗れないとかじゃなければ」
「すぐに乗車券の手配をします」
「長距離だか二等車両にしてくれ」
「無理をお願いするので、一等車両をお取りしますが」
「俺一人だから二等車両で十分」
「わかりました。それで、クラフトに着いてからの移動手段はどうしましょう? ご希望があればクラフトのギルドに連絡して、用意させておきます」
「それこそ三輪大型バイクみたいなのがあれば便利で速いんだが」
「申し訳ありません」
「だよな(本部に無いんだから、地方のギルドにあるわけないよね)」
内部は厚い氷で足場は悪く、地中向かうと熱で氷が溶けてなくなり、深くにはマグマの川が確認される。
その厳しい環境から、ダンジョン内に生息するモンスターこそ少ないが、どれも危険度はBランク以上。
だからこそ、アーティファクトが見つかる可能性は高いが、死ぬ危険性はもっと高い。
この一年で五十二人、十八組のパーティーが入り、生きて戻ったのは十三人だけで、唯一四人組Bランクのパーティーが、一人も欠けずにダンジョンを出て来たが、何も見付ける事は出来なかったのだと。
二ヶ所目が大峡谷の南にある『資源の潤沢』と言われているダンジョン。
内部は地下五階層になっており、様々な種類の素材を採取出来る。
生息するモンスターの危険度は低く、強いモンスターでもCランク程度。
国から冒険者ギルドに管理を任されており、むやみやたらな採取を防ぐために、ギルドの許可がなければ入る事は出来ない。
採取した素材の三割をギルドに納める事になっているが、危険は少ない上に稼げる。
冒険者や職人だけではなく、誰もが入りたがるダンジョンになっている。
ただギルドに貢献して信用ある者しか入る事しが出来ない。
カズはギルド本部に登録をし、尚且つ帝国の守護者の称号を持つレオラの専属冒険者、十分ギルドに貢献しているから入る資格はあると勧めてきた。
「聞く限りでは、どちらもスゴいダンジョンみたいだ(灼熱と極寒のダンジョンなら、何か発見出来るかも知れないな)」
「はい。そこで相談なのですが」
この後サイネリアが言おうとしている事が、カズには分かっていた。
二ヶ所目のダンジョン情報を話した時に、サイネリアの表情が素材の運搬を頼んできた時と同じになったからだった。
「資源の潤沢に行って、素材を集めて来いって?」
「カズさんでしたら入る資格は問題ないですし、それに大容量のアイテムボックスを使えるので」
「ダンジョンの情報と引き換えが、それ?」
「そういう訳では……」
「この前キビ村の盆地畑に、毒モンスターの討伐に行ったんだ。素材採取の頼みくらい断っても問題ないよね」
「それを言われてしまいますと……」
「情報ありがとう。俺はこれで」
サイネリアは個室を出ようとするカズの前にさっと移動して、腰を低くした状態で立ち塞がる。
「どうかもう少しだけお話を。新しい飲み物とお菓子をお持ちしますので」
サイネリアが頭を下げ、更に段々と低姿勢になっていき、そのまま土下座でもするのではと思ってしまう。
「押し売り業者かよ」
「うッ……」
痛いところを突かれたのか、サイネリアは一度ビクっとして、ゆっくり顔を上げてカズを見る。
下手に出てる相手に、少し強い口調で言い過ぎたと、カズは少し後悔した。
「あ、ごめ…」
今にも泣き出しそうなのを、なんとか耐えている様な表情のサイネリアが、謝罪するカズの言葉が耳に入らなかったのか、上着の裾にしがみついて早口で話し出した。
「お願いします。魔導列車の線路を作る魔鉱石が足りなくなると国から言われ、資源の潤沢ダンジョンに行き素材を大量に採掘してこなければならないんです」
「なんで俺なのさ。国からの依頼なら、他にも動く冒険者はいるだろ」
「今まで何組かのパーティーに行ってもらったんですが、毎回採掘しても持って来れる量が、国から言われてるギリギリなんです。地方のギルドから使える素材を回してはいるんですが、現在どこも素材不足なんです」
「供給が追い付いてないのなら、その資源の潤沢とかいうダンジョンに入る条件を、一時的に緩和するれば、近くのギルドから冒険者を送り込めるだろ」
「一度緩和すると『豊富な素材があるなら低ランクの冒険者を優先的に入れろ』と、言われる可能性が高いんです。それをギルドの権限で無理に押さえ込むと、近くのギルドで暴動が起きるかも知れないんです」
「それは…わからなくもないが(冒険者を育てる為に仕事を斡旋する冒険者ギルドが、理由をつけて権力で無理に押さえ込むと、確かに荒れるよな)」
サイネリアの言ってる理由が少し分かり、カズは同情してしまいそうになる。
「前回行ってもらったパーティーに、担当の職員から頼んでるんですが、お抱えの貴族様の護衛で帝都を離れるから無理だと言われたんです。ですから」
「俺にすがらないで、国に文句を言ってくれ。サイネリアはレオラ様の担当なんだからさあ」
「それは上司にも言われて、なんとかレオラ様に掛け合ってみたんですが『アタシに言われても、それは難しい。出来ても多少時間を稼げるくらいだ』と、言われてしまったんです」
「あぁ……(公務をアイリス様に任せてるのが多いから、こういった国の事業には意見出来ないんだろうなぁ。たぶん)」
「各冒険者の担当職員も頭を抱えてるんです。受けてくれそうなのは、あとはカズさんだけなんです! 上司だけじゃなく、後輩にも頼られて困ってるんです」
ここでサイネリアが中間管理職的な立場だと、カズは知った。
「そう言われても。他にもいるでしょ(自由に動ける高ランク冒険者不足、なのか)」
「いな…いないんですよおォ」
どれだけ切迫してるのか、サイネリアはとうとう涙を浮かべながら、両手を握り合わせて、カズにひざまずき拝みだした。
「お願いじまずうゥ~」
「ちょッ……(こんな性格だったか? なんで俺の担当職員は……これが演技だったら、二度と頼みは受けないぞ!)」
カズは断るという言葉を飲み込んで、面倒だと思いつつも、サイネリアの頼みを渋々受けて、座っていた場所に戻った。
「採取してくる素材の一覧と量、あと各階層の情報を書いた資料を用意してくれ(ダンジョンの話をした時に、一瞬表情が変わったのは、渡りに船だったからか)」
「ありがどうごじゃいまず。ありがどうごじゃいまず」
「行ってくるから泣かないでよ。はぁ……(これじゃあ、俺が悪者だよ)」
泣きじゃくった後の子供みたいな表情になっているサイネリアを落ち着かせると、資料を取りに行きながら化粧を直してくると部屋を出た。
カズは深い溜め息をついてサイネリアが戻るのを待った。
まだ目頭を赤くしたサイネリアが、資源の潤沢ダンジョンから採取してくる素材を書いた紙を持って来たので、カズは情報漏れがないように、質問をしながら説明を受けた。
サイネリアの話では、素材や資材を納める期限は翌月末になっており、明日から数えて四十二日。
だだ採取した素材の鑑定や検品に、仕分けをして届ける日数もいるので、十日前にはギルド本部に持ってきて欲しいのだと。
それも出来るだけ多くの素材を、各種採取してきて欲しいとの事だった。
現在魔導列車で行ける最西端は職人の街クラフト、通常帝都中央から最短でも三日掛かり、更にそこから資源の潤沢ダンジョンまで早馬を使って走り続けても五日は掛かる。
計算では片道八日だが、実際には魔導列車の時間待ちやらで、早くても更に五日は掛かるだろう、と。
通常の移動手段で往復二十六日は掛かる時点で、サイネリアの言う期日に希望の量を採取して来るのは難しいと思われた。
「クラフトまで行く列車の時間はわかる?」
サイネリアは資料と一緒に持ってきた、魔導列車の時刻表を見ながらカズの問いに答える。
「今日だと一本で行くのはないです。何度か乗り換えれば行けますが、途中どこかの街で一泊する事になります。明日の朝なら、クラフトまでの急行列車があります。それなら今日乗り換えて行くより早く着きます」
「だったらそれに乗った方が良いだろ。満車で乗れないとかじゃなければ」
「すぐに乗車券の手配をします」
「長距離だか二等車両にしてくれ」
「無理をお願いするので、一等車両をお取りしますが」
「俺一人だから二等車両で十分」
「わかりました。それで、クラフトに着いてからの移動手段はどうしましょう? ご希望があればクラフトのギルドに連絡して、用意させておきます」
「それこそ三輪大型バイクみたいなのがあれば便利で速いんだが」
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