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五章 テクサイス帝国編 2 魔導列車に乗って
459 深夜の討伐 2 ナイト ルーク キング
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カズは周囲を飛び回り攻撃するグラヴィティ・ターマイト・ナイトの動きを観察し、合間を見つけて大穴へと急速に下降した。
当然グラトニィ・ターマイト・ナイトはカズを追い掛けて、大穴に向けて降下する。
四方八方に飛び回っていたグラトニィ・ターマイト・ナイトがカズを追い掛け下降した事で、向かって来るのが一方だけとなった。
「これなら〈スラッシュトルネード〉」
カズはくるりと身体の向きを変えて、正面を追っ掛けて来ているグラトニィ・ターマイト・ナイトに方を向き、風魔法で切り裂く竜巻を放った。
瞬時に出現した切り裂く竜巻に巻き込まれたグラトニィ・ターマイト・ナイトは、全身を切り裂かれて大穴へと落下する。
しかし異変を感じた二体のグラトニィ・ターマイト・ナイトが集団から外れ、カズの攻撃から逃れていた。
その内一体がグラトニィ・ターマイト・キングが居る群れの方に戻って行き、もう一体は大きく旋回して、前脚を進行方向に突き出し、回転しながらカズに突撃する。
「この状況を見ても向かって来るか。コイツは正にナイトと言える。なら敬意を払って正面から打ち崩す(スーパーヴァイブレーションソードより、名前的にこっちの方が)」
カズは息を整え【アイテムボックス】から『誠心刀』という名のトレカを取り出し、魔力を込めて実体化させ、腰に携えて鯉口を切る。
回転して突撃するグラトニィ・ターマイト・ナイトが、誠心刀の間合いに入った瞬間、抜刀。
グラトニィ・ターマイト・ナイトがカズの真横を通り過ぎると、殺気が消えて回転が止まり、魔核もろとも体が二つに切断されて大穴へと落下する。
カズは二つに切断されて落下するグラトニィ・ターマイト・ナイトを【アイテムボックス】に回収して、鞘に納め実体化したままの誠心刀も一緒にしまった。
群れの方に戻って行った一体のグラトニィ・ターマイト・ナイトが、積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの上に差し掛かると、グラトニィ・ターマイト・キングの大きく鋭い前脚で真っ二つにされ、強力な牙でグシャりと噛み潰された。
逃げ戻った仲間を容赦なく殺したグラトニィ・ターマイト・キングの行動、仲間をただの道具として使った光景に、カズは不快感を覚えた。
元々のターマイトもそういった種族なら仕方ないが、下の者を簡単に切り捨てる上の存在を直に見ると、腹が立つ。
って、今から倒そうとしてるモンスターに同情してどうすんだ、俺は。
大穴を越えて地上降り立ったカズは、残った二種のグラトニィ・ターマイトを倒しに掛かる。
積み重なり壁となったグラトニィ・ターマイト・ルークを崩そうと〈ファイヤーボム〉を放つ。
火の塊がグラトニィ・ターマイト・ポーンの壁に当たると、爆発と共に火が大きく広がる。
互いの脚を絡めて積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの壁は、一部焼け焦げた痕がついたものの崩す事は叶わなかった。
思ったより頑丈な体してるんだな。
ならもう何発が当てれば崩れるだろ。
威力を上げると周囲に跡が残るし、 街の住人が気付くかもしれない。
あまり時間も掛けられない、ルークとキングを早く倒さないと。
それに……!
次のファイヤーボムを放とうかと、魔力を右手に込めていたら、グラトニィ・ターマイト・ルークの壁が二つに割れ、グラトニィ・ターマイト・キングが現れ、大きく鋭い前脚でカズを攻撃してきた。
カズは攻撃を回避すると同時に〈ファイヤーボム〉を放った。
グラトニィ・ターマイト・キングに直撃すると思いきや、移動してきたグラトニィ・ターマイト・ルークの壁が盾となり、ファイヤーボムを防いだ。
「そういう戦い方するのか! 今のでルークを一体倒……!」
二度目のファイヤーボムで、一体のグラトニィ・ターマイト・ルークが、積み重なった一部から落ちて壁に隙間が出来た。
だが直ぐに組み換えて、新たな盾となる壁を作り上げた。
「自動で動く盾か(このまま時間を掛けると、終わる頃には夜が明けてしまう。凍らせたポーンと大穴の後始末もあるし、やり方を変えるか。各種の調査も出来たからな)」
カズは大穴近くまで後退して、グラトニィ・ターマイト・キングの、ヒット&アウェイの攻撃から一度距離を取った。
飛べるカズを大穴に落とそうとは考えず、自らの鋭い前脚で確実に仕留めようと接近するグラトニィ・ターマイト・キング。
カズは【万物ノ眼】で、堅固な壁となり盾に徹するグラトニィ・ターマイト・ルークの魔核の位置を確かめると〈マルチプル・ロックオン〉を使う。
標的に狙いが定まると、高威力の〈ライトニングボルト〉左右の手から放った。
二本の青白く太い雷撃は、グラトニィ・ターマイト・ルークが積み重なった壁の直前で、十数本に分かれて的確に魔核を貫いた。
貫通した雷撃は後方に居たグラトニィ・ターマイト・キングにも軽傷を負わせた。
傷を負ったグラトニィ・ターマイト・キングは憤怒し、積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの壁に体当たりした。
壁となり盾として使っていたグラトニィ・ターマイト・ルークが、何の抵抗もなく崩れ落ちた事で、全て倒された事に気付く。
怒りに任せて大きく鋭い前脚を振り翳し、迫るグラトニィ・ターマイト・キングに向けて、カズは即死魔法〈怨霊の招き〉を放った。
糸が切れたように、急に怒りが消えたグラトニィ・ターマイト・キングは、勢いそのまま倒れて大穴手前まで滑り、完全に動かなくなった。
カズは状態の良いグラトニィ・ターマイト・ルークと、グラトニィ・ターマイト・キングを【アイテムボックス】に回収した。
ポーンにナイト、ルークとキングも倒して回収した。
あとは倒したグラトニィ・ターマイトを大穴に落として埋めれば、レオラからの仕事は終了……じゃなかった。
肝心の一体を倒さないと、また増殖するのは確実だ。
さて、いつまで地中に隠れてるつもりか知れないが、強制的に出て来てもらうか。
地中に隠れるモンスターに向けて、カズは〈アース・クラック〉を使用して。
地面に亀裂が入ると、それは狙った場所に向けてどんどんと大きく広がり、地中に隠れるモンスターをカズは視界に捉えた。
見つかり隠れる意味をなくしたモンスターが、カズが作った亀裂を広げて、地上に姿を現した。
出て来たモンスターは、今までのグラトニィ・ターマイトを産み出した最上位個体。
今回最大の目的であるグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーの登場。
他のグラトニィ・ターマイトと大きさ強さは桁違いで、グラトニィ・ターマイト・キングの倍はある。
「でかいな。8メートルってところか」
その姿を完全に現したグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは、クラフトのダンジョンで倒した住壁鉱食大百足と同等の大きさ。
レベルとステータスでは、グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーの方が低いが、危険性では断然上。
もしここで逃したりでもしたら、今ままで倒したグラトニィ・ターマイト以上の群れなって戻って来るのは確実。
「同情するよ。馬鹿な連中のせいで、こんな姿にされたんだ(どこの世界も勝手なのは、いつも人間…か)」
残るは自分だけと理解したグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは、逃げようとはしない。
目の前のカズを殺さなければ、生き延びる事は出来ないと理解したのだろう。
グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーが臨戦態勢を取ると、左右の前脚が三本に割れて先が三つ叉となり、その全てがデスサイスと言われる大鎌に見える。
背中から自身の倍以上もある六枚の羽生やすと、カズを狙って口から絹糸のような細い糸を無数に吐き出す。
広がり迫る無数の糸を飛び退き回避すると同時に、カズは〈ライトニングボルト〉を放つ。
糸はカズが倒したグラトニィ・ターマイト・ルークの三体に巻き付き、楕円形の繭へと変える。
「あんなのも出せるのか!」
ライトニングボルト受けながらも、グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは巨大な六枚の羽を大きく動かし、土煙を巻き上げて飛翔する。
当然グラトニィ・ターマイト・ナイトはカズを追い掛けて、大穴に向けて降下する。
四方八方に飛び回っていたグラトニィ・ターマイト・ナイトがカズを追い掛け下降した事で、向かって来るのが一方だけとなった。
「これなら〈スラッシュトルネード〉」
カズはくるりと身体の向きを変えて、正面を追っ掛けて来ているグラトニィ・ターマイト・ナイトに方を向き、風魔法で切り裂く竜巻を放った。
瞬時に出現した切り裂く竜巻に巻き込まれたグラトニィ・ターマイト・ナイトは、全身を切り裂かれて大穴へと落下する。
しかし異変を感じた二体のグラトニィ・ターマイト・ナイトが集団から外れ、カズの攻撃から逃れていた。
その内一体がグラトニィ・ターマイト・キングが居る群れの方に戻って行き、もう一体は大きく旋回して、前脚を進行方向に突き出し、回転しながらカズに突撃する。
「この状況を見ても向かって来るか。コイツは正にナイトと言える。なら敬意を払って正面から打ち崩す(スーパーヴァイブレーションソードより、名前的にこっちの方が)」
カズは息を整え【アイテムボックス】から『誠心刀』という名のトレカを取り出し、魔力を込めて実体化させ、腰に携えて鯉口を切る。
回転して突撃するグラトニィ・ターマイト・ナイトが、誠心刀の間合いに入った瞬間、抜刀。
グラトニィ・ターマイト・ナイトがカズの真横を通り過ぎると、殺気が消えて回転が止まり、魔核もろとも体が二つに切断されて大穴へと落下する。
カズは二つに切断されて落下するグラトニィ・ターマイト・ナイトを【アイテムボックス】に回収して、鞘に納め実体化したままの誠心刀も一緒にしまった。
群れの方に戻って行った一体のグラトニィ・ターマイト・ナイトが、積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの上に差し掛かると、グラトニィ・ターマイト・キングの大きく鋭い前脚で真っ二つにされ、強力な牙でグシャりと噛み潰された。
逃げ戻った仲間を容赦なく殺したグラトニィ・ターマイト・キングの行動、仲間をただの道具として使った光景に、カズは不快感を覚えた。
元々のターマイトもそういった種族なら仕方ないが、下の者を簡単に切り捨てる上の存在を直に見ると、腹が立つ。
って、今から倒そうとしてるモンスターに同情してどうすんだ、俺は。
大穴を越えて地上降り立ったカズは、残った二種のグラトニィ・ターマイトを倒しに掛かる。
積み重なり壁となったグラトニィ・ターマイト・ルークを崩そうと〈ファイヤーボム〉を放つ。
火の塊がグラトニィ・ターマイト・ポーンの壁に当たると、爆発と共に火が大きく広がる。
互いの脚を絡めて積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの壁は、一部焼け焦げた痕がついたものの崩す事は叶わなかった。
思ったより頑丈な体してるんだな。
ならもう何発が当てれば崩れるだろ。
威力を上げると周囲に跡が残るし、 街の住人が気付くかもしれない。
あまり時間も掛けられない、ルークとキングを早く倒さないと。
それに……!
次のファイヤーボムを放とうかと、魔力を右手に込めていたら、グラトニィ・ターマイト・ルークの壁が二つに割れ、グラトニィ・ターマイト・キングが現れ、大きく鋭い前脚でカズを攻撃してきた。
カズは攻撃を回避すると同時に〈ファイヤーボム〉を放った。
グラトニィ・ターマイト・キングに直撃すると思いきや、移動してきたグラトニィ・ターマイト・ルークの壁が盾となり、ファイヤーボムを防いだ。
「そういう戦い方するのか! 今のでルークを一体倒……!」
二度目のファイヤーボムで、一体のグラトニィ・ターマイト・ルークが、積み重なった一部から落ちて壁に隙間が出来た。
だが直ぐに組み換えて、新たな盾となる壁を作り上げた。
「自動で動く盾か(このまま時間を掛けると、終わる頃には夜が明けてしまう。凍らせたポーンと大穴の後始末もあるし、やり方を変えるか。各種の調査も出来たからな)」
カズは大穴近くまで後退して、グラトニィ・ターマイト・キングの、ヒット&アウェイの攻撃から一度距離を取った。
飛べるカズを大穴に落とそうとは考えず、自らの鋭い前脚で確実に仕留めようと接近するグラトニィ・ターマイト・キング。
カズは【万物ノ眼】で、堅固な壁となり盾に徹するグラトニィ・ターマイト・ルークの魔核の位置を確かめると〈マルチプル・ロックオン〉を使う。
標的に狙いが定まると、高威力の〈ライトニングボルト〉左右の手から放った。
二本の青白く太い雷撃は、グラトニィ・ターマイト・ルークが積み重なった壁の直前で、十数本に分かれて的確に魔核を貫いた。
貫通した雷撃は後方に居たグラトニィ・ターマイト・キングにも軽傷を負わせた。
傷を負ったグラトニィ・ターマイト・キングは憤怒し、積み重なったグラトニィ・ターマイト・ルークの壁に体当たりした。
壁となり盾として使っていたグラトニィ・ターマイト・ルークが、何の抵抗もなく崩れ落ちた事で、全て倒された事に気付く。
怒りに任せて大きく鋭い前脚を振り翳し、迫るグラトニィ・ターマイト・キングに向けて、カズは即死魔法〈怨霊の招き〉を放った。
糸が切れたように、急に怒りが消えたグラトニィ・ターマイト・キングは、勢いそのまま倒れて大穴手前まで滑り、完全に動かなくなった。
カズは状態の良いグラトニィ・ターマイト・ルークと、グラトニィ・ターマイト・キングを【アイテムボックス】に回収した。
ポーンにナイト、ルークとキングも倒して回収した。
あとは倒したグラトニィ・ターマイトを大穴に落として埋めれば、レオラからの仕事は終了……じゃなかった。
肝心の一体を倒さないと、また増殖するのは確実だ。
さて、いつまで地中に隠れてるつもりか知れないが、強制的に出て来てもらうか。
地中に隠れるモンスターに向けて、カズは〈アース・クラック〉を使用して。
地面に亀裂が入ると、それは狙った場所に向けてどんどんと大きく広がり、地中に隠れるモンスターをカズは視界に捉えた。
見つかり隠れる意味をなくしたモンスターが、カズが作った亀裂を広げて、地上に姿を現した。
出て来たモンスターは、今までのグラトニィ・ターマイトを産み出した最上位個体。
今回最大の目的であるグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーの登場。
他のグラトニィ・ターマイトと大きさ強さは桁違いで、グラトニィ・ターマイト・キングの倍はある。
「でかいな。8メートルってところか」
その姿を完全に現したグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは、クラフトのダンジョンで倒した住壁鉱食大百足と同等の大きさ。
レベルとステータスでは、グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーの方が低いが、危険性では断然上。
もしここで逃したりでもしたら、今ままで倒したグラトニィ・ターマイト以上の群れなって戻って来るのは確実。
「同情するよ。馬鹿な連中のせいで、こんな姿にされたんだ(どこの世界も勝手なのは、いつも人間…か)」
残るは自分だけと理解したグラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは、逃げようとはしない。
目の前のカズを殺さなければ、生き延びる事は出来ないと理解したのだろう。
グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーが臨戦態勢を取ると、左右の前脚が三本に割れて先が三つ叉となり、その全てがデスサイスと言われる大鎌に見える。
背中から自身の倍以上もある六枚の羽生やすと、カズを狙って口から絹糸のような細い糸を無数に吐き出す。
広がり迫る無数の糸を飛び退き回避すると同時に、カズは〈ライトニングボルト〉を放つ。
糸はカズが倒したグラトニィ・ターマイト・ルークの三体に巻き付き、楕円形の繭へと変える。
「あんなのも出せるのか!」
ライトニングボルト受けながらも、グラトニィ・ターマイト・クイーン・マザーは巨大な六枚の羽を大きく動かし、土煙を巻き上げて飛翔する。
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