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五章 テクサイス帝国編 1 大陸最大の国
421 最初のアラクネ
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メリアスの頼みを聞くと、パフは目を閉じて暫し考え、ふぅ、と小さく息を吐き目を開ける。
「しょうがないね。メリアスの頼みだ、聞いてやろうじゃないか」
「ありがとう。だからパフ姐さん好きやわ!」
「それより、その子とアレナリアのお嬢ちゃんと、何の関係があるんだい?」
話を聞いた中で、冒険者が関わるような内容ではないとパフは感じ、メリアスにその事を尋ねる。
メリアスの話によれば、バイアステッチでも五本の指に入る大手の企業『スカラップ』で働く『プルド』というアラクネが、今回メリアスが紹介した『クルエル』を、自分の下で働かせようと画策していると可能があると知り、実力のある女性冒険者を護衛として近くに居させたいとの考えだった。
「スカラップがその、クルエルって子を欲しがってるのかい?」
「正確にはプルドの方です。クルエルの刺繍の腕を知り、自分の下で働かせようとしているらしいんですわ」
「プルド……あまり良い評判は聞かないね。外面はいいらしいが」
「さすがはパフ姐さん。大手の内部事情も知っとりますか」
「噂程度にはね」
「で、どうです?」
「わかった。明日アレナリアのお嬢ちゃんに頼んでみようじゃないか。聞き入れてくれるかは、わからないけどね」
「頼みます。うちは冒険者ギルドに、新しいアラクネの登録申請をしに行きますよって」
「そうか、そうだったね」
パフは忘れていたが、アラクネがバイアステッチで暮らすには、冒険者ギルドにそれを申請登録しなければならない決まりだった。
アラクネがバイアステッチに現れたのが、今から六十年以上前の事。
やはり最初は危険視されていたが、度々やって来るそのアラクネは穏和で人当たりがよく、次第に街の人々と交流をするようになり、条件付きで街に受け入れられるようになった。
その条件には、もし街や人々に少しでも被害が出たら、討伐されてもよいというものだった。
条件としては明らかにアラクネには不利なもの、だが後生のことを考え、そのアラクネは不利な条件を飲み、それから数年バイアステッチで働いて暮らし、アラクネにも友好的な者が居るのだと証明した。
それから一人、二人と新たなアラクネが街に来ては、最初のアラクネが働く場所住む場所の渡りをつけていった。
そして現在バイアステッチでは、アラクネが裁縫の名手と言われ、引く手数多の欠かせない存在となり、危険という認識は減っていた。
それでも新たなアラクネがバイアステッチに暮らす際は、冒険者ギルドに申請登録をする事になっていた。
当初アラクネが現れた頃、国としてはアラクネの相手は冒険者ギルドが対処するものと、目に見えて被害が出ない限り動くことはなかったらしい。
今まで何事もなく穏便に済んでいた為、現在まで国が動くことは一度もない。
それでも万が一の場合は討伐されても構わないという条件は、まだ今でも残っている。
それがあるからこそ、国が出てくることはないのであろう。
と言っても、これは保険のようなもので、実際に何かあった場合は、先ず他のアラクネに連絡が行き、同種族で問題を解決させるようにと、暗黙の了解が出来ていた。
昔ほど条件は厳しくはないが、討伐は最終手段としてあるが、バイアステッチの冒険者ギルドとしては、できれば討伐はしたくはないと考えていた。
これからも、今の様に良い関係が続けばと、街の者達も思ってはいる。
「昔に比べれば緩和されたが、大きな問題でも起こせば、アラクネの立場は悪くなるってのに、プルドは何を考えてるんだか?」
「同じアラクネ同士でも、そう交流がないので、そこはなんとも。うちは仕事で会う程度で」
「スカラップの上の連中は知ってるのかね?」
「そこまでは……たぶん知ってる者は殆どいないと思います」
バイアステッチでのアラクネの立場が悪くなる可能性があることを心配するパフとメリアス。
「とりあえずは、アレナリアのお嬢ちゃんの返答次第だね。それでクルエルって子は今どこにいるんだい?」
「今はプフルの実家がある村に。明日こちらに来ると」
グレーツとプフルの村は、バイアステッチに来るアラクネを、一時留め置く場所とし使われている。
それも最初のアラクネが両方の村に行き、交渉した得た結果だ。
バイアステッチの住人と違い、アラクネに対抗する手段を持たない村人達では、受け入れる他なかったのが当時の実情だった。
だがアラクネは半獣人を差別することなく、今では快く受け入れ交流を深めている。
それもあってグレーツとプフルはアラクネに慣れていたため、街に居る会ったことのないアラクネに対しても、恐怖や違和感といったものはなかった。
「そう、それでもし大丈夫であれば、そのアレナリアさんいう人に、クルエルを迎えに行ってもえるとありがたいんやけど。途中で会うと思いますよって」
「それも踏まえて頼んでみるよ。きっと大丈夫、受けて…受けさせてみせるよ」
「お願いします。ちゃんとこのお礼はしますと」
「伝えておくよ」
今回はまた面倒な事だと少し頭を悩ませるパフと、来て良かったとコップに残っている甘露酒を、ぐいっと一気に飲むメリアス。
≪ 時は戻り、翌日の朝 ≫
パフからアラクネのメリアスに頼まれた事を話し、バイアステッチにアラクネが働き暮らすようになったのも聞いたアレナリア。
「──そいう事なんだけよ。どう、引き受けてくれないかね?」
「事情からして、冒険者ギルドに依頼を出すってわけにもいかなそうね。……仕方ないわね(アラクネのことも気になってたし、まあいいわ)」
「そうかい! いい返事が聞けてよかった」
「で、その…クルエルってアラクネを、とりあえず迎えに行けばいいのよね?」
「ええ。街に向かって来てるはずだから」
「でも私、会ったことないのよ。信じて付いて来てくれるかしら?」
「だからこれを持っていってちょうだい」
パフが一枚のスカーフをアレナリアに渡す。
それは前日に来たメリアスが持ってきた、クルエルが刺繍を施したスカーフ。
「それを見せて説明すれば大丈夫よ」
「わかった。それじゃ行って来るわ」
「頼んだよ。ここに連れて来てくれればいいからね」
刺繍の入ったスカーフを受け取ると、アレナリアは店を出て、バイアステッチの南西に位置するプフルの実家がある村に向かい出発した。
アラクネの身体能力からすれば、通常歩きで二、三日掛かるところを、一日で踏破するのは容易。
アレナリアも一人ならば、魔法を使い高速で移動することも可能。
予定では昼過ぎにはクルエルを見つけて合流し、日が暮れる頃にはパフ手芸店に戻って来れると考えていた。
アレナリアがバイアステッチを出てから三時間が経つも、一向にクルエルらしきアラクネの姿は見えない。
山や小高い丘も、隠れるような場所もない平地にもかかわらず、何処を見渡しても見つからない。
時折強い風が吹き、砂埃で視界が悪くなるも、場所的にすれ違って気付かないなんてことはあるはずかない。
だとすればまだ村を出てないのだと考え、アレナリアは走る速度を上げようとする。
息を整えて力強く踏み込もうとしたとき、地面に違和感を覚えたので、そこを注意深く見ると、足跡らしきのを見つけたので急停止した。
「消えかけてるけど、この足跡だと四人から六人。ここで誰に襲われた? でも相手はアラクネよね。人数だけ揃えても、そう簡単に出来るかしら?」
アラクネと複数の足跡は進行方向の左、東の方に向かっていた。
アレナリアは気を引き閉め、注意を払いながら急ぎ消えかけている足跡と、うっすら残るアラクネの魔力を追跡する。
アレナリアが足跡をたどって移動する頃には、既に昼を過ぎていた。
時折吹いていた風は止めどなくなり、多くの砂埃を巻き上げ視界を悪くする。
「まずいわね。この風で足跡が……」
残っていた足跡は殆ど消えてしまい、このまま跡を追うのは難しい。
アレナリアは集中して、魔力感知を試みる。
「しょうがないね。メリアスの頼みだ、聞いてやろうじゃないか」
「ありがとう。だからパフ姐さん好きやわ!」
「それより、その子とアレナリアのお嬢ちゃんと、何の関係があるんだい?」
話を聞いた中で、冒険者が関わるような内容ではないとパフは感じ、メリアスにその事を尋ねる。
メリアスの話によれば、バイアステッチでも五本の指に入る大手の企業『スカラップ』で働く『プルド』というアラクネが、今回メリアスが紹介した『クルエル』を、自分の下で働かせようと画策していると可能があると知り、実力のある女性冒険者を護衛として近くに居させたいとの考えだった。
「スカラップがその、クルエルって子を欲しがってるのかい?」
「正確にはプルドの方です。クルエルの刺繍の腕を知り、自分の下で働かせようとしているらしいんですわ」
「プルド……あまり良い評判は聞かないね。外面はいいらしいが」
「さすがはパフ姐さん。大手の内部事情も知っとりますか」
「噂程度にはね」
「で、どうです?」
「わかった。明日アレナリアのお嬢ちゃんに頼んでみようじゃないか。聞き入れてくれるかは、わからないけどね」
「頼みます。うちは冒険者ギルドに、新しいアラクネの登録申請をしに行きますよって」
「そうか、そうだったね」
パフは忘れていたが、アラクネがバイアステッチで暮らすには、冒険者ギルドにそれを申請登録しなければならない決まりだった。
アラクネがバイアステッチに現れたのが、今から六十年以上前の事。
やはり最初は危険視されていたが、度々やって来るそのアラクネは穏和で人当たりがよく、次第に街の人々と交流をするようになり、条件付きで街に受け入れられるようになった。
その条件には、もし街や人々に少しでも被害が出たら、討伐されてもよいというものだった。
条件としては明らかにアラクネには不利なもの、だが後生のことを考え、そのアラクネは不利な条件を飲み、それから数年バイアステッチで働いて暮らし、アラクネにも友好的な者が居るのだと証明した。
それから一人、二人と新たなアラクネが街に来ては、最初のアラクネが働く場所住む場所の渡りをつけていった。
そして現在バイアステッチでは、アラクネが裁縫の名手と言われ、引く手数多の欠かせない存在となり、危険という認識は減っていた。
それでも新たなアラクネがバイアステッチに暮らす際は、冒険者ギルドに申請登録をする事になっていた。
当初アラクネが現れた頃、国としてはアラクネの相手は冒険者ギルドが対処するものと、目に見えて被害が出ない限り動くことはなかったらしい。
今まで何事もなく穏便に済んでいた為、現在まで国が動くことは一度もない。
それでも万が一の場合は討伐されても構わないという条件は、まだ今でも残っている。
それがあるからこそ、国が出てくることはないのであろう。
と言っても、これは保険のようなもので、実際に何かあった場合は、先ず他のアラクネに連絡が行き、同種族で問題を解決させるようにと、暗黙の了解が出来ていた。
昔ほど条件は厳しくはないが、討伐は最終手段としてあるが、バイアステッチの冒険者ギルドとしては、できれば討伐はしたくはないと考えていた。
これからも、今の様に良い関係が続けばと、街の者達も思ってはいる。
「昔に比べれば緩和されたが、大きな問題でも起こせば、アラクネの立場は悪くなるってのに、プルドは何を考えてるんだか?」
「同じアラクネ同士でも、そう交流がないので、そこはなんとも。うちは仕事で会う程度で」
「スカラップの上の連中は知ってるのかね?」
「そこまでは……たぶん知ってる者は殆どいないと思います」
バイアステッチでのアラクネの立場が悪くなる可能性があることを心配するパフとメリアス。
「とりあえずは、アレナリアのお嬢ちゃんの返答次第だね。それでクルエルって子は今どこにいるんだい?」
「今はプフルの実家がある村に。明日こちらに来ると」
グレーツとプフルの村は、バイアステッチに来るアラクネを、一時留め置く場所とし使われている。
それも最初のアラクネが両方の村に行き、交渉した得た結果だ。
バイアステッチの住人と違い、アラクネに対抗する手段を持たない村人達では、受け入れる他なかったのが当時の実情だった。
だがアラクネは半獣人を差別することなく、今では快く受け入れ交流を深めている。
それもあってグレーツとプフルはアラクネに慣れていたため、街に居る会ったことのないアラクネに対しても、恐怖や違和感といったものはなかった。
「そう、それでもし大丈夫であれば、そのアレナリアさんいう人に、クルエルを迎えに行ってもえるとありがたいんやけど。途中で会うと思いますよって」
「それも踏まえて頼んでみるよ。きっと大丈夫、受けて…受けさせてみせるよ」
「お願いします。ちゃんとこのお礼はしますと」
「伝えておくよ」
今回はまた面倒な事だと少し頭を悩ませるパフと、来て良かったとコップに残っている甘露酒を、ぐいっと一気に飲むメリアス。
≪ 時は戻り、翌日の朝 ≫
パフからアラクネのメリアスに頼まれた事を話し、バイアステッチにアラクネが働き暮らすようになったのも聞いたアレナリア。
「──そいう事なんだけよ。どう、引き受けてくれないかね?」
「事情からして、冒険者ギルドに依頼を出すってわけにもいかなそうね。……仕方ないわね(アラクネのことも気になってたし、まあいいわ)」
「そうかい! いい返事が聞けてよかった」
「で、その…クルエルってアラクネを、とりあえず迎えに行けばいいのよね?」
「ええ。街に向かって来てるはずだから」
「でも私、会ったことないのよ。信じて付いて来てくれるかしら?」
「だからこれを持っていってちょうだい」
パフが一枚のスカーフをアレナリアに渡す。
それは前日に来たメリアスが持ってきた、クルエルが刺繍を施したスカーフ。
「それを見せて説明すれば大丈夫よ」
「わかった。それじゃ行って来るわ」
「頼んだよ。ここに連れて来てくれればいいからね」
刺繍の入ったスカーフを受け取ると、アレナリアは店を出て、バイアステッチの南西に位置するプフルの実家がある村に向かい出発した。
アラクネの身体能力からすれば、通常歩きで二、三日掛かるところを、一日で踏破するのは容易。
アレナリアも一人ならば、魔法を使い高速で移動することも可能。
予定では昼過ぎにはクルエルを見つけて合流し、日が暮れる頃にはパフ手芸店に戻って来れると考えていた。
アレナリアがバイアステッチを出てから三時間が経つも、一向にクルエルらしきアラクネの姿は見えない。
山や小高い丘も、隠れるような場所もない平地にもかかわらず、何処を見渡しても見つからない。
時折強い風が吹き、砂埃で視界が悪くなるも、場所的にすれ違って気付かないなんてことはあるはずかない。
だとすればまだ村を出てないのだと考え、アレナリアは走る速度を上げようとする。
息を整えて力強く踏み込もうとしたとき、地面に違和感を覚えたので、そこを注意深く見ると、足跡らしきのを見つけたので急停止した。
「消えかけてるけど、この足跡だと四人から六人。ここで誰に襲われた? でも相手はアラクネよね。人数だけ揃えても、そう簡単に出来るかしら?」
アラクネと複数の足跡は進行方向の左、東の方に向かっていた。
アレナリアは気を引き閉め、注意を払いながら急ぎ消えかけている足跡と、うっすら残るアラクネの魔力を追跡する。
アレナリアが足跡をたどって移動する頃には、既に昼を過ぎていた。
時折吹いていた風は止めどなくなり、多くの砂埃を巻き上げ視界を悪くする。
「まずいわね。この風で足跡が……」
残っていた足跡は殆ど消えてしまい、このまま跡を追うのは難しい。
アレナリアは集中して、魔力感知を試みる。
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