423 / 789
五章 テクサイス帝国編 1 大陸最大の国
406 ビワの職場探し
しおりを挟む
パフは渋味のあるお茶を飲みながら、静かに昼食を取るビワに話し掛ける。
「毎日二人分を用意するんだから感心だよ。わたしに息子がいたら嫁に欲しいところだ」
「そんな…前に仕事で食事を作っていたので、慣れているだけです」
「貴族のお屋敷でメイドをしていたんだっけ?」
「はい。皆さんとても優しく良い方々なんです。同僚の皆も明るくて」
「そんな貴族もいるんだね。わたしは貴族なんて、着飾って威張ってる嫌な連中しか知らない。こうして小さい自分の店を持つと決めたのも、そういった連中が身に付ける物ばかり作りたくなかったからなのよ」
「以前は貴族の物を専門に作ってたの?」
アレナリアがパフに質問する。
「十七年以上前の話だよ。確かに稼ぎは良かったが、好きだったこの仕事が嫌いになりそうだったんで、職場を辞めて自分の店を持ったんだよ。貯金は殆ど無くなったけどね」
「職場から引き止められなかったの?」
「止められたわよ。でも嫌々やったところで、良い物は作れないからね」
「それは確かに」
「その時はわたし以外にも、同じ仕事をしてた同僚が居たから辞められたのよ。そうじゃなかったら、辞めるのは難しかったわ」
「今まで納めてた物が急に作れなくなった。なんて貴族が知ったら、それこそ問題になる」
「ええ」
「でもその同僚は収入が増えたんでしょ」
「わたしに入ってたのを数人で割っても、結構な額になったでしょう」
「収入減って後悔は?」
「まさか。稼ぎが少なくても、わたしは今の暮らしの方が良いわ。一人でも今まで培ってきた技術で暮らして行くには十分。自分で仕事を選べるようにもなって、常連のお客も出来たしね。今となっては店で働く子達の給金を稼がないとならないから、多少大変な仕事も取るようにしてるわ。皆の腕も上がるように、仕事の種類も選んで」
「楽しそうなのは良いけど、その年で半獣人なんて呼ばれてる子達を雇ってるんでしょ。大丈夫なの? この街でも差別はあるんでしょ」
「後悔なんてしてないわよ。ここで働いてる皆は、わたしが自分で連れて来たんだから。大きい工場を追い出されたり、雇ってもらえなかったりした子達をね。さすがに全員は無理だけど、目に留まった子だけでもって。わたしの店だけじゃ無理だけど、知り合いに頼んだだり、他の街の店を紹介したりして」
「愚問だったわ。ごめんなさい」
「気にしてないわ。今の暮らしで満足してるから」
パフは笑顔でアレナリアに答えた。
≪ この日から十二日前 ≫
裁縫と刺繍の街に着いて三日後の朝、ビワがバイアステッチで働きたいと相談してきた。
これまでレラの服を作ったり、傷付いた衣服を直してきたりしたが、技量が足りず自分が納得出来なかったから、この街でもっと腕を磨きたいと。
一晩考えた末に出した答えと、その真剣な表情を見たカズとアレナリアは、ビワの意見を尊重した。
知らない土地で不安な面もあったが、何よりビワ自身が自分から進んでやりたいと言ったのを否定したくはなかった。
「ビワは今よりどれくらい出来るようになれば良いと考えてる?」
「手仕事(裁縫手芸)を一通り。皆の着る物を、私が全部作れるくらいにはなりたいです。そうすればこれから先の旅では、着る物に困ることはないと思いまして」
「ビワなりに考えてたのね」
「私に今出来るのは、食事の支度をすることくらいしかないので」
「俺としては十分なんだけど、ビワがそう決めたなら良いよ」
「一通り出来るようになるって言っても、どれくらい掛かるの? 十日や二十日じゃ無理よね」
「小さいとはいえレラの服は作れるんだから、早くても三ヶ月か半年……いやもっとか?」
「それだとかなりここに滞在することになるわね」
自分が我が儘を言ったせいだとビワは反省をし、今のはなしにしようと口を開く。
「旅を長い間中断させてしまうので、やっぱりやめ─」
「まあまあ、とりあえず働ける所を探してみよう」
「…はい」
カズとアレナリアは商業ギルドに行くか、直接仕事場を回るか二人で話しだす。
その時ビワは顔を伏せ、耳を垂らしてしょぼんと申し訳なさそうにする。
レラはそんなビワの正面に周り、その顔を覗き込む。
「顔上げて二人を見なよビワ」
レラに言われてゆっくりと顔を上げ、カズとアレナリアの表情を見た。
すると二人が真剣ながらも嬉しそうに、ビワの為になる仕事場を探す相談をしていた。
「あ…あの……」
「あ、ごめんごめん。俺とアレナリアで決めても駄目だよな。肝心のビワにどんな所がいいか聞かないと」
「そうよカズ」
「ご迷惑じゃ……」
「ビワがやりたいことが出来たんだから、良いことじゃないか。一年滞在したって構わないさ」
「そうよ。帝都に着いたら、情報を集めるのに、それくらい滞在するかも知れなかったんだから。それが少し手前の街でも構わないわよ」
「あ…ありがとうてございます」
「! ちょ、ビワ。なんで泣いて」
カズは涙ぐむビワを見て、おろおろする。
「ビワは嬉しいのよ。ね」
「…はい」
「さあ、ビワの仕事探しに行くわよ」
アレナリアがビワを引っ張り、カズとレラはそれに付いて宿屋を出る。
冒険者ギルドに登録して活動していることを考えたアレナリアは、商業ギルドに行っても良い職場を斡旋してくれる可能性は低いと考え、小規模な工場や個人店に直接交渉を行うことを決め、カズもそれに賛成した。
やる気になっているカズとアレナリアに気圧されて、職場探しを二人に任せるかたちになった。
ビワの技術向上を目的としていたので、手当たり次第にあたることはしなかった。
大きな工場は作業工程を分けているため、短期間では一つのことしか覚えることが出来ない。
それがビワにとってプラスになるかは、働いてみないことには不明だったため、ビワと相談しつつ小さな店を回ることにした。
一軒…三軒…八軒と、日が暮れるまで多くの店を回ったが、良い返事はもらえなかった。
正直に旅をしているから、長くても一年しか働けないと言えば当然雇ってはもらえない。
中には冷やかしや、何処かの回し者かと怒鳴る者さえいた。
意気揚々と探しに出た結果がこれだ。
確かに相手の言っていることは間違ってない。
やはり考えが甘かったと、カズとアレナリアは反省する。
「明日商業ギルドに言って聞いてみましょう。駄目なら冒険者ギルドの方で、依頼として出てるか。期待は出来ないけど」
「私の考えがズルかったんですね。皆の為になればとそればかり」
「そん……それも一理あるわね。技術だけを教えてなんて、そんな都合の良い話があるはずないわ。どちらかと言えば、こちらがお金を払って教えてもらわないといけない立場よね」
「そうだよなぁ。自分が欲してる技術なら、アレナリアの言うようにお金を払わないと。俺も早計だった」
「そうね。先走って空回りしちゃったわね」
「やっぱり私が……ごめんなさい」
自分が働きたいと余計なことを言ったからだと、ビワは塞ぎこんでしまう。
「ビワのせいじゃない。俺とアレナリアがもっとしっかり考えなかったから……」
飲食店で食事をしながら今日の反省会をした三人は、食後暗く落ち込んだ表情のまま店を出た。
「ちょっとあんたら」
カズ達は声を掛けてきた方に振り返ると、そこには飲食店で後ろの席に座り食事をしていた年配の女性の姿が。
「何かようですか?」
「短期の仕事を探してるのかい?」
「縫い物の技術を上げる為に、どこかで働きながらと」
「あぁ、それでかい。……ちょっと付いておいで」
「あの、どこへ?」
「いいから来なさい。相談に乗ってあげるから」
三人は顔を見合せ、話し掛けてきた年配女性が急に相談に乗ると言ったことを不思議に思った。
レラは満腹になったことで眠気がさし、のんきに一人大きなあくびをしていた。
「早くおいで。それとも明日も同じ表情でいたいのかい?」
話し掛けてきた年配女性に対して、危険な感じはしなかったので、付いて行ってみることにした。
「毎日二人分を用意するんだから感心だよ。わたしに息子がいたら嫁に欲しいところだ」
「そんな…前に仕事で食事を作っていたので、慣れているだけです」
「貴族のお屋敷でメイドをしていたんだっけ?」
「はい。皆さんとても優しく良い方々なんです。同僚の皆も明るくて」
「そんな貴族もいるんだね。わたしは貴族なんて、着飾って威張ってる嫌な連中しか知らない。こうして小さい自分の店を持つと決めたのも、そういった連中が身に付ける物ばかり作りたくなかったからなのよ」
「以前は貴族の物を専門に作ってたの?」
アレナリアがパフに質問する。
「十七年以上前の話だよ。確かに稼ぎは良かったが、好きだったこの仕事が嫌いになりそうだったんで、職場を辞めて自分の店を持ったんだよ。貯金は殆ど無くなったけどね」
「職場から引き止められなかったの?」
「止められたわよ。でも嫌々やったところで、良い物は作れないからね」
「それは確かに」
「その時はわたし以外にも、同じ仕事をしてた同僚が居たから辞められたのよ。そうじゃなかったら、辞めるのは難しかったわ」
「今まで納めてた物が急に作れなくなった。なんて貴族が知ったら、それこそ問題になる」
「ええ」
「でもその同僚は収入が増えたんでしょ」
「わたしに入ってたのを数人で割っても、結構な額になったでしょう」
「収入減って後悔は?」
「まさか。稼ぎが少なくても、わたしは今の暮らしの方が良いわ。一人でも今まで培ってきた技術で暮らして行くには十分。自分で仕事を選べるようにもなって、常連のお客も出来たしね。今となっては店で働く子達の給金を稼がないとならないから、多少大変な仕事も取るようにしてるわ。皆の腕も上がるように、仕事の種類も選んで」
「楽しそうなのは良いけど、その年で半獣人なんて呼ばれてる子達を雇ってるんでしょ。大丈夫なの? この街でも差別はあるんでしょ」
「後悔なんてしてないわよ。ここで働いてる皆は、わたしが自分で連れて来たんだから。大きい工場を追い出されたり、雇ってもらえなかったりした子達をね。さすがに全員は無理だけど、目に留まった子だけでもって。わたしの店だけじゃ無理だけど、知り合いに頼んだだり、他の街の店を紹介したりして」
「愚問だったわ。ごめんなさい」
「気にしてないわ。今の暮らしで満足してるから」
パフは笑顔でアレナリアに答えた。
≪ この日から十二日前 ≫
裁縫と刺繍の街に着いて三日後の朝、ビワがバイアステッチで働きたいと相談してきた。
これまでレラの服を作ったり、傷付いた衣服を直してきたりしたが、技量が足りず自分が納得出来なかったから、この街でもっと腕を磨きたいと。
一晩考えた末に出した答えと、その真剣な表情を見たカズとアレナリアは、ビワの意見を尊重した。
知らない土地で不安な面もあったが、何よりビワ自身が自分から進んでやりたいと言ったのを否定したくはなかった。
「ビワは今よりどれくらい出来るようになれば良いと考えてる?」
「手仕事(裁縫手芸)を一通り。皆の着る物を、私が全部作れるくらいにはなりたいです。そうすればこれから先の旅では、着る物に困ることはないと思いまして」
「ビワなりに考えてたのね」
「私に今出来るのは、食事の支度をすることくらいしかないので」
「俺としては十分なんだけど、ビワがそう決めたなら良いよ」
「一通り出来るようになるって言っても、どれくらい掛かるの? 十日や二十日じゃ無理よね」
「小さいとはいえレラの服は作れるんだから、早くても三ヶ月か半年……いやもっとか?」
「それだとかなりここに滞在することになるわね」
自分が我が儘を言ったせいだとビワは反省をし、今のはなしにしようと口を開く。
「旅を長い間中断させてしまうので、やっぱりやめ─」
「まあまあ、とりあえず働ける所を探してみよう」
「…はい」
カズとアレナリアは商業ギルドに行くか、直接仕事場を回るか二人で話しだす。
その時ビワは顔を伏せ、耳を垂らしてしょぼんと申し訳なさそうにする。
レラはそんなビワの正面に周り、その顔を覗き込む。
「顔上げて二人を見なよビワ」
レラに言われてゆっくりと顔を上げ、カズとアレナリアの表情を見た。
すると二人が真剣ながらも嬉しそうに、ビワの為になる仕事場を探す相談をしていた。
「あ…あの……」
「あ、ごめんごめん。俺とアレナリアで決めても駄目だよな。肝心のビワにどんな所がいいか聞かないと」
「そうよカズ」
「ご迷惑じゃ……」
「ビワがやりたいことが出来たんだから、良いことじゃないか。一年滞在したって構わないさ」
「そうよ。帝都に着いたら、情報を集めるのに、それくらい滞在するかも知れなかったんだから。それが少し手前の街でも構わないわよ」
「あ…ありがとうてございます」
「! ちょ、ビワ。なんで泣いて」
カズは涙ぐむビワを見て、おろおろする。
「ビワは嬉しいのよ。ね」
「…はい」
「さあ、ビワの仕事探しに行くわよ」
アレナリアがビワを引っ張り、カズとレラはそれに付いて宿屋を出る。
冒険者ギルドに登録して活動していることを考えたアレナリアは、商業ギルドに行っても良い職場を斡旋してくれる可能性は低いと考え、小規模な工場や個人店に直接交渉を行うことを決め、カズもそれに賛成した。
やる気になっているカズとアレナリアに気圧されて、職場探しを二人に任せるかたちになった。
ビワの技術向上を目的としていたので、手当たり次第にあたることはしなかった。
大きな工場は作業工程を分けているため、短期間では一つのことしか覚えることが出来ない。
それがビワにとってプラスになるかは、働いてみないことには不明だったため、ビワと相談しつつ小さな店を回ることにした。
一軒…三軒…八軒と、日が暮れるまで多くの店を回ったが、良い返事はもらえなかった。
正直に旅をしているから、長くても一年しか働けないと言えば当然雇ってはもらえない。
中には冷やかしや、何処かの回し者かと怒鳴る者さえいた。
意気揚々と探しに出た結果がこれだ。
確かに相手の言っていることは間違ってない。
やはり考えが甘かったと、カズとアレナリアは反省する。
「明日商業ギルドに言って聞いてみましょう。駄目なら冒険者ギルドの方で、依頼として出てるか。期待は出来ないけど」
「私の考えがズルかったんですね。皆の為になればとそればかり」
「そん……それも一理あるわね。技術だけを教えてなんて、そんな都合の良い話があるはずないわ。どちらかと言えば、こちらがお金を払って教えてもらわないといけない立場よね」
「そうだよなぁ。自分が欲してる技術なら、アレナリアの言うようにお金を払わないと。俺も早計だった」
「そうね。先走って空回りしちゃったわね」
「やっぱり私が……ごめんなさい」
自分が働きたいと余計なことを言ったからだと、ビワは塞ぎこんでしまう。
「ビワのせいじゃない。俺とアレナリアがもっとしっかり考えなかったから……」
飲食店で食事をしながら今日の反省会をした三人は、食後暗く落ち込んだ表情のまま店を出た。
「ちょっとあんたら」
カズ達は声を掛けてきた方に振り返ると、そこには飲食店で後ろの席に座り食事をしていた年配の女性の姿が。
「何かようですか?」
「短期の仕事を探してるのかい?」
「縫い物の技術を上げる為に、どこかで働きながらと」
「あぁ、それでかい。……ちょっと付いておいで」
「あの、どこへ?」
「いいから来なさい。相談に乗ってあげるから」
三人は顔を見合せ、話し掛けてきた年配女性が急に相談に乗ると言ったことを不思議に思った。
レラは満腹になったことで眠気がさし、のんきに一人大きなあくびをしていた。
「早くおいで。それとも明日も同じ表情でいたいのかい?」
話し掛けてきた年配女性に対して、危険な感じはしなかったので、付いて行ってみることにした。
4
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
碧天のノアズアーク
世良シンア
ファンタジー
両親の顔を知らない双子の兄弟。
あらゆる害悪から双子を守る二人の従者。
かけがえのない仲間を失った若き女冒険者。
病に苦しむ母を救うために懸命に生きる少女。
幼い頃から血にまみれた世界で生きる幼い暗殺者。
両親に売られ生きる意味を失くした女盗賊。
一族を殺され激しい復讐心に囚われた隻眼の女剣士。
Sランク冒険者の一人として活躍する亜人国家の第二王子。
自分という存在を心底嫌悪する龍人の男。
俗世とは隔絶して生きる最強の一族族長の息子。
強い自責の念に蝕まれ自分を見失った青年。
性別も年齢も性格も違う十三人。決して交わることのなかった者たちが、ノア=オーガストの不思議な引力により一つの方舟へと乗り込んでいく。そして方舟はいくつもの荒波を越えて、飽くなき探究心を原動力に世界中を冒険する。この方舟の終着点は果たして……
※『side〇〇』という風に、それぞれのキャラ視点を通して物語が進んでいきます。そのため主人公だけでなく様々なキャラの視点が入り混じります。視点がコロコロと変わりますがご容赦いただけると幸いです。
※一話ごとの字数がまちまちとなっています。ご了承ください。
※物語が進んでいく中で、投稿済みの話を修正する場合があります。ご了承ください。
※初執筆の作品です。誤字脱字など至らぬ点が多々あると思いますが、温かい目で見守ってくださると大変ありがたいです。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる