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四章 異世界旅行編 3 セテロン国
399 至極のプリン
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アレナリアが就寝前に、カズが使ったトレカについて聞いてき。
「アレナリアがワイバーンを相手にした時に、マルチプルって使ったろ。それと似た効果のトレカがあったのを思い出したもんで、それを使ったんだ」
「トレ…カズだけが持ってるカードね」
「今回はロボット系のトレカなんだけど、魔法と組み合わせることが出来るのわかったから、色々と使える幅が広がりそうだ(消滅するのはちょっとキツいが、アーティファクトの古書に記載されてくれるから、一度使えば同じトレカを使わなくて済む。そこはいいんだけど、かならずしじゃないんだよなぁ)」
「ロボット?」
「なんというか、人が乗って動かせるゴーレムみたいなもの。かな?」
「へぇ~。それにしてもあの数を追尾して攻撃出来るなんて、カズの持つカードはどうなってるの?」
「俺に言われてもわからん。実際に書かれてる内容と大きく変わってしまう物もあるから」
あきれた様子のアレナリアだったが、カズの持つトレカに興味を引かれていた。
今度色々と見せてもらおうと考えていた。
◇◆◇◆◇
この日も宿屋の調理場を借りた。
ビワが主になり、カズとレラが手伝いクッキーとプリン作りをする。
アレナリアは一人でギルドに行き、コロコロ鳥の産み立て卵を渡した報酬を貰う。
報酬自体は微々たる金額だが、パーティーとしての受けたので、レラとビワのギルドカードの有効期限が更新された。
「それで、ここからはどう行けばいいの?」
アレナリアは報酬を受け取ると、帝都までの道をギルド職員に聞く。
「街の東へ道なりに行きますと、山と山の間に作られた国境の検問所が見えますので、そこを通り抜けて少し行った所に街があります。そこから馬車がて出ます。検問所までは徒歩で五日から七日は掛かるかと」
「国境? ここは帝国じゃないの? まだセテロンなの?」
大峡谷を越えた事でセテロン国を抜け、帝国に入ったのではと思っていたアレナリアは、受付の女性に尋ねた。
「テクサイス帝国で間違いはないんですが、大峡谷を越えての入国場所は幾つもありまして、国への出入りを検問する場所は少し離れてるんです。何せセテロン国には治安などの問題がありますから。近々……」
「あーちょっと、君……」
「近々? 何?」
「あ、いえ、なんでもありません。少々失礼いたします」
何か重要な事を言いかけた受付の女性は、後方に座っていた上司呼ばれて一旦席を離れる。
小声で注意をされたらしく、上司の職員に頭を下げていた。
しょぼんとした女性職員は、二分程でアレナリアの居る受付に戻ってくる。
「えっと、パーティー〝ユウヒの片腕〟のギルドカードが更新されました。レラ様とビワ様はまだランクが低いので、引き続き依頼を受けて更新がギリギリになりませんようお伝えください」
「わかってるわ。それよりさっきの話しなんだけど、近々セテロンで何かあるの?」
「いえ、何もありません。機密事項ですから」
「そう、ならいいわ(機密事項って言ってるじゃない。ギルドの上層部か、国が動いてるってことかしら)」
用事を済ませたアレナリアは、宿屋のへと戻る。
一方宿屋の厨房では、ビワとレラの二人でクッキーとプリン作りをしてた。
カズはというと、作り溜めしておこうという話になり、小麦粉などの材料を買い出ていた。
セカンドキャニオンで買っておいた材料を使い、第一陣のクッキーを焼きに入ると、カズが買い物にから戻ってくる。
クッキーが焼き上がるまで、今買ってきた材料を使い、こねこねして三人でクッキー生地を作る。
「型が売ってたから一緒買ってきた。これで使えば均等に出来るよ」
丸と三角形と四角の型を使い、レラに型を抜かせる。
その間に第一陣のクッキーが焼き上がり、それぞれ一個ずつ味見をする。
前日カズが作ったびみょ~な味のクッキーより、はるかに香ばしくサクサクとしたクッキーが出来上がった。
「最初からビワに作ってもらえば良かったな」
「今日のは美味しい。あちし満足」
「あ…ありがとう」
照れて嬉しそうにするビワ。
「じゃんじゃん焼いて、じゃんじゃん…」
「は、食べないからな」
「えぇ~。こんなに型抜きしたのに」
「最初に焼いた分だけ。それでも三人で分けたら一人二十個くらいはあるんだぞ」
一瞬不満そうな顔をするレラだったが、この後プリンを作るんだと思うと、その不満は消し飛んだ。
クッキーを減らされた代わりに、プリンをたらふく食べる気でいた。
カズが三人分と言ったのを、まるっきり聞いてない。
自分の分を無くし、三人に割り振り多くしたことに、先ず気付くべきではないのか? レラよ!
この事により出来立てプリンでお腹一杯にするレラの考えは完全に消えた。
と言うより、そもそもクッキーを好きなだけ食べさせてくれる訳でもないのに、プリンをお腹一杯食べれるという根拠が何処から出てきたのか?
第二陣のクッキーが焼き上がる頃にアレナリアが戻り、その後四人で三十個ものプリンを作り上げた。
以前にプリンを作った時の容器を使用したのでそれだけ出来たのだが、アレナリアとレラは正味もっと作って置きたかったとぼやいていた。
容器を買ってくることも出来たが、それだとせっかく手に入ったコロコロ鳥の卵と、ミルキーウッドの樹液が半分以上無くなってしまうので、作る上限を現在ある容器だけと言い聞かせる。
「次の街で作れるかわからないでしょ。だからあと二十個くらい作って置きましょうよ」
「アレナリアに賛成! あちしもそれが良いと思う」
「この先どちらも手に入るか今のところ不明だろ。一度に大量に使ったら、必要な時に無くて後悔することになるんだぞ。それにクッキーだってかなり作ったんだから」
「一人一個じゃあ、十日も持たないよ」
「毎日食べるつもりかよ」
「え、そうだけど」
当たり前のように言うレラ。
「それは、どちらも街で入手出来るようになったらな(それでも毎日はさすがに)」
「そうよレラ。私も毎日食べたいけど、無性にプリンが食べたくなった時に、食べられなかったら嫌でしょ。そこは我慢しましょう。その代わりにクッキーがあるんだから(本音は私も毎日食べたい)」
「確かに。食べたい時に材料すら無くて、いつ食べられるかわからないのは辛い」
「でしょ。とりあえず樹液を使って、プリンが作れるのがわかったから喜ぶべきよ。あとは味ね」
アレナリアの説得で、レラのプリン食べたい病を押さえることが出来た。
「話は決まった。とりあえず今日のプリンは、夕食の後に一個だ。いいな」
まだ若干不満そうではあったが、プリンを食べれるから良しとするレラだった。
そして夕食後に四人は、一個ずつプリンを食べる。
ミルキーウッドの樹液が生クリームのような甘さと、コロコロ鳥の卵の濃厚な黄身と風味が相まって、そして絹のような舌触りが何とも言えず、一口食べた四人は予想外の美味しさに、スプーンを持つ手は止まり無言になった。
だが無言だったのは本の一瞬、っは! とし、四人はスプーンでプリンをすくい、二口目を口に運んぶ。
「うまッ!」
「今まで食べてたプリンより美味しいですね」
「これは危険ね」
「美味しいプリンが危険? 何言ってるのアレナリア?」
「もしこれを誰かに分け与えて、それが貪欲な貴族の耳にでも入ったら……」
「作り方を知ってる俺達を、狙って来る可能性は高いな」
「もし作り方が広まって同じものが作れるようになると、卵を産むコロコロ鳥が各地で乱獲され、ミルキーウッドを独占しようとする連中も出てくるでしょう。そういうことよ、わかったレラ」
うんうんと頭を大きく縦に動かし、アレナリアが危険だと言った理由をレラは理解する。
「プリンを人前で食べないのは当然だが、プリンと言わないようにも気を付けよう。特にレラ」
「わ、わかってるもん」
「似たデザートが帝都にでもあれば、もし見られたとしても誤魔化せるだろが」
帝国に滞在する間は、プリンのことは四人だけの秘密とした。
食後アレナリアから帝国に入る検問所が、徒歩で五日から七日程掛かる場所にあると聞いた。
カズもアレナリアと同じく、セテロンを抜けてなかったのかと疑問に思っていると、ギルドで聞いたことをアレナリアは三人に話し伝えた。
「そういうことか。帝国の検問所……」
「何か気になることでも?」
「レラの変装がバレなければと思ってさ」
帝国が作り出した魔道具で、アレナリアのイリュージョンが見抜かれなければと、カズは懸念していた。
「その時はその時で、帝国の守護者様の名前を使わせてもらいましょうよ。こんな時こそ役になってもらわないと」
「それもそうだな。それで穏便に済むようなら、ハイロさんの名前を使わさせてもらおう(あぁ……そんな大層な称号持ってたっけ。ここまで何の役にも立ってないけど。迷惑ばかりで)」
フギ国のキ町からかなり離れた場所で、大して役に立たないと思われてることなど、露知らずのハイロだった。
翌日セカンドキャニオンの街を出発する決めた四人は、ハーブティー内から暖炉で外から身体を暖めて就寝した。
◇◆◇◆◇
セカンドキャニオンの街を出発し、ギルドの受付職員から聞いた雪道を、無理せず徒歩で移動すること八日、帝国が設けた一行は検問所に到着した。
パーティーの代表として、カズがギルドカードを提示した。
パーティーを組んでいるなら、他のメンバーのギルドカードも提示するように言われたので、アレナリア、ビワ、レラの三人のギルドカードも提示した。
レラがフェアリーであることがバレたのかと、四人は一瞬ヒヤッとするが、何事もなかった。
ただ気のせいなのかも知れないが〝ユウヒの片腕〟……? と、検問をした国の兵士が呟いていたように、カズには聞こえていた。
だが何事もなく、一行は無事に国境の検問所を通り抜ける事ができ、正式にテクサイス帝国に入った。
「アレナリアがワイバーンを相手にした時に、マルチプルって使ったろ。それと似た効果のトレカがあったのを思い出したもんで、それを使ったんだ」
「トレ…カズだけが持ってるカードね」
「今回はロボット系のトレカなんだけど、魔法と組み合わせることが出来るのわかったから、色々と使える幅が広がりそうだ(消滅するのはちょっとキツいが、アーティファクトの古書に記載されてくれるから、一度使えば同じトレカを使わなくて済む。そこはいいんだけど、かならずしじゃないんだよなぁ)」
「ロボット?」
「なんというか、人が乗って動かせるゴーレムみたいなもの。かな?」
「へぇ~。それにしてもあの数を追尾して攻撃出来るなんて、カズの持つカードはどうなってるの?」
「俺に言われてもわからん。実際に書かれてる内容と大きく変わってしまう物もあるから」
あきれた様子のアレナリアだったが、カズの持つトレカに興味を引かれていた。
今度色々と見せてもらおうと考えていた。
◇◆◇◆◇
この日も宿屋の調理場を借りた。
ビワが主になり、カズとレラが手伝いクッキーとプリン作りをする。
アレナリアは一人でギルドに行き、コロコロ鳥の産み立て卵を渡した報酬を貰う。
報酬自体は微々たる金額だが、パーティーとしての受けたので、レラとビワのギルドカードの有効期限が更新された。
「それで、ここからはどう行けばいいの?」
アレナリアは報酬を受け取ると、帝都までの道をギルド職員に聞く。
「街の東へ道なりに行きますと、山と山の間に作られた国境の検問所が見えますので、そこを通り抜けて少し行った所に街があります。そこから馬車がて出ます。検問所までは徒歩で五日から七日は掛かるかと」
「国境? ここは帝国じゃないの? まだセテロンなの?」
大峡谷を越えた事でセテロン国を抜け、帝国に入ったのではと思っていたアレナリアは、受付の女性に尋ねた。
「テクサイス帝国で間違いはないんですが、大峡谷を越えての入国場所は幾つもありまして、国への出入りを検問する場所は少し離れてるんです。何せセテロン国には治安などの問題がありますから。近々……」
「あーちょっと、君……」
「近々? 何?」
「あ、いえ、なんでもありません。少々失礼いたします」
何か重要な事を言いかけた受付の女性は、後方に座っていた上司呼ばれて一旦席を離れる。
小声で注意をされたらしく、上司の職員に頭を下げていた。
しょぼんとした女性職員は、二分程でアレナリアの居る受付に戻ってくる。
「えっと、パーティー〝ユウヒの片腕〟のギルドカードが更新されました。レラ様とビワ様はまだランクが低いので、引き続き依頼を受けて更新がギリギリになりませんようお伝えください」
「わかってるわ。それよりさっきの話しなんだけど、近々セテロンで何かあるの?」
「いえ、何もありません。機密事項ですから」
「そう、ならいいわ(機密事項って言ってるじゃない。ギルドの上層部か、国が動いてるってことかしら)」
用事を済ませたアレナリアは、宿屋のへと戻る。
一方宿屋の厨房では、ビワとレラの二人でクッキーとプリン作りをしてた。
カズはというと、作り溜めしておこうという話になり、小麦粉などの材料を買い出ていた。
セカンドキャニオンで買っておいた材料を使い、第一陣のクッキーを焼きに入ると、カズが買い物にから戻ってくる。
クッキーが焼き上がるまで、今買ってきた材料を使い、こねこねして三人でクッキー生地を作る。
「型が売ってたから一緒買ってきた。これで使えば均等に出来るよ」
丸と三角形と四角の型を使い、レラに型を抜かせる。
その間に第一陣のクッキーが焼き上がり、それぞれ一個ずつ味見をする。
前日カズが作ったびみょ~な味のクッキーより、はるかに香ばしくサクサクとしたクッキーが出来上がった。
「最初からビワに作ってもらえば良かったな」
「今日のは美味しい。あちし満足」
「あ…ありがとう」
照れて嬉しそうにするビワ。
「じゃんじゃん焼いて、じゃんじゃん…」
「は、食べないからな」
「えぇ~。こんなに型抜きしたのに」
「最初に焼いた分だけ。それでも三人で分けたら一人二十個くらいはあるんだぞ」
一瞬不満そうな顔をするレラだったが、この後プリンを作るんだと思うと、その不満は消し飛んだ。
クッキーを減らされた代わりに、プリンをたらふく食べる気でいた。
カズが三人分と言ったのを、まるっきり聞いてない。
自分の分を無くし、三人に割り振り多くしたことに、先ず気付くべきではないのか? レラよ!
この事により出来立てプリンでお腹一杯にするレラの考えは完全に消えた。
と言うより、そもそもクッキーを好きなだけ食べさせてくれる訳でもないのに、プリンをお腹一杯食べれるという根拠が何処から出てきたのか?
第二陣のクッキーが焼き上がる頃にアレナリアが戻り、その後四人で三十個ものプリンを作り上げた。
以前にプリンを作った時の容器を使用したのでそれだけ出来たのだが、アレナリアとレラは正味もっと作って置きたかったとぼやいていた。
容器を買ってくることも出来たが、それだとせっかく手に入ったコロコロ鳥の卵と、ミルキーウッドの樹液が半分以上無くなってしまうので、作る上限を現在ある容器だけと言い聞かせる。
「次の街で作れるかわからないでしょ。だからあと二十個くらい作って置きましょうよ」
「アレナリアに賛成! あちしもそれが良いと思う」
「この先どちらも手に入るか今のところ不明だろ。一度に大量に使ったら、必要な時に無くて後悔することになるんだぞ。それにクッキーだってかなり作ったんだから」
「一人一個じゃあ、十日も持たないよ」
「毎日食べるつもりかよ」
「え、そうだけど」
当たり前のように言うレラ。
「それは、どちらも街で入手出来るようになったらな(それでも毎日はさすがに)」
「そうよレラ。私も毎日食べたいけど、無性にプリンが食べたくなった時に、食べられなかったら嫌でしょ。そこは我慢しましょう。その代わりにクッキーがあるんだから(本音は私も毎日食べたい)」
「確かに。食べたい時に材料すら無くて、いつ食べられるかわからないのは辛い」
「でしょ。とりあえず樹液を使って、プリンが作れるのがわかったから喜ぶべきよ。あとは味ね」
アレナリアの説得で、レラのプリン食べたい病を押さえることが出来た。
「話は決まった。とりあえず今日のプリンは、夕食の後に一個だ。いいな」
まだ若干不満そうではあったが、プリンを食べれるから良しとするレラだった。
そして夕食後に四人は、一個ずつプリンを食べる。
ミルキーウッドの樹液が生クリームのような甘さと、コロコロ鳥の卵の濃厚な黄身と風味が相まって、そして絹のような舌触りが何とも言えず、一口食べた四人は予想外の美味しさに、スプーンを持つ手は止まり無言になった。
だが無言だったのは本の一瞬、っは! とし、四人はスプーンでプリンをすくい、二口目を口に運んぶ。
「うまッ!」
「今まで食べてたプリンより美味しいですね」
「これは危険ね」
「美味しいプリンが危険? 何言ってるのアレナリア?」
「もしこれを誰かに分け与えて、それが貪欲な貴族の耳にでも入ったら……」
「作り方を知ってる俺達を、狙って来る可能性は高いな」
「もし作り方が広まって同じものが作れるようになると、卵を産むコロコロ鳥が各地で乱獲され、ミルキーウッドを独占しようとする連中も出てくるでしょう。そういうことよ、わかったレラ」
うんうんと頭を大きく縦に動かし、アレナリアが危険だと言った理由をレラは理解する。
「プリンを人前で食べないのは当然だが、プリンと言わないようにも気を付けよう。特にレラ」
「わ、わかってるもん」
「似たデザートが帝都にでもあれば、もし見られたとしても誤魔化せるだろが」
帝国に滞在する間は、プリンのことは四人だけの秘密とした。
食後アレナリアから帝国に入る検問所が、徒歩で五日から七日程掛かる場所にあると聞いた。
カズもアレナリアと同じく、セテロンを抜けてなかったのかと疑問に思っていると、ギルドで聞いたことをアレナリアは三人に話し伝えた。
「そういうことか。帝国の検問所……」
「何か気になることでも?」
「レラの変装がバレなければと思ってさ」
帝国が作り出した魔道具で、アレナリアのイリュージョンが見抜かれなければと、カズは懸念していた。
「その時はその時で、帝国の守護者様の名前を使わせてもらいましょうよ。こんな時こそ役になってもらわないと」
「それもそうだな。それで穏便に済むようなら、ハイロさんの名前を使わさせてもらおう(あぁ……そんな大層な称号持ってたっけ。ここまで何の役にも立ってないけど。迷惑ばかりで)」
フギ国のキ町からかなり離れた場所で、大して役に立たないと思われてることなど、露知らずのハイロだった。
翌日セカンドキャニオンの街を出発する決めた四人は、ハーブティー内から暖炉で外から身体を暖めて就寝した。
◇◆◇◆◇
セカンドキャニオンの街を出発し、ギルドの受付職員から聞いた雪道を、無理せず徒歩で移動すること八日、帝国が設けた一行は検問所に到着した。
パーティーの代表として、カズがギルドカードを提示した。
パーティーを組んでいるなら、他のメンバーのギルドカードも提示するように言われたので、アレナリア、ビワ、レラの三人のギルドカードも提示した。
レラがフェアリーであることがバレたのかと、四人は一瞬ヒヤッとするが、何事もなかった。
ただ気のせいなのかも知れないが〝ユウヒの片腕〟……? と、検問をした国の兵士が呟いていたように、カズには聞こえていた。
だが何事もなく、一行は無事に国境の検問所を通り抜ける事ができ、正式にテクサイス帝国に入った。
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