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四章 異世界旅行編 3 セテロン国
380 乗船
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カズは黙って去ろうとする男の腕を掴みひねりあげた。
男がスリ盗ったのは、カズが表向き用に使ってる財布。
毎回お金をアイテムボックスから直接出すのも変だとアレナリアに言われ、どこにでもある折り畳みの革財布を使うように渡されていた。
財布自体はフギ国のキ町で渡されていたが、使い慣れるまで時間が掛かり、ホタテ街で買い物する頃になって、ようやく自然に財布からお金を出すことが出来るようになっていた。
ちなみに財布の中身は銀貨十数枚程度しか入ってなかったが、アレナリアに貰った大切な財布を、スリなんかに容易くくれてやる気はさらさらなかった。
カズが財布を取り戻し、ひねりあげた手を離すと、男は振り返りもせず人を掻き分け逃げ去った。
「大丈夫カズ?」
「気を付けないと。スリが多いみたいだ」
「船代が高いからね。そのお金を狙ってくるのよ。あわよくば、乗船券を奪おうとしてるのかも」
「だな。さてと、船も見たし、乗船券を買いに戻るか(さっきの冒険者が言ってた貨物船は停まってなかったな)」
「そうね。それでどれに乗るの?」
「この国での旅は疲れたから、贅沢してあの大船スカイクラウドのに乗ろうか?」
「カズが贅沢して良いって。どうする?」
アレナリアはレラとビワの意見を聞く。
「私はカズさんにお任せします」
「いつもそうね。たまには欲を出して良いのよ。まあいいわ。で、レラは?」
「あちし? あちしは……あの小さいのでいい」
レラが指差したのは、一番安い渡船だった。
「あれでいいの? 大きい方でもカズは良いって言ってるわよ」
「どうせお金持ちの商人や貴族が多いんでしょ。今そんな人達と一緒の船でなんて行きたくないよ。どうせ面倒臭い貴族とかいるんでしょ」
「確かにな。なら一番安い渡船にするとして、あとは大部屋か個室にするか」
「あちしは…外でいい。個室だって静かじゃないでしょ。どうせ大部屋の声が漏れてくるんだから」
カズとアレナリアとビワの三人は視線を交差させ、珍しく的を得たことを言うレラの意見を聞き入れることにした。
そんなレラはホースの死から一日が経過してもなお感傷に浸っている。
「まあ、そうだな。寒いから甲板に出てる人も少ないだろ(これくらいなら、コートを着てれば大丈夫。あとは渡りきるまで時間がどれくらい掛かるかだ)」
渡船の甲板から外を眺めながら大峡谷を渡るのもまた一興なのかも知れない。
一行は乗船券を買いに、さっきの売り場に戻る。
乗船券を買い求める列の最後尾に並び、順番が来るのを待つ。
窓口は五ヶ所あり、三ヶ所が開き販売をしている。
一ヶ所の窓では、今の全所持金で売ってくれと騒ぐ商人がいた。
大峡谷を越えれば、店から足りなかった分の代金を上乗せして払うからと、販売員を説得している。
もう一ヶ所の窓口では、全身を叩き周りを見渡し青ざめる男がいた。
おそらくはスリにあって、所持金を盗まれたのであろう。
両者共に窓口の前から中々動こうとせず、販売員が合図をすると、売り場の建物からセテロンの兵士が出て来て、邪魔な二人を窓口の前から引き剥がした。
「金が無ければ出直せ!」
商人はこぼれ落ちたお金を拾い、トボトボと売り場から離れていった。
「これ以上ここに居るなら捕まえるぞ!」
所持金を無くした青ざめた男は、その兵士に盗まれたお金を探してくれとすがり付き頼むが、まるっきり相手にされない。
「しつこいぞッ!」
鬱陶しく感じた兵士は、しつこく懇願する男を蹴り飛ばし、倒れたところを何度も踏みつける。
兵士は売り場に合図を送ると、建物からもう一人兵士が縄を持ち出てきた。
「コイツはあそこに連れて行く」
薄ら笑いを浮かべる兵士二人を、うずくまりながら横目で見た男は、急に起き上がり全力で走ってその場を離れた。
「くそッ、逃げやがった」
走って逃げた男を追うことはせず、兵士は舌打ちをして売り場の建物に戻っていく。
途中蹴り飛ばされた男を助け起こすことくらいは出来たが、帝国目前で兵士相手に波風立てることはないと、カズは周りの人々と同じく見て見ぬふりをした。
面倒事を起こさないようにとはいえ、あまり気分の良いことではないと実感する。
売り場の窓口が三ヶ所使えるようになったことで、すぐにカズ達の順番が回ってきた。
話して決めたよう乗船券だけにしようとしたが、甲板で何かあったら大変だと、カズは大部屋料金を人数分払った。
乗船券を受け取る際に販売員から、乗る渡船は三日後の船だと言われた。
渡船で大峡谷をわたる所要時間は、八時間程掛かるそうだった。
カズは販売員から聞かされたことを三人に伝え、三日後の船を待つため、新たな宿屋を探しに売り場から移動する。
「せっかく買った乗船券を、すられたりしないでね」
「アイテムボックスに入れてあるから」
「そう。なら大丈夫ね」
「さっきの方…かわいそうでしたね」
「仕方ないわよビワ。出て来た兵士の対応を見る限り、ああいう事がよくありそうよ。下手に助けでもしたら、目をつけられるのはこっち。それに一人助けたら、同じ様な目にあった人が集まって来るわ。哀れんでくれと言わんばかりに」
「分かってます……」
「ここがそういう所なら、私達が一人や二人助けたところでなにも変わらないわ。上が…国が変わらないと」
「あと数日外を歩けば、同じ様なのを見るかと思うよ。乗る渡船が出る日まで、宿からなるべく出ないようにする? その方が危険も少ないだろうし」
「レラの状態もあるから、それが良いかもね。三日宿に籠るなら、少しは広い所を探しましょう」
前日の宿屋よりも、ランクの高い宿屋を探し泊まった。
引きこもること三日後、ようやくが船が出港する日になった。
この三日食事は残り少ない材料を使い宿屋で済ませ、四人は三日間宿屋から出ることはなかった。
乗る渡船の出港時間に余裕で間に合うよう、乗船場所に向かう。
何度もスリにあいそうになるが、目付きやその動きから狙って来るのは分かっていたので、ビワとレラを庇い狙われないようにし、自分を狙って来た相手は全て回避した。
アレナリアもスリに狙われたが、そこはそれなりの実力者だけあり、すれ違いざまにスリから伸びる手を叩き軽くあしらっていた。
三日前に船を見に来た乗船場所へと着き、大部屋に入ることの出来る四人分の乗船券を船員に見せ渡船に乗る。
まだ出港前には早く、渡船の乗客は少なかった。
渡船の甲板から乗船場所を見ていると、周囲をキョロキョロと見て、落ち着きのない者が数人。
明らかに乗船券を狙うスリだ。
乗船券を持つ用心深い者は、乗船場所に着くとすぐに船に乗る。
もしくは乗船場所近くで周囲を警戒しつつ、出港時間ギリギリまで待っているだろう。
自分は船に乗れると、乗船場所で余裕をもって出港時間まで待っている者をスリは狙う。
高速船スカイエアーと大船スカイクラウドの乗客を、余程の馬鹿でなければ狙ったりはしない。
大抵は護衛が付いているため狙うことはない。
もし例えスリに成功して乗船したとしても、高速船スカイエアーや大船スカイクラウドの乗客は豪商や貴族が殆ど。
従者の一人や二人、次の船で来させればいいだけのこと。
以前に大船スカイクラウドの乗船券をスリ盗って乗船した愚か者が、元の持ち主の護衛に大峡谷へ投げ落とされたとのウワサも。
アレナリアに乗船したからと油断しないようにとカズは言い、乗船場所から大峡谷に浮かぶ船に目を移して《鑑定》を使用する。
カズは船がどう浮かぶか予想はしていたが、それは残念ながら外れていた。
全ての船に魔力は帯びているものの、船の底から魔力を放出して浮いているわけではなかった。
だったらどうやって浮いているのか?
船からは不思議な魔素の感じはするが、船内部にあるため詳しくは分からない。
船の移動に関しては、風属性の魔法が推進力になっていると、カズは予測した。
ただし渡船に関しては帆を立てる柱があるため、風を受けての移動が主な推進力の古い型だと見て分かる。
ゆえに移動速度が安定せず、他の二隻に比べて緊急時の安全性に欠けるものだと思えた。
男がスリ盗ったのは、カズが表向き用に使ってる財布。
毎回お金をアイテムボックスから直接出すのも変だとアレナリアに言われ、どこにでもある折り畳みの革財布を使うように渡されていた。
財布自体はフギ国のキ町で渡されていたが、使い慣れるまで時間が掛かり、ホタテ街で買い物する頃になって、ようやく自然に財布からお金を出すことが出来るようになっていた。
ちなみに財布の中身は銀貨十数枚程度しか入ってなかったが、アレナリアに貰った大切な財布を、スリなんかに容易くくれてやる気はさらさらなかった。
カズが財布を取り戻し、ひねりあげた手を離すと、男は振り返りもせず人を掻き分け逃げ去った。
「大丈夫カズ?」
「気を付けないと。スリが多いみたいだ」
「船代が高いからね。そのお金を狙ってくるのよ。あわよくば、乗船券を奪おうとしてるのかも」
「だな。さてと、船も見たし、乗船券を買いに戻るか(さっきの冒険者が言ってた貨物船は停まってなかったな)」
「そうね。それでどれに乗るの?」
「この国での旅は疲れたから、贅沢してあの大船スカイクラウドのに乗ろうか?」
「カズが贅沢して良いって。どうする?」
アレナリアはレラとビワの意見を聞く。
「私はカズさんにお任せします」
「いつもそうね。たまには欲を出して良いのよ。まあいいわ。で、レラは?」
「あちし? あちしは……あの小さいのでいい」
レラが指差したのは、一番安い渡船だった。
「あれでいいの? 大きい方でもカズは良いって言ってるわよ」
「どうせお金持ちの商人や貴族が多いんでしょ。今そんな人達と一緒の船でなんて行きたくないよ。どうせ面倒臭い貴族とかいるんでしょ」
「確かにな。なら一番安い渡船にするとして、あとは大部屋か個室にするか」
「あちしは…外でいい。個室だって静かじゃないでしょ。どうせ大部屋の声が漏れてくるんだから」
カズとアレナリアとビワの三人は視線を交差させ、珍しく的を得たことを言うレラの意見を聞き入れることにした。
そんなレラはホースの死から一日が経過してもなお感傷に浸っている。
「まあ、そうだな。寒いから甲板に出てる人も少ないだろ(これくらいなら、コートを着てれば大丈夫。あとは渡りきるまで時間がどれくらい掛かるかだ)」
渡船の甲板から外を眺めながら大峡谷を渡るのもまた一興なのかも知れない。
一行は乗船券を買いに、さっきの売り場に戻る。
乗船券を買い求める列の最後尾に並び、順番が来るのを待つ。
窓口は五ヶ所あり、三ヶ所が開き販売をしている。
一ヶ所の窓では、今の全所持金で売ってくれと騒ぐ商人がいた。
大峡谷を越えれば、店から足りなかった分の代金を上乗せして払うからと、販売員を説得している。
もう一ヶ所の窓口では、全身を叩き周りを見渡し青ざめる男がいた。
おそらくはスリにあって、所持金を盗まれたのであろう。
両者共に窓口の前から中々動こうとせず、販売員が合図をすると、売り場の建物からセテロンの兵士が出て来て、邪魔な二人を窓口の前から引き剥がした。
「金が無ければ出直せ!」
商人はこぼれ落ちたお金を拾い、トボトボと売り場から離れていった。
「これ以上ここに居るなら捕まえるぞ!」
所持金を無くした青ざめた男は、その兵士に盗まれたお金を探してくれとすがり付き頼むが、まるっきり相手にされない。
「しつこいぞッ!」
鬱陶しく感じた兵士は、しつこく懇願する男を蹴り飛ばし、倒れたところを何度も踏みつける。
兵士は売り場に合図を送ると、建物からもう一人兵士が縄を持ち出てきた。
「コイツはあそこに連れて行く」
薄ら笑いを浮かべる兵士二人を、うずくまりながら横目で見た男は、急に起き上がり全力で走ってその場を離れた。
「くそッ、逃げやがった」
走って逃げた男を追うことはせず、兵士は舌打ちをして売り場の建物に戻っていく。
途中蹴り飛ばされた男を助け起こすことくらいは出来たが、帝国目前で兵士相手に波風立てることはないと、カズは周りの人々と同じく見て見ぬふりをした。
面倒事を起こさないようにとはいえ、あまり気分の良いことではないと実感する。
売り場の窓口が三ヶ所使えるようになったことで、すぐにカズ達の順番が回ってきた。
話して決めたよう乗船券だけにしようとしたが、甲板で何かあったら大変だと、カズは大部屋料金を人数分払った。
乗船券を受け取る際に販売員から、乗る渡船は三日後の船だと言われた。
渡船で大峡谷をわたる所要時間は、八時間程掛かるそうだった。
カズは販売員から聞かされたことを三人に伝え、三日後の船を待つため、新たな宿屋を探しに売り場から移動する。
「せっかく買った乗船券を、すられたりしないでね」
「アイテムボックスに入れてあるから」
「そう。なら大丈夫ね」
「さっきの方…かわいそうでしたね」
「仕方ないわよビワ。出て来た兵士の対応を見る限り、ああいう事がよくありそうよ。下手に助けでもしたら、目をつけられるのはこっち。それに一人助けたら、同じ様な目にあった人が集まって来るわ。哀れんでくれと言わんばかりに」
「分かってます……」
「ここがそういう所なら、私達が一人や二人助けたところでなにも変わらないわ。上が…国が変わらないと」
「あと数日外を歩けば、同じ様なのを見るかと思うよ。乗る渡船が出る日まで、宿からなるべく出ないようにする? その方が危険も少ないだろうし」
「レラの状態もあるから、それが良いかもね。三日宿に籠るなら、少しは広い所を探しましょう」
前日の宿屋よりも、ランクの高い宿屋を探し泊まった。
引きこもること三日後、ようやくが船が出港する日になった。
この三日食事は残り少ない材料を使い宿屋で済ませ、四人は三日間宿屋から出ることはなかった。
乗る渡船の出港時間に余裕で間に合うよう、乗船場所に向かう。
何度もスリにあいそうになるが、目付きやその動きから狙って来るのは分かっていたので、ビワとレラを庇い狙われないようにし、自分を狙って来た相手は全て回避した。
アレナリアもスリに狙われたが、そこはそれなりの実力者だけあり、すれ違いざまにスリから伸びる手を叩き軽くあしらっていた。
三日前に船を見に来た乗船場所へと着き、大部屋に入ることの出来る四人分の乗船券を船員に見せ渡船に乗る。
まだ出港前には早く、渡船の乗客は少なかった。
渡船の甲板から乗船場所を見ていると、周囲をキョロキョロと見て、落ち着きのない者が数人。
明らかに乗船券を狙うスリだ。
乗船券を持つ用心深い者は、乗船場所に着くとすぐに船に乗る。
もしくは乗船場所近くで周囲を警戒しつつ、出港時間ギリギリまで待っているだろう。
自分は船に乗れると、乗船場所で余裕をもって出港時間まで待っている者をスリは狙う。
高速船スカイエアーと大船スカイクラウドの乗客を、余程の馬鹿でなければ狙ったりはしない。
大抵は護衛が付いているため狙うことはない。
もし例えスリに成功して乗船したとしても、高速船スカイエアーや大船スカイクラウドの乗客は豪商や貴族が殆ど。
従者の一人や二人、次の船で来させればいいだけのこと。
以前に大船スカイクラウドの乗船券をスリ盗って乗船した愚か者が、元の持ち主の護衛に大峡谷へ投げ落とされたとのウワサも。
アレナリアに乗船したからと油断しないようにとカズは言い、乗船場所から大峡谷に浮かぶ船に目を移して《鑑定》を使用する。
カズは船がどう浮かぶか予想はしていたが、それは残念ながら外れていた。
全ての船に魔力は帯びているものの、船の底から魔力を放出して浮いているわけではなかった。
だったらどうやって浮いているのか?
船からは不思議な魔素の感じはするが、船内部にあるため詳しくは分からない。
船の移動に関しては、風属性の魔法が推進力になっていると、カズは予測した。
ただし渡船に関しては帆を立てる柱があるため、風を受けての移動が主な推進力の古い型だと見て分かる。
ゆえに移動速度が安定せず、他の二隻に比べて緊急時の安全性に欠けるものだと思えた。
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