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四章 異世界旅行編 2 トカ国
366 交渉 と 報酬
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カズ達はヤクとアスチルの二人と共に、報告と報酬を貰いに冒険者ギルドへ向かった。
「なんで止めたの。カズだって少しくらいは怒ってるでしょ」
「多少はな。でもアレナリアがあれだけ言ってくれたから(続いて俺まで文句を言ったら、さすがにねぇ)」
「ズルいわよカズ。これじゃ私だけ悪者みたいじゃない」
「今度は俺にかよ。その苦情はハイロさんに向けてくれ。それにダンベさん達の運搬業者は仕事に支障が出てたんだから、その問題を何とかしてくれるって聞けば、飛び付くのは当然だろ」
「まあ、そうね。荷物が盗まれれば信用がなくなり、彼らにとっては死活問題。私の予想してた通り、ハイロが話に出てきたもんで、つい頭にきちゃった」
「分かったらダンベさんのこと、許してやれ」
「分かった。でもハイロのことは許さないから。たっぷりと追加報酬を出させてやる」
冒険者ギルドに着くと、ヤクとアスチルは依頼完了の報告を受付で済ませる。
アレナリアはハイロの名前を出し、個室での報告を要求する。
ギルド職員に案内され、カズ達四人は個室に移動し、報告を聞く職員が来るのを待つ。
カズはアレナリアに言われ、職員が来る前に盗賊が装備していた短剣と手甲と鎧、あとは大きな貝のアーティファクトを【アイテムボックス】から取り出しておいた。
個室に入り五分程すると、受付のまとめ役をしているという年配の男性職員がやって来た。
とりあえずは依頼を受けたカズが運搬依頼で起きた事を報告。
盗賊から回収してきた盗品と、アーティファクトのことはまだ話してない。
カズの報告が終わると、アレナリアが追加報酬の話に移った。
年配の男性職員は渋る様子を見せると、一つため息をつき口を開く。
「運搬依頼だからといって、戦闘をしないわけではないのはBランク冒険者ならお分かりでしょう。今回の場合は運がなかったと、決められた報酬を受け取った方がよろしいかと。ホタテ街とアコヤ街のハイロどのには、一応苦情という形で連絡しておきますので」
「どうしても追加報酬は出せないのね」
「当方のギルドでは……。どうしてもと言うのであれば、依頼主に請求ていただくか、もう一度戻っていただき、依頼を受けたアコヤ街のギルドにご請求ください」
丁寧に説明する年配の男性職員だったが、面倒臭い連中だと思ってるのは、その場の空気でなんとなくカズは気付いた。
「そう、分かったわ。あと、これを調べてもらえるかしら」
盗賊が装備していた盗品を、アレナリアがカズから受け取り年配の男性職員に見せた。
「いったい何を……! 少々失礼いたします」
テーブルの上に並べられた物を見た年配の男性職員は、表情を変え部屋を退室する。
慌てた様子で戻って来ると、持って来た資料と盗品を照らし合わせていく。
照合が終わると、悩みの1つが解決したと言わんばかりのため息をつき、正面に座るカズとアレナリアを見る。
「運搬中に盗まれた物で間違いないです。まさかこんな形で見付かるとは。これで情報収集を含む探索依頼を取り下げることが出来ます。一つ肩の荷が下ります」
安堵の表情を浮かべる年配の男性職員。
「何を言ってるの?」
「何をと仰いますと?」
「肩の荷が下りるってなんのこと?」
「あなた方がお待ちいただいた盗品を、探し求めて依頼を出された持ち主に返還することが出来ると」
「そちらの資料に乗っているのであれば、盗品であってるのでしょう。でもこれをギルドに渡すとは言ってないわよ」
「何を!?」
「私はこれを調べてと言っただけよ」
「言いました通りそれは盗品で、探していた持ち主も居りますので、お渡しいただかないと」
「運搬船の護衛と盗賊の拘束、更に盗品の回収までして追加報酬は無しなのよね」
「それは……」
年配の男性職員は、苦虫を噛みつぶしたような表情をする。
「私達は襲ってきた盗賊を倒して、それを手に入れただけ。盗品の回収なんて受けてないの。だからこれの所有権は私達にあるわけ。違う?」
「た、確かに冒険者なら盗賊を討伐した際に、盗賊が所持していた物の所有権を得ることが出来ますが」
「ええ。だからこれは私達の物であってるわよね」
「……分かりました。ギルドで出していたこれらの情報収集と探索依頼の報酬と、今回の追加報酬も出しますので、どうかこちらの四点をお譲りください」
「いいわ。そこまで言うなら譲りましょう。ただし、ギルドが買い取る。それでいい」
「致し方ありません(こんなことなら初めから渋らず追加報酬を出すんだった)」
「追加報酬の件は、ハイロに請求するのね」
「諸々含め、報告書作成して送ることにします」
「あと一つ」
「まだ何か?」
なんとか盗品が持ち主に戻せそうになって、一安心する年配の男性職員だったが、アレナリアの言葉を聞いて、まだ他に無茶を言われるのではと、生唾を飲む。
「これ以上要求しないから、そう警戒しないで」
アレナリアは霧と幽霊を作り出した大きな貝をドンとテーブルの中央に置いて、盗品云々ではないことを確認さた。
そして濃い霧の中に出現するゴースト騒ぎの原因が、大きな貝のアイテムだということを話した。
アレナリアはギルド職員の目利きのほどを確かめるため、アーティファクトだとは伝えず、引き取るかどうかと尋ねた。
盗品でもなく使用方法も不明なため、ギルドで買い取るとは言わなかった、いや言えなかった。
依頼の報酬と買い取り額を合わせて、かなりの額になってしまったから。
最終的に盗まれた船を取り返した報酬も加わり、ギルドから金貨八百六十枚(860万GL)を受け取ることになった。
離れた所に座り話を聞いていたビワは、次第に顔が引きつっていく年配の男性職員を見て、かわいそうに思っていた。
レラは部屋に入ってすぐ横になり、ビワの膝の上でぐうすかと眠っていた。
報酬を受け取り時に、カズが街道からそれた道を聞いた。
「でしたらここから湖沿いに南下すると川があるので、それに沿っていけば旧街道を通って行けます」
「そうですか。ありがとうございます」
アレナリアが報酬の確認を終えるのを待ち、ギルド出て馬車置き場に向かう。
馬車の所にはヤクとアスチルの二人がカズ達を待っていた。
「お疲れ。報酬の上乗せはうまくいった?」
「ええ。アスチルとヤクはしなくて良かったの?」
「正直アタシらは、運搬の手伝いだけで何もしてないからね」
「ボクなんかずっと寝てて、ゴーストが出たことすら知らなかった。朝気が付いたら、隣でアスチルが白目向いて気絶してるんだから驚いたよ」
「あーもうそれは忘れて」
顔を赤くして、その時のことを思い出すアスチル。
「二人はこれからもどうするんだ?」
「湖を渡れたから、この街に少し留まって、お金を貯めようってヤクと話してたの」
「旅をしながら依頼を探すのも大変だし、それにセテロンは早く通り抜けたいから」
「セテロンて次の国だよね。何かまずいの?」
アスチルとヤクは顔を見合わせると、小声で話し出した。
「セテロンは元々帝国と同盟を組んでいたのは知ってる?」
「大戦前の話ね。あ……そうか、そうよね」
「大戦前に何かあったのか?」
アレナリアは不快に感じた歴史書を思い出し、聞いてきたカズに話す。
「帝国と同盟国だったセテロンの元の国名は、セテロン独立奴隷国。国に住む半分以上が奴隷。大戦時に魔族から国を守る戦力として使われ、世界でも考えられない数の死者を出した国。奴隷を使い、奴隷を他国に売って国の経済を回していた国。大戦で殆どの奴隷を失い、大戦後に帝国の傘下に入る事で国の崩壊を免れた国」
暫し沈黙と重い空気が流れた。
「半分以上が奴隷……そんな国があったのか」
「今でも昔みたいに酷い扱いを受けてる奴隷が多く居るってアタシらは聞いてる。それが急いで抜けたい理由。半獣人だと気付かれたら、奴隷として捕まりかねないからね」
アスチルとヤクはセテロン国に滞在したくない理由を話した。
「だからここでお金を貯めて、早く移動出来る手段を手に入れようって、アスチルと話して決めたんだ」
「皆ともう少し一緒に旅をしたいと思ったけど、次の国はのんびり出来ないから」
「アコヤ街でお金を貯めようとはしなかったの?」
「ギルドで依頼を探してたら、運良く湖を渡る依頼があって、勢いでアスチルが受けちゃったんだ」
「う、うるさいわね。お陰で早く来れたでしょ」
「だから食料を殆ど持ってなかったのか」
「皆には感謝してる。ビワの作ったご飯も美味しかったしね」
「噂のゴーストに遭遇しなければもっと良かったも思ってるんでしょ」
「うっさいヤク! 思い出させるな」
アスチルに背中を強く平手打ちされ、痛さで悶えるヤク。
「アタシらはここから東の街道を通って、できるだけ人口の多い街を通過して最短距離を行くつもり。人が多ければ、アタシらは人族と見分けつかないから」
「そう。気を付けるのね」
「ええ。最後にアタシの知ってるセテロンの情報を教えておくわね」
アスチルの話ではセテロンは南北に長い国で、一番狭い場所なら東西を数日で横断出来るとか出来ないとか。
「曖昧ね。そこが肝心じゃないの」
「ここでお金を貯めながら、情報も集めもするわよ」
「じゃあ私達はもう行くわ。元気でねアスチル。ヤクも」
「皆もね。またどこかで会いましょう」
二人と別れカズは馬車を走らせて、街を出て湖沿いを南に移動する。
次に向かうはテクサイス帝国手前の国セテロン。
「なんで止めたの。カズだって少しくらいは怒ってるでしょ」
「多少はな。でもアレナリアがあれだけ言ってくれたから(続いて俺まで文句を言ったら、さすがにねぇ)」
「ズルいわよカズ。これじゃ私だけ悪者みたいじゃない」
「今度は俺にかよ。その苦情はハイロさんに向けてくれ。それにダンベさん達の運搬業者は仕事に支障が出てたんだから、その問題を何とかしてくれるって聞けば、飛び付くのは当然だろ」
「まあ、そうね。荷物が盗まれれば信用がなくなり、彼らにとっては死活問題。私の予想してた通り、ハイロが話に出てきたもんで、つい頭にきちゃった」
「分かったらダンベさんのこと、許してやれ」
「分かった。でもハイロのことは許さないから。たっぷりと追加報酬を出させてやる」
冒険者ギルドに着くと、ヤクとアスチルは依頼完了の報告を受付で済ませる。
アレナリアはハイロの名前を出し、個室での報告を要求する。
ギルド職員に案内され、カズ達四人は個室に移動し、報告を聞く職員が来るのを待つ。
カズはアレナリアに言われ、職員が来る前に盗賊が装備していた短剣と手甲と鎧、あとは大きな貝のアーティファクトを【アイテムボックス】から取り出しておいた。
個室に入り五分程すると、受付のまとめ役をしているという年配の男性職員がやって来た。
とりあえずは依頼を受けたカズが運搬依頼で起きた事を報告。
盗賊から回収してきた盗品と、アーティファクトのことはまだ話してない。
カズの報告が終わると、アレナリアが追加報酬の話に移った。
年配の男性職員は渋る様子を見せると、一つため息をつき口を開く。
「運搬依頼だからといって、戦闘をしないわけではないのはBランク冒険者ならお分かりでしょう。今回の場合は運がなかったと、決められた報酬を受け取った方がよろしいかと。ホタテ街とアコヤ街のハイロどのには、一応苦情という形で連絡しておきますので」
「どうしても追加報酬は出せないのね」
「当方のギルドでは……。どうしてもと言うのであれば、依頼主に請求ていただくか、もう一度戻っていただき、依頼を受けたアコヤ街のギルドにご請求ください」
丁寧に説明する年配の男性職員だったが、面倒臭い連中だと思ってるのは、その場の空気でなんとなくカズは気付いた。
「そう、分かったわ。あと、これを調べてもらえるかしら」
盗賊が装備していた盗品を、アレナリアがカズから受け取り年配の男性職員に見せた。
「いったい何を……! 少々失礼いたします」
テーブルの上に並べられた物を見た年配の男性職員は、表情を変え部屋を退室する。
慌てた様子で戻って来ると、持って来た資料と盗品を照らし合わせていく。
照合が終わると、悩みの1つが解決したと言わんばかりのため息をつき、正面に座るカズとアレナリアを見る。
「運搬中に盗まれた物で間違いないです。まさかこんな形で見付かるとは。これで情報収集を含む探索依頼を取り下げることが出来ます。一つ肩の荷が下ります」
安堵の表情を浮かべる年配の男性職員。
「何を言ってるの?」
「何をと仰いますと?」
「肩の荷が下りるってなんのこと?」
「あなた方がお待ちいただいた盗品を、探し求めて依頼を出された持ち主に返還することが出来ると」
「そちらの資料に乗っているのであれば、盗品であってるのでしょう。でもこれをギルドに渡すとは言ってないわよ」
「何を!?」
「私はこれを調べてと言っただけよ」
「言いました通りそれは盗品で、探していた持ち主も居りますので、お渡しいただかないと」
「運搬船の護衛と盗賊の拘束、更に盗品の回収までして追加報酬は無しなのよね」
「それは……」
年配の男性職員は、苦虫を噛みつぶしたような表情をする。
「私達は襲ってきた盗賊を倒して、それを手に入れただけ。盗品の回収なんて受けてないの。だからこれの所有権は私達にあるわけ。違う?」
「た、確かに冒険者なら盗賊を討伐した際に、盗賊が所持していた物の所有権を得ることが出来ますが」
「ええ。だからこれは私達の物であってるわよね」
「……分かりました。ギルドで出していたこれらの情報収集と探索依頼の報酬と、今回の追加報酬も出しますので、どうかこちらの四点をお譲りください」
「いいわ。そこまで言うなら譲りましょう。ただし、ギルドが買い取る。それでいい」
「致し方ありません(こんなことなら初めから渋らず追加報酬を出すんだった)」
「追加報酬の件は、ハイロに請求するのね」
「諸々含め、報告書作成して送ることにします」
「あと一つ」
「まだ何か?」
なんとか盗品が持ち主に戻せそうになって、一安心する年配の男性職員だったが、アレナリアの言葉を聞いて、まだ他に無茶を言われるのではと、生唾を飲む。
「これ以上要求しないから、そう警戒しないで」
アレナリアは霧と幽霊を作り出した大きな貝をドンとテーブルの中央に置いて、盗品云々ではないことを確認さた。
そして濃い霧の中に出現するゴースト騒ぎの原因が、大きな貝のアイテムだということを話した。
アレナリアはギルド職員の目利きのほどを確かめるため、アーティファクトだとは伝えず、引き取るかどうかと尋ねた。
盗品でもなく使用方法も不明なため、ギルドで買い取るとは言わなかった、いや言えなかった。
依頼の報酬と買い取り額を合わせて、かなりの額になってしまったから。
最終的に盗まれた船を取り返した報酬も加わり、ギルドから金貨八百六十枚(860万GL)を受け取ることになった。
離れた所に座り話を聞いていたビワは、次第に顔が引きつっていく年配の男性職員を見て、かわいそうに思っていた。
レラは部屋に入ってすぐ横になり、ビワの膝の上でぐうすかと眠っていた。
報酬を受け取り時に、カズが街道からそれた道を聞いた。
「でしたらここから湖沿いに南下すると川があるので、それに沿っていけば旧街道を通って行けます」
「そうですか。ありがとうございます」
アレナリアが報酬の確認を終えるのを待ち、ギルド出て馬車置き場に向かう。
馬車の所にはヤクとアスチルの二人がカズ達を待っていた。
「お疲れ。報酬の上乗せはうまくいった?」
「ええ。アスチルとヤクはしなくて良かったの?」
「正直アタシらは、運搬の手伝いだけで何もしてないからね」
「ボクなんかずっと寝てて、ゴーストが出たことすら知らなかった。朝気が付いたら、隣でアスチルが白目向いて気絶してるんだから驚いたよ」
「あーもうそれは忘れて」
顔を赤くして、その時のことを思い出すアスチル。
「二人はこれからもどうするんだ?」
「湖を渡れたから、この街に少し留まって、お金を貯めようってヤクと話してたの」
「旅をしながら依頼を探すのも大変だし、それにセテロンは早く通り抜けたいから」
「セテロンて次の国だよね。何かまずいの?」
アスチルとヤクは顔を見合わせると、小声で話し出した。
「セテロンは元々帝国と同盟を組んでいたのは知ってる?」
「大戦前の話ね。あ……そうか、そうよね」
「大戦前に何かあったのか?」
アレナリアは不快に感じた歴史書を思い出し、聞いてきたカズに話す。
「帝国と同盟国だったセテロンの元の国名は、セテロン独立奴隷国。国に住む半分以上が奴隷。大戦時に魔族から国を守る戦力として使われ、世界でも考えられない数の死者を出した国。奴隷を使い、奴隷を他国に売って国の経済を回していた国。大戦で殆どの奴隷を失い、大戦後に帝国の傘下に入る事で国の崩壊を免れた国」
暫し沈黙と重い空気が流れた。
「半分以上が奴隷……そんな国があったのか」
「今でも昔みたいに酷い扱いを受けてる奴隷が多く居るってアタシらは聞いてる。それが急いで抜けたい理由。半獣人だと気付かれたら、奴隷として捕まりかねないからね」
アスチルとヤクはセテロン国に滞在したくない理由を話した。
「だからここでお金を貯めて、早く移動出来る手段を手に入れようって、アスチルと話して決めたんだ」
「皆ともう少し一緒に旅をしたいと思ったけど、次の国はのんびり出来ないから」
「アコヤ街でお金を貯めようとはしなかったの?」
「ギルドで依頼を探してたら、運良く湖を渡る依頼があって、勢いでアスチルが受けちゃったんだ」
「う、うるさいわね。お陰で早く来れたでしょ」
「だから食料を殆ど持ってなかったのか」
「皆には感謝してる。ビワの作ったご飯も美味しかったしね」
「噂のゴーストに遭遇しなければもっと良かったも思ってるんでしょ」
「うっさいヤク! 思い出させるな」
アスチルに背中を強く平手打ちされ、痛さで悶えるヤク。
「アタシらはここから東の街道を通って、できるだけ人口の多い街を通過して最短距離を行くつもり。人が多ければ、アタシらは人族と見分けつかないから」
「そう。気を付けるのね」
「ええ。最後にアタシの知ってるセテロンの情報を教えておくわね」
アスチルの話ではセテロンは南北に長い国で、一番狭い場所なら東西を数日で横断出来るとか出来ないとか。
「曖昧ね。そこが肝心じゃないの」
「ここでお金を貯めながら、情報も集めもするわよ」
「じゃあ私達はもう行くわ。元気でねアスチル。ヤクも」
「皆もね。またどこかで会いましょう」
二人と別れカズは馬車を走らせて、街を出て湖沿いを南に移動する。
次に向かうはテクサイス帝国手前の国セテロン。
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