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四章 異世界旅行編 2 トカ国
360 ハイロの思わく と 初めての船酔い
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幽霊船が出る霧の発生する条件、その対処法を冒険者ギルドは模索し、依頼の出し方を決めかねていた。
そのため今回の依頼内容に運搬船の護衛は入ってない、書類上では。
現地で依頼主から内容を聞き、受けるかどうかを本人達に決めさせるやり方をしたのだった。
もし幽霊船が出る霧の発生条件や、正体を暴くことが出来れば、ギルドから追加報酬が貰える裏の設定があったが、冒険者達はそれを知らない。
知っていたら、不確かな情報をあたかも確実な情報として報告し、不当に追加報酬を得ようとする者もいるからだ。
こういった確認が難しいものに関しては、ギルドが信頼のおける高ランク冒険者に頼んだりするのが通常。
だが今回はそれをせず、ハイロがカズにこの運搬依頼をやるように仕向けたのだった。
それを船内で知るのは、運搬責任者のダンベだけ。
カズ達のパーティー名を知っていたのはそのため。
何事もなく無事対岸に着けば、その事を話そうとダンベは決めていた。
何事もなく着けば……。
アコヤ街の港から運搬船が出港した少しあと、冒険者ギルドに湖上に現れる霧につての情報が入り、それはすぐにサブ・ギルドマスターのハイロにも伝えられた。
情報元はアコヤ街から南に数日行った所にある小さな港町、そこで漁師をしている者達からだった。
数名の漁師が沖合で濃い霧を目撃し、大きな帆船らしき影を見たと証言。
漁師達は霧に気付くと急いでその場から離れ、決して近寄らないようにしたと。
霧と帆船らしき影は、東へと移動したとのことだった。
その港町に冒険者ギルドはなく、今もたらされた情報は三日前の早朝の出来事だった。
当日運搬船はアコヤ港のすぐ近くまで来ていたため、霧と接触することはなかった。
なぜなら霧を見たという情報は、ギルドには届いてないからだ。
漁師達の情報が正しければ、カズ達が乗る運搬船が霧に遭遇する確率は高い。
他の運搬船二隻の遭遇は低い、霧が移動した方角と船の向かった方角が違うからだ。
これでこの問題の対処法が分かればと、ハイロはカズに期待をしていた。
もし解決でもしてくれれば、このキリキリとする胃の痛みが無くなってくれていいのだか、と。
グリズが付けた〝ユウヒの片腕〟というパーティー名は、今のところ厄介事が舞い込んでくる方に軍配が上がっていた。
良いか悪いか、カズはそこまで気にしてはいない。
舞い込む厄介事をそこまでは思ってなく、対処出来ているから。
元サブ・ギルドマスターをしていたアレナリアだけは、ハイロが自分都合のいいようにカズを使っていると、ホタテ街に居るときから感じていた。
運搬船がアコヤ港を出港して三日、噂の霧も怪魚も現れることなく、今のところは順調と言いたいが、相も変わらずアレナリアは船酔いに苦しむ。
毎日起きたら酔い止め薬を飲むように言うが、苦いからと嫌がり、気持ち悪くなってから薬を飲むという子供のような状態。
他は一緒に依頼を受け運搬船に乗ったヤカが、少し船に弱いようだった。
初日青い顔をしていたので、カズが酔い止め薬を分けていた。
本人曰く、酔い止め薬を買うなら、食事代に使うのだと。
出港した日の夕方頃、深夜の見張りは同性同士でしようと、アスチルが提案をしてきた。
カズはそれで構わないと受け入れた。(若干アレナリアのことが心配ではあったが)
ただレラとビワは低ランクで戦闘は出来ないので、見張りはなしにしてもらうように話した。
アスチルが若干表情を曇らせたが、代わりに食事を提供するとカズが言うと、アスチルが食い気味に「ならいい!」親指を立てて了承した。
今回の運搬依頼に食事が付くと思っていたのか、ヤカとアスチルの二人は食料をあまり用意してなかったと言う。
だが実際は数日分も買っておける懐事情ではなかった。
だからカズが食事を提供するという提案に、考える間もなく返事をしたのだった。
初日の見張りはカズとヤカがすることにした。
どちらも自分から積極的に話す性格ではなかったので、会話もあまりすることなく夜明けを迎えた。
二日目の見張りは女性同士でアレナリアとアスチルの二人がする番だ。
この日は小さな無人の島に停泊して一夜を過ごすことになった。
アレナリアにとっては幸いと、船が着岸すると同時に下船し、夕食も陸で取ろうと言う。
昼間飲んだ酔い止め薬の効果が切れる前に船から降りることができ、何よりも揺れないことが嬉しかったようだ。
夜になりアレナリアはそのまま外で見張り、アスチルが船上で見張りと別れた。
時折アスチルがアレナリアの所に行き、眠気覚ましにと話をしていた。
お互い旅のことや、当たり障りのない内容を話す。
気を許したアスチルは、ヤカとの出会いなんか気軽に話した。
三日の見張りは初日と同じく、男同士でカズとヤカ。
深夜カズの【マップ】にモンスターの反応がちらほらと現れていた。
だが運搬船を狙ってくることなく、近くを通り過ぎるだけ。
場所的に聞いていた怪魚の可能性は高く、この先はよりいっそう注意をすることにした。
そして何事もなく、この日も静かな朝を迎えた。
ただいつもと違ったのは、うっすらと靄がかかっていたこと。
乗組員の話では、朝になるとこの程度の靄はよく出る、問題となってる霧ではないと。
出港してから風が弱く、四日目にしてようやく目的地までの半分が過ぎた。
この日は強い風が吹き、今まで遅れた分を取り戻すべく、帆に多くの風を受け湖上を突き進む。
強い風の影響で波も立ち、船は大きく揺れて、アスチルとヤカの顔色が悪くなり、アレナリアは完全にダウンしている。
それを見たダンベと三人の従業員からは、大きなため息が漏れていた。
大きく揺れる船がこれほど辛いとは思っていなかったらしく、三人はすぐに酔い止め薬を服用した。
ビワは船酔いに強いらしく、意外と平気そうな顔をしていた。
レラの場合は浮かんでいれば影響ないと、船酔いをすることはなかった。
カズも最初は強い揺れにまりそうになったが、暫くすると揺れに対する耐性が付き平気になった。
船酔いで休んでる三人の分もカズが動き、怪力千万の従業員と荷物を船に固定し直す。
小一時間もするとヤカとアスチルが起き上がれるようになり、顔色も少し良くなっていた。
カズはまだ動けないでいるアレナリアの様子を見に行く。
「うぅぅ…うぷ……」
「なっさけないわね。いつもの威勢はどうしたの? ほら見なさいよ、馬だって平気なのよ」
「う、うる…さい……」
「カズさん。薬飲んだのに、アレナリアさんまだ具合が良くならないんです」
「大丈夫…じゃなさそうだな」
「カ…カズぅ……」
「寝た方が少しは楽になるぞ」
「ね…眠くない」
「分かってる。スリープ掛けるぞ。いいか」
「う…うん」
カズは弱っているアレナリアの許可を得て〈スリープ〉を使い眠らせた。
「ねえカズどうするの? このままじゃアレナリアなんの役にも立たないよ」
「ああ、分かってる(これくらいなら付与できる容量はあるだろ)」
カズは《付与》のスキルを使い、アレナリアの腕にあるブレスレットに、自分が得た耐性を追加した。
「何したの?」
「揺れの耐性を得たんでね、アレナリアのブレスレットに付与したんだよ。船に弱いアレナリアに効果があればいいんだけど。俺は荷物が崩れないように見てないとならないから、アレナリアを頼むよビワ。レラも」
「効いてくれないと困る。もうゲロゲロ見たくない」
この日何度もアレナリアが吐いているのを見て、レラは食欲がなくなってしまったらしい。
「ヤカとアスチルは動けるようになったから、船の揺れが落ち着いた頃にまた様子を見に来るから」
アレナリアの世話を引き続きビワとレラに任せて、カズは荷物の見張りに戻った。
そのため今回の依頼内容に運搬船の護衛は入ってない、書類上では。
現地で依頼主から内容を聞き、受けるかどうかを本人達に決めさせるやり方をしたのだった。
もし幽霊船が出る霧の発生条件や、正体を暴くことが出来れば、ギルドから追加報酬が貰える裏の設定があったが、冒険者達はそれを知らない。
知っていたら、不確かな情報をあたかも確実な情報として報告し、不当に追加報酬を得ようとする者もいるからだ。
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だが今回はそれをせず、ハイロがカズにこの運搬依頼をやるように仕向けたのだった。
それを船内で知るのは、運搬責任者のダンベだけ。
カズ達のパーティー名を知っていたのはそのため。
何事もなく無事対岸に着けば、その事を話そうとダンベは決めていた。
何事もなく着けば……。
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情報元はアコヤ街から南に数日行った所にある小さな港町、そこで漁師をしている者達からだった。
数名の漁師が沖合で濃い霧を目撃し、大きな帆船らしき影を見たと証言。
漁師達は霧に気付くと急いでその場から離れ、決して近寄らないようにしたと。
霧と帆船らしき影は、東へと移動したとのことだった。
その港町に冒険者ギルドはなく、今もたらされた情報は三日前の早朝の出来事だった。
当日運搬船はアコヤ港のすぐ近くまで来ていたため、霧と接触することはなかった。
なぜなら霧を見たという情報は、ギルドには届いてないからだ。
漁師達の情報が正しければ、カズ達が乗る運搬船が霧に遭遇する確率は高い。
他の運搬船二隻の遭遇は低い、霧が移動した方角と船の向かった方角が違うからだ。
これでこの問題の対処法が分かればと、ハイロはカズに期待をしていた。
もし解決でもしてくれれば、このキリキリとする胃の痛みが無くなってくれていいのだか、と。
グリズが付けた〝ユウヒの片腕〟というパーティー名は、今のところ厄介事が舞い込んでくる方に軍配が上がっていた。
良いか悪いか、カズはそこまで気にしてはいない。
舞い込む厄介事をそこまでは思ってなく、対処出来ているから。
元サブ・ギルドマスターをしていたアレナリアだけは、ハイロが自分都合のいいようにカズを使っていると、ホタテ街に居るときから感じていた。
運搬船がアコヤ港を出港して三日、噂の霧も怪魚も現れることなく、今のところは順調と言いたいが、相も変わらずアレナリアは船酔いに苦しむ。
毎日起きたら酔い止め薬を飲むように言うが、苦いからと嫌がり、気持ち悪くなってから薬を飲むという子供のような状態。
他は一緒に依頼を受け運搬船に乗ったヤカが、少し船に弱いようだった。
初日青い顔をしていたので、カズが酔い止め薬を分けていた。
本人曰く、酔い止め薬を買うなら、食事代に使うのだと。
出港した日の夕方頃、深夜の見張りは同性同士でしようと、アスチルが提案をしてきた。
カズはそれで構わないと受け入れた。(若干アレナリアのことが心配ではあったが)
ただレラとビワは低ランクで戦闘は出来ないので、見張りはなしにしてもらうように話した。
アスチルが若干表情を曇らせたが、代わりに食事を提供するとカズが言うと、アスチルが食い気味に「ならいい!」親指を立てて了承した。
今回の運搬依頼に食事が付くと思っていたのか、ヤカとアスチルの二人は食料をあまり用意してなかったと言う。
だが実際は数日分も買っておける懐事情ではなかった。
だからカズが食事を提供するという提案に、考える間もなく返事をしたのだった。
初日の見張りはカズとヤカがすることにした。
どちらも自分から積極的に話す性格ではなかったので、会話もあまりすることなく夜明けを迎えた。
二日目の見張りは女性同士でアレナリアとアスチルの二人がする番だ。
この日は小さな無人の島に停泊して一夜を過ごすことになった。
アレナリアにとっては幸いと、船が着岸すると同時に下船し、夕食も陸で取ろうと言う。
昼間飲んだ酔い止め薬の効果が切れる前に船から降りることができ、何よりも揺れないことが嬉しかったようだ。
夜になりアレナリアはそのまま外で見張り、アスチルが船上で見張りと別れた。
時折アスチルがアレナリアの所に行き、眠気覚ましにと話をしていた。
お互い旅のことや、当たり障りのない内容を話す。
気を許したアスチルは、ヤカとの出会いなんか気軽に話した。
三日の見張りは初日と同じく、男同士でカズとヤカ。
深夜カズの【マップ】にモンスターの反応がちらほらと現れていた。
だが運搬船を狙ってくることなく、近くを通り過ぎるだけ。
場所的に聞いていた怪魚の可能性は高く、この先はよりいっそう注意をすることにした。
そして何事もなく、この日も静かな朝を迎えた。
ただいつもと違ったのは、うっすらと靄がかかっていたこと。
乗組員の話では、朝になるとこの程度の靄はよく出る、問題となってる霧ではないと。
出港してから風が弱く、四日目にしてようやく目的地までの半分が過ぎた。
この日は強い風が吹き、今まで遅れた分を取り戻すべく、帆に多くの風を受け湖上を突き進む。
強い風の影響で波も立ち、船は大きく揺れて、アスチルとヤカの顔色が悪くなり、アレナリアは完全にダウンしている。
それを見たダンベと三人の従業員からは、大きなため息が漏れていた。
大きく揺れる船がこれほど辛いとは思っていなかったらしく、三人はすぐに酔い止め薬を服用した。
ビワは船酔いに強いらしく、意外と平気そうな顔をしていた。
レラの場合は浮かんでいれば影響ないと、船酔いをすることはなかった。
カズも最初は強い揺れにまりそうになったが、暫くすると揺れに対する耐性が付き平気になった。
船酔いで休んでる三人の分もカズが動き、怪力千万の従業員と荷物を船に固定し直す。
小一時間もするとヤカとアスチルが起き上がれるようになり、顔色も少し良くなっていた。
カズはまだ動けないでいるアレナリアの様子を見に行く。
「うぅぅ…うぷ……」
「なっさけないわね。いつもの威勢はどうしたの? ほら見なさいよ、馬だって平気なのよ」
「う、うる…さい……」
「カズさん。薬飲んだのに、アレナリアさんまだ具合が良くならないんです」
「大丈夫…じゃなさそうだな」
「カ…カズぅ……」
「寝た方が少しは楽になるぞ」
「ね…眠くない」
「分かってる。スリープ掛けるぞ。いいか」
「う…うん」
カズは弱っているアレナリアの許可を得て〈スリープ〉を使い眠らせた。
「ねえカズどうするの? このままじゃアレナリアなんの役にも立たないよ」
「ああ、分かってる(これくらいなら付与できる容量はあるだろ)」
カズは《付与》のスキルを使い、アレナリアの腕にあるブレスレットに、自分が得た耐性を追加した。
「何したの?」
「揺れの耐性を得たんでね、アレナリアのブレスレットに付与したんだよ。船に弱いアレナリアに効果があればいいんだけど。俺は荷物が崩れないように見てないとならないから、アレナリアを頼むよビワ。レラも」
「効いてくれないと困る。もうゲロゲロ見たくない」
この日何度もアレナリアが吐いているのを見て、レラは食欲がなくなってしまったらしい。
「ヤカとアスチルは動けるようになったから、船の揺れが落ち着いた頃にまた様子を見に来るから」
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